神話の鳥を求めて~ヒガシシナアジサシ~【動画付】

世界中に約50羽だけと言われる鳥を探しに馬祖の小島へ向かいました!今の時期、馬祖の小さな島にしかいない鳥たちです

こんにちは、台北ナビです。
ナビはもともと鳥好きで、今までも鷹などの猛禽類をはじめ、鳥が居る場所を訪れることが何回かありました。
ある日馬祖の北竿から船で1時間ほどの小さな島に、東アジアでしか見られない絶滅危惧ⅠA類に含まれているというヒガシシナアジサシが繁殖のために集まってくるというのを耳にしました。しかも春~9月の期間のみで、その鳥を見に行くツアーは夏の2か月間しかない!と聞いて、さっそく参加することに~!

さて、ヒガシシナアジサシは、どんな鳥なんでしょう

実は馬祖のあちこちで見られます、何て書いたら驚く人も多いでしょうが、馬祖の住民たちもとても大切に思っている鳥なので、いろんなところに彫像や写真として飾っているのです。
その写真や像を見たことがある人なら、あ、あのかわいい鳥よね、というのがすぐわかるはず。実際のヒガシシナアジサシは、体長38cm~42cm、翼を広げると約94cm。体毛は背部が灰青色で下部は白く、頭頂部と足が黒く、クチバシは黄色いのですが、先端が黒いのが特徴的です。ふだんは塩性湿地や干潟に棲息し、繁殖時には中国の東部や馬祖へ。冬季にはインドネシア、タイ、マレーシア、フィリピンに渡り越冬します。魚類や貝類などを主に食べます。

ヒガシシナアジサシは馬祖の各地で愛されています

北竿の天后宮

北竿の天后宮

東莒のトラベルインフォメーションセンター

東莒のトラベルインフォメーションセンター

北竿の坂里大宅

北竿の坂里大宅

南竿のトラベルインフォメーションセンター

南竿のトラベルインフォメーションセンター

その希少さ

ヒガシシナアジサシのデビューは、1837年山東省で採集された2羽の発見から始まります。30年後に中国十里で採集されてから、1863年に命名されました。1861年には、インドネシア東部でも発見されています。
その後1937年の6月~7月に山東省東部で21羽が採集されてから、以後記録が取れなくなり、一時は絶滅したとも考えられていたそうです。
2000年6月に写真家の梁皆得氏が、馬租の小島でオオアジサシの記録映画を撮った中に見たこともないアジサシが映っていて、それがこのヒガシシナアジサシでした。すでに数十年来観察記録がなかったので、深刻な絶滅の危機に瀕しているとされていました。それが小さな繁殖コロニーの存在も明らかになり、4対のつがいが見つかったのです。これは大発見でした。

その後中国の鳥類学者による集中的な調査により、2004年には浙江省象山県の韮山列島でも繁殖地が発見されました。続き2010年12月にインドネシア東部で1羽のヒガシシナアジサシが越冬しているのが観察され、現在成鳥の個体数は50羽以下と推定されています。

ヒガシシナアジサシウォッチングツアー


以下で受け付けています。
龍福旅行社 (08)365-5661
お問い合わせ先:馬祖國家風景区管理処 電話:(08)362-5631、5630

ツアー期間:7月1日~8月31日
集合時間:9:00 運航時間:9:30~11:30(月水金のみ)
集合場所:南竿郷福澳碼頭候船室内(セブンイレブン横の建物)
船は南竿の福澳港から出航!

船は南竿の福澳港から出航!

上階は解説が聞こえにくいけど、景色は最高!

上階は解説が聞こえにくいけど、景色は最高!

救命胴衣は必着、船上では詳しい解説もあります(中国語)

救命胴衣は必着、船上では詳しい解説もあります(中国語)


お天気も良く、海からは芹壁集落が望めます。
そして、その先は、橋仔集落。ここは牛欄裡、大坪頂、下南境、南邊山などの4つのエリアを含み、かつて1000人ほどの人口を誇っていたそうです。また、橋仔は中国大陸に一番近いところなので、福州以南からやってきた人たちが暮らし始めた時、故郷から自分たちの信仰する神様を持ってきたため様々な廟が林立し、「一村八廟」と言われ、「人よりも神が多い」と集落になっています。
馬祖の伝統的な廟建築もここに集中しているといえますね。かつての漁業、特にエビ収穫が繁栄した様子を展示した漁業展示館もあります。
芹壁集落が右に見えたら

芹壁集落が右に見えたら

橋仔集落はその先

橋仔集落はその先

海からも廟がいくつか見えますね

海からも廟がいくつか見えますね

人口はどんどん減っているそうです

人口はどんどん減っているそうです

北竿の横に並ぶのは大坵島。後方に小坵島が控えます。
大坵島は、台湾の梅花鹿の生息地で、上陸は可能で宿泊地もありますが、船の運航状況は季節によるので、詳しくは馬祖國家風景区管理処・電話:(08)362-5631、5630にお問い合わせください。
小島がたくさん見えてきました

小島がたくさん見えてきました

ヒガシシナアジサシが待っている~

ヒガシシナアジサシが待っている~

台湾の船が右手に、国旗がはためいています

台湾の船が右手に、国旗がはためいています

そして、左側は中国大陸!船発見!上空には鳥が飛んでいます

そして、左側は中国大陸!船発見!上空には鳥が飛んでいます

いました!

近づいてくると…

近づいてくると…

2000年、台湾の農業委員会は、東引郷の双子礁、北竿郷の白廟、中島、鉄尖、三連嶼,南竿郷の進嶼、瀏泉礁、莒光郷の蛇山などの8つの無人島を台湾における12番目の野生動物保護区・馬祖列島アジサシ保護区に指定しました。
主な保護鳥類はマミジロアジサシ、エリグロアジサシ、ベニアジサシ、オオアジサシ、ウミネコ、エグレッタ・サクラ、アマツバメの7種類。
北竿郷の鉄尖では、大体オオアジサシの3500羽ほどのコロニーの中から7~8羽のヒガシシナアジサシを確認することが出来るそうです。
いました、いました! いました、いました!

いました、いました!


皆さんカメラを向けていますが、ヒガシシナアジサシの特徴は、くちばしの先が黒いこと。
バチバチ撮って、後で写真の中から、あ、これだ!と探すそうです。
島のてっぺんはすごいことに!

島のてっぺんはすごいことに!


騒がしい音を立てると、アジサシは驚いて逃げてしまうので、船と島も一定の距離を置いています。
なので、船は通常、小島の周囲を3周します。

それで、ナビの写真はというと、くちばしの先の黒いのを探しましたが…見当たりませんでした。
皆さんオオアジサシです…。
レンズもこれで精一杯だったので。無念。

楽しかった~

3周回りました、さようなら~!

3周回りました、さようなら~!


ヒガシシナアジサシウォッチングツアーは、ホエールウォッチングと同じくらいの確率かもしれませんね(→クジラは見えずにイルカばかりなので…)。でも、中国大陸は見えるし、小島はたくさんあるし、船に乗ってこの海域(台湾海峡!)に出ること自体、とても貴重な体験になることでしょう。
海から見る馬祖の景色も格別なものがあります。

以上、台北ナビでした。

岩に掘られたかつての大砲の場所

岩に掘られたかつての大砲の場所

北竿の白馬尊王廟

北竿の白馬尊王廟

関連タグ:絶滅希少小島

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-07-08

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