温泉はすべて自然湧出、ナチュラルな山の湯なのです
こんにちは、温泉ライターの西村りえです。
台湾の温泉と美食、そして、人々に惹かれて、数十年…。
少し時間が開きましたが、引き続き私が歩いた台湾の温泉地をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、東埔温泉その②~南投県信義郷~です。
●お問い合わせ
電話(049)270-1063(東埔温泉風景区旅遊促進会)
●交通
台湾鉄道集集線「水里」駅より員林客運バスで約1時間(1日7往復・宿泊者送迎をしてくれるホテルもあり)
東埔というところ
台中から車で1時間50分、台湾鉄道集集線・水里駅からバスで約1時間、東埔温泉は標高1120メートルの山中に位置しています。
ここは玉山の麓に位置する温泉として知られています。玉山は標高3952メートル、日本統治時代には、新高山と呼ばれ日本で一番高い山でした。3000メートル級の山々に囲まれた東埔は、夏でも涼しい山岳リゾート温泉地であり梅の里としても知られています。
旅館軒数は10数軒、小さな温泉街は静かで清い空気に包まれていて、どこからでも美しい山の眺めが楽しめます。川沿いから湧き出すお湯は、地元の方の話によると今もすべてが自然湧出、自然流下で注がれているとのこと。弱アルカリ性で透明感のあるすべすべとしたクセのないのお湯です。
帝綸温泉渡假大飯店に宿泊
今回は帝綸温泉渡假大飯店に宿泊しました。
このホテル、開業は1988年。東埔で3番目に古い宿です。客室数160室と規模は最大。客室タイプも様々ですが、宿泊した「玉泉」の部屋には、吊り橋と山の景色を楽しめる眺めの良い客室風呂が付いています。ステキな部屋ですが、比較的料金もお手頃。
人の少ない時期ですと割引料金で泊まれることもあるのだそうです。4名以上なら台中まで送迎もしてくれます。
「玉泉」のお風呂、広い窓から吊り橋が一望できます
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「玉泉」の客室、値段もかなりお手頃です
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洞窟風呂風のパブリック風呂。通常は水着着用。このほか露天風呂もあります
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帝綸温泉渡假大飯店のオーナーご一家。若き後継者・黄輝雄さんは大学で教鞭をとっています
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ホテルでの1日目の夕食。鍋がおいしい
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2日目の夕食。名産のキャベツが甘いです
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「帝綸温泉渡假大飯店」は、日本語が通じないこともあり、日本人客は少なめ。
台湾人がほとんどですが、シンガポールやマレーシアの人もやって来るのだそうです。お風呂は全客室に温泉浴槽が設けられているほか、洞窟風内風呂と露天風呂があります。どちらも水着着用ですが、洞窟風内湯は、土曜の一部時間帯は女性専用、日曜の一部時間帯は男性専用となり、裸入浴ができるのだそうです。肝心のお湯はというと、平日は循環なし、お客さんの多い土曜や日曜は循環や消毒をしているとのこと。今回訪れたのはお客さんの少ない時期だったため、かけ流し湯に入浴することができました。
ホテルの夕食は鍋料理。湯葉や練り物、豚肉に特産のキャベツが入った出汁のきいた味です。名物の梅を使った鶏肉や魚料理、椎茸の煮物や揚げ物、香辛料がきいた山猪のベーコン風の1品など、地元の味もいただけます。
ブヌン族の村でもあります
東埔は、ブヌン族の人達が暮らす少数民族の村です。
周辺にはブヌン族の伝統的な家屋、吊り橋、日本時代の家屋や石段などがあります。小さな山の温泉地ですが、台湾ならではの歴史の変遷が温泉街に刻まれていて、興味深かったです。
ですが何よりここはおいしい空気と自然のままのお湯がすばらしい!ウロウロと温泉街をうろついている犬ちゃんたちも魅力的です。
力強い感じがあふれています
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ブヌン族の伝統的な家屋
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温泉街には土産物店や食堂が並んでいます。犬ちゃんも自由にウロついています。
日本語の提灯も発見。温泉街には日本時代の面影も。小学校の位置も当時と同じなのだとか。
周辺に広がるお茶畑。温泉街の土産物店やお茶屋さんで名産のお茶を購入できます
日本時代に開かれた古道も残っています。また、温泉街には至る所、花が咲き、標高が高いためか色鮮やか。
東埔温泉は、開発しすぎず、自然のままのお湯を守っていけば、いずれ、大人気の温泉地になっていくに違いありません。
温泉好きの日本人にもおすすめです。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-10-23