フィガロ・ツェン クリスマスファンミーティング2018レポート

待望のフィガロファンミーティングが8年ぶりに開催されました!


こんにちは、台北ナビです。

2018年に公開された短編映画「What is REAL?」で日本の俳優陣と共演し、日本での人気と注目が高まるフィガロ・ツェン(曾少宗)。グローバルに活躍するフィガロですが、日本でのファンミーティングはなんと8年ぶり! そこで今回は、久しぶりに開催されたファンミのレポと、独占インタビューをお届けします。

フィガロの歴史をファンと共有!


フィガロのファンミは、表参道のライブスペース・アロで開催されました。役づくりのためヒゲをたくわえたダンディーなフィガロが登場。なんと今回は特別に、ビデオ上映中以外の写真撮影がOKだったんです。寒い日でしたが、駆けつけたファンの皆さんのハートはスタートと同時にヒートアップ!

初めにこれまでのドラマや舞台の活動について、画像を見ながら振り返って行きました。ドラマ『若是來恆春』(2017)では、役作りのために台湾語を学び、既婚者の役を演じました。

『植劇場-積木之家』(2017)では、いままでとはうってかわってチンピラ役に挑戦。役づくりでヒゲを生やし、好評を得ました。

『你的孩子不是你的孩子-媽媽的遙控器』(子供はあなたの所有物じゃない)(2018)では第1話に出演(NETFLIXで視聴可能)。そして2019年春からスタートのドラマ『生死接線員』は最近クランクアップしたばかりで、ヒゲの外科医を演じています。
プライベートの話題では、30歳を迎えたあたりから好きになったというスポーツの話になりました。山登りが好きで、富士山登山やドラゴンボートを楽しんでいるそうです。富士山は飛行機に搭乗した際に眼下に広がる富士山を見て、いつか登りたいと思っていたんだとか。

そして『FIGARO MEETS』という旅番組が始まるという、ファンにとってかなり嬉しいニュースが飛び込んできました!フィガロが旅をして出会った、その土地ならではの独特な食材を見つけ、それを中華料理の発想で料理するという番組です。フィガロはこのロケで青森を訪れて、市場やリンゴ農園を旅しています。

フィガロ初の日本の作品ショートフィルム「What is REAL?」(※1)の裏話にはファンの皆さんも興味津々。サプライズで、共演した田中要次さんの動画が流れました。田中さんは『たった2日間の撮影だったが、もっと一緒にいたような印象がある』と語っていました。

フィガロが日本進出するためにはどうしたらいいでしょう? という問いかけに対し田中さんは、「日本の面白い作品をいっぱい観て、好きな監督を見つけること」とアドバイス。ぜひ、日本進出してほしいです!

フィガロのこと何でも教えます!

ファンのみんな待望のQ&Aコーナーは、ファンが手を挙げて、その場でフィガロに質問を投げかけます。

好きな日本語は何ですか? の問いには『おなかペコペコ』という、なんともキュートな回答!もうナビメロメロ~♡

まだ行ったことがないところで行きたいところは? という質問の答えはスタンダードな観光地ではなく、フィガロの故郷と同じ名のついた日本の岡山でした。『来年岡山で国際芸術祭「岡山芸術交流」という催しものがあるので行きたいです』と目を輝かせていました。

そしてトークショーの締めとして、フィガロおすすめの台湾グルメベスト3が紹介されました。

気になるそのベスト3、ひとつめは杭州小籠湯包。カニ味噌小籠包(蟹黃湯包)やヘチマの小籠包(角瓜蝦仁湯包)もありますよ! と話すフィガロはなんだか楽しそう。
2つめは鳳李氷。店名である鳳李とパイナップルを表す鳳梨は同じ発音。ここで食べられる伝統的なアイスはいろんな味がありますが、フィガロの推しは梅味でした。

そして3つめは『撮影の時のお弁当がここのサンドイッチだったりすると幸せな気持ちになる』と嬉しそうに言うほどフィガロが好きな、洪瑞珍のサンドイッチ! サンドイッチの包み紙がレトロかわいい事で有名なお店ですね。お気に入りの具はチーズ、バター、ハムをはさんだものでした。
さらにミニライブもありました。ショートフィルム「What is REAL?」の音楽も手掛けた市川和則さんのギター伴奏で歌うというスペシャルヴァージョンです。

一曲目は日本の人が僕を知るきっかけになったのはこの曲ではないか、とフィガロが感じている、Comic Boyz(可米小子)の代表作『求愛復刻版』を。「たくさんのたくさんの思い出がある歌です」ということで、皆その歌声に聞き入っていました。

2曲目は五月天の人気曲の1つ『満ち足りた思い出(中国語名:知足)』。

フィガロの歌声も聴けるなんて!!

