料理研究家オガワチエコ・おうちで本格台湾料理『第一回目・滷肉飯』

「おうちで本格台湾料理」第一回目のレシピは、おなじみ『滷肉飯(ルウロウハン)』。台湾に来たら必ず食べるであろう代表的な小吃をご家庭で!


初めまして、料理研究家のオガワチエコです。

料理の仕事を始めてもうすぐ10年が経ちます。いろんな料理に触れる機会はもちろん多いのですが、6年前に初めて訪れた台湾で出会った料理には、深い感銘を受けました。

「こんなに美味しいごはんがあるんだ!」と感動し、さらに「日本からたった3時間なのに、ここまで見たことがない食材があるんだ!」と魅力にとりつかれました。以来、年に二、三度以上訪れてはその味を堪能しています。それからだんだんと、この味を自分の料理に生かすことはできないものか……と思うようになり、2017年の11月から台北での料理修行を決行。現地の料理学校に通い、そこで53種類の料理を習得するに至りました。

日本と台湾ではキッチンの環境や食材にも違いはありますが、そのなかから日本でも作れる料理を、この連載を通して紹介していきたいと思います。本場の味にできる限り近いものをお伝えするので、台湾旅行を思い出し、さらなる魅力を感じてもらえれば嬉しいです。
第一回目にご紹介するのは、おなじみ『滷肉飯(ルウロウハン)』です。台湾に来たら必ず食べるであろう、代表的な料理ですよね。

“滷”は「味のついたスープで煮込む」という意味で、甘辛く煮込んだ豚肉とその汁をごはんにかけた料理になります。“魯”と書かれることも多いですね。もしかしたら、こちらの『魯肉飯』という漢字の方が日本人には馴染みがあるかもしれません。

それでは、作り方をご説明しましょう!

まずは材料から



豚バラかたまり肉……300g
玉ねぎ……大1/4
にんにく……3片
生姜の薄切り……3枚(皮をつけたまま)
乾燥唐辛子……1本
醤油……大さじ4
酒……大さじ4(あれば米焼酎)
豚を煮たスープ……2カップ
サラダ油……大さじ1.5
ゴマ油……小さじ2弱
ウスターソース……小さじ2弱
白砂糖……大さじ1.5
鶏がらスープの素……小さじ1
シナモン……小さじ1/2
五香粉 ……小さじ1/2
コショウ……少々
たくあん……適量
パクチー……適量

『滷肉飯(ルウロウハン)』作り方


① 豚バラかたまり肉は火の通りを良くするため、包丁で切れ目を入れます。

お肉の底の部分は繋げたままで、全部切らないようにします。


② 鍋に水をたっぷり入れ、沸騰したら①を茹でます。

中までしっかり火が通るように10分くらい茹でます。豚肉が生だとこの後切りにくいので、しっかり茹でてください。


③ 茹で上がったら水にさらします。茹でたスープは後で使うので捨てないように!


④ 玉ねぎ、にんにくはみじん切りにします。生姜は皮をつけたまま薄切りに。

台湾では、玉ねぎではなく揚げたエシャロットを使います。 日本ではあまり手に入らないのですが、あればさらに香りが良くなります。 みじん切りは少し粗目ぐらいで丁度いいです。生姜は皮つきのほうが香りが出ます。


⑤ 肉を箸よりも少し太いくらいに包丁で切ります。

もしくはサイコロ状に切っても。お好みでどうぞ。


⑥ 米を洗って炊きます分量はお好みで構いませんが、今回は米2.5合にもち米0.5合を加えて炊きました。こうすることによって、もちもち感が加わった、より魯肉飯に合うごはんになります。

