台湾鉄道ナビ 2016年10月

ダイヤ改正や新ターミナル登場、東武鉄道との車輌デザイントレードと鉄道関連ニュースは今月も盛りだくさんです


こんにちは、台北ナビです。
今年は年初から、台鉄と日本企業や鉄道とのコラボレーションが盛んとなっていますが、今月は東武鉄道との車輌デザイントレードが実現しました。
台鉄「新竹」駅や高鉄「苗栗」駅も便利になってきましたね。
黄色い客室のMRTもナビは待ち遠しいです♪

東武x台鉄“日光詣スペーシア”塗装PP自強號が登場!出発式が開催

E1000型を先頭にした“日光詣スペーシア号特別塗装自強號”。本家東武の金色スペーシアに見事になりきっています

E1000型を先頭にした“日光詣スペーシア号特別塗装自強號”。本家東武の金色スペーシアに見事になりきっています

台灣鐵路管理局(以下台鉄)は、京急電鉄との“塗装交換”に続く第2弾として、東武鉄道(以下東武)との車輛デザイントレードを企画。東武に続きこのほど台鉄側も実現しました。
2016年6月、東武鉄道の特急“りょうもう”号が台鉄“普悠瑪(プユマ)号”の塗装に変更され、日台を中心に話題となりましたが、今回は台鉄でも東武スペーシアの塗装を再現した自強号14輛編成1本(E1000型機関車+客車12輛+E1000型機関車)が登場。“日光詣スペーシア号特別塗装自強號(以下日光詣自強號)”として、2016年10月4日から営業運転が始まりました!
運転開始に先立ち、10月3日には東武鉄道から根津嘉澄社長を迎え、南港駅で出発式が盛大に開催されました。台鉄の鹿潔身局長代理は、出発式の挨拶で「東武鉄道と共同で日光詣自強號を登場させることができたことは非常に嬉しい。他にも日本には台鉄と友好協定を結んでいる鉄道があり、今後も“塗装交換”等の交流企画を推進していきたい」と述べました。
“日光詣自強號”は、東武の“日光詣スペーシア号”を忠実に再現し、出発式に訪れた日本人鉄道ファンは、台湾で見る金色スペーシアの塗装にとても興奮した様子でした。出発式の後、根津社長や鹿局長ら関係者を乗せた臨時列車は台北駅まで運転され、台湾版スペーシアの乗り心地を楽しみました。東武と台鉄は2015年12月18日に友好鉄道協定を結び、1年間の相互乗車券交流サービスを実施しています。
台鉄では、東武が発売した“東京スカイツリー周辺散策フリーきっぷ”もしくは“東京スカイツリーパノラマきっぷ”を持参で、台湾を訪れる日本人旅行者には、これらの切符を“平渓・深澳線1日フリー乗車券”に引き換えることができるようにしています。
鹿局長は今回の“日光詣自強號”の登場を記念し、引き換えの対象を内湾線と集集線で設定している1日フリー乗車券にも拡大すると共に、このサービスを2017年12月まで延長すると発表しました。
台湾鉄道ナビ 2016年10月  東部鉄道 バスターミナル MRT 環状線プユマ 台湾鉄道ナビ 2016年10月  東部鉄道 バスターミナル MRT 環状線プユマ
列車側面に掲示された友好協定締結記念エンブレムをバックに、固い握手を交わす東武鉄道代表取締役社長根津嘉澄氏(左)と台鉄局長代理の鹿潔身氏