フィガロは「基本的に役者と歌手の区別はしていません。声だけで音を出すというのではなく、役者として物語を語る感じで歌っています」と言っていましたが、情感込めて歌う姿にみんな胸がキュンキュンしてました~!

そのあとはファンひとりひとりとの写真タイムもあり、盛りだくさんのファンミでした!

台北ナビ独占インタビュー「ファンミでは一人一人の顔がはっきりと見えて、とても感動しました」

――今日のファンミーティングはいかがでしたか?

フィガロ
今日のファンミーティングを開催した理由というのは、実はここ8~10年間、(日本の)ファンの皆さんがずっと離れずにいてくれて、ずっと応援してくださっていたんです。

それで僕は『日本でファンミーティングを開いて、ファンの皆に感謝の気持ちを伝えたい』ということをずっと(芸能プロダクション)会社に話していたんです。

今回ファンミーティングを開催した会場はこぢんまりしていたけれど、雰囲気がとても良くて、ファン1人1人の顔もはっきりと見ることができて、とても感動しました。今後もこのようなファンミーティングを開催できる機会があればいいなぁと思っています。
――現在製作中の旅番組「FIGARO MEETS」で、青森を訪れた際のエピソードをファンミで披露してくださいましたが、青森の皆さんとの触れ合いの中で印象的なエピソードがあれば教えてください。

フィガロ

青森は以前からずっと行ってみたかった場所だったんです。それで『FIGARO MEETS』を通して訪れる機会に恵まれて、夢を見ているような心地でした。まず感じたことは、青森はとっても空気が綺麗な場所だということです。

そこで現地の方々とのさまざまな触れ合いがあったわけですが、中でも印象的だったのが、あるリンゴ園を訪れたときの事でした。青森はリンゴが有名で、町の特産物です。そのリンゴ園の農家さんが、リンゴの木を大事にすることがいかに大切なのかということを一生懸命話してくれたんです。

例えば『リンゴをもぎとる時はやさしくやさしくもぎとるように』と言われても、それがなぜなのか最初はわからなかったんです。そしたら、『このリンゴだけは摘まずにとっておくんですよ』って言って、農家さんが最後の1個のリンゴを枝に残していた。どうしてですか?と訪ねたら、『このりんごの木はたくさんの実をつけて、自分たちの生活を支えてくれている。だから一つだけ実を残して、この木に感謝をしないとならないんです』と。

我々人間は命を授かって生きていくわけですけど、その生きる過程において周りの人々に対して感謝をしないといけないし、そういう気持ちは常に持たないとならない。それはこの農家さんも同じで、家族を養ってくれるりんごの木に感謝しているんです。まして我々人間は、周りの人々への感謝を忘れてはならない、そういう思いを強くしました」

――それは素敵なエピソードですね。「FIGARO MEETS」の公開がますます楽しみになりました。


――では、その「共感したこと」とは逆の質問をさせてください。今年公開されたショートフィルム「What is REAL?」(※1)ですが、誕生日に突然会いに来たアトン(フィガロ)に対して日本人のゆりが冷たい態度をとる場面がありました。その役を演じていた時に、日本人と台湾人ってちょっと感覚が違うのかな、って感じたことはありましたか?

