清の時代から残る恒春古城の城門とサンゴの隆起でできた山にある社頂自然公園を巡ってきました!
こんにちは、台北ナビです。
まだ寒い4月の日本を出て台湾最南端の墾丁に行ってきました。今回ナビはシーザーパークホテル墾丁に3泊したのですが、その様子は、旅行記第一弾をご覧ください。
社頂公園正門近くにある裂谷。サンゴの山の間に通路
この旅では、リゾートホテルを満喫したのは言うまでもありませんが、台湾で最初に指定された国家公園「墾丁国家公園」や、ホテル前の海やプール、さらに2ヵ所も周辺観光をしました。
「シーザーパークホテル墾丁」の位置と歴史を確認!
シーザーパークホテル墾丁でいただいた周辺地図 北側に恒春古城、ホテルを囲むように作られた道の左上に社頂自然公園があります。近くには墾丁森林遊楽区があります
ホテルの前の幹線道路を10㎞北に戻ると、「恒春」があります。
清末期の1874年にこの地で「牡丹社事件(原住民が日本の宮古島からの漂流民を殺害したことをきっかけに、日本軍が恒春地方に出兵)の後、清が城を作りました。
この地は瑯嶠(ランジァオ)と言われていましたが、当時の官僚・沈葆楨が気候温暖な地であるため、恒春と名前を変更しました。
恒春は小さな街
恒春バスターミナル
ホテル近くの「小湾」バス停から15分ほどで恒春バスターミナルに到着しました。場所は南門の近くにあります。
恒春は地域の拠点で、周囲にある観光地・墾丁方面、四重渓温泉や東海岸方面に行くバスが発着しています。
ターミナル建物内にはバス会社の事務所、恒春観光案内所、待合室がありますよ。
恒春観光案内所でいただいた地図
恒春の中心部は、周囲2.6㎞の城壁内です。現在も東西南北の城門が残り、中心に商店街や官庁建物などがあります。墾丁商店街と異なり、観光地ではない地元民の普段使いのお店が並んでいます
小さな商店街を抜け、東門に到着。門の外はすでに郊外の雰囲気が漂います。
城門の上に上がると東北方向の山が見えます。東門付近の城門上の道は道路で寸断されていました。
東門を過ぎると「出火奇観」という地下から漏れる天然ガスが燃えている観光地や満州、卑南等東部に続く道がついています。
城門の上は遊歩道になっており、しばらく南門に向かって歩きました。
途中、城壁の代わりに歩道が木製の箇所もあります。隣は学校で、学生の運動している声が聞こえてきました
木製の歩道が終わった地点で、城門の上の遊歩道は終わりました。城壁は崩れていますが、一部残っています。まもなく南門です。
東門から徒歩20分くらいで南門に戻ってまいりました。南門周辺は、かつて一番にぎわっていた場所であり、今も中心地です。門を中心に円環の道路がついています。
観光案内パンフレットによると、日本統治下、南湾港と恒春を結ぶ線路が敷設され、南門をぬけて物資を運んでいました。4つの門の中でも一番堅牢に造られ、今でも保存状態が良い門です。
ここで、急に雨が降ってきました。どうしようかと思案した結果、マッサージ屋さんを検索し、南門近くのお店に行きました。
陳さんとスタッフの女性
南門から西北に5分ほど歩いた住宅街にある「沐華」。その名から連想されるように、いわゆるスポーツマッサージや指圧ではなく、経絡を通じ美容に効果あるマッサージを行うサロンでした。
店長の陳さんは美しい方で、サロンもきれいに整頓されお花がいっぱい。思いがけず美と癒しをいただきました。
社頂自然公園で太古の自然を感じました!
翌日、ホテルにある貸自転車(マウンテンバイク)を借りて山方面へプチ遠足してきました。ホテルをぐるりと囲むように裏山に道ができています。
ホテルに設置しているマウンテンバイクは、台湾が誇る自転車メーカー/ジャイアントの製品。サイズもいろいろ。ホテルスタッフさんが高さなど調節してくれました。
まず、ホテル前から半島を10分ほど南下します。半島を囲む幹線道路は、大きなアップダウンもなく、スイスイ。
途中には小さな美しい浜が数か所ありました
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しばらくして船帆石という大きな岩が見えてきます
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かなり登ってきました。はるか下に船帆石が見えます
船帆石付近から道を左にとり、山道を登りはじめます。
マウンテンバイクといえど、なかなかの登坂。気候は真夏の晴天。汗がしたたり落ちてきます。
登坂と格闘すること、30分。ようやく頂上付近まできて道が平になってきました。
道の途中に咲いていた野生のブーゲンビリア
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道の両側の岩は、サンゴが隆起したものです
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社頂自然公園
山の頂上付近はほぼ平な道が続き、まもなく社頂自然公園に到着。台湾の原住民族の一つパイワン族の一つ「社頂集落」が近くにあります。
かつて、海の近くの平地には大陸から入植してきた広東系漢族や客家の人々と漢族化した原住民の部族が住んでいました。一方、山岳地方には漢族とは一線を画し、独自の文化をもった原住民族が住んでいました。
墾丁地域の山地に住んでいるのはパイワン族です。社頂部落は、山岳地域に住む18部族の最高地点に住んでいたため、「社頂」と名付けられました。
道を隔ててビジターセンターがあります。とても簡素ですが、トイレと水・お湯の補給器があります。飲み物や土産物の売店も数件ありました。
公園に入ると、園内の地図があります。見どころ多い裂谷から小峡谷と大峡谷へ行きます。
正門を過ぎてしばらくすると、第一のポイント裂谷があります。名前のごとく大きな岩の間が裂けるように道がついています
正門を過ぎてしばらくすると、第一のポイント裂谷があります。名前のごとく大きな岩の間が裂けるように道がついています
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さらに進みます。遊歩道は多少のアップダウンがありますが、下り坂基調です
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小峡谷に来ました。先ほどの裂谷で驚きましたが、小峡谷はさらに長く壁が迫り迫力ある道でした。
上に大岩が載っています
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反対側から見た出口。サンゴの岩がゴロゴロした道です
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人が一人通れるほどの幅しかありません
大峡谷は、小峡谷より道がやや長く、二つの峡谷は山をはさんで左右にあります。ぐるりと回って両方見られます。
大峡谷を抜け、しばらく先に進むと草原と海(太平洋)が出てきました。ここは大草原という地名で、冬は風がとても強いそうです。
はるか東の海には蘭嶼島。墾丁半島は3つの海に囲まれているのだと、改めて実感しました。
公園をあとにして、さらに進むと人家がチラホラ見えてきました。原住民族・パイワン族の人々の集落です。
部族の象徴である鹿や蝶、女性の身体などが描かれた木製の柱が道路沿いにありました。写真を撮るだけで立ち去ったのですが、なかなか複雑な模様で、もう少し詳しく見てみたかったです。原住民族の人々の心が見えるようです。
山の上の道路から海方面をみます。シーザーパークホテル墾丁や青蛙岩も一望です
社頂部落付近を境に道は下り坂となりました。途中に「墾丁森林遊楽区」があり、大規模な駐車場がありました。多くの観光客が来るのでしょう。
マウンテンバイクで下り坂はラクチン。どんどん下り、あっという間に夜市が開かれる墾丁の商店街に着きました。
自転車は自由度抜群!お気に入りのビーチを探したい
たった3時間ほどの自転車遠足でしたが、とても充実した時間でした。良いお天気に恵まれ、海と山を楽しみました。
以上、台湾の歴史と自然大好き・台北ナビ(木村明惠)でした。
(取材日:2025年4月8日~4月11日)
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2025-05-21