風光明媚で個性的なお店が集う、古くから栄えた台北郊外の港町。ショートトリップに最適です
こんにちは、台北ナビです。
台北の郊外にある新北市淡水は、台北市内からのアクセスがよく、半日旅行に最適なエリア。17世紀の大航海時代にはスペインが拠点を置いたほか、清朝時代から港町として発展し、独自の文化が育まれたエリアです。淡水河の河岸や、古くから栄えた老街(オールドストリート)には個性的なお店が並び、食べ歩きが楽しめるほか、川を挟んだ対岸には日本統治時代に淡水富士と呼ばれた観音山がそびえ、夕日観賞スポットとしても有名です。今回は魅力あふれる淡水を改めてご紹介しちゃいます。
台北駅から40分!MRTで楽々アクセス
淡水は台北駅から直線距離で約16キロ。MRT信義淡水線に乗ると40分で到着します。
また、2018年には淡水駅のひとつ手前にある紅樹林駅から伸びる淡海ライトレールが開業。現在は淡水の北東にあるニュータウンまでを結んでいるだけですが、将来的には漁人碼頭(フィッシャーマンズワーフ)や淡水老街を経由して淡水駅に至る計画なので今後もさらなる発展が予想されます。
観光スポットは、MRT「淡水」駅の出口1を出て左側に進んだ北側に広がっています。
そのまま北側に直進すれば、たくさんの商店が建ち並ぶ老街に抜け、さらに左に進むと淡水河の河岸に整備された歩道があります。老街と河岸の歩道はほぼ平行しているので、駅を起点にぐるっと一周するのがいいかもしれません。
出口1を出て左側(写真では右側)に進んでください
|
|
駅前。この写真の左側を直進すると老街。左にさらに進むと河岸に行けます
|
川のせせらぎを聞き、行きかう船、観音山の風景を見ながらまったりと河岸をお散歩
名勝「観音山」
まずは河岸を歩いてみましょう。入口近くの広場は「淡水金色水岸」との愛称がついていて、子供やペットを思いっきり遊ばせるのに最適。ベンチもあるので風を感じながら一休みできます。
また、射的や輪投げ、ピンボールなどのゲームができる的屋のようなお店や軽食やドリンクを売る屋台、みやげ物店などが軒を連ね、楽しくお散歩しましょう。
また、ここからは対岸の八里や河口に近い漁人碼頭、上流にある台北市の関渡までのフェリーも出ています。河口に近く、強風の日は意外と高波で揺れることがあるのですが、手ごろな料金でしかも悠遊卡(イージーカード)で支払い可能なので、子供連れにはとっても嬉しいアトラクションです。
そんなフェリー乗り場のすぐ向かい側にあるカフェ「飛鳥小初」に立ち寄ります。
カウンターの反対側にあるのは壁一面に掲げられた絵ハガキ。実はメニューも絵ハガキになっていて、言葉が分からなくても、食べたいものの絵ハガキを持ってカウンターに行けば注文できちゃう親切なカラクリになっているんです。このメニューの絵ハガキは紀念として持ち帰りが可能ですよ。
そして2階はイートインスペースとセレクト雑貨のコーナー。1階で購入した絵ハガキにメッセージを書いたりスタンプを押せるコーナーもあります。ちなみに、絵ハガキは最長3年後に送れます。旅の思い出をタイムカプセルのように未来に届けられるだなんてちょっとユニークですよね。
明るく可愛らしい空間
|
|
絵ハガキを書いて、オリジナル雑貨を買って、旅の思い出を作っちゃおう
|
もちろん、フード・ドリンクメニューも充実しています。体に優しいヘルシーな構成で、女性や子供も安心して食べられます。しかも、どれも食べるのがもったいないと思えちゃうくらい可愛く盛られていて、SNS映え確実ですよ~!