フィガロ

これはすごくいい質問ですね。何故良い質問かと言うと、僕もこのことを監督と何度も何度も議論したんです。だって、自分の好きな人がわざわざ遠いところから会いに来てくれたら嬉しいじゃないですか?普通は喜んで会いに行きますよね」

でも監督は「私が描きたいのはそういうところじゃないんだ」と。つまり監督が描きたいのは、人はそれぞれ自分の世界を生きていて、割と『自己中心的』に生きている部分が人間ならば誰しもあるんじゃないかということだったんです。そう考えるとこのショートフィルムに出てくるアトンもある意味『自己中心的』なアーティストなんです。

ゆりにわざわざ会いに来たんだから君も喜んでくれよ、という感じで。でも、そういう考えを持っているのに、相手の事となるとなかなか気持ちを理解できないし、受け入れられない。人間ならば皆、同じようなことって多少なりともあると思うんです」

それにこの映画に出てくる『ゆり』という女の子は、社会人になったばかりの会社員。だから、逆に身勝手に生きる訳にはいかない。監督が考えているのはそういう深みのある演出だということがわかったんです。

この物語を通して、『人間は自分勝手に生きるばかりではなく……(ナビ注:この続きはショートムービーを見てのお楽しみ!)』という部分を監督は描きたかったのだと、そういう風に僕たちは認識しています」

――そうなんですね!今度はその監督の思いを心に留めながら観てみます。
――ところで、このショートムービーでは仲直りのアイテムとして『チョコレート(キットカット)』が登場していますが、これが台湾だったら……ケンカして仲直りしたいときの仲直りのアイテムって何なんでしょう?

フィガロ 
そうですね、う~ん、おそらく日本と同じような感じなんじゃないかと思います。チョコレートをあげるっていうのもいいですし……または『僕、美味しい店を知っているから、今から食べに行かない?』って言ってみたり(笑)。そう切り出すことで何となく雰囲気が和むことってありますよね(一同笑)。

――美味しい食べ物が仲直りにとても有効な手段だということって、万国共通なのかもしれないですね(笑)

フィガロ 
そうですね、(笑いながら)やはり『食』の魅力って万国共通ですね。

――食べ物の話が出たところで、故郷の『食』についてお伺いしたいと思います。故郷の高雄にはよく帰られるんでしょうか。

フィガロ 
3~4か月に一度は帰っています

――結構頻繁に帰られますね。

フィガロ 
ええ。ただ、今は北京に住んでいるのでなかなか帰れなくて……最近は半年に1度のペースです

――地元高雄のおすすめの食べ物は?

フィガロ 
僕は高雄の『岡山』というところの出身なんですが、岡山は羊肉(ラム肉)と豆板醤が有名なんです。

――羊肉ですか! それはどんな調理法で食べるんですか?

フィガロ 
岡山の羊肉はいろんな食べ方があって、メニューも豊富なんですよ。ぼくは岡山生まれの岡山育ちで、あちこちの羊肉料理店を食べ歩いているので、岡山に行ったら僕の写真がベタベタ貼ってある羊肉料理店に出くわすかもしれない(笑)

――わぁ、岡山へ行く楽しみが増えました。岡山の羊肉料理店を見かけたら壁に注目、ですね。
――さて、故郷である岡山の話が出たところで、もうすぐ台湾は旧正月(※2)を迎えますよね。フィガロさんのご実家では、お正月の過ごし方はどんな風なんですか?

フィガロ 
僕は幼いころ、岡山のとある村で生まれ育ったんです。その村ではお正月準備でどの家でも自家製のソーセージと肉を天日干しにして保存食を作るんですよ。お正月になれば、そのソーセージや干し肉を食べるんです。僕の家系は中国の四川省出身なんです。

で、四川料理というと、山椒や花山椒と言った香辛料を使うことが多い。そういった香辛料をたっぷり使ってソーセージや肉の塩漬けを作るから、家に着く前からもう、すでにそういういい香りがプンプンしてきてて(笑)。食べる時はたまらなく美味しいんですよ。

――それはかなり美味しそうです~~!(一同笑)

フィガロ 
実は食べ方もちょっと変わっています。普通はソーセージをフライパンに油を敷いて焼いて食べるんですけど、うちはそうじゃなくて蒸すんです。丸ごと蒸してから少し冷まして、スライスして。その時ニンニクの芽があればそれと一緒に食べると、もう……最高に美味しい

――うわ~(ゴクっ)それは聞いているだけでよだれがでそうな話です!(一同爆笑)
――フィガロさんの最近の趣味が登山であると、ファンミーティングの中で紹介されていましたが、フィガロ流『登山に欠かせないもの』を3つ挙げるとしたら?

