順益台湾原住民博物館

Shung Ye Museum of Formosan Aborigines シュンイー・タイワン・ユェンジューミン・ポーウークァン

台湾原住民を知っていますか?彼らを知ることは、台湾通への第一歩です!



こんにちは、台北ナビです。今日は「順益台湾原住民博物館」にやってきました。故宮博物館のはす向かいにある一風変わった建物がこちらの博物館で、原住民の文化習慣に関する様々な資料が展示されています。多民族文化社会台湾の大切な構成員、台湾原住民について、深く学んでみませんか?
アミ族出身の受付けスタッフさん(左)と日本語解説員の侯道慧さん(右)

アミ族出身の受付けスタッフさん(左)と日本語解説員の侯道慧さん(右)

原住民―台湾のルーツ―

「順益台湾原住民博物館」は1994年、林清富氏(林氏は台湾で三菱自動車を代理販売する「順益汽車」のオーナー)によって設立されました。林オーナーは台湾の文化芸術に造詣が深く、膨大な資産を台湾の芸術作品収集に費やしてきた著名なコレクター。20年あまりかけて集められたコレクションのうち原住民に関するものは1000点を越え、そのすべてがこちらの博物館に寄贈されています。
文化習慣の異なる民族が共に暮らす社会では、民族間での相互理解が欠かせません。しかしながら、漢族との同化や貨幣経済の流入などにより台湾原住民は人口、文化ともに淘汰され続け、現在では伝統文化の保存・継承も困難な状況に置かれています。林オーナーが漢族にもかかわらず「台湾原住民博物館」設立に尽力したのは、原住民文化の保存が台湾社会の融和に台湾全体に貢献したいという思いがあったからなのです。
博物館のユニークな概観は、原住民の家屋をモチーフにしており、台北市立博物館も手がけた高而潘建築士によって設計されました。また、入口のひさしは「原住民現代アートの巨匠」と称されるパイワン族出身アーティスト、パワワロン・サクリュウ氏がデザインしたもの。原住民文化において「最高の栄誉」の象徴である羽毛が刻まれています。

1階―自然・環境―

<タウ族のチヌリクラン(漁獲用ボート)>

<タウ族のチヌリクラン(漁獲用ボート)>

 <石版彫刻>

<石版彫刻>

1階は、台湾原住民のルーツや各部族の紹介など、概略的な展示が中心です。
<台湾原住民概説>
1階中央部では、台湾原住民14部族と地理環境に関する紹介展示があります。手前のタッチパネルで項目を選択すると、奥の台湾地図に各部族の分布地域が色や線で示されます。
<ビデオエリア>
こちらでは、台湾原住民の紹介ビデオを見ることができます(中国語、日本語、英語)。放映内容は、「台湾の原住民はどこから来たか?」、「台湾原住民の現在の様子」、「台湾原住民の伝統文化」の3種類で、長さは8分から15分ほど。ナビたちは「台湾の原住民はどこから来たか?」を見ましたが、その完成度の高さはかなりのものでした。
<音楽鑑賞エリア>
台湾原住民各部族の歌が観賞できます。CDを選んでバーコードをスキャンすると、頭上のスピーカーから音楽が流れ出します。
バーコードを

バーコードを

ピッと読ませれば音楽が聞こえます

ピッと読ませれば音楽が聞こえます

このほか、原住民グッズや書籍を販売するショップがあります。グッズのほとんどが原住民の人たちの手作りで、なかでも人気なのはトンボ玉だそうです。

2階―生活・器物―

原住民の居住空間や生活用品に関する展示フロアです。
<アミ族のいろり>
囲炉裏の中心には女性、その周りに男性が座っており、母系社会であるアミ族の生活習慣が写真に現れています。
<パイワン族の石版ストレート家屋>
両側に積み上げられた細かな石版が緩衝材となり、強い地震にも耐えられる免震家屋。先人の知恵ですね。
<土器>
各部族の土器が展示されています。日用品として土器を消費する部族が大半のなか、パイワン族の土器はその多くが非実用品。中でも陶壺は子宮に見立てられ、民族の繁栄の象徴とされました。またパイワン族には物に性別を付ける考え方があり、陶壺も「女壷」、「男壷」と区別されます。
<ツォウ族男子集会所>
かつては軍事訓練所であった名残から、女性は立ち入り禁止の場所です。儀式などで使われるほか、普段は男子の社交の場として利用されています。
<タウ族の伝統家屋>
蘭嶼島に分布するタウ族は、台風の脅威に晒されながら暮らしてきました。強風対策の非対称な屋根や水はけ機能など、家屋の構造には自然に生きる人々の知恵を垣間見ることができます。

