中秋節の由来、月餅や文旦(柚子)を食べてバーベキューをする理由など……台湾流の満月の愛で方を大指南♡
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こんにちは、台北ナビです。
日本に比べて、祝日が圧倒的に少ない台湾。次の祝日は……中秋節です!
日本では「う~さぎうさぎ~~♪」と童謡を歌いながら、ススキを飾りお団子などを食べて月を愛でますよね。台湾では、中秋節は台湾三大節句のひとつで、学校・会社等はお休み!家族揃って盛大にお祝いをする大切な日です。
2025年は10月6日(月)にあたります。というわけで、台湾は3連休!道路、新幹線、在来線などは渋滞等が予想されますので、台湾におられる方はお気を付けくださいね。
電車などの予約はお早めに!
今回は台湾でどのように「中秋節」を楽しむかをご紹介したいと思います。
<目次>
・「中秋節」を祝う由来
・台北の人気「月餅」店3選「佳徳糕餅」「犁記餅店」「李製餅家」+今の台湾での流行り
・「中秋節」に「月餅」を送りあう理由
・台湾の「中秋節」の慣習といえば……バーベキュー!
・「中秋節」には縁起物でおいしい「柚子(文旦)」を食べよう♡
・台湾の地方都市で楽しむ「中秋節」
「中秋節」に月を愛でるのはなぜ?!「中秋節」を祝う由来とは?
中秋節は旧暦の8月15日を祝うもので、日本では「十五夜」「中秋の名月」として知られています。というのもこの日の月はほかにくらべてより丸く、明るいのです。そのため「月夕」と呼ぶこともあります。
スタバでは中秋節のタンブラーやマグカップを販売中!人気商品はすぐ売り切れるので、見かけたら即ゲット!
写真提供:星巴克咖啡
由来とされるお話はいくつかありますが、ナビが台湾に来てよく聞くのは『嫦娥奔月』の神話伝説。
簡単に話すと「嫦娥が夫・后羿の不老不死の薬を飲んで、仙女となり月へのぼった」お話です。
この伝説、実は色々バージョンがあります。「嫦娥が不老不死の薬を盗み飲んで月に行って、カエル(⁉) になった」「民衆から英雄と持ち上げられ、天狗状態になった后羿が不老不死になったらいけないと考えて自分が薬を飲んだ」など……。
辻利茶舗の中秋節セットがかわいすぎた件!
画像提供:辻利茶舗
ただ、ナビが一番これだろう!と信じているのは、「不老不死の薬を狙う者と対峙し、この者に不老不死の薬をやってはならぬと考えた嫦娥が不老不死の薬を飲み、月へ行ってしまう。これを悲しんだ后羿が嫦娥の愛した庭で、香をたむけ、彼女の好物をお供えし、月を見ながら妻のことを思った」というもの。
きっと離れ離れになった誰かを思い、月を愛でる。これが民間にも伝わって今に至るのだろう。そう信じたいナビであります。
台北の人気「月餅」店3選「佳徳糕餅」「犁記餅店」「李製餅家」+今の台湾での流行り
中秋節に送りあうものと言えば「月餅」。老舗中華菓子屋さんには中秋節前になると、行列ができるお店もあります。
台北で人気の月餅といえば、「佳徳糕餅」「犁記餅店」「李製餅家」の3軒。新北市の板橋にある「小潘蛋糕坊」のパイナップルケーキも人気です。2024年の「小潘蛋糕坊」は売れすぎて、中秋節の1週間前に販売を終えてしまったほどです。
<裏技>
この時期は、台湾みやげの定番、パイナップルケーキを買うのにも苦労します。なんですが、実は「佳徳糕餅」や「小潘蛋糕坊」などのパイナップルケーキはコンビニで売られているんです。
特に松山空港1階のコンビニでは箱入りのものがたくさん売られているので、ここでゲットするのもひとつの手ですよ。
毎年美しさとおいしさが共存している月餅が素敵な「台北晶華酒店(リージェント台北)」
画像提供:台北晶華酒店
また、月餅と言っても、種類は万別です。有名どころのホテルでは見映えも味もいい月餅が大人気!
画像提供:JR東日本大飯店
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画像提供:台北福華大飯店
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どこで買おうか迷ったらホテルの月餅がおすすめ! |
そして、近年蛋黃酥がかなり流行っていて、色んなところから蛋黃酥を販売中です。食べ比べするのも楽しそうですが、人気店は早々に売り切れていることも!
若者に人気なのは、香港発祥と言われる奶黃月餅。奶皇月餅、流心月餅、流沙月餅とも呼ばれます。餡に鹹蛋黃とカスタードが使われているのが特徴で、中の餡がとろけだすものもあります。
といっても、みんながみんな月餅を送りあっているかと言えば、そうでもありません。お中元的な意味合いもあるので、お世話になっている人々に日頃の感謝を伝えられるものなら何でもOK!なのです。
日本のスタバでは販売していない限定月餅などはお土産にピッタリ!一部商品はすでに売り切れているほど人気です。
写真提供:写真提供:星巴克咖啡
「中秋節」に「月餅」を送りあう理由を知っていますか?
