23日(土)は端午節!ちまきを食べて、ドラゴンボートレースを観戦!
こんにちは、台北ナビです。
今年は、6月23日(土)が端午節。市場では、たくさんのちまきが並べられ、買い物客でごった返しています。台湾の三大節(旧正月、端午節、中秋節)時の市場は、いつも以上に活気があって、楽しいもの。大きな声が飛び交ってものすごい賑わいで、さながらお祭り最高時の屋台の様相。観光客の人たちもこの時期台湾へ来られたら、ちょっと市場を覗いてみてはいかがでしょうか?台北市では、南門市場と東門市場がおすすめです。こちらの2ヵ所は光復後に大陸から来た外省人たちがよく利用している市場なので、台湾ちまき以外の上海や湖州ちまきにもお目にかかれます。
ちまきの種類が一番多い「南門市場」
今回ナビたちは、「南門市場」へやってきました。
入口の外からちまき屋台が並び、入口では子供の厄除けにつかう「香包」も販売中。端午節が近くなればなるほど、邪気を追い払うため端午の当日、各家の門にかける「菖蒲」の葉なども見ることができます。
さて、この時期市場に行くと、本当にちまきってこんなに種類があるんだ~と驚くことしきり。全部食べてみたい~♪と思うのですが、ちまきってもち米ベースなので、食べられても1回に2個までが限界(無念)。かなりお腹にきます。
端午節とちまきとドラゴンボートレース
さて、端午節にちまきを食べるといういわれですが、このようなストーリーがあります。
その昔、楚の愛国者だった政治家で詩人の屈原が、汨羅江という川で入水自殺しました。その後民衆が弔いのため、また魚が屈原の亡骸を食べて傷つけないように、魚に米の飯を食べさせるため、端午節にササの葉で包んだ米の飯を川に投げ入れたのが起源とされています。また、そのときに多くの人が小船に乗って、川を漕いだことから、ドラゴンボートレースはここからきているのだそうです。
「南部粽」と「北部粽」
台湾は北部と南部で、ちまきの作り方や具材、味などが異なります。日本でいう関西と関東の違いのようなものですね。台湾では北部の味は濃く、南部は甘味が強くなります。
北部粽
- 生の米を水に浸しておき、水を切ってから五香粉、エシャロット、胡椒、醤油などを加えて、米を蒸すか炒めます。ある程度火が通った状態で、ブタ肉、鴨の塩漬け卵黄、干しエビ、シイタケ、栗、干し大根、花生(生のピーナッツ)などとともに竹の皮で包んでから蒸します。
南部粽
- 生のもち米を水に浸し、豚肉、シイタケ、鴨の塩漬け卵黄、干しエビ、シイタケ、栗、花生(生のピーナッツ)などの具とともに竹の葉に包んで、鍋で水煮します。
作り方の違いは、北部はほぼ食べられる状態の米に具材を詰めてさらに蒸す。南部は生のもち米に具材を詰めて、ちまきを丸ごと水煮する。
具の違いは、南部は干し大根は入れません。また、北部も南部も店や家庭によっては、タケノコ、貝柱、アワビ、干し牡蠣などを加えます。ナビが思うに、花生の量は南部の方が多いようです。また、花生しか入っていない菜粽は台南名物で、北部では見られないもの。
味の方はというと、北部の方がしっかりした味で、米に混ぜた香料も利いていますね。甜辣醤をかけなくても、具の一つ一つにも味がしっかりしています。南部の味付けはあっさりで、もち米五目ご飯のよう。食べやすくて、お餅好きの人は、大好きになるでしょう。
台湾には、他にも「客家粽」があります。代表的なのは、モチ米を水に浸しておいてから石臼で擂り、容器の底にたまった米粉を団子にして、切り干し大根や調味料とともに竹の葉で包んで蒸すもので、客家料理のレストランで食べられたりします。他にも南東部の原住民である、ルカイ族、パイワン族、プユマ族は、アワやタロイモをベースにしたちまきを食べる習慣があります。
購入しました!
ちまきにはいろんな種類があるのです
市場は大体月曜日が休みなので、行くときにはご注意を!
