【台湾音楽】「宇宙人」は10年越し、「A-LIN」はなんと16年越しの受賞！！積年の夢が叶う姿にファンが歓喜した、第34回金曲賞(GMA)を熱～くレポートします！

16年間温めたという受賞スピーチをするA-Lin (画像提供：台視)

こんにちは、台北ナビです。

中華圏のグラミー賞ともいわれる金曲賞。34回目を迎える今年は、地理、言語、創作表現の境界を越え、台湾・中華圏の音楽の魅力が世界に浸透するように、という願いを込め『無疆界(ボーダレス)』をコンセプトに開催されました。

アーティスト314名、アルバム1,667枚、24,604作品と、昨年を3,883件(総数)上回るエントリーがあり、約3カ月にもおよぶ審査の結果、最終的に169作品がノミネート、27項目で賞を競いました。

うれしそうな宇宙人と小胖　(画像提供：台視)

授賞式では、幾度となくノミネートしたアーティストが悲願の受賞を果たし会場を沸かせてくれたほか、新たな言語や、ジャンルに挑戦し、その可能性と存在感を示したアーティストたちの姿も目立つなど、息の抜けない賞レースが繰り広げられました。

日々切磋琢磨する仲間との心温まるシーンや、ライブパフォーマンスも必見です！

二冠達成の葛西瓦

『最優秀中国語歌女性手賞』A-Lin & 『最優秀中国語歌男性手賞』HUSH

タイから駆け付けたPhum Viphurit		プレゼンター李心潔と『最優秀新人賞』受賞の洪佩瑜
(画像提供：台視)

レッドカーペットを豪華に彩るアーティストたちの登場に、ファンもメディアも大熱狂～

ジメジメと湿気を帯びた7月1日の台北。時折どんよりした雲が空を覆い、雨が心配されましたが、そんな天気を吹き飛ばすかのような熱気に包まれた星光大道！

昨年に引き続き陳明珠が、今年は黃偉晉と共にプレゼンターを務めレッドカーペットを盛り上げてくれました。

星光大道プレゼンターの陳明珠と黃偉晉

★プレゼンターやパフォーマンスゲスト

海外からのスペシャルゲスト、「タイのプリンス」ことPhum Viphurit！サービス精神旺盛なプリンスは、くしゃくしゃの笑顔でみんなの(特にナビの♡)ハートを鷲掴みにしていました！！

泰雅族(タイヤル族)と阿美族(アミ族)の混血で、昨年のレッドカーペットでの司会を務めたYELLOW黃宣。「みんなでビッグハートポーズしようぜ！」と陳明珠と黃偉晉を巻き込むテンションの高さはさすがです(笑)。

台湾を中心に活動している日本人ギタリストの大竹研。「こうして音楽を続けていられることが何より幸せなことです。」と語っていました。「インストルメンタル部門・最優秀アルバムプロデュース賞」「最優秀バンド賞」にノミネート。パフォーマンスも披露してくれます。

今回はプレゼンターの役目も果たす金曲賞の常連、艾怡良(イヴ・アイ)は今回で7度目のノミネート。小麦色の肌に蛍光色のセクシーなドレスがひと際目を引きます！

プレゼンターを務める、マレーシア出身の李心潔(アンジェリカ・リー)。オーバーサイズのパンツスーツを凛と着こなしていました。

「年度楽曲賞」にノミネートされている安溥(アンプ)。金曲賞8度目の今回は、シックな黒のドレスで登場です！

阿美族で「天生歌姫(天性の歌姫)」の異名をもつA-Lin。両親を連れてのレッドカーペットは初めて！「特別貢献賞」受賞の欧陽菲菲に捧げるステージを披露してくれます。同時に、金曲賞6度目のノミネートとなる今回は「最優秀中国語女性歌手賞」受賞への期待が高まります！

観客席は大盛り上がり！台湾にもファンの多いKing Gnuが日本からスペシャルゲストとしてやってきました。一生懸命に中国語でメッセージを伝える勢喜遊に、台湾ファンも大喜びでした♪

★原住民語関連ノミネートアーティスト

まるで宝塚スターのようにエレガントな泰雅族の雅維・茉芮(ヤワイ・モーリン)は「原住民語歌手賞」にノミネート。モノクロでシックな装いがステキでした。お姉さん＆旦那さんの董事長樂團・白董と一緒に登場

「年度アルバム賞」「最優秀原住民語アルバム賞」「最優秀原住民語歌手賞」にノミネートされた排湾族(パイワン族)のKivi。ドレスがおしゃれ～！原住民衣装を装ったお母さんと登場です。

布農族(ブヌン族)と阿美族のハーフ、阿布絲(アブス)は「年度アルバム賞」と「最優秀原住民語アルバム賞」にノミネート。気合十分でした！

王宏恩(ビユン・ワン)は、布農族の民族衣装に身を包んだお母さんと手をつないで登場。

「最優秀原住民アルバム賞」「最優秀原住民歌手賞」にノミネートの葛西瓦(Kasiwa)はキュートな息子の梅西くんと手をつないでの登場！やさしいパパの顔とハスキーボイスに、惚れ惚れ！

「年度アルバム賞」「最優秀原住民アルバム賞」「最優秀原住民歌手賞」の3項目にノミネートのMatzka。アルバムのタイトルが実家の住所ということで、「ファンがおしかけたりしないの？」と明珠に心配されていましたが、「大丈夫でしょう～」とおおらかなMatzka。「最優秀MV賞」ノミネートの邱柏昶と共に堂々登場です。

