佳佳小南天に泊まって、午前中に「歴史満喫の旅」、11カ所も回れましたよ!
こんにちは、台北ナビです。
今回ナビたちは、「佳佳小南天」に宿泊。自ら「歴史を探る旅」と名付け、ホテル周辺を歩いてみることにしました。
5,6カ所しか歩ききれないかも?という不安もありましたが、実際歩いてみると、えっ全部ここら辺に集中?
11カ所も回れた~!でした。
まずは、午前10時ごろに佳佳小南天ホテルを出発し、公園路を南下!ロータリーへ着くと、中正路へ入りました。
このロータリー、かつては台南大正公園(現在の民生緑園、湯德章記念公園)と呼ばれ、7本も枝分かれしてるんですよね。
赤いルートは歩いたところ。わかりにくくて、ごめんなさい。黒い丸の②は、①の測候所になります。出発は佳佳小南天ホテル、到着は奉茶です!MAP参考:台湾文学館(黒い丸の①赤崁楼③元台南公會堂④延平郡王祠⑤国立成功大学もご参考)
人気の林百貨
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南門路と府前路の交差点にある老舗の肉まん店「克林」の前で
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①名称:測候所 住所:公園路21号
開放時間:9:00~17:00(土日休み)
ロータリーに入る前に、元「台南測候所」の「測候所」があったので、ちょっとパチリ。
1898年に落成し、現在台湾に残っている唯一の気象観測台です。円形の建物と煙突型の塔の組み合わさった建物で、現在は機能していませんが、個性的な建物に目を引かれます。
中正路へ
②名称:旧台南合同庁舎 住所:中正路12号
開放時間:台南消防局中正分隊事務所なので、内部参観はできません
今回見たかった歴史建造物のナンバーワンは、林百貨ですが、ロータリーから中正路に入ると、林百貨に着く前に「旧台南合同庁舎」前を通り、りっぱな石柱をくぐりぬけます。
なので、まずは「旧台南合同庁舎」のご紹介を。白く高くそびえる塔と昔にしては近代的な建物で、赤で大きく書かれた「119」の文字。ここは現在、台南市消防局中正分隊の事務所として使用されています。昭和5年、この高い塔は、「御大典記念塔」といい、昭和天皇の即位を記念して建てられました。塔は当時の台南で最も高い建築物で、その後消防の監視台として使われるようになりました。近年になって、台南市消防大隊第二分隊(左側)、保安警察第五総隊第一大隊(右側)、国道公路警察第二分隊民生派出所(先端部)として使用されています。この建物が80年以上だなんて、すごいですね。
③名称:旧日本勧業銀行台南支店 住所:中正路28号
開放時間:9:00-15:30(土日休み)→つまり台湾の銀行の営業時間ということですね。
さて、庁舎の先には、ギリシャ装飾円柱とも言えるドーリア式の石柱が並んでいます。ここは、現在台湾土地銀行の建物で、かつての日本勧業銀行台南支店でした。台北の二二八公園前の土地銀行も同じような形の建物があり、やはり前身は勧銀でした。日本統治時代、大阪中立銀行、日本銀行、勧業銀行が続々と台湾に営業拠点を設置し、勧銀は昭和3年に台南支店を設立、昭和12年に現在の場所(当時の白金町と末広町の銀座通り)に移転してきたのです。
各石柱には20の凹みが刻まれ、柱の上は3つの異なった装飾で飾られています。1998年に台南市の古蹟として指定されました。すっと伸びた美しい円柱、気持ちがスカッとしますね。
④名称:林百貨 住所:忠義路2段63号
開放時間:未定
旧勧銀の斜め向かいにそびえるのが、一度は見たかった「林百貨」(日本名:林百貨店、林デパート、ハヤシ百貨店)!こちらの創業者は山口県出身の林方一、設計者は梅沢捨次郎です。1932年12月5日、台南市末広町二丁目(今の場所)に建てられ、当時の台南市では唯一近代的なエレベーター設備と鉄筋コンクリート構造のビルでした。
建物は、交差点に位置する正面が一番高く、中央に林の文字が彫られています。正面の両側は2階から5階まで小さな丸い窓があって、6階は角窓。1階騎楼の柱も装飾が施され、店内は芸術的な雰囲気に溢れていました。第二次大戦後は台湾製塩の本工場となり、その後台湾省食料局、空軍ラジオ局として使用されました。現在デパートとして再出発の準備中です。ナビたちが行った時は、ちょうど改装中で、残念ながら中には入れませんでした。