さらにサラダ油やお酢、お砂糖などを入れてもお米にツヤが出て美味しそうに見えます。今回はお酢を小さじ1加えています。

もちろん、もち米を加えず、普通の米だけでも構いません。


⑦ フライパンにサラダ油とゴマ油を入れて、にんにくを炒めます。香りが出てきたら玉ねぎを入れて透き通るくらいまで炒めます。

にんにくは焦がさないように注意してください。

台湾には『香油(シャンヨウ)』という、香りのよい油がありますが、日本では手に入りにくいので、サラダ油とゴマ油を加えて代用しています。他の料理でも、ゴマ油をそのまま使うと風味が強すぎる時があるのですが、香油を使うとちょうどよかったりします。台湾に行ったときに購入しておくと重宝します。


⑧ ⑤の肉を加えて炒め、唐辛子と生姜を入れます。


⑨ 酒を入れてから沸騰させ、②の肉を煮たスープを入れます。


⑩ 沸騰したら、醤油と砂糖を入れましょう。

台湾では『醤油膏(ジャンヨウガオ)』というみたらしのような甘じょっぱいとろみのついた醤油を使いますが、これも日本では手に入りにくいので、そのぶん少し砂糖と水分を多めの分量にしてあります。

仕上がりを黒くしたいので、醤油はなるべく色の濃いものを使ってください。日本ではキッコーマンの醤油が濃いと思います。


⑪ 鶏がらスープとウスターソースを入れます。

台湾には『烏酢(ウーツー)』という黒酢のようなものがあり、さっぱりとしたウスターソースのような味。ですから、日本ではウスターソースを少なめに入れて代用します。ちなみに、烏酢の香りはコーラに近いです。


⑫ シナモン、五香粉(ウーシャンフェン)、コショウなどのスパイスを入れます。

通常のスーパーではあまり見かけないかもしれませんが、五香粉はぜひ入れたいです。シナモン、花椒、グローブ、八角、フェンネル、陳皮などがミックスされたスパイスで、カルディなどの輸入食材店で購入可能。

甘草の粉もあれば、入れるとより台湾風の味になります。是非、台湾に行ったときはお土産に! 


⑬ 土鍋や鍋肌の厚い鍋に移します。


⑭ 蓋をして、弱火で 1時間以上肉がほろほろになるまでコトコト煮込みます。水分がなくなってきたらお水を足してください。

薄味で、汁気が多い方が、より台湾らしい味わいになります。


⑮ たくあん、パクチーを適当な大きさに切ります。たくあんだけでなく、お好みの漬物でもOK。

完成しました!滷肉飯(ルウロウハン)!

⑯ 炊き上がったご飯を茶碗によそい、⑬を汁ごと適量かけて、たくあん、パクチーを添えて出来上がりです。
お肉がとても柔らかく、噛むとジュワッと甘辛く味付けされた肉の汁が溢れます。ほんのりとスパイシーな香りが漂い、まるで台湾の食堂にいるかのような雰囲気。台湾で食べるとお肉の量が少なく感じることもあるかもしれません。でも、自分で作れば好きなだけ楽しめます。つゆだくでもつゆ無しでも、そこも自由に選択可能。

私、個人としては、お肉少なめのつゆだくが好きです。つゆにお肉の旨みが溶け出しているので、それだけでもじゅうぶん。とにかく、最後まで余すことなく楽しめます。こういった料理をこれから先この連載でご紹介し、食を通して台湾の魅力をお伝えしていきたいと思います。

次回もお楽しみに!
ちなみに魯肉は、ごはんだけでなく、茹でた青菜にかけて食べるのもおすすめですよ!


料理撮影:大崎えりや

料理と文・オガワチエコ(料理研究家・台湾料理研究家)

雑誌やテレビ、書籍などのレシピ作りや料理コラム等で活躍中。

著書に「純愛ごはん」(セブン&アイ出版)、「おにぎらずの本」(泰文堂)、「スティックオープンサンドの本」(講談社)等。
初めての台湾旅行で、食材の豊かさと豪快な調理に魅せられる。以来、何度も台湾に足を運び、2017年、現地の料理学校で台湾料理を習得。

1歳男児の母。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2018-01-26

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