★台湾語関連ノミネートアーティスト

「最優秀台湾語アルバム賞」ノミネートのA-Root 同根生。「最優秀バンド賞」にもノミネート。

子供たちと手をつないで登場の邵大倫。「最優秀台湾語歌手賞」にノミネート。息子くんも歌が得意ということで、かわいらしく生歌を披露してくれました～！

今回で4度目と金曲賞常連の曹雅雯(オリビア・ツァオ)。「年度アルバム賞」「最優秀台湾語アルバム賞」「最優秀台湾語女性歌手賞」の３項目にノミネートです。

度目の「最優秀台湾語女性歌手」ノミネートとなった蔡家蓁(ケリー・ツァイ)。胸に大きくスリットの入ったイエローのパンツドレスを颯爽と着こなしていました。

シックなオフホワイトのパンツスーツに身を包んだ鄭宜農(イーノン・チェン)。これまで中国語のシンガーソングライターのイメージが強かった宜農ですが、今回は台湾語でのノミネート！！注目度の高いアーティストのひとりでした！

★客家語関連ノミネートアーティスト

林鈺婷(リタ・リン)はバンド山狗大樂團と共に登場。今回は「最優秀客家語アルバム賞」「最優秀客家語歌手賞」「年度アルバム賞」にノミネートされています。

電子音楽が好きだという彭柏邑(Boiii P)は、客家語音楽に新風を吹き込むべく、様々な音楽要素を取り入れたのだそうです。「年度アルバム賞」「最優秀客家語アルバム賞」にノミネート。

過去に金曲賞で3度受賞している彭佳慧(ジュリア・パン)は、うつくしい妹と登場。今回も「年度アルバム賞」「最優秀客家語アルバム賞」「最優秀客家語歌手賞」の3項目にノミネートと、ノリにのっています。ボリュームのあるチェックのスカートがかわいい。

★中国語関連ノミネートアーティスト

超セクシードレスで登場の劉柏辛(レクシー・リウ)は「最優秀中国語女性歌手賞」にノミネート。今回のノミネートを知らされたときは、ちょうど家事をしていたというレクシーは、意外と庶民派！？

今や金曲賞に欠かせない存在では？と思うほど常連の徐佳瑩(LaLa)。真っ赤なYシャツ風のドレスがオシャレでした。「最優秀中国語アルバム賞」のほか、「年度作曲賞」「年度アルバム賞」にノミネート。

黒づくめで、お色気たっぷりの熊仔(kumachan)。朝は普段通りにジムで身体を鍛えてきたとのことでした。「年度アルバム賞」「最優秀中国語アルバム賞」「最優秀中国語男性歌手賞」の3項目にノミネート。プレゼンターも務めてくれます！

黒のドレスに真っ赤なルージュが映えた載佩妮(ペニー・ダイ)の登場！今回で5度目と、金曲賞の常連で「最優秀中国語女性歌手賞」と「最優秀作曲賞」にノミネート。プレゼンターも務めます。

今年は意外と控えめ！？ブラックのパンツスーツで登場したHUSH。金曲賞常連のHUSHは、「年度アルバム賞」「最優秀中国語アルバム賞」「最優秀中国語男性歌手賞」にノミネート！『僕がセクシーで賞を受賞すると思う～』と語っていて、お茶目です。

★新人賞ノミネートアーティスト

笑顔がカワイイ洪佩瑜は今回の金曲賞のダークホース！「年度アルバム賞」「年度楽曲賞」「最優秀新人賞」「最優秀中国語アルバム賞」「最優秀中国語女性歌手賞」と、5項目にノミネート！

芒果醬 (Mango Jump)の登場！「金曲賞の舞台に上がったらしたいことはある？」との質問に、「みんなに感謝を伝えたいけれど、僕らは受賞できないと思うよ～」と、とても無欲な芒果醬(笑)。

カラフルなシフォンドレスを、しっかり自分のモノにしていたLÜCY。実はこのドレス、ファンが送ってくれた古着を、お友達のデザイナーさんがリメイクしてくれたものだそうです。ストーリー性があって、とってもステキでした！

鶴(The Crane)は新人賞のほか、「最優秀中国語男性歌手賞」にもノミネートされています。アルバムのジャケットに使用したという、思い入れのある衣装での登場！

★バンド・ボーカルグループ関連ノミネートアーティスト

メンバーの洋蔥が12キロ痩せ！で話題をさらっていた玖壹壹(Nine One One)。レッドカーペットを歩くためにジムで体を鍛えたのだとか！「今日は何番目にイケてると思う？」と聞かれて、「18番目」と答えていましたが、いい線いってるかも～(失礼ｗ)。「この日のために準備したことは？」の質問に「早めに新幹線のチケットを買ったよ」とユーモアあふれる回答で会場を沸かせていました。

絕命青年 (Running Youth)。手に持ったボックスの中身を聞かれ、「今夜、もしトロフィーを手にできたら、ここに入れて帰ろうと思っています」とのことでした(笑)。かわいすぎる～！

結成10年目の大象體操(Elephant Gym)は「最優秀バンド賞」と「最優秀プロデュース賞」にノミネート。ピンクのリボンがあしわれたドレスがキュート。

「最優秀バンド賞」ノミネートのRobot Swing。「僕らはAIをみて育った世代で、AIは僕らのアイドルです。いつか僕たちのAIを創ることが夢です。みなさん、今夜その夢が実現するかもしれません。」と語っていました！

