桃園空港MRTもいよいよ開通?新しいローカル線、深澳線や淡海ライトレールにも注目!
こんにちは、台北ナビです。開通する、開通すると言いながらなかなか開通しない桃園空港MRT。
でもいよいよ来年(2017年)には開通となるようです。でもさんざん待たされたので、本当に開通するのか、まだちょっと心配ですが・・・また、新たなライトレールも台湾に誕生?また新たなローカル線、深澳線の延伸も、ローカル線好きの鉄道ファンには気になります。平渓線からも近いし、ついでによってみるのもいいかも?
桃園市議会、桃園空港捷運(MRT)システムを視察
桃園空港MRT(捷運)は、早ければ2017年上半期の開業を予定しています。このたび桃園市議会の邱奕勝議長は11月2日、40数名の議員と鄭文燦桃園市長および桃園捷運公司と関連会社とともに視察に訪れ、桃園空港MRTに乗って、領航駅(A17)から台北駅(A1)まで向かいました。またチャイナエアライン及びエバー航空もグランドスタッフを派遣し、台北駅でチェックインサービス及び受託手荷物の手続きの予行演習を行いました。
桃園市初のMRTに対し、鄭文燦市長は「開通はいつまでに完成させなければならないということはなく、全て安全が優先である」と挨拶しました。11月15日、交通部(日本の国土交通省にあたる)の王國材政務次長は、現在の空港MRTの走行試験における信頼度は、この一ヶ月で全て99%に達しており、列車の遅延も徐々に減少してきていると述べました。空港MRT開通前の独立検証(IV&V)はRICARDO社に委託され、現在も検証は行われています。このまま進めば交通部及び桃園市政府による第一段階の最終検査が行われ、欠陥が改善され、交通部のチェックを経て、早ければ2017年2月から3月に開業となる予定です。もし開通すれば、陸の孤島と言われた桃園国際空港が、鉄道で台北市内と結ばれることになります。
淡海軽軌(ライトレール)「行武者号」初の列車が製造完了
デザイン、製造から組み立てまで、一貫して台湾で行われた純台湾製のライトレール、淡海軽軌用列車の一本目が製造完了しました。11月16日には朱立倫新北市長及び台湾車輛の蔡煌瑯董事長が共同で除幕式に参加しました。以前、台湾中山科学研究院でも2種類のライトレール用列車を試作したことがありましたが、営業運転、までには至らず、このため淡海軽軌列車は営業運転を行う初の台湾製のライトレール用列車となります。
淡海軽軌は2段階に分かれて工事が行われています。第一段階は緑山線(紅樹林駅(台北MRTと接続)から崁頂駅まで)と藍海線(浜海沙崙駅から淡水漁人碼頭駅まで)の2路線。駅の数は14カ所、全長距離9.44キロ。軌道は台鉄の専用道と併用軌道が混合する路線と似た形となります。架線の電圧は750Vで、ゲージは1435mm(日本の新幹線と同じ)、営業最高速度は70キロ。システム一本化のため、淡海軽軌の入札時に、新北市の他の軽軌システムにも拡充される旨の条款が含まれています。これは今後、車両の規格の違いが発生し、運行やメンテナンス、備品購入などに影響が出ることを避け、費用を節約するためです。
朱立倫新北市長は「淡海軽軌が台湾初の列車の製造を完了させるという歴史的瞬間は、軽軌工事において画期的な出来事である」と述べました。一番目の列車は2017年3月に走行試験を行い、同年8月までに全部で15本の列車製造を完了させ、2018年末には全線の工事が終了する予定です。台湾車輛の蔡煌瑯董事長も今後も台湾製列車の製造を推進し、2025年までには列車の部品の自給率を50%まで高め、1万人の雇用機会を創出すると語りました。
※写真提供:邱浚嘉、新北市捷運局
深澳線八斗子駅が復活
一度は廃線となりながら2014年、東部幹線の「瑞芳」駅と海洋科技博物館を結ぶ路線として一部が復活した深澳線。もとの計画では現在の海洋科技博物館駅までの予定でしたが、トンネルに隔てられた先にある旧・八斗子駅の美しい北海岸風景がマスコミで脚光を浴び、台鉄当局も深澳線を旧・八斗子駅まで延伸、あらたな深澳線の終点とすることを決定。八斗子駅の復活を進め、2016年12月から営業運転を開始することになりました。
