料理研究家オガワチエコ・おうちで本格台湾料理『第十一回目・蚵仔煎』

大人気の屋台フードを旬の牡蠣を使って食べちゃおう!

こんにちは、台北ナビで「おうちで本格台湾料理」を連載中の料理研究家、オガワチエコ(小河知恵子)です。

日本ではだんだんと寒さが増してきて、牡蠣の美味しい季節になってきました。 牡蠣はよく、「Rのつく時期(SeptemberからApril)までしか食用に適さない」と言われます。 なぜかというと、日本で食べられる牡蠣は夏に産卵、冬に収穫。産卵すると旨みが落ちてしまうとされているから。 ですが、実際スーパーで見かける期間はもっと短く10月から3月と言ったところでしょう。

しかし、台湾の牡蠣は一年中入手が可能。日本のものより小ぶりになりますが、一年を通して食べることができるんですね。

そんな牡蠣を使った代表的な料理が、日本語では「牡蠣オムレツ」と称される「蚵仔煎(オアジェン)」です。日本人が台湾に来て最初に食べる牡蠣料理ではないでしょうか?

蚵仔煎との出合い

蚵仔煎は台湾人に大人気の小吃(小腹を満たす料理)で、夜市の定番。夜市フードの人気ベスト10には必ず入るのではないでしょうか?

私も初めて台湾に行った時、寧夏夜市で行列ができるほど有名な「頼雞蛋蚵仔煎」……ではなく、その近くの「蚵仔煎大王」で食べました。店内の黄色いテーブルが今も印象に残っています。

外側はカリッとしながらも中心部分はモチモチの生地。小ぶりの牡蠣との組み合わせがとても美味しく、さらに赤いソースとの相性が抜群です。

このソースは、海山醬と言って、蚵仔煎のほかに肉圓や蛋餅などにも使われます。蚵仔煎の美味しさは、実はこのソースにかかっていると言っても過言ではありません。たっぷりかけるのが台湾流。オーダーする時に、「ソースをいっぱいかけてね」と頼む人もいます。

そんな蚵仔煎。日本で再現できるのは今だけです。牡蠣が美味しいこの季節に是非お試しください。

まずは材料(2人分)

・具材
牡蠣(加熱用)……150g
卵……2個
白菜の柔らかい部分……50g
ラード……大さじ2

・生地の材料
片栗粉……50g
水……70ml
米焼酎……小さじ1
ごま油……小さじ2/3
サラダ油……小さじ2/3
鶏ガラスープの素……小さじ1/4
塩……少々
胡椒……少々

・海山醬(ソース)の材料
水……130ml
味噌……20g
ケチャップ……40g
砂糖……20g
ラー油……小さじ1/3
片栗粉……小さじ1/2
ごま油……少々
粗挽き黒胡椒……少々

蚵仔煎の作り方

① 卵は必ず常温に戻しておきます。

冷たい卵だと、加熱に時間がかかり、その間に牡蠣に火が入り過ぎてしまいます。

② 牡蠣は二等分から三等分に切ります。

台湾の牡蠣に比べ、日本の牡蠣は大きいので、切って小さめにしておくと加熱時間が丁度よくなります。キッチンばさみを使えば、まな板を使うこともないので洗い物が減りますよ。

③ 白菜の葉先を一口大にちぎります。

台湾では、小白菜という白い部分の少ない柔らかい白菜や、台湾春菊である茼蒿を使います。日本では、柔らかい白菜の葉先を使えば大丈夫です。

④ ソースの材料を玉子焼き器に入れ、味噌と片栗粉をよく溶かしてから沸騰させ、少しとろみがつくまで煮ます。

煮詰めすぎるとしょっぱくなるので、ほのかにとろみがつく程度にしてください。
フライパンを使うよりも玉子焼き器の方が小さく、作りやすいです。通常の鍋だと焦げ付くことがあります。
多めにできるので、三日くらいであれば、冷蔵庫で保存しても良いでしょう。

⑤ 生地の材料を良く混ぜ合わせます。

台湾では片栗粉の他に地瓜粉というお芋の粉も使うのですが、日本では入手しにくいので、片栗粉の分量を増やして代用しています。

⑥ フライパンにラード大さじ1を入れて熱し、牡蠣を炒めます。

サラダ油でも良いですが、ラードを使った方がコクと旨みが増して美味しく仕上がります。


⑦ 火が通ったら、生地の半量をお玉にすくってフライパンに流し入れます。

片栗粉は沈殿しやすいので、流し入れる直前によく掻き混ぜてください。


⑧ 外側が透明になって、火が通ってきたら、白菜の半量を被せるようにのせます。

⑨ ゴムベラなどで縁を中心に少し寄せます。

⑩ 卵を端の方に割り入れ、軽く崩しながら、白菜がしんなりするまで火を通します。

生地の上よりも、生地のない部分に卵を入れた方が火が通りやすいです。
焼き上がりの目安は、卵を半熟よりもう少し火を通すくらいです。

⑪ お皿に取り、ソースをたっぷりかけて出来上がり。この工程を繰り返してもう一枚分作ります。

蚵仔煎のできあがり!

鮮やかな色合いが、見た目から食欲を刺激します。 牡蠣はプリッとしていて、風味豊かなエキスが白菜にじんわりと広がっています。 卵と合わさったモチモチの生地にはほのかに味がついていて、それだけでも美味。

日本では片栗粉などの粉を、衣や素材の下準備に使うことはありますが、このようにある程度の形にして食べることって少ないですよね。 台湾料理は、米粉をプリンのように固めた碗粿や、片栗粉や地瓜粉を使ったプルプルの肉圓に代表されるように、粉の調理法のバリエーションが豊か。現地で料理を勉強していると、より強くそれを感じます。

今回の蚵仔煎は、いつもよりぐっと簡単なレシピなので、気負わずに作れると思います。 焼く時に形が崩れてしまっても、ソースをかければ、それなりに見えるのも嬉しいポイント。 おかずというよりは、小腹が空いた時にサクッと作って食べるのがオススメです。

次回もこうした、手軽で何度でも作りたくなるような台湾料理をご紹介します!


料理と⽂・オガワチエコ(小河知恵子)

料理研究家・台湾料理研究家。

雑誌やテレビ、書籍などのレシピ作りや料理コラム等で活躍中。著書に「純愛ごはん」(セブン&アイ出版)、「おにぎらずの本」 (泰⽂堂)、「スティックオープンサンドの本」(講談社)等。 初めての台湾旅⾏で、⾷材の豊かさと豪快な調理に魅せられる。 以来、何度も台湾に⾜を運び、2017年、現地の料理学校で台湾料 理を習得。 1歳男児の⺟。

オガワチエコ ツイッター

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2018-11-20

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