台湾在住作家の片倉佳史さんが半生をかけて取材した、台北の歴史建築ガイド本がすごかった!
こんにちは、台北ナビです。
台湾に行きたくても行けない……台湾ロスが半端ないという方、多いですよね!台北ナビでは少しでも台湾の空気感を味わってもらいたいと、記事に動画を増やしてみたりしているものの、アクセス数はあまり多くないのが現状……大泣
というわけで、色々考えました!日本から台湾へ来られないなら、この時期に日本で台湾に関する本を読んで台湾への理解を深めるのもいいかも!そんな時に参考にできるような記事はできないだろうかと……。そこで、本の虫である「大原扁理」さんに相談すると、「いいですよ~」と二つ返事で引き受けてくださいました!
大原扁理さんの紹介
20代からなるべく社会と距離を置き、低消費・少労働の生活スタイル「隠居生活」を実践。その後隠居本を出版しました。2016年から隠居生活の場を台湾へ移し、穏やかにひっそり暮らしています。
著書
『思い立ったら隠居 週休5日の快適生活』(ちくま文庫)
『年収90万円でハッピーライフ』(ちくま文庫)
『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)など
ブログ→
https://ameblo.jp/oharahenri/では、ここからは大原さんにバトンをお渡ししたいと思います!大原さん、どうぞよろしくお願いします。
コロナで満たされない台湾欲を読書で埋める作戦開始
画像提供:片倉佳史
こんにちは、大原扁理です。
新型コロナの影響で台湾に戻れなくなって数ヵ月。この間、せめて気分だけでも戻ろうと手に取ったのが『台北・歴史建築探訪』でした。著者の片倉佳史さんは、現地の日本人なら知らない人はいない台湾在住作家です。
都会の大きな本屋に行く気になれず、オンライン書店「honto」で注文。届いたものを見たら、その大きさと内容に、値段(1800円+税)が間違ってないか?と納品書を二度見してしまいました。
人が愛してやまないものを語るときのどうかしてる熱量
総統府
画像提供:片倉佳史
この本で紹介されている日本時代の建築物は、総統府や国立台湾博物館など、ガイドブックでも必ず紹介されるレベルの有名観光スポットから、学校、宗教建築、防空壕、果ては民家まで幅広く、カラー写真も豊富で見ていて楽しいです。個人宅や廃屋など、資料なんて残っていないような建築物でも、その場所や近所に実際住んでいた人を見つけ出し、綿密な聞き取り調査をしたというからたまげました。私の知らない日本の遺跡が、まだまだこんなにたくさんあったなんて……!!
光點台北
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好様思維(華山文創)
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画像提供:片倉佳史 |
読んでいると、多くの建築物について、「保存のための市民運動が起こっている」とか、「市が公共財産と決めて改修工事をした」、さらには「建築家であるオーナーが自分でリノベーションし、市民に開放」などの記述が少なくありません。
作ったのはたしかに日本人かもしれないけれど、考えてみれば台湾が日本だった時代はたったの50年(1895~1945)。台湾が台湾に戻ってから75年が経った現在、もはや主客は逆転し、これらの建築物を後世に残そうと尽力する台湾の人々のほうがホスト(主役)なのだなと思います。
台湾の魅力は続くよ、どこまでも
台北郵局
画像提供:片倉佳史
ここ数年、台湾は日本人の海外旅行先として人気No.1に輝いています
といってもほとんどの人がまず初めに訪れるのは台北で、何度も台北をリピートした結果、次にどこに行けばいいのかわからない観光客のことを「台北難民」と呼んだりするらしい。
けれどももっと知りたいと願う人には、『客廳(リビングルーム)の奥に続く扉を、台湾はいつだって快く開けてくれる』、そんな気がしています。
この本を読みながら、次はどこに行こうかあれこれ考えます。近いうちに台湾に戻れるようになったら、ゲストとしての感謝と敬意をもって、お邪魔させてもらおう!そういう気持ちをいつも忘れずにいたいです。
以上、大原扁理がお届けしました!
台湾大学
画像提供:片倉佳史
そして最後に、素敵な写真をたくさん提供してくださった作者の片倉佳史さん、本当にありがとうございました!!!
【今回紹介した本】
『台北・歴史建築探訪 日本が残した建築遺産を歩く 1895~1945』片倉佳史・著(WAVE出版)1800円+税 2019年3月20日出版
作者の片倉佳史さんはご自身のオフィシャルサイト「台湾特捜百貨店」にて台湾の魅力を発信されています!
http://katakura.net/貴重なお話が盛りだくさんですよ!!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2020-09-25