台北市を見下ろすように並ぶ陽明山の山々。春めく山と公共の温泉を楽しんできました!
夢幻湖
こんにちは、台北ナビです。ナビは台湾の自然が大好き!
台北は人口260万人をかかえる大都市であるにも関わらず、すぐ近くに陽明山國家公園が控えています。MRT駅からバスで30~40分くらいほどで行け、自然がいっぱい。1日かけて陽明山(七星山)を歩いてみました!
実は『陽明山』という山はありません。『陽明山』とは地域一帯を呼ぶ名前なんです。
陽明山エリアで最高峰である七星山(1120m)を中心にいくつもの峰が連なり、縦走もできます。一般的なコースは七星山とその周囲の山を歩くコースです。
今回は、小油坑から冷水坑までゆっくり休みながら約4時間歩きました。歩行距離は約4㎞です。
陽明山への行き方
MRT淡水線「劍潭」駅からバスで行く方法が一般的です。複数のバス会社が走っています。
皇家客運(番号1717)のように台北市内から金山まで陽明山越えをするバスもあります。
今回ナビたちは、劍潭駅から260番のバスに乗り、陽明山バスターミナルで山内周遊の小型バスに乗り換えることにしました。
休日とあってバスの中は超満員。30分ほどでバスターミナルに到着しました。山内周遊の小型バス(108遊園公車)も混んでいましたが、次々に来るのでさほど待たずに乗り換えることができました。
台北市周辺を公共交通機関で移動するなら、市民の方々が活用している悠遊卡(EasyCard)を持つことをおススメします。MRTやバスに乗るとき小銭を出す必要がなく、とても便利です。
ちなみに市内から陽明山バスターミナルまでは15元。山内周遊バスも15元でした。
バス停留所に停車する場所が書かれているので、どの番号のバスに乗るかわかります
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バスの中に料金を乗車時に支払うときは「上」、下車時のときは「下」のランプがついています
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陽明山内を周遊する遊園バス
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小型バスは前方にカードをタッチするリーダーがあります
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9:20小油坑に到着。トイレやビジターセンターも整備された場所です。ここから登り始めます。
その前にビジターセンター近くにある噴煙が上がっている様子を見学できる場所に立ち寄りました。
いくつもの噴煙があがり、「ゴーッ」という音もします。
この景色どこかで見たような……。そう!箱根の大涌谷で同じような景色を見ました。地表はところどころ黄色い硫黄で覆われています。ここが台北近郊だなんて……。
登山口の標高は812m。最高峰の七星山主峰は1120mです。約300m登ることになります。
登山道の両側は背の高さより少し高い竹がびっしり生えています。
最初の登りは少々急ですが、短い距離なので少しガマンすれば大丈夫。ゆっくり行きましょう。
30分ほどで第一展望台に到着。たった30分なのに先ほどの登山口や駐車場がこんなに小さく見えます。風も心地よいです。
少し休んで登山再開。20分ほどで第2展望台に到着。さらに眺望は良くなり、北西には、淡水河の向かいにある観音山が美しい姿を見せています。
ここからは七星山主峰が見えてきますよ。
後方にうっすら見えるのが観音山
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主峰が見えてきました
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この高さで雲海が見られるとは
さらに15分登り、主峰に到着!小油坑から約1時間半の登山で、こんなに簡単に来てよかったのか、と思うくらいです。努力の割には、ご褒美の景色は抜群!360度の展望です。北東側は金山・太平洋方面で水分が上昇するため雲海が発生します。
頂上は多くの登山者でいっぱいです。
主峰の標識で写真を撮りたい人が長い列を作っていました。もちろんナビたちも並んで記念写真を撮りました。
次はお隣の七星山東峰(1107m)へ。少し下ってまた登り主峰から10分で到着。ここも写真を撮る人々で込み合っていました。
下っていきましょう
東峰からはほとんど下りです。
主・東峰からは南面を下るので日当たりが良く、北斜面とは異なる植生になりました。周囲も竹ではなくススキの原となり、森のような場所もありました。