店によっては、ちまきの宅配もやっていて、コンビニやネットでも注文できます。
以下は、ナビたちが今回食べてみた6種類のちまきの感想です。感想はいいもの、よくないもの混じっていますし、また、1人好きなちまきを2個選んだものが星の数によって表示されています♪
今回はすぐ食べられる客家粽が販売してなかったので、客家は入っていません。一般的にこの時期、市場のちまきはすぐ食べられますが、大量に買ったりした場合は冷凍庫へどうぞ。2~3か月は持ち、食べる時は30分ほど蒸してください。
包んだ形も様々ですね
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上海鮮肉火腿粽 60元/1個もち米の中に、豚肉と中華ハムが入っています。
感想:台湾にはない大陸の味、ご飯やハムと肉に味が浸み込んでいて、味は濃い目。肉の味よく、見た目に上品。もっちりだけど、意外とあっさり。ハムが大きい。ちまきを口に入れると、笹の香りが口全体に広がる。後味さっぱり。何となく気になる匂いもある。お肉がパサパサなのがかえって食べやすい。店情報:「萬有全」 南門市場143番 電話:(02)2321-9202
金華火腿などの中華料理の燻製肉や臭豆腐などを扱う羅斯福路一段の入口入ってすぐの老舗店舗。
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★★ 湖州豆沙粽 45元/1個
モチ米の中にこしあんが入っています。
感想:上品なこしあんで、甘さ控えめ。さっぱりしていて、くどくない。一個丸ごとさくっと食べられる。チマキじゃないみたい。ご飯がきれい。おはぎのような食感。おはぎと笹の葉の香りが絶妙。デザート感覚。ご飯の味は薄い。店情報:「上海火腿」 電話:(02)2396-5540 萬有全の隣の店の向側
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★ 蛋黄粽(北部粽) 45元/1個
待ってました!台北で一番よく食べられる北部ちまきで、生ピーナッツ、シイタケ、鴨の卵黄、ぶた肉、干し大根などが入っています。
感想:すごくおいしい!ご飯の香りがいい。全体的に香りが濃厚で、独特の香りがする。モッチリではなく、味も濃い、卵入りがおすすめ、米がしっかりしている。シイタケの香りもよく、出汁が浸透してておいしい。高級シイタケみたい。塩卵のパサパサ感もいい、これぞ台湾ちまきという卵感覚。チャーシュー+卵の組み合わせでラーメンみたい♪八角の香りがする。 店情報:「劉家肉粽」 台北市士林區文林路726号 電話:(02)2832-4060
この日は南門市場の外に屋台を出していました。北部ちまきの老舗店。
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★★★ 南部粽 50元/1個
粘ついているので、一番切りにくかった南部チマキ。生ピーナッツ、シイタケ、鴨の卵黄、ぶた肉などが入っています。北部と比べてモチ米が白いですね。
感想:大きくて、モチモチしていて、やわらかい食感。ベタついている感じがある。水煮なのでそうなのかなと思う。食べづらいけどうまい、もっちもちで、ネバネバー。米の香りが強くて、おいしい。このもっちり感が大好き。中身も多く複雑に味が絡み合い、全体的にまろやか。ピーナッツの香りが強いけど、さっぱりしている。肉がたくさん。すっごく美味しいとは思わない。
店情報:「上海合興」 南門市場201番 電話:(02)2321-4702
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★★★ 湖州火腿鮮肉粽 55元/1個
もち米の中に、豚肉と中華ハムが入っています。
感想:上品。インパクトが強い。こだわって作られてる感じ。中身はシンプルだけど、何種類もの出汁がミックスされているよう。笹の葉の香りがいい、ハムに味が浸み込んでいて、おいしい、味は濃いめ、ご飯もとっても上品。ハムはハムで、米は米で味がしっかりしているが、台湾ちまきと比べると、中身が少ないからか物足りない気がする。中身は少ないけどハムが甘いし、味は上品。出汁がシーフード。ハムはラーメンやさんのチャーシューみたい。シンプルなので、味をじっくり楽しむことが出来る。
店情報:「立家」 南門市場196番 電話:(02)2393-0469
メディアやネットランキングで何回も1位をとったことがある有名店。今回は、今年の1位潮州火腿鮮肉粽を購入。
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★ 廣式裏蒸粽 300元/1個
直径15㎝近い四方形にも楕円形にも見える巨大ちまき。通常は2~3人でいただきます。栗、シイタケ、塩卵、貝柱、エビ、鴨肉、鶏肉、蓮の実など、中の具も相当な種類で、豪華絢爛。開けてみると、3層になっていて、中間の黄色い部分は、蓮の実ペーストのようです。台北ナビの階下にある「吉星」飲茶でも同じ広東式ちまきを販売していますが、吉星では、ハトムギと表示してありました。食べても無色の味なので、皆首をかしげながら、もしかして緑豆?などとも思いつつ味わいました。鴨やチキンの骨も入っているので、食べる時は気をつけて。
感想:一番外の蓮の葉がプーアール茶の年代物のよう。見た目が骨董品みたい。葉の香りがしない、漢方の香りがして苦手。三層になっている。見掛けはすごいけど、味もしっかりしていて、うまい。いろんな出汁が入っているようだ。栗がケーキのクリームみたいで、まろやかでおいしい、このちまきだけ違う。長い時間をかけて調理してある感じ。でかい!!具だくさんで何でも入ってる!全体的に粘り気がある。笹の葉の香り大、ご飯にまで味が浸透している。漢方もあり?体によさそうな味がします。
店情報:「立家」 南門市場196番 電話:(02)2393-0469
お誕生日ケーキで店からもらったケーキナイフで切っちゃってます、失礼~
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並べてみると、中身も全く違うんですね!
いかがでしたでしょうか?
この時期は、ふだんは見られないちまきも市場にずらりと並べられています。たとえば、金華火腿(金華ハム粽、紅棗(ナツメ)粽、十穀雑糧(十穀米)肉粽、黒米豆沙(黒モチ米とこしあん)粽、臭豆腐(想像してください!)粽、珍珠干貝(貝柱)粽、美人魚(魚の?)粽などなど。
23日(土)が端午節!お見逃しなく!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-06-20