列車側面に掲示された友好協定締結記念エンブレムをバックに、固い握手を交わす東武鉄道代表取締役社長根津嘉澄氏(左)と台鉄局長代理の鹿潔身氏

出発式を終え、「出発進行!」の声。車掌さんも誇らしげ

出発式を終え、「出発進行!」の声。車掌さんも誇らしげ

写真提供:台灣鐵路管理局  邱浚嘉  

新竹バスターミナル誕生/豊富・苗栗駅供用開始/台鉄がダイヤ改正を発表

■2016年8月2日、台鉄「新竹」駅の北側に位置する新竹轉運站(バスターミナル)が開設されました。新竹轉運站は、従来新竹駅前の4ヵ所に点在していた高速バス乗り場を1ヵ所に集約したものです。
また、駅内の地下道はバスターミナルに直接つながっていて、台鉄の乗り換え通路にも改札口及び券売機が設置されています。主要高速長距離バスが集まるターミナル誕生に伴い、台鉄・市内バスの乗り換えもスムーズになりました。新竹轉運站は予備1ヵ所を含め9ヵ所の乗り場を持ち、乗り入れるバス路線は下記の通り。
◎亜聨客運1728番/新竹-龍潭-台北
◎新竹三重客運聨営9003番/新竹-台北
◎新竹台中客運聨営9010番/新竹-台中
◎9010A番/新竹-台中(中清交流道経由)
◎9010C番新竹-台中(中華大学経由)
◎豪泰客運2011番/新竹-台北
◎2011A番/新竹-台北(東光路経由)
◎國光客運1866番/新竹-台中
◎1822番/新竹-台北
◎1804番/新竹-基隆
◎1865番/新竹-林口
◎建明客運5500番/新竹-台北
◎阿羅哈客運3777番/新竹-板橋
台鉄新竹駅の北側に開設された新竹轉運站に停車中の高速バス。周辺に点在していた4ヵ所の乗り場を集約したことで、利便性は大きく向上。11路線のバスが乗り入れます 台鉄新竹駅の北側に開設された新竹轉運站に停車中の高速バス。周辺に点在していた4ヵ所の乗り場を集約したことで、利便性は大きく向上。11路線のバスが乗り入れます

台鉄新竹駅の北側に開設された新竹轉運站に停車中の高速バス。周辺に点在していた4ヵ所の乗り場を集約したことで、利便性は大きく向上。11路線のバスが乗り入れます

■台鉄では豊富駅と高鉄苗栗駅との乗り換えの利便性向上のため、豊富駅を北側に移設する工事を進めてきましたが遂に完成し、両駅は9月10日に供用を開始。これにより高鉄「苗栗」駅ホームまでは徒歩約7~10分で移動できるようなりました。新しい豊富駅ホームは旧駅同様に2面2線ですが、2面4線まで拡張可能なスペースを確保。従来の駅舎及びホームは新駅供用後に閉鎖され、全ての業務は新駅において行われるため、乗車の際はご注意ください。

高鉄苗栗駅の開業に伴い、共用のために移転した台鉄豊富駅の新駅舎が完成
し、9月10日より使用開始となりました

高鉄苗栗駅の開業に伴い、共用のために移転した台鉄豊富駅の新駅舎が完成 し、9月10日より使用開始となりました

■台鉄は、台中の鉄道高架化工事の線路切替に合わせ、10月22日のダイヤ改正を発表しました。高架化実施に合わせ、ホームと列車の段差縮小策として、豊原、潭子、太原、台中、大慶の5駅でホーム高さを115㎝に設置。しかし乗降口床面高さが依然92㎝の旧型車輛も多く、これによるホームとの隙間を原因とする事故を防ぐため、山線莒光号は全て運休。太魯閣(タロコ)号は普悠瑪(プユマ)号として運行するほか、区間車は段差解消対策済のEMU700・800型を中心とします。このほか東西線のプッシュプル方式の自強号、西幹線の自強号は増発され、東部在住者の高速鉄道への乗り換えの利便性を図るため、列車の一部は、松山は通過し、南港停車となります。その一方で、乗務員の人手不足対策として早朝及び深夜時間帯を中心に列車を削減、一部運転区間も短縮されることになりました。
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ダイヤ改正を機に、区間車はホームと床との段差解消対策済のEMU700型・EMU800型車輛が中心に運行されます
ダイヤ改正を機に、区間車はホームと床との段差解消対策済のEMU700型・EMU800型車輛が中心に運行されます ダイヤ改正を機に、区間車はホームと床との段差解消対策済のEMU700型・EMU800型車輛が中心に運行されます

