見どころはブヌン族のすべての儀式が観賞でき、多くのスポーツ選手を輩出しているブヌン族が、郷や村の期待を背に力と技を競い合う競技の数々!
阿里山のツォウ族の踊り
開幕式の後は、招待されたツォウ族のパフォーマンスから始まります。今も阿里山へ行くと、観光客向けにツォウ族の踊りは見られますが、衣装も踊りの統一感も洗練されていて、見応えがありました。ツォウ族も玉山や阿里山などの険しい山地を拠点とする民族ですが、かつてブヌン族との戦いで人口が減った民族でもあります。
台東のプヨマ族もかつては台東一帯に勢力範囲を広げていましたが、ブヌン族の移入などで人口は減っていきました。イスタダさん曰く、ブヌン族内での結束力はとても強いものがあるけど、それ故に他民族には敵視されているかもしれませんね、と。
高雄市桃源区・開墾祭
さて、続くは熟年組のパフォーマンス。
この後各地の代表が開墾~収穫、その後と順番に、ブヌンの儀式を歌や踊りもまじえて披露していきます。
まずは、粟の開墾を祝う祭りのパフォーマンスは高雄市桃園区から。先ほど小米酒を受けって自慢ののどを披露した男性が中心になって、先導していきます。開墾祭もまずは飲んで祝います。
この地ならではのお昼ごはん♪
実は開幕式での立法委員さんたちのお話が長くなったため、後ろの時間がもうすでに30分押されてきました。イスタダさん、ナビ友とナビの3人は、12:30に紅葉温泉跡で行なわれる弓の大会が見たかったので、先にお昼ごはんへと向かいました。
4年に1度の大会なので、屋台の出展も多く、原住民料理が大集合って感じ。どれにしようか迷った末、月桃葉に包まれた粟やタロイモ、かぼちゃベースの肉餅を食べました。もう席は満席だったので相い席させてもらうと、自分たちの料理も勧められていただきました。
3時過ぎに、また食べたくなって、竹筒ご飯と焼肉、ソーセージなどを注文
どこから来たの?など話した後、この後紅葉温泉で弓の試合を観戦するといったら、なんと徒歩なら片道徒歩1時間半かかるとのこと。ヒャー!地図だと近そうなのに~。入口まで降りて、もう一度聞くと7キロあるからやめておけと言われる始末。結局午後のブヌンレスリングも見たいしで、弓試合観戦は断念。
会場に戻ると、子供たちの歌声が始まるところでした。
南投県信義郷小学部の歌!
今回の大会は、どの郷からも歌のうまい子ばかりが選ばれて参加しています。
ブヌンの童謡などもたくさん歌われ、一緒に口ずさんでしまいますね。澄んだ歌声でうっとり~。
南投県信義郷・封鋤(すき)祭
始まる前からゴキゲンです
パフォーマンス前の南投県信義郷の女性たち。相飲みして、皆もうかなりのごきげんの模様。パフォーマンスに用いられているお酒も、朝配られた本物の小米酒で、あんなにあったのにもう無くなりそう。
パフォーマンス中に足がもつれたり、人に寄りかかったり。ナビはその酔っ払った様子に、お、芝居上手!と思ってたのですが、どうやら芝居ではなく、本当に酔っ払っているというのが、パフォーマンスが終わって退散するときにわかりました♪旦那に抱えられていく女性やバタッと倒れて大の字で動かなくなった女性。皆足元ふらふらなのに、倒れた人を起こして担いで行きました。
芝居じゃなかった…
そういえば、今ナビの目の前もヘラヘラに酔った女性が2人ほど通りすぎていきました。運動場の入り口には救急車が待機。そして、先ほど観客席からは、看護婦さんが2人降りてきました。どうやら観客席奥で酔っ払っている人もいるようです。
お昼の食事時に皆更にお酒が入り、司会者もちょっと赤ら顔。
ブヌンレスリング 第1戦
プロレスラー並みの体をもつブヌンの男たちの選りすぐり、信義郷チーム
人相もすごみがあるし、気迫も十分、延平郷チーム
始まります
基本スタイルはこれ
そんな中、ブヌンの力自慢の屈強な男たちの勝負が始まりました。ルールは相撲とレスリングが合わさったようなもので、先に地に着いたほうが負け。場外ならもう一戦。足をかけるのはいいけど、はたくのは駄目。腰に巻いた紐を握り、押すか腕力で相手をひっくり返す方式です。
司会者も酔いが回ってきたのか、面白い解説をしてくれています。
まず最初に腰ひもをつかんでから、お互い左右に体を揺らしながら、倒すタイミングを計りますが、「2頭の台湾黒熊(→国の動物に指定されています)が、ダンスを踊ってんじゃないよ~戦いは今からだ~!」なんて、どんどん饒舌にエスカレート。ナビは相撲でいえば、たまり席のようなかぶりつきのところにいたのですが、危ないから引いて引いてと言われ、泣く泣く後ろに後退。
それでもかなり前で確保、見る側も皆力が入ります。体の大きさは関係なく、観客も相撲と同じで体の小さい人が勝ったら大歓声。ナビも座布団があったら投げたかったですね~。
第一戦、信義郷VS.延平郷は、信義の勝ち。那嗎夏区VS.海端郷は、海端郷の勝ちでした!
