2016年、台湾では新しい年の始まりです
こんにちは、台北ナビです。
小正月の元宵節も終わりましたが、ランタン祭りは続いているので、巷ではいまだ旧正月気分です。
今年の旧正月には除夕(おみそか)の前日、震度6,4の地震が台湾南部を襲い、台南では大きな被害が出ました。新しい年を迎え、楽しいはずの旧正月が、特に台南の人たちにとっては悲しく辛い記憶となってしまいました。そして、ちょうど地震の遭った日の朝、たくさんの人たちが春節休暇で中南部へ帰郷するため、高鉄「台北」駅にはいつもの倍以上の乗客たちがいました。休みを楽しみに早くから切符を購入していた人たちも多かったでしょう。高鉄は、台中以南は全面ストップ、午後になって嘉義まで動いたかと思うと再び停止。急いでいた人も多かったと思われます。台鉄も急きょ増便などを行い、除夕(大みそか)の家族団らんには、ぎりぎり間に合った人もいらっしゃるでしょう。今回「とれいん 495号」は4ページで、新年の挨拶や206南台湾大地震につぃても掲載しています。
台灣高速鐵路「南港」駅に700T型が初乗り入れ
2016年1月26日、延伸建設中の台灣高速鐵路(以下“高鉄”)「南港」駅に700T型電車が乗り入れました。この大きな節目を祝うため、電気システムを請け負う三菱重工業株式会社と株式会社東芝による台湾高速鉄道プロジェクト(MitsubishiToshiba Shinkansen Co.)は、「南港」駅コンコースにて記念式典を行いました。
高鉄「南港」駅と台鉄「南港」駅は共同使用駅で、地下1階は高鉄のプラットフォーム、地下2階はコンコース、台鉄のプラットフォームは、地下3階に位置し、地下1階の高鉄部分の配置は、3面6線となっています。
高鉄「台北」駅はスペースが狭く、拡張できないため、別に南港に整備し、管理用の駅を建設しなければなりませんでした。査定後、「南港」駅をターミナル駅に昇格させることになり、「南港」駅は「板橋」駅と共に台北駅に集中する旅客を円滑に振り分けるハブステーションの1つとなります。
「南港」駅の工事はほぼ完了していて、現在システム整合性テストが行われています。テストが終われば、交通部による現地調査が行われ、審査に通れば正式開業となります。将来「南港」駅は台鉄、高鉄、捷運(MRT)の三線共同使用駅となり、地上にはバスターミナルが設置され、台北市東区の新しい玄関口となります。
開通を控えたピカピカの南港駅。
3面6線というゆったりとした配置。将来この駅が高鉄の起点駅となります
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関係者により鏡開きが行われました
(撮影:交通部台灣鐵路管理局)
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写真提供:邱浚嘉(特記以外)
2016鉄道輸送及び都市発展フォーラムが開催されした
桃園機場捷運(以下、桃園MRT)は、将来の桃園地域の鉄道輸送システムと長期計画に役立てるという主旨で、ホテルオーチャードパーク(桃禧航空城酒店)にて、台湾国内外の鉄道輸送専門家や経営陣を招いて“2016鉄道輸送及び都市発展フォーラム”を1月21日から2日間開催しました。
鄭文燦桃園市長は冒頭の挨拶で、「将来の桃園地域はインテリジェント化した鉄道輸送都市に向かって発展していく」と力強く語りました。今年まもなく開通予定の桃園MRT(台北駅空港第二ターミナル)及び藍線(空港第二ターミナル-中環北)は桃園初のMRTシステムであるため、台湾の玄関口となります。鄭市長は、「安全に憂いのないようシステムを安定させる」ことを成し遂げるよう指示していますとのこと。市内の連続立体交差事業、捷運(MRT)緑線、棕線建設も積極的に推し進め、年内には次々と着工し、桃園地域の発展を計画的に進めていく予定です。
写真提供:邱浚嘉
台湾の鉄道各社より本誌読者へ春節のご挨拶
年々台湾を訪れる日本人が増え、両国のファン同士の交流も活発になっています。鉄道ファンならずとも、台湾を訪れる日本人の多くが鉄道を利用します。その感謝の気持ちを込めつつ、台湾の鉄道各社が本誌読者に向けて新年(春節)の挨拶を寄せてくださいました。ここにまとめてご紹介しましょう。
月刊『とれいん』の読者の皆様へ
台湾は旧暦のお正月を迎えました。あけましておめでとうございます。みなさんのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
台北捷運(MRT)より新年のご挨拶を申し上げます。
幸せな都市台北には、多くの美しいスポットや数え切れないグルメがあります.台北捷運(MRT)に乗って1つ1つ訪れ、寒い冬に台北の特別な温かさを感じてください!台北捷運(MRT)では、便利でお得な様々な乗車券を発売しております。捷運に乗って美しい淡水の夕日を見ます。北投で温泉に入ります。東門駅で有名な小籠包を味わいます。五分埔に行ってオシャレでお買い得な服を買います。台北のランドマークである台北101ビルを見学したりなどなど.
この他にも“猫空ロープウェイ”に乗って、猫空で有名な鉄観音茶を飲みながら、夜景を楽しむこともできます。旅行とは、このような素晴らしい思い出を作ることなのです。台北,この魅力溢れる都市が皆様に忘れがたい旅を演出してくれることでしょう!