観光客が美しい海を眺めることができるよう、台鉄当局は線路の海測に新しいプラットフォームを建設。あわせて旧プラットフォームの整備も行います。旧・八斗子駅はかつて無人駅でしたが、新しい「八斗子」駅ではICカード乗車券(悠遊カード、iPassカード(一卡通)、iCashカード、HappyCashカード)も使用できるように環境を整備する予定です。
深澳線は八斗子の北部にある深澳火力発電所の石炭輸送を目的に開通した路線。深澳火力発電所が業務を開始してからは深澳まで路線を延伸し、最盛期はその先の濂洞まで運行していました。しかし深澳駅から先の路線はその存在価値を失い、1989年には貨物及び旅客の取り扱いを中止。続いて瑞芳駅から深澳駅の路線も2007年に石炭輸送の任務を終え、2014年に海洋科技博物館駅が新設され、一部路線が復活するまで廃線となっていました。
※写真提供:邱浚嘉、林志明、台湾鉄路管理局
台中ユニオン・ステーション計画が審査通過、台中バスターミナルが開業
台中の鉄道高架化工事の第一段階が10月16日に完成し、第2段階も2018年末に終了する見込みです。旧・台中駅は老朽化が進み、ターミナルとする中心地が不足しているため、台中市都市発展局は「ユニオン・ステーション特定地域計画」を打ち出し、計画は内政部(日本の総務省にあたる)による審査を通過しました。台中市政府は鉄道の高架路線開通を契機に台鉄当局、国防部などの公的機関と共同し、台中駅周辺にありながら土地利用が低密度な公有地を使い、台中駅をユニオン・ステーション発展の中心とする予定です。
台中ユニオン・ステーション計画では、廃線跡のスペースを利用し、沿線の観光スポットをつなげた緑の歩道「緑空鉄道軸線」や旧・台中駅と付属する建築物を利用した「鉄道文化博物館」、および台鉄、市内バス、長距離バス、LRT(ライトレール)の駅を合わせた「台中ユニオン・ステーション」が含まれています。新しい台中駅を中心に、緑の歩道とユニオン・ステーションを2つの拠点とし、台鉄「台中」駅周辺の観光スポットとターミナル施設をつなげることを目標にしています。台中市政府は台中ユニオン・ステーション計画により、衰退する中区の再活性化につなげたい考えです。
台中の鉄道高架路線が開通後、駅エリアの新開発のため、旧国光客運の台中バスターミナル及び台中客運のバスターミナルは撤去され、国光客運の全路線および台中客運の高速バスは、新しい「台中」駅そばにある臨時の台中バスターミナルに移転となります(2016年11月29日に移転)。今後3~5年を目途に、台中ユニオン・ステーション計画に合わせて建設される新しい長距離バスターミナルに移転する見込みです。
台中・鉄道高架化の様子は、以下の記事にも掲載中!
<台中バスターミナル 移転路線>
国光客運
1806 台中-基隆
1826 台中-水湳-台北
1827 台中-朝馬-台北
1851 台中-水湳-板橋
1852 台中-水湳-板橋
1860 台中-桃園空港
1861 台中-桃園
1863 台中-中壢
1866 台中-新竹
1870 台中-嘉義
1871 台中-台南
1872 台中-高雄
1873 台中-屏東
台中客運
6187 台中-嘉義
6188 台中-竹山
9010 台中-新竹(新竹客運共同運行)
9012 台中-台北(大有巴士共同運行)
9015 台中-北港(台西客運共同運行)
9016 台中-台西(台西客運共同運行)
※写真提供:邱浚嘉
上記の内容は月刊誌「とれいん」にも掲載されています。
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月刊とれいん WEBサイト
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2016-12-30