九份の見どころは階段だけじゃない!人込みを避けたかったら16時~19時は、外しましょう!
こんにちは、台北ナビです。
台湾北部の瑞芳鎮に位置する山あいの九份は、19世紀末に金の採掘が開始されたことで、発展していきました。1895年、藤田組が金鉱管理を開始しますが、1897年には、台湾の事業家である顔雲年に譲り、顔家(台陽鉱業)が九份のオーナーになりました。戦後も金の採掘は続けられ、住民も数万人に膨れ上がりましたが、金脈の枯渇により1971年に閉山。この地は急速に衰退しましたが、1989年、九份をロケ地とした映画「悲情城市」が、ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞したことで、再び脚光を浴び始めます。
九份は来るたびに新しい発見がある街です。ここでは四季や時間によっても感じ方が変わります。今日は九份の達人たちが紹介する撮影スポットやお店を中心に回ってきました!
山城美館と食堂
九份へ行く途中の瑞芳區の水湳洞というところに「山城美館」はあります。一棟の赤レンガの建物ですが、ここは日本統治時代に「第一戲台」と呼ばれた集会所兼劇場であり、昇平戯院よりも3年早く設立し、内部には公衆浴場もありました。日本が去って国民党の時代になると映画館になりましたが、ほかの地方の状況と同じく映画館はその後廃れていきました。廃墟に近い建物となっていたのを、地元のアーティストたちが「山城美館」として、作品の展示エリアかつショップとしました。
館内には、何人ものアーティストの作品が置かれています。木材で造られた個性的な椅子は、館長である林正文さんの作品です。展示以外にアーティストを呼んで講座を開いたり、手作り教室も行っています。
九份の賑やかな通りと離れているところで、ちょっと座ってお茶をしたりするところはないのかな?という方に、美館の道を挟んだところで、陰陽海や十三層遺址がもっと近くに見える山城食堂がありました。ここでは軽食もあり、コーヒーもいただけます。
新北市瑞芳区洞頂路155之8号 電話 : 0963-663-003
展示やショップの建物
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カフェのコーヒーも美味で、馬告入りのパイナップルケーキもよし
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「山城美館」から少し山の上に行ったところに観音様の「威遠廟」がありました。ここから望む陰陽海の景色は最高でした。
「悲情城市」(City of Sadness)は、1989年製作の台湾映画で、30年ほど前の映画ですが、この映画名が付いたレストランが、九份を代表する豎崎路の階段途中にあります。ここは映画のロケ地であり、映画の中では「小上海茶飯館」となっています。
テーブルに運ばれてきた料理は、いつも馴染みの台湾の家庭料理。代表的なのは、切干大根入り卵焼きの菜圃蛋。他にも塩サバ焼き、野菜炒め、客家小炒、油雞、蝦捲、そして、小籠包。お店の看板は、古早味豬油飯(懐かしの味のラードかけご飯)です。
お茶をいただくならベランダもいいですね。向かいの「九戸茶語」や向かいの「小上海茶飯館」レストラン、階下の「昇平戲院」映画館、広場の様子もよく見えます。
新北市瑞芳区豎崎路35号 電話:(02)2496-0852
昇平戯院
1934年(昭和9年)、ゴールドラッシュが栄華を極めていた九份に建てられた劇場で、鉱山事業の衰退と共に1986年に閉館となりましたが、2011年9月にリニューアルオープンしました。九份の黄金時代を象徴するバロック様式の娯楽施設で、館内の2階はU字型、柱は六角形。当時は1000人ものお客さんを収容することができました。現在劇場内には昔の映写機や映画のポスターが並んでいます。建物の看板は、「悲情城市」を撮った侯孝賢監督の映画「恋恋風塵」で、現在は午前中に九份の歴史を紹介するドキュメンタリー映像を流し、午後は昔の映画上映を行う映画館となっています。
新北市瑞芳区軽便路137号 電話:(02)2496-9926
九份のお茶屋さん巡り
九份茶坊
新北市瑞芳区基山街142号 電話:(02)2497-6487