いろいろな野草が咲いていました。庭園に咲く豪華な花ではありませんが、スミレなどの可憐なお花がたくさん集まると、とてもきれいで心なごみます。
小高い木も見られます
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森のような場所も。勾配がきついので木陰はありがたい。
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今日の登山の最終地点は冷水坑。
そこに下る前にちょっと神秘的な夢幻湖に立ち寄りました。
分岐点から歩いて10分くらいです。「重要湿地(国家級)」と書いてあります。水がきれいですがすがしい場所でした。
夢幻湖への分岐点近くにある展望台
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遮るものの無い明るい下り道
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夢幻湖を後にして、冷水坑の登山口までは徒歩20分くらいです。
周囲は何も遮るものがない、開けた明るい道です。
「冷水坑遊客服務站(冷水坑ビジターセンター)」の屋根が見えてきました。
いよいよ最後のお楽しみ!硫黄温泉で疲れを流します
「冷水坑公衆浴場」へ参りましょう。冷水坑登山口を中心にして、左側の道路に沿って少し上がったところに「冷水坑公衆浴場」、右側300mほどのところに「冷水坑遊客服務站(冷水坑ビジターセンター)」があります。
左側に「冷水坑公衆浴場」
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右側に「冷水坑遊客服務站」
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浴場の手前には足湯もあります。
足湯の排水溝からどんどん流れている温泉の成分が周囲に付着して赤茶けています。
鉱物の香りもしています。
「冷水坑公衆浴場」は無料で、日本のお風呂と同じく裸で入ります。清掃の時間があるのでご注意くださいね。ナビたちが到着したときは、あいにく清掃時間帯でした。でもビジターセンターで休み、青山吊り橋に行くなど周囲を見学して、時間はあっという間に経ってしまいました。
清掃が終了する14:30近くになりました。
待っていました、とばかり10名ほどの人がどっと入口から入ります。
ここからは内部となり写真を撮ることができませんので、ご想像しながら読んでくださいね。
入口で履物を脱ぎ、開放棚の中に各人の荷物を入れます。
脱衣所と風呂場は一体のもので、浴槽は20人以上入れる大きなものです。
浴槽の中にパイプが下から上がっていて、新しいお湯がどんどん浴槽に入ってきます。
お湯は、ほとんど無色ですが、鉱物らしき油性の成分が表面に浮いていました。多分、源泉かけ流し?
いい気分で浴場から出てきました
お風呂の入り方ルールとして、以下のことがらがあります。
紙に書かれて貼ってあるわけではないのですが、常連とおぼしき方々がきっちり守っており、知らずに入浴しようとすると注意されます。
①頭はタオルなどで覆うか、シャワーキャップを被る(女湯のみ。髪の毛を落とさないためでしょう)
②湯舟に入るときは念入りに身体を石鹸で洗ってから入る(液体石鹸が設置されています)
③足もきれいに洗う
どれもお湯を汚さないために大切なことで、日本でも行われていますが、ここではさらに厳格に守られているようです。とまどう場合は常連の方々が親切に(?) 教えてくださるので、教えを請いましょう。
冷水坑遊客服務站前のバス停留所
浴槽の外には一休みする露天のベンチと、入口近くにトイレもあります。お湯の温度は41°C前後で一番気持ちの良い温度でした。山歩きした後なので本当にさっぱりしました。
周囲も少し夕暮れになってきました。
心地よい疲れを感じつつ、冷水坑からバスに乗って台北市内まで帰りました。
簡単に行ける台北の山です
陽明山(七星山)は、アクセス便利・歩行時間が短いわりには、雄大な景色を楽しめ、温泉まで入れ(しかも無料)、日帰り旅行にもってこいの場所です。
市内の観光地ではなく気分を変えて台北の自然を楽しみたい、と思ったときは是非行ってみてください!
以上、台湾の山と温泉大好き台北ナビ(木村明惠)がお届けしました。
(取材日:2019年3月2日)
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2019-04-25