いつもと違ったルートで楽しめば新しい発見に出合えるはず!
こんにちは、台北ナビです。
新北市淡水といえば、旧跡・名跡を訪ねたり、、河沿いの歩道で食べ歩きをしたり、対岸の観音山に沈む夕日を眺めたり、渡し舟に乗ってクルーズを楽しんだりと楽しさ盛りだくさんのスポット。
そんな淡水に2018年12月、新たな交通機関、淡海ライトレール(輕軌/LRT)緑山線が開通しました!これまでと違った淡水の旅が楽しめるようになりましたよ!今回は、そんな淡水でライトレール沿線を中心にまだまだ知られていない隠れたスポットをご紹介します!
今回の旅の出発地はMRT淡水信義線・LRT緑山線「紅樹林」駅。あまり知られていないのですが、中国語で「紅樹林」というのはマングローブのこと。樹木の名前がそのまま駅名になっているユニークな駅です。なぜ紅樹林という駅名がついたのか。それはとっても単純な理由で、駅の西側にマングローブ林が広がっているからです。
出口2を出るとすぐにあるのは「紅樹林生態展示館」。マングローブ林のほか、ここに生息する動植物に関する解説があり、自然への認識が深められます。日本では鹿児島県や沖縄でしか見られない亜熱帯・熱帯植物のマングローブですが、実は台北近郊でも自生している場所は決して多くありません。とっても貴重な場所なんですよ。
果実から垂れるこれは新芽。これが地面に刺さって新しいマングローブが生えてくるんです
マングローブ林には遊歩道が設置されているので、時間があれば散策してみましょう。カニや渡り鳥など20種類の希少な動物が見られるんだそう。台北駅からたった40分の場所にこんな大自然が広がっているだなんて素敵ですよね。
次に訪れたのはLRT「淡金鄭公」駅。山を切り開いた幹線道路の途中にある駅で、そこまで開けた場所ではないのですが、この駅の見所は、毎年2~3月になると見ごろを迎える桜。駅から歩いてわずか3分の場所にある滬尾櫻花大道は、約4キロにわたってソメイヨシノとヒカンザクラの桜並木が続く穴場スポットなんです。
日本では桜並木がある場所はそこまで珍しくないですが、高温多湿の台湾では桜が咲くこと自体が貴重で、並木ともなるとなかなか出会える光景ではありません。ナビが訪れた時は青々としていましたが、春になるとピンクの風景が広がってくるんだろうなぁと脳内補完して楽しみました。
見ごろの時期に訪れるとこんな風景が見られます。(写真提供:新北市観光旅遊局)
続いて下車したのはLRT「淡金北新」駅。駅から歩いて6分の距離にあるのが中国武術道場「青島武舘」です。道場の2階に「中国兵器博物館」を併設していて、中国武術の魅力に取り付かれてしまった林昌湘館長が、世界中を回って集めてきた中国兵器のコレクションが展示されています。
展示されている兵器は、一言に中国兵器と言っても、中国大陸の合戦で使われるような大振りのものから、台湾の客家人が護身用に身につけていた短剣、台湾原住民の武器など多種多様。マンガや映画でしか見たことのない兵器が実際に目の前にあるというのは、武術に興味がなくても、ちょっと興奮してしまいます。林館長はドラマや映画撮影の指導もしていて、撮影用の兵器なんかも展示していましたよ。
青島武舘
新北市淡水區北投里北投子72-1號
(02)26238417http://www.chang-hsiang.com/chin.html※見学には必ず予約が必要です
淡水老街へはバスでの移動が楽
バス停にもジミーのオブジェが!
さて、折角淡水へ来たからには、老街のあるエリアにも足を運びたいですよね。将来的にはライトレールが淡水老街を経由してMRT「淡水」駅まで延伸する予定ですが、それはまだまだ先の話。とりあえず暫くの間LRT「淡水行政中心」駅などからバスに乗り換えましょう。
LRTの線路はニュータウンの中を走っているので元々バス路線が充実した地域。「881」バスなど複数のバスが淡水駅へと運んでくれます。
しかも、IC乗車券を利用して1時間以内にLRTとバスを乗り継ぐと、割引が受けられます!ぜひお得に利用してくださいね。
懐かしさに浸れる「重建街」を散歩
この路地を入っていきます
今回は折角なので、淡水老街のメインストリートではなく、海の守り神「媽祖」をまつる天佑宮の脇にある路地「重建街」を歩いてみます。
廟の右と左、どちらの路地から入ってもいいのですが、特徴的なのは左側の階段。段差を利用してトリックアートが施されています。登りと下りで違ったアートが見えるのがちょっと楽しいです。経年劣化で色褪せてしまっているのですが、それでもSNS映えスポットとしても人気なんですよ。
ナビ的に興味をそそられたのは、ちょうど階段の真ん中にあった工事中の建物。日本統治時代に警察官の宿舎として建設された木造家屋で、1年かけて修復工事が行われていました。完成したら一般公開されることになるのでしょうか。今から楽しみです。
重建街の道幅は、清の時代に作られた当時のまま。自動車は入っていけません
重建街は、淡水が港町として栄えた清の時代に、最も早い段階で開発された場所だといわれています。観光客が坂の上まで登ってくることは少ないのですが、地元の人だけが知っているような隠れ家的お店が立ち並んでいて、台湾の日常に溶け込んだようなディープな散歩ができる通りです。
坂の途中にあるのが「恋愛巷」という路地。重建街に平行している清水街とを結ぶこの路地はかつて、歯科医で作家、さらに作詞家だった王昶雄氏が後の妻となる女性と交際中に毎日歩いて愛情を育んだ路地として有名で、今から約15年前には金城武さんと志村けんさんが出演した日本アジア航空(現日本航空)のテレビCMのロケ地にもなり、ちょっとした名所となりました。
淡水に住む人たちの抜け道としてスクーターが結構なスピードで走り抜けていくのですが、時代を感じさせるスポットです。
この恋愛巷の交差点には、ハーブティーや自然派コスメなどを販売する雑貨屋があります。お土産探しに立ち寄ってみてはいかがでしょう?
淡水香草街屋
新北市淡水區重建街14號
0922-295-355https://www.facebook.com/herbsmaison/
そして古民家を改築したカフェ兼雑貨店の九崁28は、まるで一昔前の時代にタイムスリップしたかのような懐かしさあふれるお店。ちょうどいいレトロ感と落ち着いた雰囲気で、2階のテラスからは淡水河を挟んで観音山に沈む夕日が見られちゃいます。歩き疲れたらほっと一息。風に吹かれながら風景を眺められるだなんて素敵ですよね。
九崁28
新北市淡水區重建街28號
02-2626-1083https://www.facebook.com/nine928
LRTの開通で再び注目が集まる淡水エリア。台北市内から比較的近いのに、自然や歴史を感じられるスポットがたくさんあります。すでに行ったことがあるという人もぜひまた訪れてみてはいかがですか?
以上、台北ナビがお伝えしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2019-02-05