【台湾音楽】「ソーダグリーン」の20年間の思いがぎゅっと詰まった20周年ライブ「蘇打緑《二十年一刻》巡迴演唱會⁠」レポート

5月には日本の武道館でもライブを開催!チケット発売は3月7日!!

画像提供:緒風有限公司

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こんにちは、台北ナビです。

早速ですが、ナビは先日台湾の人気バンド「蘇打綠(ソーダグリーン)」の20周年コンサートツアー「蘇打綠2025《二十年一刻》巡迴演唱會」に行ってきました。人生で行けてよかったライブのひとつになるくらいの感動をお伝えすべく、ライブレポートをお届けします。

また、この20周年ツアー「蘇打綠2025《二十年一刻》巡迴演唱會」は日本の武道館で5月29日(木)でも開催される予定で、チケット発売は3月7日(金)正午からイープラスで先着先行販売します!

台湾にはこんなに素敵な音楽を紡ぐバンドがあるんだよ!ということを一人でも多くの日本の方に知ってもらえたらいいなぁ……と願い、まずは「蘇打綠(ソーダグリーン)」のご紹介をさせてください!

「蘇打緑」ってどんなバンド?

左から家凱、馨儀、小威、阿龔、青峰、阿福<Br>画像提供:緒風有限公司

左から家凱、馨儀、小威、阿龔、青峰、阿福
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台湾の名門大学といわれる「國立政治大學(国立政治大学)」の同級生を中心に結成した「蘇打緑」。ボーカルの呉青峰(青峰)、ベースの謝馨儀(馨儀)、ドラムの史俊威(小威)、ギターの何景揚(阿福)、同じくギターの劉家凱(家凱)、ピアノとヴィオラを担当する龔鈺祺(阿龔)の6人からなるバンドです。
主に作詞と作曲を担当するのはボーカルの「青峰」とドラムの「小威」。古典音楽のエッセンスを加えた美しい旋律に文学作品のような奥深い世界観が広がる歌詞をのせる唯一無二の音楽に魅了されます。

ポップな明るい曲調、力強さが際立つロック調の曲、壮大な曲調など、曲調も様々で、個性的で多彩な音楽を作り続けています。聞いていて飽きることなく、新曲が出る度に好き度が増していくのはナビだけではないはず。

季節の移ろいを通して「蘇打緑」とファンが歩んだ20年を感じるライブ

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2004年5月、『空氣中的視聽與幻覺』でデビューした「蘇打緑」。デビューから20年、「蘇打緑」とファンはそれぞれ簡単ではない月日を過ごしてきました。

ステージの幕が上がると、そんな20年を思い起こさせる舞台設計にまずは驚きました。四面からなるステージには「共に過ごしてきた20年」という思いを詰め込んでいるかのようだったんです。2本の道が「十」の文字のように舞台上に浮かび上がり、音楽に合わせて変化を見せていく。まるで天と地、「蘇打緑」とファンが交錯しているようでもありました。
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さらに、今回のセットリストは2009年から始めた「ヴィヴァルディ計画」で作られた【春・日光 Spring·Daylight】・【夏/狂熱 Summer/Fever】・【秋:故事Autumn:Stories】・【冬 未了Winter Endless】の中の曲をメインに選び、春・夏・秋・冬という順番で、まるで季節が移ろいで行くように進められていきました。

20年の年月とその中で過ごした季節を感じながら、「蘇打緑」の曲を味わえる、なんだか同窓会で思い出を語りあっているかのうような、そんなライブでした。

春の優しさに包まれるかのよう!

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春パートでは、【春・日光】のアルバムから『日光』、『早點回家』が歌われました。紗のような薄い布地と電球が舞台上を覆い、春らしい柔らかな日差しを表現した舞台設計も秀逸すぎる。
その後、『你被寫在我的歌裡』『遲到千年』と春らしく心がすっと軽く、明るくなる曲が続き、なんと「蘇打緑」の最も有名な曲ともいえる『小情歌』がここで登場!何度聞いても、やっぱりいい。しかも、ファンも一緒に大声で歌う!これぞ、台湾のライブ!という一体感が心地良いのです!

「蘇打緑」の夏は灼熱の激しさ!

 そこから一転、【夏/狂熱】のアルバムから『狂熱』、『控制狂』とロック調の強い激しい曲が続きます。台湾の照り付けてくる太陽を物ともせず、楽しんでいるかのような「蘇打緑」の力強い音楽に、会場も大盛り上がり!
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今回の舞台は床の全面、四面の上部にLEDスクリーンを採用していて、四季を表現。夏パートのガンガン来る視覚効果は、冬なのに熱さを感じてしまうほど!

