日本人カメラマン・小林賢吾さんが見つけ、台湾人にも広まった魅力をこの目で見てきました
こんにちは、台北ナビです。
「抹茶」といえば、日本だけに留まらず、台湾でも人気のスイーツ。最近台湾人の間で人気の「抹茶」が台湾東部の宜蘭にあるのをご存知ですか?といっても、今回ご紹介するのは食べる抹茶ではなく、登る「抹茶」。「抹茶山」と呼ばれる「五峰旗山」に登ってきました!
ちなみに、現在世界的に新型コロナウイルス感染症が流行していますが、台湾での感染拡大は限定的。週末には多くの市民が屋外で健康的な活動をしようと大自然を満喫していました!
日本人カメラマンが気付いた魅力
そもそもなぜこの山が人気になったのかというと、日本人カメラマンの小林賢吾さんが、山肌に緑が茂るこの山を撮影し、「台湾の抹茶アイスクリーム山」と表現したから。写真の美しさもさることながら、多くの人に愛される抹茶アイスクリームというユーモラスな表現をしたことが相まって、一気に注目を集めたんです。
抹茶山の海抜はそれほど高くはありませんが、難易度は高め。というのも、最もポピュラーな「聖母山荘」までの登山道と砂利道の産業道路などを歩いて往復11kmの長い道のりを踏破しなければならないからです。また、アップダウンも激しいので、約6時間は歩き続けなければなりません。普段山歩きをしていない人、体力に自信のない人は事前準備をしっかりと。
はじめは平坦な道を歩きます。後半に向けてウォーミングアップ
途中の看板には「聖母山荘」「五峰旗瀑布」の表記がありますが、今回目指すのはさらにその奥にある「抹茶山」
ナビはまず、抹茶山の麓にある滝、五峰旗瀑布の駐車場から歩き始めました。台鉄「礁渓」駅から車で10分ほどの距離の場所にあり、台湾好行バスなども出ているので、ここまでのアクセスはとてもスムーズです。
ここから3.7km歩いたところが、抹茶山の登山口です。駐車場から登山口まで少し距離がありますが、途中五峰旗瀑布や聖母朝聖地を通り過ぎるので、観光しながらという感じ。道も比較歩きやすく、本格的な山登りを前に準備運動をしているという感じです。蒸し暑かったので、多めの飲料水やスポーツドリンク、塩分タブレットなどがあるといいと思いました。
五峰旗瀑布の駐車場には、休日になると食べ物屋台が出現するので小腹が空いたときにエネルギー補給できます
|
|
出発してまもなく、茂みの中にサルを発見!ラッキー♪
|
円形の建物が目を引く「聖母朝聖地」という天主堂を通り過ぎました。かつてこの地に聖母マリアが出現したことがあるとの言い伝えがあります。
ここからが本番。本格的な山登りに挑戦します
1時間ほど歩くと「通天橋」という橋にたどり着きました。「聖母山荘」への登山道がここから始まります。
これまでは比較的平坦な砂利道でしたが、これ以降は一段一段が急な石階段が続き、日頃運動の習慣がない人にとってみればかなり辛い区間が続きます。転ばぬようにストックを準備しておくのもいいかも知れません。
「聖母山荘」の300mほど手前にある渓谷は、滝や池があるほか、ツタや竹などが生い茂り、ひんやりとしていてマイナスイオンが感じられる空間です。せせらぎを聞きながらランチタイムを楽しんでいる人もいましたよ。
この区間では足元に注意が必要です。石階段になっているのですが、びしょびしょに濡れていたので砂利道を歩くよりも苦労しました。滑りにくく、防水加工のしてある靴で歩くのがいいかなと感じました。
聖母登山歩道の奥にも四阿があって多くの登山客が軽食を食べたりして休憩していました。途中には登山客が設置したと思われる湧き水の洗い場がありました。飲用には適さないと思いますが、手足や顔を洗ったりリフレッシュできる設備が用意されているのはいいですね。生き返るような気持ちになります。
キターー!SNSで大人気の景色を見たら、シャッターを押す手が止まらない!
木々の背が低くなってきたら目的地はもうすぐ。竹林を抜けたと思うと、宜蘭市内の景色がはっきりと見えました。
この時は天気がよかったのですが、山の天気は変わりやすいもの。午後には霧が発生しやすくなります。特に木々の背丈が低いので、風が強く感じられることも。ウインドブレーカーなどがあるとベターかなと思います。
話題の抹茶山
また、聖母山荘の展望台からは「抹茶山」一番の景色が眺められました。長時間の山を登り続けた疲れも吹き飛んでしまいそう。多くの人がカメラを持ってSNS映えする写真撮影に興じていましたよ。
「聖母山荘」はイタリア人宣教師が1979年に何度か五峰旗山へ登頂した後、登山仲間と設置したものです。かつて、下山を急いでいた登山客の目の前に聖母が出現し、登山客を安全に山の麓に送り届けたという言い伝えが残っており、この地に聖母の祠とイエス像が設置されたんだとか。そのため「聖母山」とも呼ばれています。
悪路の先に見えたのは疲れを吹き飛ばすほどの絶景
もし体力があるなら、さらに先の「三角崙山」へ足を進めましょう。三角崙山は雪山山脈のうち、北東側から数えて2つ目の標高1000mを超える高山で、蘭陽(宜蘭)五大名山と、台湾小百岳にそれぞれ名を連ねています。山荘から三角崙山までの道のりは険しく、舗装されていない登山道を歩く必要があります。ぬかるんだ道を歩いたり、ロープを使って急な斜面を登ったりしなければならず、登山経験者がいなければ踏破はかなり難しいです。
それでも、やっとの思いで山頂にたどりついたときの感動はひとしお。周囲に視界を遮るものがないので、文字通り360°の大パノラマが楽しめます。天気がよければ、蘭陽平原だけでなく、草木が生い茂る山脈の山肌と、起伏に富んだ稜線がくっきりと見え、まさしく「抹茶アイスクリーム」のような美味しそうな景色が見られます。風を受けて波打つ植物は、仙境に足を運んだような絶景。霧がかったときなら、抹茶アイスクリームに粉砂糖をまぶしたように見えるかも?どんなときでも癒しの光景が見られますよ。
ぜひ家族や仲良しグループで抹茶山登山に挑戦して下さい。都会での生活で疲れたあなたを癒してくれる風景に出合えるはずです。
以上、台北ナビがお伝えしました。
登山道の様子や景色などは動画でもご覧ください~
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2020-05-27