巨木で有名な阿里山。メインの巨木群から少し離れた場所に、さらにパワーに満ちた巨木がありました!
水山巨木
こんにちは、台北ナビです。
阿里山は樹齢2000年を超える巨木がたくさんあり、多くの人が訪れる有名な観光地。中心エリアには巨木の中に神社やお寺その他人工物もあり、これも台湾らしい風景です。しかし、中心となるエリアを少し離れると訪れる人も少なく、静かな自然がいっぱい。
今回最大の目的は「
水山歩道にある水山巨木に会いに行くこと」。中心エリアにある香林神木(樹齢2300年)より長寿の樹齢2700年!これは行くしかないでしょう!「会う」なんて人間のようですが、想像できないような長い年月を生きている木は植物なんて呼ぶことがはばかれるような存在感と力を感じます。
アクセスは少々不便
バスの終点 阿里山バスターミナル
阿里山の玄関口「嘉義」は、台鐵と高鐵の各嘉義駅から阿里山行きの観光シャトルバス~台湾好行バスが1日数便出ています。
バスで行くと通常、嘉義から阿里山バスターミナルまで2時間半かかります。日帰りで、しかも山内でゆっくりしたいときは早朝からの活動になりますね。
台湾好行ホームページ
半日で水山巨木と巨木群木道エリアを歩きました
ナビは台北から高鐵で移動したため、高鐵発阿里山行きの好行バス始発は9:30。阿里山に12:00到着します。日帰りの予定だったので、山内には実質4時間しかいられなかったのですが、頑張って歩きました。
園内の地図(バスターミナル近くのビジターインフォメーションセンターで、もらえます。日本語版あり)を見ると、上部の『巨木群木道(1)』『巨木群木道(2)』と書かれています。このエリアが多くの人が訪れる場所。地図の一番左下に『水山巨木』と書いてあるこのあたりこそ、今回ナビが目指す場所。
まず水山巨木に行き、その後巨木群木道エリアに行くことにしました。
嘉義の駅や途中の道も晴れていましたが、阿里山に着いたとたん、雨が降ってきました。確かに雨と霧が多い地域だからこそ、豊かな森林が育つのですね。
水山巨木へ
園内は広いので、遊園バスを利用しました。バスターミナル前に遊園バス停留所があります。乗車し、5~6分で阿里山鉄道・沼平駅前の停留所で下車。
少し来た道を戻ると、阿里山林業鐵路的の線路の左側から合流する線路があります。これがかつて線路だったのですが今は廃線となり、現在では水山巨木まで1.6㎞続く歩道となっています。
遊園バス(香林駅で撮影)
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標識はバスで来た道を戻るとすぐにあります
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そぼ降る雨の中、線路にそってもくもくと歩きます。小雨で霧のようなモヤがかかった阿里山では周囲の木がますます活き活きと見えてきます。思い返してみれば、ナビが過去訪れた時、阿里山はほとんど雨でした。
歩き始めて20分くらいの歩道沿いに1本巨木がありました。樹洞巨木(樹齢1200年)です。
さらに10分弱歩くと木製の枠のある橋が現れました。その先は行き止まりです。橋の両側は高い木が生えていないので明るい雰囲気です。橋を渡りいよいよ巨木とご対面か。
霧モヤの中に大きな姿が…
橋を渡ると右手に石段が見えてきました。石段を登り森林の中へ。どこかしら、巨木は……。少し左側の先に目をこらすと、ほかの木々とはまったく異なる太さのシルエットが見えます。おーい、こっちだよ、と言っているような気がしました。
ありました!水山巨木です。
神秘的な雰囲気、表皮の模様も美しい。樹齢2700年。写真では伝えられない感動です。長い年月生き抜いてきた圧倒的な存在感に言葉が出ません。
木を観察するテラスも設置されていました。何とか巨木の雰囲気を撮ろうと各角度から撮影を試みました。
しばらく観察した後、心を残しながら、来た線路歩道を引き返しました。片道30分往復1時間くらいかかりました。
歩道と並行して阿里山鉄道が通っています
次は巨木群木道エリア
まだまだ時間はあります。
沼平駅まで戻り遊園バスに乗り、巨木群の入口・香林駅へ。水山巨木を見ているときはしっかり降っていた雨。戻ってきたらほとんどやんでいました。
香林エリアは阿里山に行くと必ず行くエリアですが、何回来ても楽しいところです。バス停留所の周囲は、華やかな受鎮宮、サービスセンター、トイレ、売店がそろっており、多くの人でにぎわっていました。お弁当、お菓子、お土産物、なんでも揃っていますよ。
ちょっとした商店街です
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広場にはカラーの花が咲いていました
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サービスエリアから少し下って、まずは巨木群木道(2)に入ります。
入ってすぐの場所にある28号巨木(樹齢2000年)。
スーッとした立ち姿が美しく、木道に入ってすぐお目にかかる位置にあるので、いつも感動しています。ナビにとっては、スター的存在です。いろいろな角度から見られるように木道が計算して設置されています。
その後、次々に現れる巨木たち。主な木には説明板が設置されているので、樹齢などを見ながら森林浴を楽しみました。
巨木群木道(2)から巨木群木道(1)へ移り、最後に控えているのが香林神木です。樹齢2300年で、その大きさと高さには圧倒されますが、水山巨木を見た後なので、平常心で見つめていました。でもすごい木であることには違いはありませんね。
最後に、香林神木近くにある阿里山博物館に立ち寄りました。元々は1935年に建てられ、2013年修復、現在は博物館として使用しています。とてもクラッシックな雰囲気のある建物です。
博物館入口
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内部から入口を見る。
外の景色が絵のようです。
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大木を切る長い鋸も展示されています
日本統治時代に盛んになった林業。その林業を支えるための木材を運ぶための鉄道として敷設されたのが、阿里山林業鐵路です。中国語でも日本語でも「阿里山森林鉄路(道)」と呼ばれていますが、正式には「阿里山林業鉄路」。これ、台湾人も知る人の少ない豆知識です。今は世界三大登山鉄道の一つとして有名ですね。
館内は、鉄道、林業、自然の動植物の説明やかつて使用していた鉄道の物品などが展示されています。ヒノキ作りの建物はコンパクトですが、木の香りがして心地よく、無料なのでちょっと立ち寄って気軽に見学することができます。
日本統治時代の地図。
東京や神戸も描かれています。
そろそろ帰る時間になりました。木道を通り、香林バス停留所からバスターミナルにもどり、嘉義の街へと帰りました。
帰路、雲海が見えました
不思議な気分に浸りたい、パワーをもらいたい人は是非行ってください!
これまで数回阿里山を訪れましたが、中心部の観光エリアばかりでした。
巨木群木道は何度来ても感動しますが、今回初めて訪れた水山巨木は圧巻でした。個人的な感想ですが、静かに巨木のそばにしばらくいるだけでパワーをもらえる気がしました。
2700年生きていること自体、パワーではありませんか?
ご興味のある方は、是非行ってください。遊園バス沼平駅停留所からたった1.6㎞の平たんな道です。
以上、台北ナビ(木村明惠)でした。
(取材日:2019年3月3日)
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2019-04-30