台湾最大級の屋外彫塑美術館はとにかく広大!!たっぷり時間をかけて散策&鑑賞したら、金山でしか味わえない巨大芋圓と温泉も堪能して帰ろう
こんにちは、台北ナビです。
今回は榮光旅行社が主催するツアーを利用し、以前から気になっていた「朱銘美術館」へ行ってきました。アートや彫刻に興味があればご存じの方も多いのでは?と思いますが、世界で活躍してきた台湾彫刻の巨匠「朱銘」が12年の歳月を費やし1999年にオープンさせた、台湾最大級の屋外彫塑美術館です。
実際に訪れると、そのインパクトたるやナビの想像をはるかに超える強烈なものでした。2023年に85歳でこの世を去った朱銘ですが、彼が残した数々の力強い作品には、感情を揺さぶられます。台湾が生んだ偉大な芸術家「朱銘」のすごさを改めて体感した時間でした。
それでは、金山の自然と融合したすばらしい美術館の様子と、これまた金山でしか体験できないスイーツ&温泉体験記をお届けしたいと思います。
▼ナビが参加した「栄光旅行社」のツアーがこちら
※パッケージには下記が含まれています
①朱銘美術館の入場券
②金山芋圓王のデザート1品
③金山萬里温泉利用券500元分(舊金山總督温泉、金湧泉SPA温泉會館、沐舍温泉渡假酒店から1店舗選択)
異彩を放つ「朱銘美術館」
まるで息をしているかのような朱銘の作品が、至る所に散りばめられています
美術館が立地するのは、金山区の山郷。約32,000坪の広大な敷地を贅沢に使った美術館は主に第一展覧室・本館と屋外エリアに分かれており、敷地内にはカフェ・レストランも併設されています。
朱銘の作品や収蔵品が展示されるだけでなく、「芸術の種を蒔く」をコンセプトに、彫刻の普及と美術教育にも注力している美術館です。メインとなる作品は屋外に多く展示されているため、天気予報とにらめっこして、ぜひ晴れた日に訪れて欲しいです。
台北から美術館へのアクセスは、バスが便利!
① MRT「淡水」駅から「716(台湾好行―皇冠北海岸線)」に乗り、朱銘美術館で下車。冬季は休日のみの運行なので要注意。ツアー参加でもらえる「北北基好玩卡」交通カードが利用可能です。
※台湾好行の運行
【5~10月】夏季→毎日運行(月~日曜日)
【11~4月】冬季→休日のみ運行(土・日曜日、祝日)
② 美術館と金山区公所間を無料シャトルバスが運行しています。帰りはシャトルバスで金山区公所まで行き、そこから国光客運バス1815などに乗り換えるのがオススメ。
※美術館のシャトルバス(朱銘美術館→金山区公所)
火~金曜日:13:40、17:00の2本
土・日曜日、祝日:13:40、15:40、17:00の3本
美術館前にあるバス停
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美術館のシャトルバス、というかワゴン車
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生涯にわたり独自のアートを追求し続けた「台湾の宝」朱銘
まずは少しだけ、この広大な美術館を創設した「朱銘」について触れておこうと思います。
写真で見ると寡黙そうな印象ですが、資料室の映像を見てみると、とても自然体で穏やかな人柄のように感じました
日本統治下である1938年、苗栗県に生を受けた朱銘(朱銘はアーティスト名で、本名は朱川泰)は小学校を卒業してまもない15歳から、媽祖廟の彫刻師「李金川」のもとで木彫と絵画を学びます。その後30歳で当時の台湾現代彫刻界の重鎮であった「楊英風」に入門するのですが、この楊英風との出会い方がとてもドラマチック!学歴に乏しく、貧困家庭で育った朱銘に推薦者やコネクションがなかったため、なんと3年がかりで自ら楊英風の住所を探しだし、門を叩いたのだそうです!朱銘の行動力にとても感動した楊英風は、快く弟子入りを受け入れたとか。その執念こそが、彼の人生を大きく変えることとなったのですね。
8年後の1976年に、転機が訪れます。朱銘の機が熟したと感じた楊英風は、自らに与えられた台湾國立歴史博物館での個展の機会を朱銘に譲ります。当時無名だった朱銘はその個展を機に人気を博し、活躍の場を世界へと移してゆくのでした。
朱銘は「ただ作品を展示するだけならそこは展示場であり、美術館ではない」と語っています。彼が考える美術館の役割のひとつに教育があります。特に幼少期から芸術に触れる機会を与えることが重要と考えていた朱銘の意向の通り、ナビが訪れた日も作品を見学する小学生たちの姿がありました
広大な屋外美術館へ、いざ出発!
細部にまでこだわりが感じられます
いよいよ朱銘の「子供たち」である作品たちとのご対面です。
この美術館は子供たち(作品)の「家」だと語った朱銘。どの子がどの空間にふさわしいのかを知っているのは彼ただ一人ということで、美術館に展示されている作品はすべて一体ずつ、朱銘の指示によって設置されています。建物はもちろん、敷地に植えられた木や建物に使われる瓦に至るまで、すべて朱銘自身の構想とデザインが採用されている点も頭にいれながら散策、鑑賞してみてください。
★太極シリーズ
太極広場では、海外へと活躍の場を広げるきっかけとなった「太極シリーズ」が芝生の上でのびのびと待ち構えています。細身で小柄な朱銘は、楊英風の勧めで太極拳を始めるのですが、これが「太極シリーズ」誕生のきっかけとなります。
シンプルながら迫力のある太極シリーズは、海外で高く評価された作品ですが、逆に「郷土シリーズ」などの従来の作風を愛してきた台湾人からは、中々理解を得られなかったのだそうです。国により作品への価値観が異なるのも興味深いですよね。
「太極拱門」は、美術館がオープンして2年目に寄贈された作品です
太極シリーズの代表的作品のひとつ。実はこの作品、向かい合う2人の人物が太極拳をしている様子が表現されているそうです!
