台鉄管理時代の旧新北投駅舎が、彰化県の台湾民俗村から帰郷!
日本統治時代の木造建築である旧新北投駅舎が20年の時を経て新北投に甦りました。台湾民俗村からの返還移設に際して、1916年開業時の姿に近づけるよう美しく復元されています
甦った台鉄の蒸機第二弾,CK124が山海線で復活運転!
JR北海道“冬の湿原号”との姉妹列車提携締結5周年を祝し、CK124蒸機牽引の復活運転列車が山海線で運行されました。ヘッドマークに日本らしさが漂います
台鉄が所有する蒸気機関車CK124とJR北海道が運行するC11 71で牽引する“冬の湿原号” が、2012年の姉妹列車提携締結から今年で5周年を迎えました。台鉄ではこれを記念し、3月25日にCK124牽引の“春之列車山海一日遊(春の山海一日遊び列車)”と称する復活運転イベントを開催しました。
列車はブルーに白帯の非冷房普通客車を牽引し、山海線の美しい景色を走り、苗栗鉄道車輛公園や去年10月16日開通の台中市内の鉄道高架区間も楽めるため、多くの利用客で賑わいました。また青い補機のR40にも熱い視線が注がれました。
台鉄における蒸機復活運転はCK101が最初で、CK124は2番目。イベントで披露される機会も多いため、ファンの間で“懐かしの蒸機”といえばCK124が代名詞でした。
鉄道CK124は最盛期に7輛在籍したCK120型(212~127)の1輌で、日本統治時代に台湾総督府鉄道部が集集線で使用するため就役。当初の形式はC12型で、戦後国民党政府の台湾接収後に改称されました。西部幹線電化後に全車が廃車され、淡水線新北投駅に動態保存された124以外の6輛は解体となりました。淡水線が台北MRTになった後、台鉄員工訓練中心(台鉄社員研修センター)に移されて現在に至ります。
R40とのプッシュプルで走るCK124。牽引するのは爽やかなブルーに白帯を巻いた5輛編成の客車
出庫前の整備を終え、スタンバイ中のCK124。車号プレートやロッドの赤色がとても鮮やか
会見終了後、各職場を精力的に視察する総統、今後の台湾の経済発展の鍵を握る台車、笑顔で接する幹部陣との握手にも力がこもります
2017年3月13日、蔡英文総統が台灣車輛股有限公司(以下、台車)を視察訪問しました。新竹県湖口郷に本社を置く台車は、国内唯一の鉄道車輛製造メーカーで、国家元首の訪問は今回が初めて。蔡総統は会見の席で「台車の成長は周辺の産業の振興と雇用促進をもたらし、ひいては台湾経済の活性化につながる」と述べました。台湾は第二次世界大戦後、高速道路の整備を優先して進めたため、鉄道に関してはいささか遅れをとっていたと言わざるを得ず、今から21年前にようやく台湾史上初のMRT(台北MRT木柵線,現・文山線)を開通させたほど。その現況は、先進主要国と比べるとまだまだ発展の余地が残されています。
視察の締めくくりは、台新車の匂いや座席の掛け心地を堪能する蔡総統.自国で内製された車輛に感慨もひとしお
台車の董事長である蔡煌瑯氏は、「鉄道産業は台湾と世界を発展させる可能性を秘めた産業で、政府は“国車国造”政策(台湾を走る鉄道車輛は、国内の企業が内製する)を強く後押ししてほしい」と力説しました。これに対し蔡総統は、「台車は台湾の産業発展の柱として、大きな責任を担っているのは充分理解している。政府は今後も強力な支援をしていく」と前向きに回答。
台車は2002年10月、日本の住友商事と日本車輌、台湾の中國鋼鐵と唐榮鐵工の4社による共同出資で設立されました。オールステンレス車輛の製造ラインを有し、これまでに台灣鐵路管理局(以下、台鉄)のEMU700型をはじめ、EMU800型や台北MRT蘆洲線、信義線、松山線、桃園機場MRT用車輛など、製造実績
は784輛に及びます。現在は新北政府主体で建設中の淡海LRT用車輛の新造を担当し、すでに4月から入念な運行試験が行われています。このほか川崎重工で製造された台中MRT緑線用の車輛、および日立レールイタリア製の新北市環状線用車輛の艤装など、最終的な仕上げ作業まで幅広く手掛けています。