素朴で自然体の人々と触れ合える澎湖は台湾リピーターにオススメ!
こんにちは、台北ナビです。
台北ナビに寄せられる声でとっても多いのが、「日本人観光客の少ない穴場スポットに行きたい」というもの。そんなみなさんに台湾在住歴14年のナビがお薦めしたいのは台湾の離島!独自の文化が色濃く残り、台湾本島とは違った人々の暮らしが垣間見られるんです!今回は澎湖県の県政府所在地がある馬公市をご紹介します。とってもコンパクトな街なので、徒歩で気軽に観光できるんですよ。では、行ってみましょう!
澎湖へは台北から国内線で1時間弱!
澎湖へは、台北や高雄から飛行機で向かうのが便利です。台北からは台北松山空港から1時間弱。チャイナエアライングループのマンダリン航空、エバー航空グループのユニー航空、第3の翼であるファーイースタン航空が就航していて、チケットはいずれもパスポート番号を使ってインターネット上で予約購入が可能です。首都圏にお住まいの方なら羽田-松山線が利用できるので乗り継ぎが楽ですよ。
2019年5月現在、台北松山空港を最も早く出発するのは6:50発のマンダリン航空便。逆に澎湖を最後に出発するのは18:50発のファーイースタン航空便。曜日によってはこれより早い澎湖行きの便、遅い台北行きの便がありますので、航空会社にお問い合わせください。
※2019年12月現在、ファーイースタン航空は運航を休止しています。運航情報にご注意ください。
澎湖ってどんな所?
台湾リピーターの方でもなかなか離島まで足を運んだことがあるというのは少数派なはず。実はナビも初体験だったんです。そこで、澎湖についてちょっと簡単にご紹介しましょう。澎湖県は台湾海峡に浮かぶ約90の島々からなる県で、総人口はおよそ10万5000人。約8割が澎湖本島に暮らしていて、馬公市の人口は6万2000人です。毎年10月頃から翌年3月頃が乾季、4月から9月が雨季とされますが、冬は強風が吹き荒れるため、観光をするなら春から秋がオススメです。
澎湖の歴史は今から5000年前の新石器時代までさかのぼることができます。かつては台湾海峡上の漁業基地として発展して来ました。県内各地でその当時の暮らしを伝える遺跡が発掘されています。また、大航海時代真っ只中の16世紀前半にはアジアに進出してきたオランダに統治されたことがあるのですが、その時期はオランダが台湾本島の一部を統治していた時期と少し異なります。
1895年からは日本統治時代となり、日本の面影は現在でもいたるところで見られます。現在は美しく豊富な海洋資源と台湾本島とは異なる文化があり、観光が盛んです。
朝市で活力を分けてもらおう!
難しい話はさておき、散策に出発しましょう!1日の最初に訪れたいのは、澎湖最大の市場だとされる北辰市場。公設市場の周囲にさまざまな商店や屋台が立ち並びます。馬公市民が毎日のように通いつめるだけでなく、遠方からも車やスクーターで買出しにやってくるという、名実ともに島民の台所です。澎湖の人たちはここに来れば必ず知り合いに出会うんだとか。お客さんとオーナーが親しげに会話している姿がとても多く目に付きます。きっとみんなが知り合い同士なんでしょうね。
野菜や果物、海鮮、衣料品、日用雑貨など色々なものが揃うのですが、海鮮と一部の野菜を除いてそのほとんどが台湾本島をはじめとする島外から運ばれてきた品々。悪天候続きでフェリーや航空便の欠航が重なると、市場に置かれる品数がみるみるうちに減っていくんだとか。
輸送コストがかさむため、市場で売られているものの値段は決して安くなく、その品揃えも天候次第ということで、不便さも垣間見られるのですが、案内してくれたナビの友人は「島の人たちは慣れっこだよ。そうやってみんな暮らしてきたからね」と一言。離島生活の一端がうかがえました。
旅に来たからには、食事はしっかりと食べたいもの。続いて「朝ご飯ストリート」と呼ばれる路地に足を運びましょう。ここは元々朝市があった場所なのですが、市場が移転した後、多くの朝ご飯屋さんが店を構え、いつしか「朝ご飯ストリート」という名が付いたそう。
豆乳や中国式焼きパイのお店、牛肉スープ、ヨコシマサワラのとろみスープ、台湾風おにぎりなど、1回来ただけでは食べきれない台湾グルメが目白押し!ホテルで提供される食事を食べるのもいいですが、あえて朝食のつかないプランで予約して、ここに食べにきてはいかがでしょうか?
この日ナビは「阿民刈包」で「刈包」と呼ばれる台湾バーガーをいただきました。トロトロで甘い豚の角煮とちょっと塩辛いザーサイを饅頭で包んだもので、ピーナツ粉が振りかけてあります。ボリューミーで大満足!一日のパワーがみなぎってくるような感じでした~!