この人、マッチョでした
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どうかなあ~と思ったけど
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負けちゃった~
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結局3対2で、信義郷が勝利!
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2チーム目も見るからに強そう
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まず形を整え
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膝がつくと負け
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力づくでなんとか
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那嗎夏区が先に土!
花蓮県萬榮郷・収穫祭
小米酒の原料となる粟の収穫を祝う祭りです。
収穫を喜ぶ歌を歌いながら、壺に入れられた粟を皆が順番で食べる儀式。
ブヌン族の踊りは地味ですが、歌は皆その体格からか、幅広い声域とすごい声量を持った人たちが多いようです。
のこぎり大会 決勝戦
さて、今回のメインイベントであるのこぎり大会が始まりました。
今回参加の10組が、男女6人で編成される成人チームと生徒チームを2チーム輩出しています。ここでも司会者の陽気な解説が始まります。
生徒たちが切り始めたら、「家で手伝いをしているかどうか、速さですぐわかるぞ~。親孝行な子は誰かな~」なんて言ってます。
各チームにはストップウォッチを持った審査員が付き、各自のタイムを計っています。速い人は最終日の表彰式で表彰されるんですね♪
生徒用は、細めの木と小さめののこぎり。
速さの秘訣は、同じ場所を何回も引かないこと。
のこぎりを上下、前後と交互に引くと速い!
高雄市那嗎夏区・嬰兒祭
準備やパフォーマンス内容がかなり凝っていてダントツでした。
子供たちを担いで稲を植える儀式ですが、植える前にご年配女性のブヌン語での唱えがあります。
稲を植える間にコマを回したり、球を投げたりの光景も演じられ、子供たちも楽しそうに田んぼの中を飛んだりしています。その後は皆で粟を分け合って食べます。そして、踊り。
一つの流れが見事で、完璧なパフォーマンスでした。
花蓮県卓渓郷小学部の歌
男の子も女の子も一生懸命歌っている様子、そして、澄んだ歌声、感動的でした。
花蓮県新城郷のパフォーマンス
ナビはずっと彼らの横で座って観賞していたのですが、皆なんたって陽気でにぎやか。ずっと飲んでるし、男も女もビンロウを口にほおばっています。にぎやかさは引き続きパフォーマンスで演じてくれました。
ブヌンレスリング 第2戦
仲良く握手して始まります
まずは、先ほど敗者になった延平郷に花蓮県卓渓郷が挑みます。結果は延平郷の勝ち!
2回戦は、海端郷と信義郷の勝者同士の戦いですが、おっと、ここで信義郷は人が足りなく棄権しますとのアナウンス。海端郷はそのまま繰り上がりました。
さて、信義郷の人が足りないって??出場できないほど酔っぱらってしまったんでは?と思ったのはナビだけではないかも?
いやはや面白かったです、また見たい!
右側、不戦勝の海端郷です
さて、この日はこの後さらに4つのパフォーマンスとレスリングの第3戦があり、夜のイベントに突入とのこと。夜は若い子たちのダンスや歌、ブヌン族歌手の王宏恩も出場します。
3日目はほとんどスポーツ競技。走り幅跳びや砲丸投げ、綱引き、ブヌンレスリング予選と決勝選、100m、200m、400m、1500m走、ソフトボール決勝戦など。4日目は、200mや400m走、そして生徒組と成人組のリレー。
ハイライトにはイノシシを追っかけ打ち倒す競技があります。
これは最後の見物ですが、残念ながらナビ、その日まで居られません。
が、今回2日目だけでも、とても濃い内容の充実したイベントでした。
スポーツ万能のブヌン族のリレーとかも迫力あるだろうなあと推測できます。ちなみにレスリング以外は、子供も大人も皆参加。100m、200m、400m、1500m走、リレーは、お母さん組も皆走ります。
また、4年後には、4日間最初から最後まで観賞、観戦したいと思ったナビです。
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記事登録日:2014-05-29