その後、夏の夜に聞きたくなる『無眠(国語版)』『當我們一起走過』『頻率』と続き、夏パートは終了~!

落ち葉が舞う秋パート

【秋:故事】のアルバムから歌われたのは『故事』『說了再見以後』。落ち葉とともに「青峰」がその場で書いた味のある文字が舞っていく美しい舞台設計にうっとり~!
そして、秋にぴったり『你在煩惱什麼』、『陪我歌唱』、『無與倫比的美麗』と続きます。
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雪が舞う極寒の冬を温めてくれる温かい歌声!

【冬 未了】アルバムからは、雪が舞う舞台設計とともに『Everyone』『痛快的哀艷』が披露されました。『喜歡寂寞』は、寒さで無性にさみしくなる冬にぴったりですよね。
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そして突如、アナと雪の女王の『Let It Go』の前奏が流れてきたと思ったら『追追追』が始まりました。『追追追』は2010年に台湾語歌手黃妃の名曲『追追追』をバンド風にカヴァーしてから、ファンに大人気なのです。アレンジに遊び心もあって、さすが!
5年ぶりに小巨蛋(台北アリーナ)で歌う『Tomorrow will be fine.』で締めくくり、ステージは終了します。

新曲『Silent angel』を披露!

新しい曲が聞きたいというファンのリクエストに応え、今回の20周年コンサートでは、会場ごとに1曲新しい曲を披露してくれます。新曲と言っても、以前制作し発表していなかった曲が中心ですが、まだまだ埋もれている名曲がありそうな予感です。
台北小巨蛋(台北アリーナ)で披露してくれたのは『Silent angel』。静かに見守ってくれる天使のような仲間やファンとの友情や絆を歌っている、大学生の時に作った曲です。この演奏には7人目の「蘇打緑」ともいえるくらい、いつも「蘇打緑」の音楽を支える「小洋」がゲストとして登場。メンバーの後ろでギターを演奏する様子はまさに「Silent angel」なのでした!

日本でも開催するか?ライブ定番の「アンコール曲リクエスト」!

「蘇打緑」のライブには決められたアンコールのセットリストがありません。ファンがその場でリクエストして、それを歌ってくれるというのが「蘇打緑」方式!

理論上はできると思うんです。「蘇打緑」の曲は自分たちで作っているから。ただ、持ち歌も多いし、全部覚えているのだろうか……と心配になるんですが、それを易々とやってのけているように見えてしまうのが「蘇打緑」のすごいところ。

2日目の2月23日には「S.H.E」が自らリクエストした『十七』も演奏してくれました。この曲は「S.H.E」の17周年を記念する曲として「青峰」が作詞作曲したもの。自分たちの歌だけじゃなく、ほかのアーティストに提供した歌まで歌ってくれるとは……。すごすぎませんか?
・2月22日リクエスト
『對殺人狂指控』『拾穗』『羅生門』『原諒』『一起喔喔』『百年孤寂』『開到荼靡』『煽動』『再遇見』『我們走了一光年』

・2月23日リクエスト
『我好想你』『空氣中的視聽與幻覺』『I Don’t Care』『白日出沒的月球』『你心裡最後一個』『十七』『御花園』『沒有煙抽的日子』『相信』

『二十年一刻』に込めた思い

2010年に発表した『十年一刻』。京劇の演者たちの努力と忍耐に触れたことから着想を受けたこの曲は、京劇の演者がよく言う「台上一分鐘、台下十年功」の精神を表現しています。「台上一分鐘、台下十年功」とは「舞台上の1分は舞台の下の10年があるからこそ」、つまり「たゆまぬ努力と日々の積み重ね」の大切さを伝えることわざです。

10年前には『十年一刻』と銘打ったライブツアーを開催しましたが、今回は20周年なので『二十年一刻』。20年の思いがぎゅぎゅっとライブに詰め込まれているのです。

この『十年一刻』で20周年ライブは幕を閉じました。
画像提供:緒風有限公司

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ここでは詳しくは書きませんが、3年の活動休止、バンド名である「蘇打緑」を使えない日々などを経て、9年ぶりに「蘇打緑」の名前でツアーを行える喜びが込められた『二十年一刻』。20年の努力と時間で出来上がったこの舞台を、自分の目で、耳で、そして心で聞いて欲しいという、強い思いを込めて、「蘇打緑」のライブ中は録画、録音、撮影、ライブ配信を厳しく禁じています。

でも、正直録画、録音、撮影、ライブ配信をしたいとも思わないほど、聞き惚れて見惚れる、圧巻のコンサートだと思います。

「蘇打緑」は6人だからいい!