フィガロ 
まず1つめは『愉快的心情』、常に楽しい気持ちを持つこと。山登りって、途中でいろんな大変なことがあるんです。時にはムカっと来たり、嫌だなって思ったり、つらいなって感じることもある。かと思うと美しい風景を見て、あぁいいなって和んだりと、いろいろあります。山を登る過程のなかで、いろんな出来事が起こるわけです。なので常に楽しい気持ちを持ち続けることって、とても大事なんです。

2番目に大事なことは、自分の足にぴったり合った靴を用意すること。長時間登山する事で、足に合わない靴を履くとケガをすることがあるし、登山中にケガをすると大変なんですよ。なので履きやすい、快適な靴を用意することはとても大事です。

3番目は、普段食べたくってもなかなか食べられないような、甘い食べ物を用意すること!山登りすると疲れも出ますし、ムッとするようなこともあるんです。そういう時はこういう特別な甘いものを口にすると、すごく落ち着きます

――それ、すごくいいですね、特に3つ目が!(笑)素敵な3つの必需品です。それを聞いたらがぜん山に登りたくなる人も多いと思いますが、台北には私たち観光客が気軽に登山できそうな山はありますか?

フィガロ 
あります。一番台北からの交通の便が良くてアクセスしやすい山といえば『陽明山(ヤンミンシャン)』です。中でもおすすめは、その陽明山の中でも一番標高が高い『七星山』(※3)です。

七星山は活火山なので、地形も岩がゴロゴロしているような山なんです。灌木(かんぼく)なんかもあって。そこへ登れば台北の市街地を見渡すことが出来ますし、活火山特有の岩石の起伏なども見ることができます。それに、ふもとに温泉もあって、そこで足湯もできるんですよ(笑)」

――そんなところがあるなんて、日本人観光客にはあまり知られてないエリアですよね!もしかしたら、登山×温泉って、これからの台北観光の新しい形になるかもしれないです。なんだかワクワクしますね!
 
――それでは最後に、台北ナビで必ず聞いている定番の質問を。フィガロさんおすすめの台湾の観光地はどこですか?

フィガロ
やはり高雄じゃないでしょうか。高雄には港があるんですよ。港町なので旧イギリス領事館もあるんです。高雄には山も海もあり、港へ行けば市場の美味しい海鮮料理が食べられます。夜に高雄でデートするなら、ぜひ旧イギリス領事館を訪れてみてください。最高ですよ

――わぁ、夜の旧イギリス領事館でデート……素敵! ナビも(デートの相手はまるっきりいないけど)行ってみたいです~!

フィガロさん、今日は素敵なお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。

以上、台北ナビ(保谷 早優怜)でした!

【注釈】
※1:ショートフィルム「What is REAL?」
ネスレ日本が製作したネスレシアター作品。WEBではディレクターズカット版も公開されているので、要チェックです。
https://nestle.jp/nestle-theater/

(あらすじ)
台湾の青年カメラマン・アトンは、日本人の恋人・ゆりの誕生日祝いに写真を撮るために、サプライズで日本にやって来る。しかし、ゆりの反応は予想外に冷たいものだった。失望したアトンが一人で向かったのは、 写真を撮るつもりだったゆりの故郷の山。そこで不思議な男性と出逢い…… 「大切な人と共に過ごす特別な時間」を描くファンタジー・ドラマ。

※2:台湾は旧暦でお正月を祝います。2019年は2月5日が元旦です。

※3:標高1120mで、台北で一番高い山。七星山への行きかたは陽明山行きのバスに乗り、陽明山から108番のバスに乗り換えて小油坑で下車します。

【イベント詳細】
台湾俳優フィガロ・ツェン クリスマスファンミーティング2018
日時:2018年12月15日(土)
開場:13:00/開演:13:30/終演予定:15:30
会場: LAPIN ET HALOT(ラパン・エ・アロ)ライブスペースアロ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-01-10

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