北海岸の新鮮な食材を使ったお料理でおなかを満たし、海底温泉で体の芯までポカポカになる、癒しの旅♡海風がきもちいい!台湾北海岸の新たな魅力にふれられるプチトリップでした!
こんにちは、台北ナビです。
四方を海に囲まれた島国、台湾。市内観光を遊びつくしたらぜひ、海岸沿いの景色や美食にも目を向けてみよう!ということで今回は、日本から遊びに来た両親を連れ、新北市が誇る金山エリアへ出かけてきました。
台北市内で暮らすナビに「そうだった、台湾は島国だった!」と改めて感じさせてくれた、北海岸線プチトリップの様子をお届けします。
北海岸線のみどころ
台北市の北側、新北市にある三芝、石門、金山、萬里、五股、八里の6つの郷(日本の村に相当)・鎮(日本の町に相当)に属する北海岸線沿いには、台湾最北端の「富貴角灯台」や、奇岩怪石で知られる「野柳地質公園」を筆頭に、景観スポットや古跡などが数多く点在。
豊富な観光資源に加え、人気のサーフスポットや新鮮な海鮮料理を求め、シーズンになると、多くの人でにぎわいます。
今回訪れた金山エリアは「地瓜(さつまいも)」の産地で有名。
数年前にはじめて「金山紅地瓜」を口にしたときの感動を、ナビは今でも忘れられません。金山に住む知人から「金山紅地瓜」が段ボールで届く度に大興奮!お友達にお裾分けしてもよろこばれるし、とにかく重宝します。ぜひ金山で、そのおいしさを体験してみて下さい。
そのほか、金山は世界的にも珍しい「海底温泉」があることでも知られています。のちほど、ナビ&両親の初海底温泉体験についてもレポートいたします♪
いざ、出陣!移動手段は?
今回は両親を連れての旅行だったので往路はタクシーを利用したのですが、北海岸線への移動は、淡水から野柳地質公園に向かって走るバス、716「台湾好行-皇冠北海岸線」の利用が便利です。ただし、冬季(11月~4月)は土・日曜日と祝日のみの運行なので要注意!
MRT「淡水」駅出口2を出て右へ100mほどの場所に、716「台湾好行-皇冠北海岸線」乗り場(5番のりば)があります。現金または悠遊卡(EasyCard)や一卡通(iPASS)などICカードでの決済が可能なほか、車内で販売している1日券(160元)を購入すれば、購入当日に限り皇冠北海岸線が乗り放題です。
ちなみに、台北市内からレストランまでのタクシー乗車料金は1000元ほどでした。週末は渋滞するイメージがあるのですが、平日の午前中に出発したためか、スムーズに到着することができました♪
自然の恵みをたっぷり詰めこんだレストラン「田中芳園」
広々とした、落ち着く店内。ゆったりとくつろげます~!
まず訪れたのは完全予約制で、メニューのないレストラン「田中芳園」。決して立地がよいとはいえない場所にあるこちらのお店ですが、2012年から10年連続で、経済部、環境保護局、交通部、新北市政府らが主催するコンテストで「環境にやさしいレストラン」や「特色あるレストラン」に選ばれ認知されているほか、2022年には、新北市政府が主催する新北市内の特色あるレストランやお土産を決めるコンテスト「2022新北嚴選」で大賞を受賞している、人気レストランなのです。
「完全予約制で、メニューのないレストラン」と聞き、敷居が高くて入りづらそうなイメージがありましたが、まるで山小屋にやってきたようなあたたかみのある内装にホッとするナビ。加えて、とことん丁寧にもてなしてくれる女将さん、郭さんの人柄に、更に心がほぐれました。
「自然」と「健康」がコンセプト
店内のテーブルや椅子は、2009年8月に中南部および南東部で発生した「八八水害(八八風害とも)」の際の流木を再利用して作られています。
2011年にお母さまの看病のため、この地に戻ってきた郭さん夫婦。母親にオーガニックな環境下で療養してもらいたい一心で荒地を改良し、花や植物を植え、周辺の生態系を整備しました。お母さまにお店の完成を見てもらうことは叶いませんでしたが、悲しみを原動力に変え、自然の恵みをふんだんに使った健康志向の料理を提供するレストランを始動させました。
料理の腕を振るうのは、元軍人という異色の経歴を持つ、ご主人の許さん。除隊後、43歳で台湾の食材や調理に触れる機会に恵まれ、今に至るのだとか!