ナビ、画像の整理をしていたら、2010年3月、台南へ行った時に撮った「林百貨」の写真が出てきました~。
この状態で数年間放置されていたのですが、建物正面を見てください。
第二次世界大戦当時、アメリカ軍の空襲を受けた弾の跡がもっとはっきり見えますね。
南門路へ
⑤名称:国立台湾文学館 住所:中正路1号
開放時間:9:00~21:00(月曜休み)
ロータリーから南門路方向を見ると、一番の目印になるのが「国立台湾文学館」です。入口がとてもきれい。ここも入りたかった建物の1つです。無料というのもいいですね。休日は地元の子供たちがグループ学習をしていたり、まさに老若男女が身近に文学に触れることができる空間を台南市がうまく提供し、皆が生活の一部として活用している感がしました。街の中にこういう施設があるというのは、この周辺が子供を育てる環境、教育にはとてもいいところという印象を受けました。
この建物は、日本統治時代は台南州(現在の雲林、嘉義、台南を含む)の行政の中心・旧台南州庁でしたが、その後第二次大戦時に米軍の爆撃に遇い、建物は壊滅状態に。戦後修復され、台南市政府の所在地として使用されました。2003年に、台湾文学館および文化資産保存センターとして正式開館。現在は台湾文学の収集、保存、研究を主とし、館内では展覧活動を通して文学教育の振興を行っています。1階は台湾文学の内的世界、本土母語文学などの常設展があって、年代を問わず人々が文学に親しめる空間が広がっています。畳の椅子もあって、座り心地はなかなかのもの。立ち上がりたくなくなっちゃいました。
建物の建築の歴史紹介エリアもあるのでここは要チェック!児童書があるキッズエリアも広いです。地下1階は図書館。
⑥名称:旧台南警察署 住所:南門路37号
開放時間:内部参観は予約制 参観予約:(06)223-1101
「国家台湾文学館」から南門路に入って行くと、左に見える赤いレンガの建物が、日本統治時代の「台南警察署」の庁舎。建物はアシンメトリーの造りで、1階には3つの門の入口、門の上はバルコニー、壁にはアーチ型の窓が並んでいます。現在この建物は空き家となっていますが、将来は台南市美術館となる予定だそうです。
かつて日本人は台湾を統治する際、治安管理のため警察署を設立。治安と民衆の私的公的活動を管理しましたが、その結果、台南を代表する著名な文学者楊逵、葉石濤(この後ご紹介)などがここに投獄されたという話も残っています。予約制で内部参観もできるそうですが、この日は向かいから写真をパチリ。
⑦名称:旧嘉南大壱圳組合事務所 住所:友愛街25号
開放時間:現在は事務所として使用中なので、内部参観は不可。
「旧台南警察署」と友愛街をはさんで、向かいに位置するのが嘉南水利會の前身である「嘉南大圳組合事務所」。ここは、嘉南地区の水田灌漑の計画を主な業務とする政府の重要な組織だったので、多くの日本人に名が知られる「八田與一」技師も、かつてはこの事務所で設計図を広げることがありました。
事務所は日本統治時代末期の昭和15年に建てられましたが、当時は第二次大戦の真っ最中。物資も不足し、生活も窮乏していたので、建築も壁や柱が簡素化され、現代主義のデザインに変わっていく過渡期の建築という意味で、文学館や警察署とは、違った趣を醸し出しています。
⑧名称:愛国婦人館 住所:府前路1段197号
開放時間:8:30~17:00
さて、孔子廟は後で入ることにして…、府前路まで歩きました。有名な莉莉フルーツ店の隣にあるこの日本式建築。「愛国婦人館」と言います。名前だけ聞くと、戦中の看護婦会館??と、ナビには謎でしたが、第二次大戦中、日本で設立した婦人団体の一つ「愛国婦人会」に遡ります。社会的地位や教養の高い婦人の集まりとして、地域建設や社会福祉を目的とした活動が行われていたそうです。台湾総本部は明治38年に台北で成立。戦後は、中国国民党台南市党本部や赤十字社からアメリカ政府報道局に貸し出されて、領事業務と文化方面の業務が行われました。
2013年、建物は台南市政府文化局の「文創Plus-台南創意センター」として、台南の文化やクリエイティブな産業の支援を行い、不定期に展覧会などを開催、1階のSHOPも台南色がたっぷりでした。
