【台湾イベントレポート】秋の風物詩!原住民歌手「桑布伊」とパフォーミングアート集団「優人神鼓」がタッグを組んだ「2025池上秋收稻穗藝術節」に大感動!

天まで届く歌声と太鼓の音色が心に響く!池上は心の洗濯機だと再確認しました!

こんにちは、台北ナビです。

今日は10月24~26日の光復節の3連休に開催された「2025池上秋收稻穗藝術節」についてレポートしていきたいと思います。

毎年チケットは即日完売の大人気のイベント池上秋收稻穗藝術節」。2025年は身体表現と打楽器の融合を通し自然と人間の内面をつなぐ舞台表現を追求する「優人神鼓」と母語である卑南語で祖霊との対話、土地への祈り、そして文化の記憶を歌い継ぐ「桑布伊(Sangpuy)」がタッグを組みました。
プログラム名は『我回來了 – 做一部作品給自己的靈魂!』。直訳すると、『ただいま!自分の魂のためにひとつの作品を作る』。「桑布伊」の口から語り継がれた貴重な話を基に、1からプログラムを作り上げ、台湾の米どころ台東・池上で初めて披露されました。

さて、どんなパフォーマンスだったのか、レポートしていきたいと思います。

「池上秋收稻穗藝術節」は今や秋の風物詩!田んぼのど真ん中で台湾の芸術を堪能できる贅沢なイベント

電線がない!一面の田んぼが美しすぎる!

電線がない!一面の田んぼが美しすぎる!

「池上秋收稻穗藝術節」は簡単に言えば、毎年台湾一の米どころ「池上」で10月最終週末に開催される自然と芸術が融合した唯一無二の野外イベントです。

毎年台湾の素晴らしいアーティストやパフォーマンス集団を招いて、黄金色に染まる稲穂の中で、音楽や舞台芸術を楽しめます。
金城武のCMで日本人にもおなじみの観光地「池上」

金城武のCMで日本人にもおなじみの観光地「池上」

何度見ても感動しちゃう池上の風景

何度見ても感動しちゃう池上の風景

2009年にはアメリカの『タイム誌』のウェブサイトに、2013年には『ニューヨーク・タイムズ』の一面に大きく掲載されたことで、台湾のみならず国際的にも注目されるようになった、台湾を代表する秋の文化イベントといえます。
「台灣好基金會」が町おこしを支援し、池上で生活する人々が中心となって「池上郷文化藝術協会」が立ち上がり、一緒に池上を盛り上げています!

「台灣好基金會」が町おこしを支援し、池上で生活する人々が中心となって「池上郷文化藝術協会」が立ち上がり、一緒に池上を盛り上げています!

日頃は農業に携わる地元民が作った「池上郷文化藝術協会」と「台湾好基金会」が共同で企画し、地域住民とアーティストが協力し合う形で運営。

さらに、地元の小中学生をはじめとする地元民がボランティアスタッフとして参加している点も見逃せません。
この美しい舞台を日々作って言える池上の人々。この素晴らしさを多くの方にアートの力を通じて広げているのが「池上郷文化藝術協会」です この美しい舞台を日々作って言える池上の人々。この素晴らしさを多くの方にアートの力を通じて広げているのが「池上郷文化藝術協会」です この美しい舞台を日々作って言える池上の人々。この素晴らしさを多くの方にアートの力を通じて広げているのが「池上郷文化藝術協会」です

この美しい舞台を日々作って言える池上の人々。この素晴らしさを多くの方にアートの力を通じて広げているのが「池上郷文化藝術協会」です

子供たちの真剣な顔に感動しちゃう!

子供たちの真剣な顔に感動しちゃう!

舞台のすばらしさ、田んぼの風景に感動するのはもちろんなのですが、ナビが最も心動かされるのはいつもこのボランティアスタッフたち。

設営から声出し、掃除など……様々なことを笑顔で、時には真剣な顔でやり遂げるんです。その姿を見ていると、池上という町、そして台湾の未来はよりよくなっていく!そう感じさせてくれます。
池上の未来は明るい!と思わせてくれるこどもたち 池上の未来は明るい!と思わせてくれるこどもたち

池上の未来は明るい!と思わせてくれるこどもたち

優人神鼓とは?

太鼓の音と振動で心揺さぶられる「優人神鼓」

太鼓の音と振動で心揺さぶられる「優人神鼓」

「優人神鼓」は、「道と芸が融合し、ひとつの響きとなって観客の心に届くこと」を理念にかかげるパフォーマンスアート集団です。

中国の瞑想とよく言われる「靜坐」を単なる瞑想ではなく、舞台パフォーマンスの基盤だと考え、心を澄ませることで太鼓の一打に精神の集中を宿し、観客の心に響き渡ります。
この考えは、創設者である「劉若瑀」が『貧しい演劇』を提唱したポーランドの演出家「イェジー・グロトフスキ」に師事したことで生まれた考えです。『貧しい演劇』とは豪華な舞台装置や衣装よりも、俳優の身体を極限まで鍛え内面的な表現を最大限に引き出すことで、観客との直接的な交流が可能になると考えています。

この思想を東方文化と結び付けて、靜坐や武術を取り入れた独自の表現へと昇華し、「優人神鼓」の理念が生まれました。

桑布伊って?