「田中芳園」では、静かで美しい周辺環境を守るために「完全予約制」というスタイルを採用。オーナー夫婦は日本語が話せませんが、日本滞在経験のある息子さんがいらっしゃるので、予約は、お店のFacebookページへ日本語でメッセージを残せばOKとのことです。
旬の食材を、その時のおいしい組み合わせで提供するためメニューはありません。食材はすべて、地元の農家や、北海岸・基隆港でとれた新鮮な食材を使用。ここへ来れば、このエリアならではの山の恵みと海の幸を、一度に堪能できるというわけです。
北海岸の「旬」が一皿ずつ味わえる幸せ
日本では出合えない食材たちをゆっくり堪能できました♪
食事ができるのは、ランチ(12:00~14:30)とディナー(18:00~20:30)の2回のみ。コースは8品(1人1535元)と、6品(1人900元)の2種類あります。今回はランチでお邪魔し、8品のコースをいただきました。
1品目
1品目からなんと豪華!アワビの登場です。キレイな海水で養殖されたという大振りのアワビを、日本人も食べやすい特製のゴマダレでいただきました。
新北市が長年、アワビの養殖に注力してきたということを、この日はじめて知ったナビ。東北角海岸の優良な養殖業者から仕入れた新鮮なアワビは歯ごたえがよく、素材の味を生かした味付けもすばらしい。
付け合わせの柚子大根の漬物と、ドラゴンフルーツで味付けされた梨はさわやかで、見た目も美しい!
2品目
2品目はナビお待ちかねのお刺身です。
北海岸で釣れた天然の紅甘魚(カンパチ)、黃鰭姬鯛(キンメヒメダイ)、黑甘魚(アイブリ)、黑毛魚(メジナ)の4種盛り。低温熟成させることで魚の甘みが凝縮されるのだとか。肉厚で、むっちりした食感は食べ応えがありました。
日本で普段あまりお目にかかれない魚に出合えるのも、このエリアならではの体験です!
3品目は、海藻を食べて育ったエビがやってきました。
お店の後方で育てている生姜を花ごと一緒に煮込んだエビが、ナビの大好きな金山のさつまいもの上に飾られています。付け合わせには、天然のシロカジキのフライと、地元で採れたマコモダケが添えられていました。
新鮮な陸と海の食材を一緒に味わえる、贅沢な一皿です。
4品目
4品目は、オリジナリティーあふれるカボチャとイカの茶碗蒸し。
具材だけ聞くと、一見不思議な組み合わせですが、食べてみるとマイルドでおいしい!8時間かけて煮込んだ栄養価の高いコンソメスープと地鶏卵に、地元の新鮮なカボチャと、金山で採れた柔らかいイカを加えた茶碗蒸しは、甘みがありホッとする一品でした。
5品目
5品目は、採れたて新鮮な太刀魚の塩焼きです。
塩焼きしたあとに、月桃の葉で包み燻製された太刀魚からは、ほんのり月桃の香りがします。プリっとした白身がとてもおいしかったです。付け合わせの洛神花(ローゼル)の蜜漬けとキュウリが相性バツグンでした。
いよいよメインとなる6品目!この段階で、すでにお腹に余裕がなくなりつつあったナビ一行でしたが(笑)、ひるんではいられない!
メインは、ヤギ肉のスープと、烏骨鶏のスープの2種類から選べます。ナビはヤギ肉、両親は烏骨鶏をチョイスしました。
フルーツ、野菜、鶏肉に10種類の秘伝のスパイス等を加えて12時間煮込んだヤギ肉のスープは、濃厚でまろやかな味わいでした。6年かけて乾燥させたという仙草や、白鶴靈芝(ハッカクレイシ)、玉竹(ギョクチク)などの生薬を加えて8時間煮込んだ烏骨鶏のスープは、一見苦そうな見た目と反して、とても飲みやすくオススメです。
7品目
もうお腹いっぱーい!というタイミングで、7品目の麺が登場したのですが、この麺がまたおいしいのです!
ニンニクが効いた自家製の唐辛子と、魚、エシャロット、パクチーを加えたソースが絶妙にマッチ。シンプルな一品ですが、心に残る麺線でした。
「足りなければお代わりありますよ」と女将さん。ありがとうございます、でも本当に満腹でした(笑)!
8品目
8品目はデザート。金山の跳石海岸周辺で採れるタロイモを使用した手作りケーキと、旬のフルーツです。
タロイモの風味をしっかり残したケーキは、ほどよい甘さがうれしかったです!フルーツまでいただいて、もう大大大満足!!
台北でもなかなか食べる機会のない、北海岸ならではの食材のオンパレード。台湾の美食家たちがわざわざ足を運ぶ理由がわかりました。なにより、誠実で一生懸命なオーナー夫婦の、心のこもったおもてなしに触れれば、再訪したくなること間違いなしです。また、ゆっくり遊びにいきまーす!
「田中芳園」のすぐ脇に、淡水-基隆間を走る路線バス862が停車するバス停「清水」があります。満腹感を抱えたナビ一行は862に乗車し、基隆方面へ向かいました。10分ほど乗車すると、次の目的地「沐舍溫泉渡假酒店」最寄りのバス停「加投里」に到着。バス停はホテルのすぐ横にあるので、アクセス最強です。
金山エリアの泉水は、硫黄泉と海水の2種類の効能があるため、塩分によるデトックス、皮膚病、美白、新陳代謝促進などが期待できるそうです。温泉なのに、なめると海水のようにしょっぱい、不思議な海底温泉体験に両親も大満足!入浴後はもちろん、身体中ポッカポカで、お肌のしっとり感も持続していたように思います。
館内には個室の入浴エリアのほか、屋外に大衆SPA温泉エリアがあり、2階以上が宿泊エリアとなっています。