我らが宇宙人(Cosmos People)！小胖も一緒に登場です。小玉はラッキーアイテムとして、赤い靴下に赤いパンツ、そしてお母さんが拜拜してくれた赤いお守りを身に着けて授賞式に臨んでいました。日台の「宇宙友(宇宙人ファンの呼び名)」が見守る中、今年こそ！悲願の「最優秀バンド賞」受賞なるか！？ドキドキ……！

★その他部門ノミネートアーティスト

第34回金曲賞審査員のみなさん。中央には審査員長の陳建騏や、陳綺貞(チアー・チェン)の姿も発見！台湾語のアーティスト許富凱(ヘンリー・シュー)は35歳という若さで審査員を務めたんですね～！ビックリ!!

「最優秀アルバムプロデューサー賞」ノミネートの海大富。「LÜCYの新人賞受賞を期待している」と、自らの受賞よりもアーティスト思いのプロデューサー。

実力派歌手として、日本でもファンも多い王若琳(ジョアンナ・ワン)。今年は5年ぶりに来日し、京都・名古屋・東京でのツアーを果たしています。「最優秀シングルプロデュース賞」にノミネート。

金曲賞初応募にして、みごとインストルメンタル部門「最優秀作曲者賞」にノミネートされた新星、利惟庸(Tony Li )。

「最優秀MV賞」にノミネートの比爾賈(Bounce)は、サングラスをかけたかわいいベビーを抱っこしての登場。ベビーちゃんが泣き出す場面も♡奥さんの徐佳瑩は、自身のレッドカーペットよりもこの2人を心配していました。

大舞台での司会は初めて！の韋禮安が、授賞式の司会者に大抜擢

授賞式では、いろんな衣装を披露してくれた韋禮安。

今回、金曲賞授賞式の司会という大役を任されたのは、金曲賞の常連で過去に新人賞や最優秀作曲賞を受賞している韋禮安(ウィリアム・ウェイ)です。

オファーを受けたときは「(僕にオファーをするなんて)金曲賞は狂ったのか！？」と思ったそうですが(笑)、「金曲賞は自分にとっても大きな意味を持つアワードであり、自分が中華圏のミュージックシーンに少しでも貢献できるのであれば」と挑戦を決意したのだそうです。


(画像提供：台視)

授賞式のオープニングでは、出席したアーティストたちを前に「ノミネートされた皆さんは舞台下で緊張しているでしょうね。僕は舞台上で緊張することしかできません。だって今年、僕はノミネートされていないから……」と冗談を飛ばし、会場を沸かせました。


(画像提供：台視)

それでは早速、うつくしい笑顔と涙あふれる授賞式の様子をお届けいたします。

まずは、演唱類(ヴォーカル部門)の【出版獎(レコードレーベル賞)】受賞者から！

コロナ禍も、わたしたちを勇気づけ、たくさんの癒しとパワーをくれた台湾音楽。そのすばらしい楽曲の数々を振り返りながら、そして受賞者や関係者のビハインドストーリーに触れながら授賞式の様子を見てゆくと、もっともっと台湾・中華圏の音楽が好きになると思いますよ♪

親友、青峰と抱擁後に受賞スピーチをする安溥		プレゼンターの蔡健雅と熊仔
(画像提供：台視)

困難な旅を共にし、アルバムだけでなく、心までもプロデュースし支えてくれたという『馬拉美的星期二』の共同プロデューサー陳君豪とMei姐にも感謝を伝えていました。

■年度專輯獎(アルバムオブザイヤー)……『馬拉美的星期二』/ 吳青峰

「僕の生活と音楽は、それぞれのアルバムの中に濃縮されています。だから、これまで僕に影響を与えてくれたすべての人に感謝します」と丁寧に述べた吳青峰(ウー・チンフォン)。「ノミネートされた人もそうでない人も、同じ時代に生まれて一緒に音楽を創れることを光栄に思っている」と語り、彼に日々大きな影響を与えている「音楽」という存在にも感謝を示しました。

受賞者インタビューでは「今日いちばん感動したことは、安溥がドレスアップしていたこと」と親友に触れていて、２人の仲の良さを改めて感じることができました。

フォトタイムではキュートにポージングを取ってくれました！

これまでに挫折を味わってきたという青峰ですが、その痛みが今回の自由で楽しいアルバムを完成させてくれたといいます。

「痛みを抱えている人はたくさんいると思います。一つ一つの痛みがしっかりと語られて、誰かの耳に届くようにと願っています。その勇気ある声は、僕たちアーティストの創作を助け、より良い世界を作ってくれるのです」

挫折を乗り越え、納得のいく結果を出せた青峰の優しい声は、今悩んで傷ついている人たちへのエールとなったことでしょう。

葛西瓦のアルバムのファンだという安溥は、一緒にノミネートされて光栄だったと振り返っていました。

■年度歌曲獎(ソングオブザイヤー)……『最好的時光』/ 安溥

プレゼンター陳綺貞が、相も変わらず透明感のある声で「私もこの歌がとっても好きです。親愛的想念我嗎～♪」と受賞曲のワンフレーズを歌うと、目に涙を浮かべ立ち上がる安溥。からの……親友・青峰が駆け寄り抱擁！ふたりがしっかりと抱きしめ合う光景に、ナビの涙腺も完全に崩壊しました。

