料理研究家オガワチエコ・おうちで本格台湾料理『第十三回目・下水湯』

寒い日に楽しみたいあったか鶏肉スープ

こんにちは、台北ナビで「おうちで本格台湾料理」を連載中の料理研究家、小河知惠子(オガワチエコ)です。

年が明けて、日本は寒さがいっそう厳しくなりました。台湾も春節を前にして、一年で最も冷える時期といったところでしょうか。
食事時、テーブルに温かいスープなんかが並んでいると、ホッとしますよね。
私が大好きな台湾のスープに「下水湯」(シャーシュェイタン)というものがあります。 「下水」と字面だけ見ると、「え!」と思うのが日本人だと思いますが、下水というのは中国語でいうところのモツ関係を指します。なので、下水湯はモツスープということになります。

鶏一羽を絞めてお肉を調理し、その後内臓まで美味しくいただくためのスープで、台湾で古くから食べられている料理の一つです。 あまり観光客向けではないので、初めての台湾旅行で試す人は少ないかもしれませんね。

昔からある台湾のスープ


台北の屋台や食堂で出しているところもありますが、もう少し田舎に行ったほうが扱うお店が増えるように感じます。

私が初めて下水湯を飲んだのは、台南の大東夜市。砂肝のコリコリとした食感に、すっきりとした生姜の風味が加わった優しい味。名前とは真逆の清らかなスープに感激したものです。

そんな下水湯、日本の食材でも美味しく作れますので、この時期にぜひお試しください。

まずは材料(4-5人分)


鶏砂肝……100g
鶏レバー……50g
鶏ハツ……80g
生姜の千切り……15g
茹でたけのこ……50g
わけぎか九条ネギ……2/3本
水……1リットル
ごま油……小さじ2/3
サラダ油……小さじ2/3
塩……小さじ1
米焼酎……大さじ1
白胡椒……小さじ1/4

下水湯の作り方

① 生姜は皮をむいて千切りにします。

② たけのこはよく洗って薄切りにします。

③ 九条ネギは4センチくらいに切ります。 青い部分を多く使うと色合いが綺麗です。

④ ごま油とサラダ油を合わせて香油を作ります。

⑤ 砂肝は薄切りにします。

⑥ レバーは小さめの一口大のそぎ切りにします。

⑦ レバーを沸騰したお湯にさっと通し、臭みを取ります。

⑧ ハツはできる限り白いところを取り除いておきます。

⑨ ハツの中を開いて血を綺麗に洗い流し、薄切りにします。

血が入っていると、スープが美しく仕上がりません。


⑩ お湯を沸かして、砂肝とハツを一緒にいれ、さっと湯通しして引き上げます。

⑪ 鍋に水とたけのこを入れて沸騰させます。

⑫ 人数分の器を用意して、米焼酎とごま油と胡椒を少量ずつ入れます。

⑬ ⑪の鍋に、レバー、砂肝、ハツ、塩を入れて軽く火を通します。

肉が硬くなるので煮込まないように。

⑭ 生姜とネギを入れて、さっと煮ます。

⑮ ⑫の器に注いで出来上がり。

下水湯のできあがり!

日本人の抱く、下水のイメージとは程遠い、透明感のあるスープ。透き通って具材がすべて見えるのが、いかにもヘルシーですよね。ネギと生姜の香りが漂い、食欲をそそります。 食べても、臭みはまるで感じません。砂肝の歯ごたえと、ハツやレバー食感が心地良く、鶏の旨味がよく出ています。味もスッキリしているので、いくらでも食べられそうです。

台湾では、レバー、ハツ、砂肝の他に、鶏の腸も使います。日本では入手できないので、省略しましたが、なくても十分。それぞれに、きちんと湯通しして下処理をするのがおいしさのポイントです。 とはいえ、すべての具材を揃えて下処理などをするのは、少し面倒に感じるかもしれません。そういう場合は、最低限、砂肝と生姜があれば大丈夫。カラダの温まる、優しい味のスープに仕上がります。
  
また、ここに台湾では「冬菜」(ドンツアイ)というキャベツのお漬物を入れることもあります。

この冬菜、中国大陸では白菜を使うのですが、台湾ではキャベツを使うのが主流です。塩やニンニク、砂糖で漬けてあるもので、スープ類に入れると味と風味が良くなる優れもの。安価なので、台湾旅行の際はお土産に買うといいですよ。

香油とは?


台湾では通常のごま油を麻油(マーヨウ)、ごま油とサラダ油などを合わせてあるものを香油(シャンヨウ)といい、使い分けています。 下水湯には、ごまの風味が前面に出てしまう麻油よりも、優しい香りの香油を使いたいところ。ですが、日本では入手が難しいので、ごま油とサラダ油を合わせて香油を作ります。

でも最近スーパーで、すごく似ているものを見つけました。日清オイリオのヘルシーごま香油という商品で、ごま油と菜種油を合わせたオイルです。 色々なスーパーで扱っているので、台湾料理用に1本あると便利かもしれませんね。

下水湯は、高級料理店では出していないような屋台料理ですが、澄んだスープが上品で身体に染み渡るよう。屋台のおかずやご飯と一緒にオーダーするのが台湾流となっています。

私が自宅で作るときは、以前ご紹介した鶏肉飯や魯肉飯と合わせたりすることが多いです。
あとは一般的な日本のおかずにも合わせたりもしますよ。下水湯の優しい味わいは、和食との相性が良いようにも感じます。
来月、また台湾に行くのですが、最初に食べたいのがこの下水湯。 いつも行くキッチン関連問屋街に、地元の人たちが、下水湯と鶏肉料理を黙々と食べているお店があるので、真っ先に向かうつもりです。

次回もまた、親しみやすくカラダが喜ぶような台湾料理をご紹介します。お楽しみに!


料理と文、オガワチエコ(小河知惠子)

料理研究家・台湾料理研究家。

雑誌やテレビ、書籍などのレシピ作りや料理コラム等で活躍中。著書に「純愛ごはん」(セブン&アイ出版)、「おにぎらずの本」 (泰⽂堂)、「スティックオープンサンドの本」(講談社)等。 初めての台湾旅行で、食材の豊かさと豪快な調理に魅せられる。 以来、何度も台湾に足を運び、2017年、現地の料理学校で台湾料理を習得。 1歳男児の母。 

オガワチエコ ツイッター
関連タグ:下水湯レシピ台湾料理グルメ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-01-21

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