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「蘇打緑」のメンバーはそれぞれソロの活動もしています。だけれど、この6人だからこそ、出せる雰囲気、作ることができる音楽がある!と改めて感じた3時間半でした。

トーク部分では、ユーモアたっぷりでしゃべりの達者な「青峰」がトークを回していき、紅一点の「馨儀」も乗る、乗る!歌も聞きたいけれど、おしゃべりもずっと聞いていたいと思わせるほど、楽しいトークが聞けます。
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そして、秋のパートでは國立臺北藝術大學出身の「阿龔」が自分のトーク部分は『終點起點』のピアノ演奏にあてました。音楽に合わせて、最近の様子から時間をさかのぼり、バンド結成の頃の初々しい姿を収めた写真が大画面に映されます。「阿龔」の演奏って、いつもなぜかナビの琴線にふれるので、それだけでぐっときていたのに、ナビの涙腺やられました……。ただ、このサプライズに驚いたのはファンだけでなく、メンバーたちはさらに万感の思いが胸に迫っているよう。
「こんなにも多くの素敵な歌を作ってくれて、そして僕にこれらの音楽を演奏させてくれてありがとうと(蘇打緑の曲を作っている)「青峰」と「小威」に直接伝えたい」という「阿龔」の言葉に「青峰」が涙を流す場面も。

6人の絆の深さ、お互いを思いあう気持ち、切磋琢磨して今のそれぞれがある。そんな風に感じました。

おっさん・おばさん(中年)バンドだから、もう大型の「ライブツアー」はできないかも……

ライブ中、何度も「僕たちはおっさん・おばさん(中年)バンド」という「蘇打緑」。だから、いろんな都市を巡る大型のライブツアーを巡る体力がないっていうんです。(その割に「青峰」と「阿龔」は舞台上で走り回って踊ってたけどな~笑)
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さらに、「青峰」が言うには最近声の調子が良くないって。だから、きちんと声が出るか不安で、あまり友人たちを積極的に呼べないと。正直、聞いている側からしたら全然気づかないほど、圧巻のボーカルなんですが……。きっと昔は3時間半という長丁場を歌い続けても大丈夫なほどタフだったのでしょう。しかし、今は歌う技術でカバーして必死に歌っているのだとか。

だから、「蘇打緑」のライブを見られるのって本当に超貴重なチャンスなのです!

「蘇打緑」のライブチケットは超超超プレミア!

ちなみに「蘇打緑」のダフ屋、転売対策はすごいんです。実名制はもちろん、チケットを購入するのには、Wikiを見ても答えられないような、コアなファンしか答えられないであろうクイズに答えないといけません。

それにも関わらず、「蘇打綠2025《二十年一刻》巡迴演唱會」のチケットはあっという間に完売!行きたいのに、行けなかったというファンもかなりいるのです。
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そんな「蘇打綠2025《二十年一刻》巡迴演唱會」は20周年の最後の1日である5月29日(木)に日本の武道館で開催されます。チケット発売は「E-plus」で3月7日正午(日本時間)。まずは現地優先での販売になるので、先着順にはなりますが、日本に住む方が優先で買えそうですよ!

人生で行って良かったと思えるライブっていくつかあると思うのですが、ナビにとっては「蘇打綠2025《二十年一刻》巡迴演唱會」が間違いなくそのひとつ。ナビは2008年にシンガポールのお友達に教えてもらって、「蘇打緑」を好きになったから、思い出のある曲も多いからそう感じたのかもしれないけれど、まだあまり知らないという方も騙されたと思って1度聞きに行ってみて欲しいです。きっとナビと同じように感動すると思います!
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口から音源以上のボーカル、音楽を楽しんでいることが伝わる演奏……、CD以上の「蘇打緑」を日本武道館で見てみませんか?一度聴いたら、絶対虜になっちゃうと思います!

以上、武道館のライブにも飛んで行きたい台北ナビがお届けしました!

蘇打綠《二十年一刻》巡迴演唱會⁠ 東京站

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英語名:20th Anniversary Concert Tour in Japan NIPPON BUDOKAN
開演日時:2025年5月29日(木)18:00
会場:東京・日本武道館
席種・料金:VIP席:¥33,000、S席:¥22,000、A席:¥19,800、B席:¥16,800、C席:¥11,800(税込み)

チケット販売情報
・第一段「イープラス」先行販売(https://eplus.jp/sodagreen/)
「イープラス」現地(日本)先行販売:3月7日12:00〜3月23日23:59
「イープラス」海外先行販売:3月15日12:00〜3月23日23:59

・第二段「ぴあ、Lawson、樂天Ticket」先行発売:3月24日
・一般販売:4月5日10:00


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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2025-03-06

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