青峰が感動した安溥のお姿！

応募総数7,742作品の中から選ばれた『最好的時光』は、安溥が14歳の頃に作った曲で、親友の張鈞甯と青峰が高評価をしてくれたことから初めてアルバムに挿入することを決めたのだとか。

そのことから、鈞甯と青峰はこの曲の「乾爸乾媽(第二の親)」だと思っている、と笑いながら語っていました。

重いトロフィーも指にかけちゃう熊仔

■最佳華語專輯獎(最優秀中国語アルバム賞)……『PRO』/ 熊仔

熊仔は受賞スピーチで、まずこの賞を2019年の自分に捧げるとし、「夢が叶ったよ！」と喜びをかみしめたのち、台湾の中堅ラッパーに向け「俺たちは生き残ったぜ！」と、得意の生ラップで敬意を表しました。次回作のアルバムに受賞スピーチでのこのラップが収録されることを、ファンは楽しみに待つことでしょう！

熊仔が受賞する頃には深夜に差し掛かっていたこともあり、ステージ裏でのインタビューでは、空腹と戦っている様子がかわいかったです(笑)。今回は惜しくも逃してしまった、最優秀中国語男性歌手賞は次回に期待ですね！

受賞スピーチでは「僕たちの民族は文字がないので、歴史や神話は口伝い、あるいは歌を通じて伝えられてきました。今自分がそのような事に携われていることを嬉しく思います。」と語っていました。(画像提供：台視)

■最佳原住民語專輯獎(最優秀原住民語アルバム賞)……『cinevuan 7鄰86號』/ Matzka

デビュー当時からずっとトライしてみたかったという、母語(排湾族語(パイワン族語))だけで完成された『cinevuan 7鄰86號』。このアルバムには、コロナ禍に、久しぶりに部落へ帰り、長期間過ごした時に感じたという今の民族が抱える問題や、シェアしたいことが詰まっているのだそうです。

「伝統を変えていくことを恐れてはいけないけれど、その伝統の脈絡を知ることが大切だと思う。このアルバムを聴いてもらい、この中で僕が提起している問題を、みんなで一緒に討論したいです」と、熱く語ってくれました。

ナビお気に入りのアルバム『cinevuan 7鄰86號』、是非聞いてください！

このアルバムの最後に「我的原點」が収録されています。これは、自分を見失いかけた時期に、自分のために作った『回到原點(原点に立ち戻る)』という楽曲「回到原點」の排湾族語バージョンです。

道に迷いかけている人のために、『原点に戻ってみる』という僕の経験をシェアしたいです」とMatzka。「回到原點」はナビも大好きで、何度も元気をもらった楽曲！排湾族語バージョンの「我的原點」は、優しさと説得力が波のように押し寄せてきます。ぜひ聴いてみてください♪

『最優秀台湾語アルバム賞』鄭宜農

『最優秀客家語アルバム賞』山狗大樂團

■最佳台語專輯獎(最優秀台湾語アルバム賞)……『水逆』/ 鄭宜農

プロデューサーのChunhoと一緒にステージへ登壇した宜農は、台湾の音楽市場をより多様で活気あるものにするために、これからも「台湾語」の勉強を続けるとのこと。今後も彼女の台湾語による楽曲が楽しみですね！

■最佳客語專輯獎(最優秀客家語アルバム賞)……『簷風謠』/ 山狗大樂團

ここまで来るのに26年かかったという山狗大樂團！高雄からやってきたバンド・製作メンバーと一緒に受賞の喜びを分かち合いながら、今バンドはいちばんよい状態だと語っていました。

落ち着いた雰囲気のPennacky監督

■最佳MV獎(最優秀ミュージックビデオ賞)……『《Little Balcony》』/ Pennacky

985作品の応募の中から、6作品が最終選考に残ったという最優ミュージックビデオ賞。日本からやってきた若き映像作家のPennacky(ペンナッキー)が受賞ということで、とても誇らしい気持ちになりました。

この話をもらった時はちょうど電車に乗っていたというPennacky監督。送られてきた音楽を聴いていたらちょうど、前に座っていた乗客がまるで音楽に合わせるかのようにリズムをとっていた事にヒントを得て、「日常で起きる音楽とのリンク」をテーマに作ったのだそうです。

「こんなに大きい賞を受賞したのは初めてなので、緊張しましたがうれしいです」と受賞の感想を聞かせてくれました。台湾は2回目だそうで、台湾滞在中に食べたいモノを聞いてみると、「前回とはまた違った食べ物に挑戦したい」と話してくれました。日本のみなさんが台湾で何を食べるのか、つい気になってしまうナビでした(笑)。

受賞スピーチをするPennacky監督		長年、客家語音楽を手掛けてきた山狗大樂團
(画像提供：台視)

続いて、演唱類(ヴォーカル部門)の【個人獎(個人賞)】の受賞者です！

『理想狀態』で「最優秀バンド賞」を獲得した宇宙人		涙を浮かべながら、喜びをかみしめる徐佳瑩
(画像提供：台視)

「三回コロナにかかったっていうのは、いわゆる「三陽開泰」だね」とお茶目にコメント！ちなみに「三陽開泰」とは春が巡って来て、万物の生気が満ち溢れるという意味のおめでたい言葉です。さすが作詞に定評がある彼らしく、コメントまで文学的です(画像提供：台視)