ダイヤ改正を機に、区間車はホームと床との段差解消対策済のEMU700型・EMU800型車輛が中心に運行されます

写真提供:邱浚嘉

台北捷運(MRT)環状線用の先行試作車がイタリアで出荷式

現在計画中の新線、台北捷運(MRT)環状線用車輛の設計・製造を受注していた日立レールイタリア(Hitachi Rail Italy S.p.A.)で、このほど先行試作車4輛編成1本が完成。台北時間8月30日午後5時、イタリアのレッジョ・ディ・カラブリアで出荷式を行いました。
無人運転システムなどの新機軸を採り入れ、新時代の車輛として注目されることでしょう。台北環状線とは新北市を中心とする捷運システムで、“三環三線(環状線3区間及び新路線3本)”の計画の中の一部です。
開通後は台鉄(板橋)、高鉄(板橋)、橘線(頭前庄、景安)、藍線(民生新埔,板橋)、萬大線(中和)、安坑輕軌(十四張)とつながることとなり、利便性の向上が今から期待されています。
今回の完成車輛は11月中旬頃台北に到着予定で、環状線南機廠(車輛基地)で整備の後に各種機能テストなどを行い、新北市内に建設される台北環状線第一段階は、2018年12月に完成予定。その後、台北捷運公司が経営を行うこととなります。
出荷式のひとコマ

出荷式のひとコマ

台湾鉄道ナビ 2016年10月  東部鉄道 バスターミナル MRT 環状線プユマ
黄色客室も運転台もグレーベースに黄色が良いアクセント 黄色客室も運転台もグレーベースに黄色が良いアクセント 黄色客室も運転台もグレーベースに黄色が良いアクセント

黄色客室も運転台もグレーベースに黄色が良いアクセント

写真提供:新北市政府捷運工程局

台北捷運(MRT)全線108駅でネット商品 受け取りサービス開始

台北捷運(MRT)公司と快取寶(キャッチ・パワー)が協力し、9月より全線108駅で世界初の「冷凍」「冷蔵」「常温」に分かれたロッカー受け取りサービスを開始しました。ネットまたはスマホのアプリを通じてオーダーをするだけで、翌日午前8時前には商品が指定の駅のロッカーに配達されます。指定されたパスワードを入れるだけで受け取りが可能。セルフピックアップができるロッカーには冷蔵及び冷凍の機能もあるため、生鮮食品にも対応できます。 
台北捷運(MRT)董瑞斌董事長は、台北捷運(MRT)と快取寶(キャッチ・パワー)が共に創り出したこのシステムは、世界の公共交通機関の中でも先駆けであると語りました。前日までに申し込めば、翌日には駅での受け取りが可能なことから、通勤族は退勤後の買い物時間の節約になります。これは、台北市、新北市に住む通勤族の生活を便利にするだけでなく、台北市がスマートシティへと邁進する計画の一里塚ともなる事業です。快取宝の孫岳澤執行長は、産業革命、流通システムを作り上げること、そしてマルチサービスは、現在の三大業務であると述べ、もう一つの特長としては、夜間に配送業務を行うことで、渋滞や不在による再配送を減らすことができ、排気ガスの排出を32%減少させることができるので、非常にエコと言えると語りました。
快取宝のサービスは、現在は中国語のみですが、11月には英語及び日本語のアプリの設置が完了する見込みで、外国からの観光客にも使いやすいものとなります。
MRT「中山」駅 構内にて MRT「中山」駅 構内にて

MRT「中山」駅 構内にて

上記の内容は月刊誌「とれいん」にも掲載されています。

毎月20日発売!   定価:本体1,435円+税


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2016-10-24

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