台湾流!満月を愛でる方法とは!?
こんにちは、台北ナビです。
日本に比べて、祝日が圧倒的に少ない台湾。次の祝日は……中秋節です!
日本では「う~さぎうさぎ~~♪」と童謡を歌いながら、ススキを飾りお団子などを食べて月を愛でますよね。台湾では、中秋節は台湾三大節句のひとつで、学校・会社等はお休み!家族揃って盛大にお祝いをする大切な日です。今年は10月1(木)にあたります。翌日の金曜日は振替休日となり、台湾は4連休!台湾におられる方は渋滞等お気を付けくださいね。
今回は台湾でどのように「中秋節」を楽しむかをご紹介したいと思います。
「中秋説」に月を愛でるのはなぜ!?
中秋節は旧暦の8月15日を祝うもので、日本では「十五夜」「中秋の名月」として知られています。というのもこの日の月はほかにくらべてより丸く、明るいのです。そのため「月夕」と呼ぶこともあります。
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写真提供:星巴克咖啡
由来とされるお話はいくつかありますが、ナビが台湾に来てよく聞くのは『嫦娥奔月』の神話伝説。簡単に話すと「嫦娥が夫・后羿の不老不死の薬を飲んで、仙女となり月へのぼった」お話です。
この伝説、実は色々バージョンがあります。「嫦娥が不老不死の薬を盗み飲んで月に行って、カエル(⁉) になった」「民衆から英雄と持ち上げられ、天狗状態になった后羿が不老不死になったらいけないと考えて自分が薬を飲んだ」など……でも、ナビが一番これだろう!と信じているのは、「不老不死の薬を狙う者と対峙し、この者に不老不死の薬をやってはならぬと考えた嫦娥が不老不死の薬を飲み、月へ行ってしまう。これを悲しんだ后羿が嫦娥の愛した庭で、香をたむけ、彼女の好物をお供えし、月を見ながら妻のことを思った」というもの。
きっと離れ離れになった誰かを思い、月を愛でる。これが民間にも伝わって今に至るのだろう。そう信じたいナビであります。
中華菓子のお店は大行列!月餅合戦始まり、始まり~♪
中秋節に送りあうものと言えば「月餅」。老舗中華菓子屋さんには中秋節前になると、行列ができるお店もあります。(台湾みやげの定番、パイナップルケーキを買うのに苦労する時期でもあります!)
また、月餅と言っても、種類は万別です。有名どころのホテルでは見映えも味もいい月餅が大人気!といっても、みんながみんな月餅を送りあっているかと言えば、そうでもありません。お中元的な意味合いもあるので、お世話になっている人々に日頃の感謝を伝えられるものなら何でもOK!なのです。
台湾の食材やスパイスを使ったフランス菓子のセットが斬新! 画像提供:珠寶盒
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4種の廣式月餅が楽しめますよ~! 画像提供:美麗信花園酒店
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では、なぜ中秋節には月餅が送られるのでしょうか?それは、元の時代に遡ります。
元朝の残酷な統治に我慢できなくなった民衆などが各地で抗議を起こしていました。そんな折、朱元璋が各地の反乱軍と一緒になって戦おうと準備を進めていましたが、朝廷官の調査は厳しく、情報伝達がどうしてもうまくいきません。ある日、軍師・劉伯溫が妙策を思いつきます。それは「8月15日の夜に立ち上がろう。この日に皆々は一揆を仕掛けるのだ!」という内容の紙を中華菓子の中に忍ばせ、各地へ伝えたのです。それが功を奏し、瞬く間に元朝を制圧。その後中秋節には月餅が食べられるようになったと言われています。
中秋節はバーベキューが台湾流♪
台湾に来て初めて迎える中秋節。その時教えてもらったのが、台湾では「中秋節=BBQ(バーベキュー)」が一般的だということ。
中秋節前からスーパーにはバーベキューの材料やコンロが売り場の一画を占め、そそくさと買い物する人が目立ち始めます。そして中秋節前後には、店の前や家の前の道路でもさえも、この時期になると肉や魚を焼き出す集団の姿が。日本では見かけない食材が焼かれていたり、さらに食パンを火であぶって焼いた肉をサンドして食べたり…と台湾ならではのバーベキューが見受けられます。
バーベキューのお供はサンドウィッチ用の薄い食パン!これが台湾スタイル♪
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魚がファイヤーー!豪快に楽しみます
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ところで、なぜバーベキューかって?なんでも焼肉のタレかコンロの会社かが一儲けしようと仕掛けた習慣だとか。これがバーベキュー好きの台湾人のハートをがっつり掴んで、定番化しています!
