台湾南部の嘉義市東区。日本統治時代には東門町と呼ばれ、行政と商業の中心地として栄えたエリアです。そんな町を見守っていたのが当時の「嘉義警察署東門町警察官吏派出所」、後の「東門派出所」です。
建設されたのは1923年。その後、1944年にヒノキとスギ使った現在の姿に建て替えられました。
旧派出所のほか、所長官舎、警察所員用宿舎と3つの建物があり、保存・再利用されています。
派出所だった建物は基礎にレンガを、入口の壁上部は柱間の土壁が見える「真壁」が、下部は板を張った「木摺壁」が用いられています。土壁は竹を編んで作った骨組みに泥土を挟むように埋め込んで、さらに石灰で防水加工した「編竹夾泥牆」に。
所長官舎は玄関、居間、広間、寝室から成る平屋建て。建物の前後には庭が配置されています。
所員用宿舎は2階建て。土台にはレンガを、壁は「編竹夾泥牆」の「真壁」と板をずらし重ねた「雨淋板(下見板張り)」構造になっています。
現在、3つの建物は文学関連の展示を行う資料館に姿を変え、「嘉義文學館:東門町1923」として2025年6月新たなスタートを切りました!
中国語や台湾文学の下地がないと展示内容はちょっと難しい……けれど、日本統治時代の建物見学は、知識なしに誰でも楽しめますよ!