孔子廟の中へ・・・
⑨名称:孔子廟 住所:南門路2号
開放時間:8:30~17:30
リスがいました
赤く美しい外壁に覆われた「孔子廟」。園内に多くの木々が植えられ、南国の廟の雰囲気が描き出されています。木々にはリスの姿もあり、とっても人慣れしています。台湾の多くの公園がそうであるように、孔子廟内も広いので、早朝から地元民の運動の場ともなっていて、お年寄りのグループが元気に体を動かしているのを見ることができます。石椅子に腰掛けて将棋をしたり、お喋りをしたり。孔子廟は、附近の住民の生活とうまく溶け込んでいます。
「台南孔子廟」は、1665年に創建された台湾最古の文人廟で、鄭成功によって大成殿が建てられました。後に明倫堂では講義が行われるようになり、清朝時代には全台湾の学問を目指す新入生が集まる最高学府と称されました。国家一級古蹟に指定されています。
南門街の赤い門をくぐって、まっすぐ突き進んでいくと…、
きれいな小川の成功渓に囲まれ、日本伝統建築の武德殿を講堂として使っている「忠義国小」が前方に見えました。
学び舎が悠久の歴史の中に位置していることから、最高の教育環境であると、各方面から羨ましがられています。
ここで学ぶと、将来有名な文人になれそうな気がしますね。
⑩名称:武德殿 住所:忠義路二段2号
開放時間:9:00~17:00(学校が休みの土日祭日のみ)
さて、その小学校の講堂になっている「武徳殿」。日本統治時代、武道と尚武精神を広めるため、大日本部武德会が台湾の各地に武德殿を建てて、武道館としました。台南武德殿は最初旧台南大正公園(今回歩く旅の中心となっているロータリー)の東側にありましたが、その後昭和11年にこの場所に建設され、神社外苑と同時に落成式が行われました。
武德殿の2階西側は柔道などの武道場、東側が剣道場になっていて、北側には祭壇が作られています。日本時代には武德殿の外に弓道場もありました。この日は、平日だったので中が見られませんでした。
孔子廟を出ると・・・
⑪名称:葉石涛文学記念館 住所:友愛街8‐3号
開放時間:9:00~17:00(月曜休み)
武徳殿を左に友愛街まで出ると…ちょっと疲れたなあ、このあたりでもう最後かなあと思っていると、左前方に興味深い建物が・・・。
ここは、「葉石涛文学記念館」。旧台南山林事務所です。1階の窓は角型、2階はアーチ型で上部には装飾がついている窓が多い建物として目を引きます。明治35年、台湾総督府殖産部は台湾の森林と林業を管理させるため林務課を設立。台南市には樹苗養成所が建てられました。昭和6年、樹苗養成所は、台南山林事務所になりました。その後、様々な用途に用いられ、2012年、国内で初めて公的機関によって設立された重要作家の記念館「葉石涛文学記念館」が開設されました。
葉石涛氏は、日本語と中国語の2か国語の言語で、小説が書ける作家として、国内外から注目されました。館内には、葉氏の作品や仕事場の様子などが展示され、セミナーも開催中でした。2階の廊下付近は、大正ロマンっぽい?
佳佳小南天へ戻ります
ロータリーまで戻ってきたら、「佳佳小南天」ホテルに戻るので、またしても公園路に入りました。
ずっと歩いていたので、そろそろお腹も空いてきました。というわけで、「測候所」の向かいにある「奉茶」のお店に入ることに。
1Fのドリンクスタンドだけでしょと思ってる方も多いみたいで…。実は2Fはレストランで、なんと「火鍋」が売り!1Fのメニューにある飲み物も全部揃っているので、食事もするならぜひ2Fへ。火鍋の種類も多いし、飲み物もセットで頼めるし、デザートもあるしで、ナビたち、午前中の足の疲れを癒しつつ、火鍋に大満足しました。
孔子廟の向かいに…
この門です
古びた門があります。
南門路に面した門は府中街の入口で、まっすぐ歩いて行くと開山路にあたります。開山路までは、両側と路地にごちゃごちゃとお店が並びます。
午前中は歴史の旅をして、お昼を食べて…。
その後またぶらぶらしてみたい人は、南門路と合わせて、ここの通りも面白いですよ。では、画像でお楽しみくださいね。
以上、台北ナビでした。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2013-11-01