旬の「柚子(文旦)」も食べてみよう
爽やかな甘酸っぱさがたまりませんっ♪
中秋月前後のデザートといえば「柚子(文旦)」!
というのも、「柚」の発音が「佑」と同じだからと言われています。「佑」には家族の無事を祈る意味がありますよ!「有子」という音にも似ていることから、子どもが生まれますようにという願いもあるんです。
しかも中秋節の柚子は旬で、栄養価が高く、おいしい時期なのです。文旦(柚子)と書きますが、日本の文旦(ザボン・ブンタン)とも柚子(ユズ)とも異なる味と見た目のフルーツです。
台湾では大きな文旦をさまざまな方法でカットした後、その皮も有効活用。帽子のように被って遊んだり、形作って乾燥後小物入れにしたり、冷蔵庫の消臭剤として使用します。
ちびっこが柚子の皮で作ったカツラをかぶるのが定番~!
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食べ終わったら小物入れにすることもできますよ~
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地方都市へも出かけてみよう!
中秋節のイベントとして、ナビが真っ先に思いついたのが「金門中秋博状元餅」。今年は9月1日~9月30日に開催されます。
簡単に言えばサイコロ遊びのことで、月餅をかけて遊びます。その月餅につけらる名前は「科挙」の階級名(状元、榜眼、探花、進士、舉人、秀才)。というのも、金門の土地は貧弱で生産できるものもなかったため、昔から多くの人が科挙試験に挑戦し、生活の向上と改善に努めてきたからです。サイコロの目によって、どの階級に合格するか、つまりどの月餅がもらえるかという勝負がつきます。しかも、それがその年科挙に合格するのか(勉強運)を予知し、未来1年間の運勢も占っていたといいます。
ルールの説明は動画を見てみてくださいね!
とは言いながら、家族や友達が一緒にワイワイ楽しく過ごすということが最も大切なことと考えられています。この300年以上も続くお祭りは、2012年に「台灣觀光年曆」にも選ばれ、政府も力を入れています。この時期に金門へ行かれる方は是非お楽しみください!
今年はオンラインで博狀元餅が楽しめます!
2020金門中秋博狀元餅https://www.z-gtech.com.tw/bo_bing2020/オンライン博狀元餅http://kinmen-mooncake.myadam.xyz/Mooncake-Gambling.htm
このほかにも、高雄の美濃に住む客家人は「水鴨公」、宜蘭では「菜餅」、南部では「お餅」や「火鍋」を食べる風習があるのだとか。ナビはまだ体験したことがないので、知っている方がいらっしゃったら、教えてください!
また今年の新北市は中秋節に三大イベントを開催しますよ~!台湾におられる方は是非足をお運びください。
①幾米「向月亮許願」@新店碧潭
9/28~12/31(ライトアップ18:00~22:00)
台湾の人気絵本作家「幾米(Jimmy)」のインスタレーションを碧潭に浮かべます!
『向月亮許願(月に願う)』という名前を付けられたオブジェは、ケーキの上にお月様がのかっていてキュートですよ~!
②「新北點燈 向世界報平安」@菁桐
10/1~11/30
菁桐エリアに光り輝くインスタレーションを設置します!場所は「菁桐駅」から「石底大斜坑」のエリア(煤礦區、菁桐老街など)。ノスタルジーな雰囲気と現代アートの融合を楽しめます。
煤礦區「月亮公園」
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石底大斜坑「夢幻銀河」
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菁桐車站向かい「璀璨玫瑰」
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画像提供:新北市政府觀光旅遊局 |
③「來新北 音樂盒・野餐」@三重新北大都會公園10/4 広々とした公園で昼はピクニック、夜は野外コンサート(無料)が楽しめますよ~!
詳しくはウェブサイトおよびFacebookをご覧ください!
「新北市觀光旅遊網」
https://tour.ntpc.gov.tw/「 新北旅客Facebook」
http://www.facebook.com/ntctour
日本と台湾、所違えば全く過ごし方の異なる中秋節。しかし、美しい満月を大切な人々と眺める時間はかけがいのないものです!日本で、台湾で、楽しい1日をお過ごしください!中秋節快樂~♪
以上、台北ナビがお届けしました。