阿民刈包
澎湖縣馬公市文康街7號
(06)9272631
澎湖開拓館は別名「澎湖県長公館」と呼ばれ、日本統治時代の澎湖庁長を含む歴代の首長が暮らした官邸です。昭和初期に建設されたもので、門構え、玄関、応接間、茶の間に鉄筋コンクリートが使われた一方、屋根、座敷、次の間、寝室、廊下などは和風となっている和洋折衷のモダンなデザインがとてもおしゃれです。
ただ、「開拓館」と言う割には館内の展示は特段歴史に関係するものではなく、展示物を見るというよりは、建物自体を観賞するといった感じ。とはいえ、日本統治時代が終わってから74年も経過していながら、当時の建物が残されているのは非常に貴重なこと。しっかりと目に焼き付けましょう。
澎湖開拓館
澎湖縣馬公市治平路30號
(06)9278952
お次にやってきたのは澎湖天后宮です。台湾や中国大陸福建省を中心に信仰される航海や漁業の神「媽祖」を祭る廟です。「媽祖廟なんて台湾のどこにでもあるじゃない」とお思いの方、ノーノーノー。澎湖の天后宮は違うんです。こちらの建立は1604年だとされていて、台湾で最初に建てられた媽祖廟なんです。戦火や災害などで現在の建物は後になって建て替えられたものなのですが、ずっと前からこの地で島民を見守り続けていたことに思いを馳せると、感慨深いものがあります。しかも現在の建物は日本統治時代にも修復が行われていて、100年以上の歴史があるんです。
澎湖天后宮
澎湖縣馬公市正義街1號
かつてはこの廟を中心に市街地が発達していました。現在でも自動車が通れないほど細い路地が入り組んでいるほか、特徴的な赤レンガの積み方をした歴史を感じさせる建物が軒を連ねています。台湾本島とは違った光景が見られます。
馬公市西側の海岸に足を運びましょう。ここは1696年から観音様をまつる観音亭を中心に海水浴場が広がっている公園で、馬公市民の憩いの場です。ウインドサーフィンをはじめとするマリンレジャーのほか、ジョギング、サイクリング、バスケットボールなどのスポーツに興じる人々で賑わいます。澎湖滞在中に散歩や運動したいという時にピッタリです。
また、夕景の名所として知られるほか、夜には沖合いの防波堤を結ぶ西瀛虹橋がライトアップされ、デートスポットとしても人気です。さらに、毎年4~6月に断続的に開催される澎湖国際会場花火フェスティバルの会場になっていて、豪華なパフォーマンスや花火ショーが観賞できます。
SNS映え確実!日本時代にルーツを持つ集落で澎湖の暮らしを覗き見ちゃおう
馬公市中心部の最西端にあるのが篤行十村眷村文化園区です。眷村とは、第二次世界大戦後に中国大陸から移り住んだ国民党軍人やその家族が暮らした集落のことですが、ここは元々、日本統治時代の澎湖島要塞司令部と軍艦宿舎があった場所。なので日本的な雰囲気が今でも残っています。
かつては台湾各地で見られた眷村ですが、集落全体が保存されている場所は決して多くなく、貴重な空間です。「台湾の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を経て、今では先進国とほぼ変わらない台湾からはなかなか想像しにくい貧しく、質素だったかつての暮らしぶりが覗き見られます。園内には台湾人歌手の故張雨生氏が暮らした民家を改築した記念館や雑貨店、カフェ、民宿などがあり、ゆっくり散策してみたいところです。
馬公市のメインストリートと言えば、馬公港から澎湖県政府へ伸びる中正路。中正路とその周辺エリアは、澎湖一番の繁華街になっています。離島と言えども、飲食店や服飾店、雑貨店など台湾本島で見られるチェーン店が進出していて、不便さは感じられません。何か忘れ物をしたって現地調達できちゃいます!もちろん、澎湖だけにしかない個人経営のお店だってたくさんあります。
この日訪れたのは馬路益焼肉飯というお店。特製ダレに漬け込んで香ばしく焼いた豚肉をご飯の上に載せた澎湖名物「焼肉飯」の名店です。地元民が行列をつくるほどの人気です。お店がオープンした40年前は屋台だったのですが、美味しさが評判を呼び、今では大きな店舗へと成長しました。地元の人たちにまじってご当地グルメを堪能するのは旅の醍醐味ですよね。
馬路益燒肉飯
澎湖縣馬公市中正路7巷5號
(06)9262996
味が濃い目の焼肉飯を食べた後は、レモンジュースでスッキリしましょう。すぐ近くに人気のジューススタンドがあります。ここはサボテンジュースとレモンジュースが名物。夏には大行列ができるんですよ。
海に寄り添いながら生活してきた澎湖の人々の暮らしや文化を知ることができる馬公市内散策。台湾本島とは違った雰囲気が感じられ、新しい台湾の一面に出合えるはずです。今度の連休は澎湖に遊びに来ませんか?
以上台北ナビがお伝えしました!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2019-06-12