台湾ではポピュラーな登山の参考情報です
武陵農場から雪山主峰をのぞむ
こんにちは、台北ナビです。
台湾は、日本の九州ほどの面積ながら3000m級の山が268座もある山岳大国。身近なスポーツとして、山登りは非常に盛んです。
今回、ナビは台湾の第2高峰である雪山(日本名:次高山・シルビア山/3,886m)に自力登山しました。日本と異なる入山ルールもありますが、手続きをきちんとすれば玉山(日本名:新高山/3,952m)や雪山は道が整備されているので登頂達成が比較的容易にできます。
「私も玉山や雪山に登ってみたい!」と思う方々への情報をまとめてみました。
方法は大きく分けて3つ
台湾で登山をしたいと思った時、闇雲に単独で登ろうとするのは当然のことならがら命取りに繋がります。事前にしっかりと計画し、準備を万全に行いましょう。
方法は大きく分けて3つあるので、ご自身にあった方法を選んでみてくださいね。
玉山山頂
【1.日本の旅行会社のツアーに参加する】この方法が
一番簡単で安全です。
ほとんどのツアーが日本からガイドさんが添乗し、現地のガイドさんと一緒に登山のサポートをしてくれます。 登山の前後のホテル手配や下山後には市街観光やグルメがセットになっているツアーもあります。
難点は料金が高いこと。シーズンによりますが、玉山のみの場合でも4日で大体20万円以上かかります。
ただし、中国語のコミュニケーションに自信がない場合でも安全で安心というのは非常に心強いものであります。初めての台湾登山であれば、この方法を強くオススメします。
野訊國際登山旅行社のツアーバス
【2.現地旅行会社を利用する】ナビはこれまで何度も現地旅行会社を使って登山してきました。
料金は
日本のツアーに比べると安く、例えば、玉山の場合、2泊3日で22,000円~25,000円くらいです。(ナビがよくお世話になっている『
野訊國際登山旅行社』調べ)現地での入園・入山手続きや山小屋手配、ツアーによっては食料や寝袋は全部用意してくれます。
玉山ツアー案内書
難点は、ほかの台湾登山者と一緒のツアーになり(日本人のみで人数集めて独立グループを作ることは可能)、
引率のガイドさんは日本語を話さない方が多いので、言葉の心配があります。また、ツアーが予定されていても、人数が集まらないと催行されないことがあり、直前まで行動予定が立てにくいです。それでも、料金の割には手配の手間、交通の心配、食料などの荷物の心配がないなど、メリットが多いのは確かです。台湾での登山に慣れてきたり、中国語での会話ができる方にオススメします。
【3.自力で登山する】
まったく自由な登山。
日本より高い山を日本の山のように歩けるのはすばらしいことです。ただ、日本の登山以上に事前に念密な計画を立て、装備もしっかりと揃えておく必要があります。経験の豊富な方だけにオススメする方法です。次の欄で予め必要な手続きや装備について解説していますので、ご参考になさってください。
自力で登山する場合に必要なこと
台湾の高山登山をする場合、以下のことが必要になります。
雪山登山口管制哨
<入園・入山許可の申請と取得>国家公園(日本の国立公園に相当)に属する山の場合、事前に「入園許可証」と「入山許可証」を入手する必要があります。現在、インターネットを使って日本から入手可能です。日本の登山の場合、登山届をポストに入れるだけですが、国家公園に入園する場合、上記2つの許可証を提示しないと入山できません。 少々とまどいますが、これさえクリアできれば後は普通の登山と同じです。
入園申請サイト
https://npm.cpami.gov.tw/apply_1.aspx
入園許可証(一部) これは英語バージョンですが、中国語バージョンもあります(雪山の場合)
「入園許可証」は国家公園から、「入山許可証」は警察から発行されるものです。両方必要なので気をつけてください。
国家公園の入園申請のサイトにフォーマットが用意されており、同時に警察サイトがリンク(「
立即申請入山證」というボタンが出てきます)されているのでここをクリックして両方申請します。(現在のところ、玉山への入園申請は日本語バージョンが使えますが、雪山の場合は中国語か英語しか使えません。)
山小屋も国家公園内の山小屋の場合、申請と同時に自動的に山小屋予約ができます。(空いていないと入園許可が下りません。)
食料、寝袋…全部担いでいます
難点は、食事の確保が難しいということ。ツアーの場合、食料や寝袋は別途運んでくれるので、比較的軽装で行けます。
玉山の場合は、山頂下にある排雲山荘で食事提供があり、寝袋もレンタルできますが、これは別格と考えたほうがよいでしょう。
それ以外の山の場合、すべて自分で担がなくてはなりません。体力勝負になる可能性もあります。
雪山 黒森林の中 ところどころに地図や説明板がありますが、自力で現在地確認が大切
<コース検討>玉山や雪山の場合、人気の登山地ということもあって道がきちんと整備されており、迷うことは少ないと思いますが、事前の地図読み込みやコース内でのペース配分など、経験者の判断が必要です。
<高山病対策など>
万が一、高山病的な症状や具合が悪くなったときのために、携帯酸素や想定される事態への備えが必要です。ただでさえ慣れない海外では体調を崩しがちです。この点には念には念を入れておいたほうがいいでしょう。
雪山 標高3800m付近 空気が薄く歩行はゆっくりとなります
<装備について>
荷物は少しでも減らしたいもの。なので食事に使う簡単なバーナーを持ち込むかどうかは悩ましいところです。山中では火を使わないで済ますということも可能ですが、バーナーでお湯を沸かし温かいお茶やカップ麺をいただくと、ホッとして精神的な疲れを癒してくれますので、余裕があれば持って行きましょう。
台湾でガスボンベを購入することは可能です。日本のバーナーと径も合います。
台湾の高山を侮るなかれ
雪山東峰と遠くに中央尖山
玉山や雪山は標高すら高いものの、メインルートは内外の大勢の登山者が登る山のため、道はとても良く整備され、危ない箇所はほとんどありません。
もちろん、台湾での登山は日本での登山と環境が全く異なるため、侮ってはいけませんが、日本アルプスに登る力のある方には、さほど難しいコースではないかと思います。なので、台湾自力登山に挑戦されたいという方には、整備された玉山や雪山からはじめられることをお勧めします。
雪山登山口より見た南湖大山。別名・帝王山と言われ堂々とした気品のある山。かつ難易度も高いそうです。
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雪山山頂近くの道
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逆に注意していただきたいのは、それ以外の高山登山に挑戦する時。玉山、雪山以上に難易度が高く、登頂が過酷な山もまだまだたくさんあります。
とはいえ、登頂時の達成感や、美しい景色を見た時の感動はひとしお。ぜひ台湾高山登山の楽しさと美しさを感じ取ってみてくださいね。
以上、台北ナビがお伝えしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2020-01-17