今月も台鉄ニュース!桃園空港MRTも待ち遠しいです
こんにちは、台北ナビです。
最近台鉄の切符を買おうと思い、ホームページを開けたら、すっきりとしたデザインとなり、見やすくなっているのを発見。しかも日本語です。
これは、便利ですね~。
台鉄 台中駅開業111周年
2016年5月15日、台灣鐵路管理局(台鉄)台中駅は、開業111周年を迎えました。同日午前9時より、記念イベントが盛大に催されました。
メインイベントには、彰化扇形車庫に保存されているDT668及びCK124蒸気機関車を特別に入線。汽笛を鳴らして111周年を祝いました。台中駅は日露戦争で、バルチック艦隊が北上する脅威にさらされていた1905年の5月15日に開業。台湾縦貫鉄道の北への連絡を急ぐ必要に迫られた直中で開業しました。台中駅の初代駅舎は木造建築で、長谷川謹介鉄道部長の“速成延長主義”の賜物です。また1908年10月24日には、縱貫鉄道全線開通のセレモニーが台中公園で行われています。
東京駅丸の内口駅舎を手がけた辰野金吾の流れを汲む、いわゆる「辰野式」のスタイルの駅舎は1917年に完成。その後1950年に待合室と応接室部分が設置されました。そして1995年、内政部による国家二級古跡指定を経て、現在に至ります。台中駅は台中の玄関口であり、かつ最も大切な存在といえます。
現在行われている豊原-大慶区間の鉄道高架化工事に伴い、新台中駅は北側の元・台中機関庫跡地に移設となっています。現在の駅舎はそのまま残され、出入口は一箇所のみ引き続き使用され、旧駅エリアでは、第一プラットフォーム及び20号倉庫も残される予定です。台中市政府は、鉄道文化園区の設置を計画しており、新しい文化的な観光スポットを造り上げようとしています。
高架化工事は第一段階として、2016年中に豊原-大慶間が完了する見込みです。
R40先頭の蒸機2輛が煙を吐きながら台中を発車
1905年に竣工した初代台中駅舎をバックに構内に佇むタンクロコ
|
|
1917年の開業当時の台中駅
|
現在の台中駅全景。画面左上は高架化工事たけなわ。趣のある古い駅舎と近代的な周囲の風景とのアンバランスな印象は、まるで東京駅のよう
台中駅の高架化工事の進捗状況を間近に見る
|
|
ありし日の台中機関庫
|
写真提供:林志明・邱浚嘉・揚庭硯 取材協力:交通部鉄路改建工程局中部工程処
桃園空港MRT(捷運)防災訓練実施
2014年5月21日、台北MRT(捷運)板南線で無差別殺人事件が発生し4人が死亡。22人が重軽傷を負いました。事態を重くみた桃園市警察局は、桃園大捷運(以下桃園空港MRT)で類似する事件発生を防ぐため、消防と合同でまもなく開通予定の桃園空港MRT“A12機場第一ターミナル駅”にて防犯訓練を行いました。
そのシナリオは、犯人がスーツケースの中に隠した爆弾を発見された直後、ランダムに4人の乗客を切りつけ、傘を持った乗客と対峙するというもの。桃園市捷運警察チームは通報後、すぐに現場へ駆けつけ犯人を逮捕。ロボットを利用して爆発物を安全な場所に移動させました。犯人役を演じた桃園空港MRT“A8長庚醫院駅”楊文明駅長の殺気を漂わせた優れた演技により、真に迫る訓練となりました。
現在桃園空港MRTはハード面がほぼ完成。運転統合テストの最終段階に入りましたが、ダイヤはまだ発表されていません。路線全長53㎞、地下トンネル長さ13㎞の他は高架線で、うち1/5の勾配は40‰以上です。中駅から台北駅まで全線合わせて24の駅が設置されていて、15駅が高架駅、残りの9駅が地下駅となっています。この中で“A9林口駅”は軌道面の標高が262.554mあって、全台湾MRT(捷運)ラインの中で最高地点にあります。桃園空港MRTが開通すれば、桃園空港-台北駅の所要時間は約35分となります。第一段階は台北駅から中環北駅まで開通。第二段階は2019年には中駅まで延伸する見込みです。
空港MRTの開通予定ルート
MRTの使用車輛は川崎重工製
写真提供:邱浚嘉 取材協力::桃園大運輸股有限公司
台鉄 海外鉄道交流事業の動向
◆台灣鐵路管理局(台鉄)の周永暉局長と京急電鉄の中山運転車輛部長は、2016年5月12日、南港駅第三プラットホームにおいて、京急800形電車の赤い車体をイメージした塗装に改めました。EMU700型通勤列車の出発式に揃って出席しました。すでに京急電鉄は同年2月、友好協議締結一周年を記念し、台鉄“普快車”の青い客車をイメージしたラッピング列車を登場させ、日・台の鉄道ファンから熱い視線を浴びました。今回台鉄に登場した赤塗装の700型は台湾で“赤電”旋風を巻き起こし、多くの鉄道ファンが追いかけまわすほどの一大ブームとなりました。京急電鉄は、台鉄台北駅の海外友好鉄道観光ギャラリーを台鉄“普快車”の青い客車の紹介も加えるなど新しい内容に変更しています。
京急800形風になったEMU700形 南港駅にて
◆東武鉄道も今年5月中旬に台鉄“普悠瑪(プユマ)”号と東武特急“りょうもう”号とのコラボ企画を発表。200型電車6輛1編成の塗装を台鉄の自強号“普悠瑪”デザインに変更した特別なコラボ列車が運行されることとなりました。東武特急版“普悠瑪”号のリリースもまた、両国の鉄道ファンから大きな期待が寄せられているのは言うまでもありません。
6月14日にプレス公開され、3日後の6月17日に浅草11時20分発の“りょうもう”13号の発車にあわせて出発式が行われました。
東武200型の普悠瑪ラッピングイメージ
|
|
オリジナルの台鉄車輛 写真:東武鉄道
|
◆世界的に有名な2つの登山鉄道、阿里山森林鉄路とスイスのゴルナーグラート鉄道は、2016年5月6日に台北駅において行政院長の張善政氏のもと、協力覚書を交わしました。現在双方は詳細な協力内容について企画中で、こちらも今後の発表が楽しみです。
協力覚書を交わし終え,笑顔を見せる登山鉄道2社,阿里山森林鉄路とゴルナーグラート鉄道の関係者
写真提供:東武鉄道・ゴルナーグラート鉄道・邱浚嘉
上記の内容は月刊誌「とれいん」にも掲載されています。
毎月20日発売! 定価:本体1,435円+税
関連タグ:
台鉄
,
台中
,
列車
,
MRT
,
記念
,
駅
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2016-06-24