■最佳華語男歌手獎(最優秀中国語男性歌手賞)……HUSH / 『娛樂自己』

受賞ステージへ上がるやいなや「わぁーーー！」と感情を露わにしたHUSH。「ここ数年は音楽を創る側にフォーカスされていたので、今回歌い手としてノミネートされただけでも十分うれしかった。まさか受賞できるなんて、ほんとうに光栄です」と語ってくれました。

受賞直後で実感はないそうですが、翌日以降の報道を見ながら徐々に喜びを噛み締めることでしょう。

内なる声が受賞の決め手となった、HUSH

今回、選考時にいちばん審査陣を悩ませたという「最優秀中国語男性歌手賞」。審査会議を3回行い2名に絞り、最終決定したのがHUSH！審査委員長の陳建騏いわく、「心の内を、いかに外側にぶつけているか」が受賞の決めてとなったのだそうです。HUSHの歌声がより審査陣の心に、直接的に届いたのだとか。

今回の受賞を機に、名実ともにシンガーソングライターとしての自信をつけたHUSH、今後の活躍が更に楽しみになりました！

最高のライブパフォーマンスと、喜びの笑顔を披露してくれたA-Lin(画像提供：台視)

■最佳華語女歌手獎(最優秀中国語女性歌手賞)……A-Lin / 『LINK』

受賞の瞬間にお母さんがA-Linを抱擁する姿は、涙なくして見られません。待ちに待った受賞でしたね！ノミネートされたアーティストたちも揃って「おめでとう」のハグをしている様子をみて、改めて今回の受賞はA-Linでよかったよね！と感極まるナビ。

「16年間、金曲賞のリハーサルをした」と冗談交じりに話していたA-Linですが、5度のノミネートで出番のなかった受賞スピーチ用のメモの分厚さに、今回の受賞の重みを感じました。「今年の豊年祭にはトロフィーも加わって、豊作だね！」と両親と喜びを分かち合うA-Lin。彼女にとって創作意欲の源であり、インスピレーションを与えてくれる存在であるという娘さんにも感謝を伝えていました。

「他人にどう思われようと、どう見られようと、ママはしっかり自分をやりぬいて」という言葉に励まされているのだそうです。なんと芯の通ったスピリッツ！A-Linの遺伝子をしっかり受け継いでいるのですね。ステキな母娘関係です！

ユーモアを交えながら喜びを爆発させたA-Lin

「最優秀中国語男性歌手賞」に比べ、1回の会議で受賞者が決定したという「最優秀中国語女性歌手賞」。A-Lin持ち前の歌唱力をもって、アルバムをリードした点が決めてとのことです。

審査委員長の陳建騏いわく、A-Lin自身がアルバム製作に携わったことで、原住民音楽の要素が加わり、多様性が感じられた点も大きかったと明かしてくれました。

受賞者記者会見では笑顔の徐佳瑩

■最佳作曲人獎(最優秀作曲者賞)……徐佳瑩 / 『不在一起就不會分開』

洪佩瑜のアルバム『明室』に収録されている楽曲です。長年、C-popのトップに君臨し続けてきた印象のある徐佳瑩ですが、涙ながらに「今年一番とりたかった賞です」と語る様子から、今回の受賞に対する喜びようが伝わりました。

20歳で作曲を始めたという徐佳瑩ですが、当時は歌手になることや、表現方法に自信がなかったのだとか。ただ、心の声というのは必ずや届くものと信じて曲を書き続けてきたことで、今日ここに立たせてもらえたのだと語っていました。楽曲を提供してもらった洪佩瑜が涙をぬぐっている姿も印象的でした。

$(左)『最優秀台湾語男性歌手賞』阿吉仔、(右)『最優秀台湾語女性歌手賞』鄭宜農\n$

(左)『最優秀台湾語男性歌手賞』阿吉仔、(右)『最優秀台湾語女性歌手賞』鄭宜農\n

『最優秀客家語歌手賞』彭佳慧

■最佳台語男歌手獎(最優秀台湾語男性歌手賞)……阿吉仔 / 『心愛的謝謝』

幼いころにポリオウイルスに感染し、手足に麻痺を抱えながら歌手生活を続けてきた阿吉仔。受賞の瞬間は、ナビが居た記者ブースでも拍手が湧くほどの人気ぶりでした。「自分の人生はほかの人よりも辛く困難なことが多かったけれど、だからこそ人一倍努力するよう自分に、言い聞かせて生きてきました」という阿吉仔。辛くて大変な時期を、いつも側で支えてくれた奥さまに感謝の気持ちを伝えていました。

■最佳台語女歌手獎(最優秀台湾語女性歌手賞)……鄭宜農 / 『水逆』

強者揃いのアーティストたちを抑え、初めて台湾語のアルバム製作に挑戦した鄭宜農が受賞！ということで、記者ブースでも、驚きとも喜びともとれる歓声があがっていました。アルバム製作に携わった多くの人たちに感謝を伝える中で、ごく自然に飼い猫へも感謝を伝える様子が、すごくステキでした。

■最佳客語歌手獎(最優秀客家語歌手賞)……彭佳慧 / 『我在客廳做的夢』

友達に「一生懸命に中国語の歌だけを歌えばいいのに、なぜ客家語の歌を歌うのか」と言われるそうですが、客家語は歌えば歌うほど難しく、奥が深いとのこと。今年で歌手人生28年目を迎える彭佳慧。歌に「言語」の制限はない、と話す彼女は、まだまだいろんな音楽に挑戦してくれそうですね。