では、なぜ中秋節には月餅が送られるのでしょうか?それは、元の時代に遡ります。
元朝の残酷な統治に我慢できなくなった民衆などが各地で抗議を起こしていました。そんな折、朱元璋が各地の反乱軍と一緒になって戦おうと準備を進めていましたが、朝廷官の調査は厳しく、情報伝達がどうしてもうまくいきません。ある日、軍師・劉伯溫が妙策を思いつきます。それは「8月15日の夜に立ち上がろう。この日に皆々は一揆を仕掛けるのだ!」という内容の紙を中華菓子の中に忍ばせ、各地へ伝えたのです。それが功を奏し、瞬く間に元朝を制圧。その後中秋節には月餅が食べられるようになったと言われています。
台湾の「中秋節」の慣習といえば……バーベキュー!
台湾に来て初めて迎える中秋節。その時教えてもらったのが、台湾では「中秋節=BBQ(バーベキュー)」が一般的だということ。
中秋節前からスーパーにはバーベキューの材料やコンロが売り場の一画を占め、そそくさと買い物する人が目立ち始めます。そして中秋節前後には、店の前や家の前の道路でもさえも、この時期になると肉や魚を焼き出す集団の姿が。日本では見かけない食材が焼かれていたり、さらに食パンを火であぶって焼いた肉をサンドして食べたり…と台湾ならではのバーベキューが見受けられます。
バーベキューのお供はサンドウィッチ用の薄い食パン!これが台湾スタイル♪
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魚がファイヤーー!豪快に楽しみます
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ところで、なぜバーベキューかって?なんでも焼肉のタレかコンロの会社かが一儲けしようと仕掛けた習慣だとか。これがバーベキュー好きの台湾人のハートをがっつり掴んで、定番化しています!
「中秋節」には縁起物でおいしい「柚子(文旦)」を食べよう♡
爽やかな甘酸っぱさがたまりませんっ♪
中秋月前後のデザートといえば「柚子(文旦)」!
というのも、「柚」の発音が「佑」と同じだからと言われています。「佑」には家族の無事を祈る意味がありますよ!「有子」という音にも似ていることから、子どもが生まれますようにという願いもあるんです。
しかも中秋節の柚子は旬で、栄養価が高く、おいしい時期なのです。文旦(柚子)と書きますが、日本の文旦(ザボン・ブンタン)とも柚子(ユズ)とも異なる味と見た目のフルーツです。
今年も台北ナビでは「柚子(文旦)」の日本への宅配サービスを取り扱いました!たくさんのご注文ありがとうございます!
台湾では大きな文旦をさまざまな方法でカットした後、その皮も有効活用。帽子のように被って遊んだり、形作って乾燥後小物入れにしたり、冷蔵庫の消臭剤として使用します。
ちびっこが柚子の皮で作ったカツラをかぶるのが定番~!
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食べ終わったら小物入れにすることもできますよ~
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台湾の地方都市で楽しむ「中秋節」
中秋節のイベントとして、ナビが真っ先に思いついたのが「金門中秋博状元餅」。
簡単に言えばサイコロ遊びのことで、月餅をかけて遊びます。
その月餅につけらる名前は「科挙」の階級名(状元、榜眼、探花、進士、舉人、秀才)。というのも、金門の土地は貧弱で生産できるものもなかったため、昔から多くの人が科挙試験に挑戦し、生活の向上と改善に努めてきたからです。サイコロの目によって、どの階級に合格するか、つまりどの月餅がもらえるかという勝負がつきます。
しかも、それがその年科挙に合格するのか(勉強運)を予知し、未来1年間の運勢も占っていたといいます。
ルールの説明は動画を見てみてくださいね!
とは言いながら、家族や友達が一緒にワイワイ楽しく過ごすということが最も大切なことと考えられています。この300年以上も続くお祭りは、2012年に「台灣觀光年曆」にも選ばれ、政府も力を入れています。この時期に金門へ行かれる方は是非お楽しみください!
金門中秋博狀元餅紹介https://kinmen.travel/bobing/
このほかにも、高雄の美濃に住む客家人は「水鴨公」、宜蘭では「菜餅」、南部では「お餅」や「火鍋」を食べる風習があるのだとか。ナビはまだ体験したことがないので、知っている方がいらっしゃったら、教えてください!
日本と台湾、所違えば全く過ごし方の異なる中秋節。しかし、美しい満月を大切な人々と眺める時間はかけがいのないものです!日本で、台湾で、楽しい1日をお過ごしください!中秋節快樂~♪
以上、台北ナビがお届けしました。