新年おめでとうございます。新しい年が皆様にとって素晴らしくありますよう、ご健康とご多幸を心からお祈り申し上げます。
新年おめでとうございます。2014年、高雄の美麗島駅は、国際的に有名なニュースサイトである“PolicyMic”が発表した“ニューヨーカーが夢見る世界で、最も美しい8つの地下鉄駅”で第2位に選ばれました。是非、訪台のうえご覧ください。
年頭にあたり、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。本年桃園空港捷運(MRT)は新しい節目に入りました。全社一丸となって努力し、大きな一歩を共に踏み出して参ります。
台湾ご訪問の際は是非ご乗車ください。
桃園大衆捷運股●有限公司
総経理陳凱凌
阿里山森林鐵路祝山線開通30週年記念
阿里山森林鐵路管理処は、祝山線開通30周年を記念し、1月13日に祝山駅でイベントを行いました。その名も“祝30年・祝山の大事業”。
式典ではDLが汽笛を鳴らしたほか、阿里山の地元学校によるパフォーマンスも行われました。この他、同日午前8時から北門駅と阿里山駅では、30周年記念乗車券がそれぞれ500セット販売され、発売後30分で完売となりました。
以前祝山の道路には、営業許可を得ていないバス(野鶏車)がはびこっており、沿線は日の出を見るための車で大混乱に陥っていました。
林務局はこの問題を根本的に解決するために、林道を封鎖し、祝山線を建設することを決定。1986年1月13日に全線が開通しました。沼平駅(旧阿里山駅)を出発し、分岐駅である眠月線十字分道駅を経由して祝山へ向かい、途中には對高岳駅(無人駅)が設置されていましたが、現在はこの駅には停車しません。祝山駅は、標高2451メートルの場所にあり、台湾最高地点の鉄道駅です。
さて余談ですが、林務局は2013年から阿里山森林鉄道の業務(阿里山本線,水山線、眠月線、祝山線を含む)を台灣鐵路局との共同運営とし、同年には“台鐵阿里山森林鉄路管理處準備處”を設立し,業務の引継ぎが行われました。2014年には、“台鐵阿里山森林鉄路管理處”が正式に設立。2016年度には、林務局から全線台鉄に経営が引き継がれる見込みとなっています。
※注意:現在阿里山本線は嘉義から奮起湖の区間のみの運行で,実際の移管日は、阿里山本線の全線開通以降となります。
祝山には今年初となる雪が降りました (この写真は1月25日撮影)
30周年記念行事が祝山線、祝山駅で行われました
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30周年記念列車用の乗車券はとてもカラフル
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阿里山駅から祝山駅までの100元の片道記念切符
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祝山駅から對高岳駅までの50元の片道記念切符
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写真提供:交通部台灣鐵路管理局・阿里山森林鐵路管理處
台灣鐵路太魯閣(タロコ)号増備車台湾に到着
台湾の行政院は、2014年に台灣鐵路管理局(台鉄)が普悠瑪(プユマ)号及び太魯閣(タロコ)号各2列車計32輛を購入することを承認しました。
昨年12月24日に普悠瑪号用TEMU2000型、2列車が台湾に到着しました。追加増備となった太魯閣号用TEMU1000型は前回同様、日立製作所笠戸工場により製造され、増備第一列車8輛は1月8日に下松港から船積みされ、12日に台中港5A埠頭に到着しました。同月15日から試運転が開始され、3月以降営業運転を始める見込み。また増備第二列車は、2月中に台湾に到着する予定です。
太魯閣号は、2006年にJR九州885系電車を基本とし、台鉄の要望に従って開発されたもので、増備前で全6編成48輛、今回の増備で8編成64輛にまで増加します。
太魯閣号の増備車は人体工学の考えに基づいて設計するという座席のデザインに多少の変更がある以外は、これまでとほぼ同じ。また、増備車の到着に合わせて、サンリオのハローキティを車体に描いたものが運行予定で、期待を集めています。
陸揚げののち、台車を履いて回送される増備車
台中港で陸揚げされた増備車
台中港(貨)-台中港増備車に施された新年ラッピング
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“Taroko”の上に“2016”
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写真提供:邱浚嘉
台湾南部をM6.4の地震が襲う
春節(旧暦の正月)を控えた2月6日の未明、台湾南部の高雄市を震源とするマグニチュード6.4の大地震が発生しました。人口200万人近くを擁する台南市では11軒の建物が倒壊したり、傾いたりしました。
特に犠牲者を多く出したのは、築20年を過ぎた16F建てのビル。完全に倒壊してしまい多くの犠牲者を生んでしまいました。犠牲者は依然として増える模様である(2月10日現在)、このビルは建築時の施工業者の手抜き工事があり、そして後に構造壁や柱を間引いたリフォームにも発覚しています。
社会問題にまで発展しつつある今回の地震、被災者のこと考えると東日本大震災でどの国よりも多くの義捐金を頂いた我々日本人としてはとても心配です。
現在YAHOO! JAPANネット募金では台湾南部地震緊急支援募金として募金を集めています。これは募金をするとその同額がYAHOO!JAPANからも行われるもので,すでに1億円以上が集まっています。家を失った方、家族を失った方、また地域の復興のため1円でも多くの寄付をお願いしたい次第です。
文:なんこう 写真:邱浚嘉
上記の内容は月刊誌「とれいん」にも掲載されています。
毎月20日発売! 定価:本体1,435円+税
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2016-02-23