受賞の瞬間、同じくノミネートされていた親友のMatzkaが誰よりもうれしそうにしている姿がとても印象的でした。受賞スピーチで胸ポケットからメモを取り出し「今夜このメモは役に立たないだろうと思っていたけれど……」と謙遜しながら、多くの人に感謝を伝えていました。(画像提供：台視)

■最佳原住民語歌手獎(最優秀原住民語歌手賞)……葛西瓦 / 『我這裡有一批很純的你要不要 Ita』

受賞インタビューでは、葛西瓦の音楽を信じて励まし続けてくれたという事務所の社長の張惠妹(阿妹)との話もきかせてくれました。

「妹姐(張惠妹)からはいつも自信をもつようにアドバイスを受けてきました。自分自身を信じたときに、運気や実力というものが大きく影響してくるのだとわかりました」と葛西瓦。

アルバムのタイトルにある“Ita”は排湾族語(パイワン族語)で『1』を表します。葛西瓦にとって初のアルバム『我這裡有一批很純的你要不要 Ita』には、彼の母語である排湾族語による曲が6曲収録されています。「台湾にはこんなにうつくしい言語があるんだということを、世界中に知ってもらえたらうれしいです」と語っていました。

葛西瓦の曲、最近ラジオでヘビロテされていますよ！まだまだ音楽を続けてもらわないといけないですよね！

そんな葛西瓦は今回、【評審團獎(審査員賞)】も受賞しています！

当の本人は全く予想外の受賞だったそうで、うれしさと照れくささを隠し切れない様子でした。

「息子の梅西が生まれてから、悪い習慣をたくさん改めることができたし、妻にも感謝しています。審査員のみなさん、僕に大きな自信を与えてくれてありがとう。この賞をいただいたからには、どうやらまだ音楽を続けないとダメですね。」と話し、笑いを誘っていました。

金曲賞前から受賞したいんだ！という思いが溢れていたので、それが実ってナビも嬉しい!!(画像提供：台視)

■最佳樂團獎(最優秀バンド賞)……宇宙人 / 『理想狀態』

日本の宇宙友みなさん！宇宙人が遂にやってくれましたね(涙)！！とにかく、とにかく、うれしい～！！この瞬間を待ちわびた宇宙友のひとりとして、みなさんと乾杯したい気分です！

受賞スピーチでは「ごめんなさい、授賞式が延長しちゃうかもしれません。」と前置きしたうえで、前回のノミネートから10年間眠っていたという受賞スピーチ用のメモをもとに、たくさんの感謝を伝えた小玉。もちろん、持ち時間の1分は余裕で越えておりました(笑)。

最後には、「みんなに感謝を伝えようと思っていたけれど、この賞はみんなと一緒に勝ち取った賞です！ありがとう！」と締めくくってくれました。

「ぼくらを見捨てずにいてくれるドラムの小胖は、家庭の中でいちばん大切な家具である、ソファーのような存在です。隙間をぎゅっと埋めてくれてありがとう！」と、独特の愛情表現で小胖へも感謝を伝えていました。

受賞者インタビューでは、受賞者発表の直前に、真ん中に座っていた阿奎が小玉と方Qの手を握り、3人で手をつないで発表を聞いていたという裏話も披露してくれました。3人＆小胖の絆の強さを改めて感じた瞬間でした。

家族や友人を犠牲にして、多くの時間とアイディアをつぎ込んで完成されるアルバム。宇宙人は5枚目のアルバム(ノミネートは2度目)にして初めて、金曲賞を受賞したのでした！念願の受賞、本当におめでとうございます！！

受賞直後の宇宙人から、日本の宇宙友に向けてメッセージをもらえましたよ！

「日本の宇宙友のみなさ～ん、宇宙人です！お久しぶりです。僕たちのレコードが発売されますよ。日本語の曲も収録されているのでお楽しみに！サマーソニックで会おうね！またね！」

今年は8/19(土)＆8/20(日)にサマーソニックへの出演が決まっており、8/21(月)にはスガシカオが作詞を担当した日本語の新曲『君はいつでも』のデジタルリリースも！来年はバンド結成20周年を記念した台北アリーナでのコンサートも控えています！ますます大忙しの宇宙人を、みんなで引き続き応援しましょう～！

『最優秀ボーカルグループ賞』Crispy脆樂團

『最優秀新人賞』洪佩瑜

■最佳演唱組合獎(最優秀ボーカルグループ賞)……Crispy脆樂團 / 『愛是我們必經的辛苦』

2020年のバンド結成10周年ライブでSkippyがプロポーズを成功させ、夫婦となった２人。受賞の瞬間も抱擁＆キスを交わし、どこまでも仲良しでロマンチックなSkippyと丁丁でした。

■最佳新人獎(最優秀新人賞)……洪佩瑜 / 『明室』

アーティスト人生において、たった一度しか機会は訪れない貴重な「最優秀新人賞」を受賞した洪佩瑜。誰が受賞してもおかしくないほど競合揃いの新人賞ノミネートでしたが、アルバム『明室』を引っ提げてみごとに受賞！人生で初めて製作したというライブグッズの布バッグを握り締めて登壇した洪佩瑜。「もし金曲賞で受賞できたら、このバッグにトロフィーを入れる」というファンとの約束を、きっちり果たしていました。