老街にもマストチェックの個性派ショップがたくさん~
老街はその名が示すように古くから栄えた通り。淡水港は清朝時代、台湾最大の貿易港として発展し、台湾各地から運ばれたお茶、樟脳、硫黄、石炭、染料などがここに集まった上で、世界へと輸出されていきました。
水深が浅く、大型船が入港できなかったため、日本統治時代になると基隆港が開発され、貿易港としての役割は次第になくなるのですが、老街の賑わいは今も健在です。
老街には老舗のお店がたくさん。その中でも戦後間もない1951年にオープンした伝統菓子のお店「新建成餅店」は淡水だけでなく、地方からも買い付けに来るお客さんが絶えない人気店です。公明街という通りに面しているんですが、作業場のある旧店舗とお洒落な新店舗がちょうど斜めに向かい合うように店を構えています。扱っている商品はどちらも同じなので、空いているほうを利用しましょう。
台湾で中秋節の際に好んで食べられる蛋黃酥をはじめ芋泥酥、紅豆麻糬などの台湾茶によく合うお菓子のほか、結婚式の引き出物とされる喜餅などもあり種類豊富。日本人に人気のパイナップルケーキももちろんあります。台北市内では買えないパイナップルケーキをお土産にいかがですか?
老街にあるのは伝統的なお店だけではありません。海外の雑貨を集めたセレクトショップとフォトジェニックなパフェやドリンクを出すスイーツ店が合体した「雪文洋行C’est si bon selection company」は淡水で注目を集めるショップ。
豪華さに彩りを添えるパフェやフロートの上に鎮座するソフトクリームはローズやライチ、ヨーグルトな独創的でひねりのあるフレーバー。甘すぎず、優しい味わいなのも嬉しいです。
色鮮やかなドリンクも、烏龍茶や日月潭紅茶など台湾らしいフレーバーのほか、フレッシュジュースもラインナップに加えられていて、喉の渇きを潤すのにピッタリ。2階にはイートインスペースもあるのでゆっくりとくつろげます。
さて、老街のちょうど中央にある媽祖廟の両側には細い路地が延びていて、坂を上った奥で一つに繋がっています。廟の左側にある階段には、淡水の風景や夢をテーマにしたアートが施されていて人気の撮影スポット。また、その中腹には日本統治時代の警察宿舎が残っていて、修復に向けた作業が続けられています。
道はそのままさらに奥へと続いているのですが、この道は重建街と呼ばれ、淡水で最も最初期に開発された場所として知られています。道幅が極端に狭く、自動車は進入できない細さ。それでも地元の人たちの裏道として機能していて、スクーターがもの凄い速さで通過していきます。老街ほど観光客は多くないですが、今後の発展に期待がかかる穴場スポットです。
再び老街に戻って北進すると、観光スポット紅毛城の手前に、ハイセンスな原住民テイストのグッズを販売する雑貨店「河文Hbun」があります。
ナビは失礼ながら、原住民テイストというと、日本ではなかなか馴染みのないド派手な色遣いで、とっても個性的で素敵なんだけど、日常的には使いにくいものが多いという印象を持っていました。
しかしオーナーのDavidさんは台湾各地の原住民集落を自分の足でまわり、「多くの人が手に取りやすい」と思う洗練された商品をセレクトして販売しています。だから店内にも日常使いをしてもさりげなく個性を演出してくれるものばかり。ぜひお気に入りを見つけてください。
さらに足を北に向け、中正路一段6巷の路地を右折して坂を上っていくと、日本統治時代に淡水神社があった新北市忠烈祠、防衛拠点とされた滬尾砲台などがある和平公園にたどり着くのですが、さらにその奥にあるのが、台湾だけでなく世界的に名を馳せているダンスカンパニー「雲門舞集」の劇場。そして、それに隣接する「スターバックス 淡水雲門店」です。
三面がガラス張りで外の緑が直接見られる美しさと開放感抜群のこの建物は、台湾のスターバックスでも10店舗しかない(2019年9月現在)特色ある店舗に数えられていて、全体的に木材を多用してぬくもりのあるデザインになっています。屋外にもテラス席があり、高台を吹き抜ける風を感じながらコーヒータイムが楽しめます。
また、台湾人画家が描いたラテンアメリカのコーヒー産地の風景画も立体的でぜひチェックしてみてください。
伝統的な台湾の風景の中に見え隠れする異国情緒と、現代の文化が絶妙に混ざり合った淡水は、初めて台湾旅行に来た方でも、リピーターの方でも、楽しめるスポット。路地を来るたびに違った発見があります。路地をくまなく歩いて、あなただけのお気に入りを見つけてください。
以上、台北ナビがお伝えしました~。