九份にあるステキな茶芸館から縦に隣接するギャラリー・工房で、お茶を楽しんだ後、階下に降りると落ち着いた雰囲気のギャラリーです。オーナー洪志勝さんの陶器・絵画作品や九份のアーティスト、奥様みどりさんの作品もあります。少し離れた場所にある「水心月茶坊」は同じオーナーが経営するお店。店ができた当初、茶芸館は相席が多かったそうです。ここで見知らぬ男女が出逢って結婚したり、この茶芸館でのプロポーズ率は90%以上の確率だったのよ、とはみどりさんのお話しでした。
芋仔蕃薯
新北市瑞芳区豎崎路18号 (02)2497-6314
トンネルを抜けると「芋仔蕃薯」の看板が見えます。普通の民家風ですが、古い電話機や中国陶器などいろんなアンティークに囲まれて、いい雰囲気。窓側の席はビューが素晴らしく、台湾料理、お茶、お茶菓子ともおすすめです。
阿妹茶楼
新北市瑞芳区豎崎路20号 電話:(02)2496-0492
オーナー辜思源さんからのお話しによると、1990年以前、台北からのバスは1日2本で、山道は4時間もかかったそう。「悲情城市」の映画撮影時、ここはまだ鉄工場だったそうです。歌手の「阿妹」が最初のMVをここで撮ったのも有名な話です。1990年代、この周辺は少しずつ茶芸館が増え始め、2000年代になって、海外からの観光客として、日本人が徐々に増えてきたんだよとのことでした。
海悦楼から見た阿妹
海悦楼
新北市瑞芳区豎崎路31号 電話:(02)2496-7733
最近はここのレストランから「阿妹茶楼」の写真を撮る人が多いそうです。絶好の撮影スポットは、この建物の3階のベランダからなんです。でもこの階は団体客の食事エリアになっているので、なかなか入って行けないのが難。
九重町
新北市瑞芳区基山街29号 電話:(02)2496-7680
19996年に営業を始めてから、レトロな雰囲気を醸し出すレストランがありましたが、小上海というテーマを意識して2017年4月に改装しました。が、人気のタロイモ団子スイーツは健在ですよ。上階は民宿で、台北ナビから予約が可能です。
山城創作坊
新北市瑞芳区基山街194号 電話:(02)2496-0340
オーナーの郭青榕さんと可愛い猫ちゃんが主役の茶芸館です。スペースは広くありませんが、2、3階は景色もよく、また店内の雰囲気もいいのでゆっくりできる、ある意味穴場の茶芸館と言えます。
翰林茶館(台北九份門市店)
新北市瑞芳区基山街148号 電話:(02)2496-5689
台南発祥のタピオカミルクティーの「翰林茶館」の九份支店。セットメニューもあり、ベランダに出るとやはりいい景色が望めます。右隣は「九份茶坊」の庭でした。
九份の秘境、金礦隧道と最高の撮影スポット
九份の海が美しく撮れるスポットを探す人は多いと思いますが、「九份茶坊」のちょっと先のコーナーが最高の撮影スポット!と思ってる方は多いのではないでしょうか?いえいえ、まず「九份茶坊」がある基山街をまっすぐ、輕便路と交わるところまで行きます。更に道なりに歩き、頌徳公園を左に過ぎたら、金礦隧道だった磅坑口があります。ここは映画のロケ地だったのでは?という場所で、実は台北へ向かう近道でもあり、地元民は通常ここを通っていきます。頌徳公園は、台陽鉱物事務所創業者の顔雲年を称える頌徳碑が、見えるのですぐわかります。
磅坑口トンネルは、地元民の通用門
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街並みを右に見ながら
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さて、更に輕便路を歩いていくと、アーティスト邱錫勲さんの工房があり、最高の撮影スポットはこの工房の前なのでした。この日は雨で、写真は美しくありませんが、お天気のいい日、ここから見る夕陽は絶景なんだそうです。
こからの景色が一番、らしいのですが、この日は雨であまりきれいに撮れませんでした
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灯がともってくる海の景色もいいものです
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以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2017-12-05