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「来てよかった!」がココにある。心に残る美味と美景の温泉レストラン

こんにちは、台北ナビです。


台北市内から最もアクセス至便な温泉地といえば北投温泉。MRTに乗っておよそ30分ほどで到着です。今日はそんな気軽に行ける観光地へショートトリップ。2011年2月にリニューアルオープンした温泉レストラン「少帥禅園」へ足をのばしてみました。

歴史ある建物がレジャーパーク!?に

新北投駅前から温泉街を通り、山をのぼった中腹に位置するここ「少帥禅園」。その歴史は古く、1920年代、日本統治時代に「新高旅社」として建設されたのが始まりです。当時はこの界隈でも名高い名旅館として、各界の紳士達が飲食、そして温泉を楽しみに訪れたそうです。その後、第二次世界大戦末期に入ると、神風特攻隊の接待所として使用され、ここで出戦前の最後の夜を過ごしたそうです。そして1960年代に入りと、元帥・張学良とその妻・趙一荻の軟禁場所に。・・・ その後、時を越え1980年代はレストランとして一般に開放されるようになりました。それから数々のオーナーによりこのレストランは経営されてきましたが、このたび、新オーナーに再びバトンタッチ。新たにリニューアルの運びとなりました。1300平米の広い敷地は、レストラン・喫茶・展示スペース・足湯・個室温泉風呂が集結する一大レジャーパーク!へ変身。「今まで歴史的建築物やその環境を活かしきれてなかった」という新オーナーの願いが見事かなえられた施設に生まれ変わりました。もちろん、趣きのある歴史的建造物と山から見下ろす温泉街の絶景は顕在です!

●文●小帥展覧室

 恥ずかしながら、歴史に疎いナビは張学良さんがどんな方なのかよくわかっていませんでした。そこでWikiで調べてみると・・・

「当時の満州地方を治めていた馬賊・張作霖の長男。後に中華民国の軍人・政治家となり、満州事変や西安事件とも深い関わりを持つ。1937年、反逆罪の罪で刑を受け、その翌年に特赦となりながらも、軟禁状態にあった。戦後蒋介石が台湾に逃れてきた際に彼も一緒に台湾に移され、50年以上に渡り軟禁され続けた。」(Wikipediaより抜粋)

・・・人生の半分以上にも渡る長い軟禁生活。その一部(約3年ほど)をここ「少帥禅園」過ごしたそうです(あとは新竹)。園内にある「小帥展覧室」は張夫妻が当時生活していたリビングを再現。当時の生活を垣間見ることができます。


また、屋外には元帥当時の大きな帽子がユニークな彼の木彫像が置かれています。そんな彼は軟禁が解かれた後、行なわれたNHKのインタビューに対し、
「日本により一生を台無しにされた」(Wikipediaより)
と答えています。2001年に100年の生涯を閉じた張学良。その半分以上といえる年月を軟禁という形で過ごしてきた彼の人生・・・日本人にとってとても重みのある言葉です。 

●品●小六茶舗

「小六」とは張学良の子供時代のあだ名だそう。そんな名前がつけられた喫茶スペースは園内で最も高台に建てられています。壁一面の窓からは新北投の温泉街を眼下に、遠く関渡平野や観音山が見渡せます。夕暮れ時には夕陽も・・・そんな美景をバックに、ここではお茶と茶菓子がいただけます。のんびりとした時間が過ごせそうです。

<ドリンク>アメリカンコーヒー250元/カップ、凍頂烏龍茶280元/ポット、フレッシュジュース(オレンジ、レモン、スイカなど)各200元/カップ、台湾ビール160元/瓶 ほか

<お菓子>中華風ソルティ点心100元、ケーキ100元、クッキー100元、アイス100元 ほか

<セット>
お好きなお菓子4つセット350元、お菓子5つ+お好きなドリンクセット450元
※最低消費:350元/人、サービス料+10%
調度品もステキです 調度品もステキです