自分は歌手だけれど、シンガーソングライターではないので、こういう場所に立っていいのか自信がなかったのだそうです。そんな時に、周りで支えてくれるたくさんの仲間が「自分にできることをやればいい」、「君は歌い続ければいい」と背中を押してくれたのだとか。オーディション番組を通じてこの世界に仲間入りした彼女ならではの悩みを垣間見た瞬間でもありました。

いつも支えてくれる妻と一緒の阿吉仔		トロフィーと、ライブグッズの布バッグを握りしめる洪佩瑜
(画像提供：台視)

日台ファンがお待ちかねのKing Gnuをはじめ、豪華な顔ぶれによるライブパフォーマンスも見どころ満載でした！

ライブパフォーマンスは実際映像を見るに限る！ということで、写真をタップ(クリック)すると、ライブパフォーマンスの動画につながるようになっています。是非、見てみて下さいね！

圧巻のライブパフォーマンスを披露したKing Gnu　(画像提供：台視)

金曲賞が初の海外公演となるKing Gnuの登場に、台湾のファンも大喜び！ボーカル井口理の巧みなファルセットがクセになる『カメレオン』と、情熱的なロックの『一途』を披露してくれました。まるでカメレオンのように変化する照明と、4人それぞれのテクニックが相まって、とにかくカッコいい圧巻のステージでした！！待ちに待ったKing Gnuの演奏は、その実力に圧倒され、まるで嵐のように過ぎ去って行きました(笑)。あぁ、アンコールがあったら、生の『白日」を聴きたかったなぁ～……。近い将来、台湾での単独コンサートがありますように！

ピアノとギターを披露してくれた常田大希		ベース・新井和輝
(画像提供：台視)

ドラムス・勢喜遊		ボーカル・井口理
(画像提供：台視)

「タイのプリンス」ことPhum Viphuritは、落日飛車とコラボしている『Little Balcony』と、自身の『Welcome Change』を披露。厚みがあり温かい歌声は、受賞会場の緊張感を一気に和ませてくれました。		今年この世を去った音楽界の仲間たちを偲び、日本人ギタリストの大竹研、編曲・ギター演奏のもと、茄子蛋のボーカル黃奇斌が『藝界人生(原曲：江蕙)』を静かに披露。黃奇斌が歌う台湾語の歌は、どうしてこうも胸に響くのだろう……2人の息もピッタリで、しっとりと聴き入ってしまいました。
(画像提供：台視)

楽しみにしていた、葛西瓦とMatzkaのライブパフォーマンス。排湾族(パイワン族)同士でデビュー前から仲良しという2人は、今や原住民音楽の可能性を底上げしてくれる頼れる存在！葛西瓦が自身の『過站不停』『夠了沒』を、続いてMatzkaが『未竟之夢』を披露したあとに、2人で一緒にMatzkaの『娃娃泥』を熱唱してくれました。原住民独特の、魂を揺さぶる掛け声に心を打たれて、ナビの台湾愛は爆発寸前でした！ (画像提供：台視)

DJ.RAYRAYによるDJから始まり、7LING、Majin、葛仲珊が次々にヒップホップを披露。ラスト3人で歌った『皇后區的皇后』は、台湾人女性ラッパーの存在感を見せつけてくれました！		ロックバンド「神棍樂團」と客家語ラッパー「Yappy」のコラボはとても新鮮でした。『還山』とは客家語で「出棺」という意味があるのだそうです。力強い舞台演出に、客家語でのラップという、ひと味違った角度から台湾音楽の魅力を魅せられた気がします。
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いかにも蔡健雅らしいスタイルで、ステキ		『WE ARE ONE』を歌う蔡健雅
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ドレス姿にフォークギターを提げても様になる、蔡健雅(タニア・チュア)は、『陌生人』『若你碰到他』『Letting Go』『讓浪漫作主』をたっぷり聴かせてくれました。

これだけでも十分に贅沢な時間でしたが、実はもう一曲、『WE ARE ONE』をオフラインで披露してくれています。蔡健雅の「いちばん伝えたいこと」が詰まっているというこの曲は、もともとは2014年に女性の権利を訴えるために作ったものでしたが、2017年にLGBTの権利を主張する「國際不再恐同日」のテーマソングに選出されています。性被害の告発「#Metoo」は今年台湾でも大きな広がりをみせたこともあり、歌ってくれたんですね。

「オンラインでは配信されないけれど、ぜひみなさんのケータイで撮影、シェアしてくださいね。」ということで、SNSでは金曲賞で披露された蔡健雅の『WE ARE ONE』がたくさん拡散されているので、ぜひチェックしてみてください。蔡健雅の人間愛がたっぷり詰まった、強くてやさしい、とってもステキな曲ですよ。

【特別貢獻獎(特別貢献賞)】は、林秋離と歐陽菲菲に贈られました！

台湾を代表する作詞家・音楽プロデューサーで、2022年12月に62歳の若さでこの世を去った林秋離(エリック・リン)と、台湾人で初めて日本へ渡った歌手、歐陽菲菲(オーヤン・フェイフェイ)の2人に「特別貢献賞」が贈られました。

数々の名曲を残した故・林秋離が家族と一緒に受賞		心のこもった歌声を届けた、愛弟子・JJ
林俊傑(JJ LIN)のパフォーマンス動画は画像をタップ(クリック)すれば見られます！(画像提供：台視)