より多くの方に知ってほしい「桑布伊」の素晴らしい歌声!

より多くの方に知ってほしい「桑布伊」の素晴らしい歌声!

「桑布伊」は母語であるプユマ族の言葉で、先祖から伝わる物語を歌にのせて伝えるアーティストです。

歌手としての活動はもちろんですが、自らの歌を通して台東という土地の素晴らしさを伝え続ける伝道師でもあります。
「優人神鼓」の太鼓と「桑布伊」の歌声……最高すぎる♡

「優人神鼓」の太鼓と「桑布伊」の歌声……最高すぎる♡

そして、どんなに歌手としての活動が忙しくても、定期的に地元に戻り、畑作業をしたり、家を手伝っているのだそう。それは「自らを作り出し、育ててくれている土地を直接感じることを大切にしなさい」という母からの教えなんだとか。

だからこそ、彼が池上の田んぼの中の舞台で歌うということの説得力ったらないわけです。
桑布伊のすごさは様々な原住民楽器も難なく演奏できるとこにもあります。実は台湾だけでなく、国際交流したときに交換した、海外の楽器も演奏してくれました! 桑布伊のすごさは様々な原住民楽器も難なく演奏できるとこにもあります。実は台湾だけでなく、国際交流したときに交換した、海外の楽器も演奏してくれました! 桑布伊のすごさは様々な原住民楽器も難なく演奏できるとこにもあります。実は台湾だけでなく、国際交流したときに交換した、海外の楽器も演奏してくれました!

桑布伊のすごさは様々な原住民楽器も難なく演奏できるとこにもあります。実は台湾だけでなく、国際交流したときに交換した、海外の楽器も演奏してくれました!

数年前にもひとりで池上秋収の舞台に立ちましたが、その天にも届きそうな歌声が池上の風景に溶け込んでいく様がとても印象に残っています。

優人神鼓×桑布伊のコラボ「我回來了(做一部作品給自己的靈魂!)」の内容

舞台終了後の3人。充実感に満ちています

舞台終了後の3人。充実感に満ちています

優人神鼓の創設者・劉若瑀さん曰く、桑布伊が何気ない会話の中で先祖から授かった知恵を話してくれる、それがとても面白くて、今回の作品は『桑布伊』の物語にしようと思い立ったそうです。
祖霊からのメッセージを受け取ります 祖霊からのメッセージを受け取ります

祖霊からのメッセージを受け取ります

旅たちの時

旅たちの時

試練を経験

試練を経験

旅の終盤

旅の終盤

ある日、いつも通り暮らしていた少年が、鳥を介して森や山々、祖霊からのメッセージを聞き、成人の儀式の旅へ出ることを決意。

未知なる山林を越え、自然の変化と祖霊の試練を経験し、万物との対話を学び、魂と一体となる力を取り戻していく……。そういった勇気や信頼、愛にまつわる旅の物語です。
舞台上で見つけた「桑布伊」が使用していたもの。実際、火をつけていました! 舞台上で見つけた「桑布伊」が使用していたもの。実際、火をつけていました!

舞台上で見つけた「桑布伊」が使用していたもの。実際、火をつけていました!

これらで様々な音を出していたんですね! これらで様々な音を出していたんですね! これらで様々な音を出していたんですね!

これらで様々な音を出していたんですね!

歌声×太鼓×ストーリー

優人神鼓のパフォーマーたちの確かな演技力で、どんな物語かイマイチわかっていなかった人でも見ていたらすぐにわかるであろう明快なストーリー。

ここに桑布伊の歌声と優人神鼓が交わっていくわけですが、一瞬一瞬でナビの心、いや魂にズドォ~ンと響いてきて鳥肌物なんです。
魅了される太鼓の音

魅了される太鼓の音

ストーリーがわからずとも見ればわかる高い演技力

ストーリーがわからずとも見ればわかる高い演技力

唯一無二の桑布伊の歌声

唯一無二の桑布伊の歌声

唯一無二の桑布伊の力強く澄んだ歌声の説得力、響きわたる太鼓……それを大自然の中に作られた舞台で披露されるわけですが、もう言葉にならないほど感動します。
パフォーマーたちの力はもちろんですが、やはり自然の力というものを確かに感じる、素晴らしい舞台でした!より多くの方に体験してほしいと特別に許可をいただき動画を少し撮影したので、是非ご覧ください!
ただ、生の舞台で見るのとは全く異なってしまうかもしれません……。是非、来年以降スケジュールを合わせてご自身で体験してみて欲しいと思います!
いかがでしたか?

台北ナビはここ数年「池上秋收稻穗藝術節」を鑑賞させてもらっていますが、心から素晴らしいイベントだと思っています。池上を巡るたびに、イベントの魅力で町がどんどん活性化しているのを感じるからです。池上は一度訪れたからもういいなんて思っているならもったいないです。是非何度でも訪れてみてください!

以上、電線・電柱のない田んぼ風景の池上が大好きな台北ナビがお届けしました。
普段は観光客が押し寄せる池上の「天堂路」 普段は観光客が押し寄せる池上の「天堂路」

普段は観光客が押し寄せる池上の「天堂路」

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2025-12-12

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