調度品もステキです

時がとまってしまいそう・・・  

時がとまってしまいそう・・・  

ホンモノ、使用できるそうです

ホンモノ、使用できるそうです

●亯●雙喜湯屋

「雙喜」とは張学良のニックネームであり、水質の良さと景色の良さ、ふたつの喜び(雙喜)が味わえる温泉ということを意味しているそうです。なるほど、入ってみるとその意味に深くうなづけます。北投温泉は数あれど、「これだけの絶景を持つ個人風呂はココだけでしょう」というのは、本日ナビを案内してくれた社長特別助理の許岷弘さん。ナビも数々の北投温泉にチャレンジしてきましたが、個室風呂の多くは景色が望めないことがほとんど。それじゃあ、大きめの家風呂と変わりないなぁ・・・なんてガッカリしていましたが、ここは大推薦!湯船に浸かりながら、眼下の街並みを見下ろすことができ、極楽気分。しかも、お部屋もゆったりとした造りで、ちょっとお湯からあがってのんびりできるカウチも備えてありました。
夏場、お風呂の順番を待つ間、冷たいものが提供されるそう

夏場、お風呂の順番を待つ間、冷たいものが提供されるそう

ちなみに、泉質は白湯。硫黄のニオイが漂う白くにごった酸性硫黄ナトリウム泉で、pH3~4、慢性皮膚病や関節炎、婦人病に効果があるとされています。シャンプーやタオル等の備品は完備、手ぶらでOK!です。宿泊施設はないので、ここのお湯に浸かりたかったら日帰り温泉で・・・ぜひ、どうぞ。

デラックス:1500元/H 2名まで(3名の場合プラス600元)スタンダード:1200元/H 2名まで(3名の場合プラス600元)
蛇口もレトロで凝ってマス

蛇口もレトロで凝ってマス

湯船は温泉水用と冷水用の2つが完備

湯船は温泉水用と冷水用の2つが完備

風呂上りにカウチでのんびり・・・

風呂上りにカウチでのんびり・・・

ドレッサーもあるのです!

ドレッサーもあるのです!

アメニティもそろってます

アメニティもそろってます

快適温度をご自分で

快適温度をご自分で

温泉の注意事項が日本語でした~

温泉の注意事項が日本語でした~

●食●漢卿美膳

許岷弘さんもシェフとともにメニューづくりに携わっているのだとか

許岷弘さんもシェフとともにメニューづくりに携わっているのだとか

 「隠者は質素を養うべき」との人生観を持ち、その教えを日常生活と食生活に取り入れ生活してきた張学良は百歳の長寿を全うしました。そこで現在、誰しもが思うことは、その長寿の秘密は食にあったのではないか?ということ。しかしながら、彼の食事献立に関するレシピは現存せず、実際にどのようなものを好み、食していたのかはわかりません。が、こちらのレストランの総シェフ張證棋さんが研究を重ね、創り上げました。それはヘルシーな「体も心もうれしい」品々。見て美しく、食べて美味しい懐石風コースで、健康な食事に欠かせないキーワードのひとつ「スローフード」をテーマに約1時間半ほどをかけて8~9品ほどのお料理をいただきます。 ちなみに、コースは1500元、1600元、2500元の3コースのみ(ランチ・ディナーとも同メニュー)で、1600元と2000元のコースの場合、3日前までに予約が必要となります。また、いずれのコースも季節を意識した食材で1ヵ月後ごとにメニューが変更されるので、何度来ても楽しみのあるレストランといえるでしょう。 それでは、本日ナビがいただいた2011年6月の1200元のコースをみてみましょう~!
(※現在1200元コースの提供は行なっておりません)
 ・        長寿三宝  
長寿の秘訣である3つのお宝が1つのお皿に:
①    鴨肉とオニオンの赤ワインソース:あっさりとしたヘルシーな鴨肉とちょっぴり甘いミニオニオン。
②    過猫菜のゴマソース:粘り気のある珍しい山菜、過猫菜はワラビとモロヘイヤを足して2で割ったような味。胡麻和えなので和食にも通じるような味。
③    パンプキンムース:オレンジ色が鮮やか。濃厚なカボチャの味とふんわり感がうれしい~
奥の赤いドリンク