林秋離を「音楽界の英雄」と称える愛弟子・林俊傑(JJ LIN)が、林秋離作詞の名曲『聽海』『哭砂』『心痛』『不為誰而作的歌』を歌いあげました。ナビが学生の頃によく聴いていたシンガポール歌手の「阿杜」を発掘したのも林秋離だということを初めて知り、その偉大さを今更ながらに感じたのでした。

授賞式では、「トロフィーはやっぱり自分で受け取って」と林秋離の似顔絵を取り出した妻の熊美玲。

授賞式には奥様でビジネスパートナーでもあった熊美玲と、2人の息子が出席。「本人が生きている間に受賞できれば尚よかったけれど」という言葉が、強く心に残りました。

受賞スピーチで生歌を披露してくれた歐陽菲菲。画像をタップ(クリック)すればアカペラ動画へ飛びますよ！		歐陽菲菲を「偶像(アイドル)」と敬するA-Lin。この日のパフォーマンス動画は画像をタップ(クリック)すれば見られます！
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もう一人の受賞者である歐陽菲菲(オーヤン・フェイフェイ)は、台湾から初めて日本へ渡り成功を収めており、日本でもおなじみです。いまの日本では当たり前のように外国人歌手が活躍していますが、当時はきっと、いろんな苦労を経験したのだろうと察します。

ファンであるA-Linがゲスト出演し、「私の『アイドル』に敬意を示すことができて光栄で、とても緊張もしています。菲菲姐(フェイフェイ姉さん)が、私のステージを気に入ってくれたらうれしいです。」と語っていました。

ステージでのA-Linは、ナビが幼い頃ブラウン管越しに見ていた、若かりし頃の歐陽菲菲を彷彿させる存在感を放っていました。

受賞記者会見では、記者団のリクエストにいろんなポーズで応えてくれるなど、とても気さくでかわいらしい一面もみせてくれました。ふと、菲菲姐が台湾へ帰ってきたら必ず食べるものが気になってしまったナビ(笑)。勇気をだして聞いてみると、「なんでも食べます」と日本語で、笑いながら答えてくれました。カッコいいだけじゃない、大らかでやさしい人柄も魅力なんだなぁ。

歐陽菲菲は受賞スピーチで「私が生まれたこの土地で、このような賞をいただけて、とても光栄です。歌とパフォーマンスは私の人生をかけた夢なので、できることならこの先も歌い続けます。絶対に諦めません！」と力強く語ってくれました。

「ありがとう、みなさん！」と深くお辞儀をしてからの、アカペラでの『雨の御堂筋』の中国語バージョン『感恩的心』に、会場全体が感激に包まれました！

オーラが半端なかったです。

その他の受賞は下記のとおりです。
演唱類(ボーカル部門)受賞者
【個人獎(個人賞)】
■最佳作詞人獎(最優秀作詞者賞)……周耀輝 / 『人阿人』
■最佳編曲人獎(最優秀アレンジャー賞)……蔡坤奇 / 『李小龍』
■最佳專輯製作人獎(最優秀アルバムプロデューサー賞)……柯智豪 /『邊緣轉生術 Holy Gazai』
■最佳單曲製作人獎(最優秀シングルプロデューサー賞)……嘟嘟、周已敦 /『Telephone《Snow White》』

演奏類(インストルメンタル部門)受賞者
【出版獎(レコードレーベル賞)】
■演奏類最佳專輯獎(最優秀アルバム賞)……『繫』 / 魯千千、里奇・古瓷
【個人獎(個人賞)】
■演奏類最佳專輯製作人獎(最優秀アルバムプロデューサー賞)……鍾興民、Yannick Barman / 『阿爾卑斯的日落』
■演奏類最佳作曲人獎(最優秀作曲者賞)…… 鍾興民、黃瑞豐/ 『市場裡的苦瓜嫂《黃瑞豐「潮」》』

技術類(技術部門)受賞者
【出版獎(レコードレーベル賞)】
■最佳演唱錄音專輯獎(最優秀ボーカルアルバムレコーディング賞)……蔡周翰、John Greenham / 『Time’s up』
■最佳演奏錄音專輯獎(最優秀インストルメンタルアルバムレコーディング賞)……李游、李楊、Kevin Killen 、Bob Ludwig/ 『SEDAR Trio - Vol. 1』
【個人獎(個人賞)】
■最佳裝幀設計獎(最優秀アルバムデザイン賞)……畢展熒 / 『調教』

『最優秀アルバムプロデューサー賞』鍾興民、Yannick Barman

『最優秀シングルプロデューサー賞』嘟嘟、周已敦

世界中が疫病と闘ったり、どこかの国で争いが起きたりと、世界情勢はめまぐるしく変化し、時代は巡ってゆきます。そんな日々においても「音楽」は常に私たちに寄り添い、癒し、勇気づけてくれる、とても大切な存在です。

私たちの日常に「音楽」を与えてくれるすべての「音楽人」の努力に心服すると同時に、第34回金曲賞を通じて、台湾音楽がもつポテンシャルを目の当たりにしました。多様で、自由な台湾の音楽は、まさに台湾という国そのものだなぁ、と感じます。

そんな台湾の魅力が、国境を越え「音楽」という言語を通じて世界中に広まることを切に願うナビです。

以上、台北ナビがお届けしました。