台東の日本統治時代の趣の残る關山地区とお米がおいしいと有名な池上地区をご紹介
「池上穀倉藝術館」にて開催中の《如果你先我一歩聽見》
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キュレーションは音楽家の王榆鈞さん
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台鉄「關山(関山)」駅の眺め
こんにちは、台北ナビです。
台湾の南東部に位置する台東。地名を聞いたことはあっても、実際に訪れた方はあまり多くないのでは⁈実際に台湾在住者のナビも、台東には片手で数えるほどしか赴いたことがありません。今回は台湾好基金會が主催する台東の旅へ「池上穀倉藝術館」の開幕を兼ねて行ってきました!
台東の「おいしい!!」を3軒一気にご紹介♪
まずは客家料理の「宏昌客家菜館」。無菜単料理という言葉を聞いたり、文字を見たことはあるでしょうか?こちらは客家料理を「無菜単」で提供する、つまりメニューのない料理店です。何品でいくらという形での注文になります。内容は、予約時に要確認!
1979年おばあさまの時代から始まった「宏昌客家菜館」。現在は3代目になる息子さんがメインでお店の切り盛りをしていて、料理は主にお母さまが自分たちがおいしいと太鼓判を押したものを、心を込めて作っています。なので、地元の方々でもなかなか予約の取れない大人気店なんです。
店内は広々としていてアットホームな雰囲気が漂うのも、地元民に人気というのが伝わってきます。
外観はシンプルで分かりやすい大きな看板
次々と運ばれてくる彩りも香りも良い料理。一品一品どんどん食べていきます。
通常客家料理は味が濃いイメージですが、こちらの料理は全体的に濃いというよりも、素材の味からしっかりと味わうことができるという印象で、とても食べやすくパクパクいってしまいます。肉の赤いドラゴンフルーツ(レッドピタヤ)を使った龍鬚菜は、ピンクとグリーンのコントラストで特に見た目にも魅力的でした!
次にご紹介するのは、「紅瓦屋風味餐廳」。
夜にお邪魔したため周りの景色は確認できていないのですが、とにかく店内が独特な原住民ムードに包まれていました。というのも、経営が阿美族のご夫婦。所々にある装飾が人間味ある温かさを一層醸し出しています。
月桃の葉に包まれたおこわ「阿粨」
出てくる料理もまた個性的!月桃の葉に包まれたおこわや「情人的眼涙」と呼ばれる藻類(イシクラゲ)はサラダ感覚の冷菜で、はじめて食しましたが瑞々しく弾力もある食感でした。
ナビが特に気に入ったのは、馬告(マーガオ)という台湾独自の山胡椒を使った「馬告鹹豬肉」。大人数で食べていたので皆さんに均等に渡っているのか目配りしつつ遠慮しながらも、お箸がスーッとのびてしまうほど。(笑)山椒のようなちょっぴりヒリつく刺激的な辛味と苦味が豚肉に絶妙にマッチしてクセになる旨み。どれも満遍なくおいしくいただけました!
最後にご紹介するレストランは、「池農田媽媽餐廳(金色豊收館)」。池上郷農会碾米加工廠の敷地内にある大型のレストランで、個室や2階席も設けられています。
大きな扉が出迎えてくれます
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お米のオブジェちゃんたちの笑顔がキュート過ぎてこっちまで微笑み返ししたくなる!
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蒸し魚
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ふっくらと瑞瑞しい池上のお米は絶対食べるべし!
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こちらも台湾の大皿料理のオンパレードで、見た目にも食欲をそそります。
6菜1湯(6品の料理と1品スープ)の約5~6人分/2,000元や7菜1湯(7品の料理と1品スープ)の約7~8人分/3,000元のほか、単品メニューが多数。池上のお米は有無を言わさないおいしいので、おかずと合わせてどんどんお箸が進みます。台北でもスーパーなどで購入可能ですが、やはり現地で食べる池上米は格別でした!
池農田媽媽餐廳(金色豐收館)
住所:台東縣池上郷七鄰85-6號
電話:0928-863-343
「有機書店」とは⁉
「有機書店」とは、本を通して交流することのできる場所。「小鎮地方学」「把書店開進偏強」の著者・盧文鈞さんが発起人となり、現在台湾に22箇所ほど点在し、今後もどんどん増えていく予定で、現目標は100店舗です。
盧さんが運営する1店舗目は2014年に創設された新竹県關西の「石店子69有機書店」。書店という名称はついているものの、本を販売しているわけではありません。「以書換書(本を交換)」「小額換書(チップで交換)」がコンセプトになっています。
左・「關山有機書店」×「里瓏案内所」オーナーの陳顯予(Ellen)さん。右・「有機書店」発起人で著者の盧文鈞さん
「關山有機書店」×「里瓏案内所」の外観
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繊細に描かれた店頭のイラスト
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こちら「關山有機書店」は、盧さんに共感したEllenさんが2020年に「里瓏案内所」と併設し開業しました。Ellenさんは以前、海外にて旅行のガイドとして活躍、コロナを機に台湾に戻ってきたそうです。
關山の街をゆるりと散策
「關山有機書店」×「里瓏案内所」オーナーEllenさんがガイドをしてくれるとのことで、ゆるりと散策しました。
日本統治時代の名残がそこここにうかがえる關山の街並み。初めて来た場所なのに懐かしさを感じました。この街は3分の1が客家人で次にベトナムから嫁いで来た方々が多いそう。
長屋造りの家屋
關山の役所
レトロ可愛いが止まない街並みにキュンキュン。こちらは100年以上の歴史ある店舗「榮華商店」と昔ながらのコンビニ
《如果你先我一歩聽見》をじっくりゆっくり鑑賞
この土地の人たちと台湾芸術家たちの作品が融合した展示《如果你先我一歩聽見》が3月末からスタートしました。台湾好基金會と臺湾美術基金會が「池上穀倉藝術館」にて共同開催しています。
《如果你先我一歩聽見》のポスター
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美術館入口にある営業時間などが記されたもの
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「藝術銀行」の收藏作品と106人の池上住民の魂の声から成る《如果你先我一歩聽見》は、視覚と聴覚に訴えかけます。音楽家の王榆鈞さんをキュレーターに迎え、王雅慧さん、石晉華さん、伊命さんなど21名の芸術家のアートが楽しめます。
蕭雅心<時時刻刻-4>時間と空間と宗教観が混在した作品
伊名<穿透>この作品の作者は台東の卑南族。海に流れ着いた流木を使用しています
《如果你先我一歩聽見》
会期:2024年3月30日(土)~9月1日(日)
営業時間:10:30~17:30
休み:月・火曜日
住所:池上穀倉藝術館(台東縣池上郷中西三路6號)
電話:(08)9862-089
チケット:50元
是非台東へ芸術と癒しの旅へ足を伸ばしてみては如何ですか?
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2024-05-08