言われてみれば、2人いるように見えてきます。「太極シリーズはその型を表現しているのではなく、太極拳の精神を表現している」という朱銘の意図を、みなさんも感じますか?
★人間シリーズ
1981~1983年のニューヨークでの活動を通じて創作されたのが、人々の生活の細かい部分を描写している「人間シリーズ」です。
楽し気な作品もステキですが、朱銘が4年かけて完成させた陸海空軍の兵隊を表現した「三軍」がナビ的には印象的でした。静止しているのに躍動的で、一体一体がなにかを訴えかけてくるのです。
「我々が彼らを見ているのか、彼らが我々を見ているのかわからない」と語っていた朱銘の言葉の意味がとてもよくわかります。ここまで表現できてしまう朱銘の実力に、心底脱帽のナビでした!
ナビがいちばん衝撃を受けた「人間広場」。こちらは、海軍軍人たち
空軍もインパクトがあり、カッコいい!
生前朱銘は、天から3つの贈り物を与えられたと語っています。
「家が貧しく、学問を学べる環境ではなかったこと」
「李金川と出会えたこと」
「楊英風に師事できたこと」
この贈り物を最大限に生かし、ひたすら作品作りに没頭し続けた朱銘の「子供たち」に会いに、ぜひ朱銘美術館を訪れてみてください!
朱銘美術館
住所:新北市金山區西勢湖2號
電話:(02)2498-9940
5~10月:10:00~18: 00(最終入場17:00)
11~4月:10:00~17: 00(最終入場16:00)
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台湾一、いや世界一大きい!?イモ団子がたべられる「金山芋圓王」
ナビがいただいた「芋園仙草奶凍」
朱銘美術館で感性が磨かれた(気がする)ナビが次に向かったのは、ツアーに組み込まれている「金山芋圓王」です。
金山にしかないお店なのでナビは初めて存在を知ることとなったのですが、「金山といえば、サツマイモだもんね~」と軽いノリで入店したところ……在台歴14年目にして初めて体験するビッグサイズのイモ団子に仰天!ようやく、ツアーに組み込まれている意味を理解したナビでした。
「金山芋圓王」は金山エリアに5店舗を構える人気店です。
ちょうどオーナーのJasonさんがいらっしゃったので、少しだけお話を伺ってみました。元々は携帯電話の修理を仕事にしていたというJasonさん。お父さんのかき氷屋さんを手伝うこととなり、せっかくなら自分が好きな芋圓にフォーカスしたお店を開こうと、10年前に金山芋圓王を開業したのだそうです。
噛むたびに感動してしまう金山芋圓王のイモ団子ですが、そのおいしさの鍵は、団子を作る際の材料の比率にあるようです。
粉の量を減らし、イモの比率を多くすることで、白玉のようにツルンとした食感ではなく、モチッと噛み応えのある団子に仕上がるのだとか。更にイモの繊維質をあえて残すことで、素材の味をしっかり感じられるようにも工夫されています。
実はこの後再訪したほど、ここのイモ団子に惚れたナビが、自信をもってオススメするお店!オーナーのこだわりが詰まった巨大芋圓、ぜひ、みなさんもトライしてみて下さい♪
金山芋圓王 民生總店
住所:新北市金山區民生路204號
電話:(02)2498-9997
時間: 10:30~18:00
休日:なし
「金湧泉SPA温泉會館」の海底温泉で旅の締めくくり
デザートでお腹も心も満たされたナビは、今回のツアーの最終目的地となる「金湧泉SPA温泉會館」へとやってきました。金山芋圓王の本店からは徒歩で8分ほどでした。
2008年に開業した金湧泉SPA温泉會館は、親子で楽しめる露天SPAがあるほか、金山万里郷の特色でもある海底温泉が引かれた温泉宿です。
館内の造りはシンプル!
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受付カウンター右手にのびる廊下の先に、更衣室や温泉エリアがあります
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広い露天SPA!天然温泉ならではの硫黄の香りが、ほんのりします
足のケアその①「ドクターフィッシュ」コーナー
。金魚率高めな、台湾のドクターフィッシュ!
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足のケアその②「足湯」コーナー。蛇口をひねると40度前後の温泉が出てきます。桶に溜まったお湯で15分ほど足湯をすると、発汗作用が働いて全身がポカポカ!
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せっかく金山へ来たなら、ぜひ体験したい海底温泉
2000坪ある露天SPAを堪能したあとは、内風呂(水着不要)でゆっくり疲れを癒しましょう。今回は利用者がいたため内風呂の様子は撮影できませんでしたが、開放感があり、落ち着いた雰囲気がとても気に入りました。水着は着たくない!という方は、内風呂だけでも十分に楽しめると感じました♪
金湧泉SPA温泉會館
住所:新北市萬里区大鵬里萬里加投213-3號
電話:(02)2498-3588
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振り返ってみてもまだ余韻に浸れる朱銘美術館を筆頭に、ナビが暮らす台北ではできない体験ばかりで、とても刺激的な1日でした。「芸術に触れる旅がしたい!」「北海岸で新しい体験をしたい!」という方はぜひ、台湾旅行のバケットリストに加えてみて下さいね。
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2024-03-22