3階―衣飾・文化―

各部族の民族衣装や装飾品が展示されています。どれも色彩豊かで、美しいものばかり。
<パイワン族の衣装>
パイワン族は衣服に限らず、装飾品制作全般に秀でていると言われています。刺繍の美しさには、思わず目を奪われます。
<タイヤル族の衣装>
ボタンが大量に縫い付けられています。海外から持ち込まれたいわば舶来品だったボタンは、当時のタイヤル族にとって大変珍しいものでした。そのため、ボタンがお金のように使われることもあったと言われています。数ヶ所ある欠落部分は、ボタンと物と交換した跡だと考えられます。
<貝珠長衣>
タイヤル族の頭目が着用する衣服で、厚めのシャコ貝を削って小さな円柱状したものが、服に縫い付けられています。非常に高い技術が用いられており、かつては再現不可能とも言われた貴重な一品。近年、タイヤル族出身の織物工芸家、ユマ・ダル氏が国立民族博物館で制作に成功しています。
<トンボ玉>
パイワン族、ルカイ族、プユマ族の3部族だけにしか見られないトンボ玉。ガラスが存在しない台湾でなぜトンボ玉が作られるようになったのか、詳細はよくわかっていないそうです。

地下1階―信仰・祭儀―

祭祀で使用される器具や装飾品の展示を中心に、各部族の信仰文化を紹介するエリアです。
<占壺(パイワン族)>

<占壺(パイワン族)>

<青銅刀(パイワン族)>

<青銅刀(パイワン族)>

<銀かぶと(タウ族)>

<銀かぶと(タウ族)>

台湾原住民にはタウ族を除いて首狩りの風習があり、その資料として男性の首の写真が展示されています。結構衝撃的な写真なので、先に心の準備をしてからご覧になった方が良いかもしれません。配置場所は、地下1階展示室の一番奥です。
首狩りの写真を含め、この階で展示されている戦前の写真は日本人によって撮影されたものがほとんど。キャプションには、日本統治期の台湾で原住民研究に従事した学者の名が示されています。
このほかにも、シアタールームでのアニメ放映(音声:中国語、字幕:中、英、日、仏)やビデオアーカイブ(中国語のみ)もあります。

番外編―DIY教室―

博物館の4階ではDIY教室も開かれています。主な受講者は地元の小中学生ですが、一般の観覧者も参加できます。費用は50元から100元ほど。制作内容な時期によってことなりますが、トンボ玉が手作りできることもあるそうです。お時間がある方は、ぜひ参加してみてください。

ナビは今回初めての原住民博物館訪問でしたが、侯さんにじっくり解説してもらいながらの観覧は、驚くほど楽しいものでした。解説員の同行は原則10名以上からですが、少人数の来館でも可能なかぎり対応してくださるそうです。必要の際は、事前にお電話でお問い合わせください。侯さん不在の場合は、イヤホンによる音声案内での対応になります。受付けにて日本語版パンフレットの貸し出しもしていますので、ぜひご利用ください。
以上、台北ナビでした。

記事更新日:2011-06-01

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基本情報

住所 台北市士林区至善路二段282号
電話番号 (02)2841-2611
ファックス (02)2841-2615
営業時間 9:00~17:00(火~日)
休業日 月曜日及び旧暦正月
クレジットカード チケット購入は現金のみ。物販はカード可。
日本語 可(侯道慧さんのみ)
ホームページ www.museum.org.tw (中国語、英語)
その他の情報 入場料:大人150元、学生100元。故宮博物院のチケット半券で2割引。故宮との合同入場券あり(大人250元、学生130元)。故宮-原住民博物館のシャトルバスあり。
行き方 場所は故宮博物院の斜向かい。MRT淡水線「士林」駅下車、1番出口(中正路方面)を出て、そのまままっすぐ行くと正面にすぐバス停があり、304、紅30、255、小18のバスで行くことができます。(注:小18のバス停だけは正面ではなく左手にあります) 304、紅30に乗る方: 終点故宮博物院で降りたら正門に背を向けて、その前の大きな道(至善路)を左へ。すぐ原住民主題公園が見えます。順益原住民博物館はその斜め前です。 255、小18に乗る方: 故宮博物院の正面で下車。そのまままっすぐ歩くと、約2分で着きます。

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2009-04-10

スポット更新日:2011-06-01

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