奥の赤いドリンク

・        漢卿趙四攻瑰醋飲 
バラビネガーのドリンク:
食前酒ならぬ食前酢。酸味がかなりきいています。この後に続くメイン料理へのお口直しに。
・        甜蔬鮮小巻 
フレッシュイカのスイートベジタブル添え:
イカめし!?と思いきや、ポテトサラダが詰まっていました。にんじんソースを添えて
・        隠食第一鮮 
鯛の蒸し煮:
宜蘭から直送された新鮮な魚は持ち味を活かし、ショウガとネギであっさりと。しょう油ベースの味が日本人にもしっくりきます。
・        香檸小里肌 
ロース肉のレモンソース マッシュチップ添え:
ズッシリと食べ応えがある大きさでありながら、お箸で切れるほど軟らかいのでパクパクと箸が進みます。傍らに添えられたマッシュルームチップ、肉の下の山菜(山蘇)も美味。
・        幽禁歳月百歳湯 
軟禁の歳月100歳スープ:
重々しい名前のこちらはチキンスープでした。じっくり煮込まれ、濃厚なダシがでていました。上品、そして名前とは裏腹に!?ホッとする味。
・        野菜燉野米配爆薏仁  
ワイルドライスと山菜 はと麦のポップ添え:
トマトとパプリカの上にのった緑の野菜は山菜の一種。オクラのようにちょっと粘り気が。 ワイルドライスは濃い茶色の長細い米で、カナダから輸入をしているそう。かなりクセのある味で好みが分かれそう。下にはジャガイモを添えて。白い丸いのがはと麦をポップコーンのように爆発させたもの。スナック感覚でいただけます。
黒く細長いのがワイルドライス

黒く細長いのがワイルドライス

色合いが実にキレイ!夏らしい~

色合いが実にキレイ!夏らしい~

はと麦のポップはかなり大粒

はと麦のポップはかなり大粒

・        宝島甜品果 
クランベリーのソルベとアスパラプリン:
ソルベの上にちょこんと乗っかっているのはメレンゲ。甘酸っぱいソルベとちょっと甘いメレンゲがベストマッチ☆シメのデザートに野菜!?アスパラ!?と驚きですが、あっさりとしたプリンにほんのり甘いカラメルソースがかかり、食べて納得、やっぱりデザートだぁ♪
総シェフ張證棋さんは翡玉白菜や肉形石といった食べるお宝を再現していることで人気の故宮博物院内のレストラン「故宮晶華」の元シェフだそうです。 総シェフ張證棋さんは翡玉白菜や肉形石といった食べるお宝を再現していることで人気の故宮博物院内のレストラン「故宮晶華」の元シェフだそうです。

総シェフ張證棋さんは翡玉白菜や肉形石といった食べるお宝を再現していることで人気の故宮博物院内のレストラン「故宮晶華」の元シェフだそうです。

美しい器もお料理を盛り立てる名脇役。料理に合わせてセレクトされています。 美しい器もお料理を盛り立てる名脇役。料理に合わせてセレクトされています。

美しい器もお料理を盛り立てる名脇役。料理に合わせてセレクトされています。

●園●泡脚区

レストランからテラスへ抜けると、外へつながりそこには小さなプールが3つ並んでいます。中のお水は白くにごっていますが、ひょっとして温泉??そうなんです、ここは足湯池。こちらからも、山の裾野に広がる温泉街を見下ろすことができます。「温泉はちょっと・・・でも気分を味わいたい!」そんなアナタにピッタリです。足湯はお食事をすれば無料。ぜひ一緒に利用しましょう。また、レストランが休憩中でもこちらはオープン。お食事後やお食事前にちょっとリフレッシュできそうです。もちろん、タオルは完備。急な雨や陽射しが強い場合には傘の貸し出しもあるそうですよ。せっかくここまで来たのなら、気軽に北投温泉体験してみようではありませんか! 
新しくなった「少帥禅園」。歴史の重さに触れるとともに、美しい景色と美味しい料理、そして心地よい湯を堪能できる場所。ここで、ゆっくりとした時間の流れ感じてみませんか?きっとリラックスできるはず。
以上、台北ナビでした。 

記事登録日:2011-07-13

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2011-07-13

スポット更新日:2014-09-17

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