「Taiwan NOW」というアートプロジェクトをご存じですか?これは、東京オリンピック・パラリンピックを機に、スポーツとともに文化芸術などを通して台湾への認識を深めて欲しいという願いを込めたもので、本来なら台湾のアート・文化を東京で触れられるはずでした。
しかし、コロナが蔓延したことでこのプロジェクトの多くが中止もしくは変更を余儀なくされました。そのプロジェクトのオオトリを務めたのが12月25日、高雄の衛武營國家藝術文化中心(衛武営国家芸術文化中心)で披露された「阿婆蘭 Aphrodite アポーラン」です。元々は東京駅前で披露される予定でしたが、コロナ禍のため高雄へ場所を移すことになったんです。
「阿婆蘭 Aphrodite アポーラン」とは、台湾原生の白い胡蝶蘭のことです。「Phalaenopsis Aphrodite (ファレノプシス アプロディーテ)」とは、ローマ神話でいうところの「ビーナス」のギリシャ神話での呼び方。その音がおばあちゃんという台湾語の「阿婆」に似ていることから、台湾では「阿婆蘭(アポーラン)」と呼ばれ親しまれています。
この「阿婆蘭」をテーマに演出を手掛けたのは現代美術作家であり舞台演出家でもある「やなぎみわ」さん。『花をテーマに歌仔戲を作りませんか?』という誘いを受けて真っ先に「阿婆蘭」が思い浮かんだそうです。
ナビは今までちらっとしか「歌仔戲」を見たことがなかったんですが、今回じっくり鑑賞して、言葉はわからなくても心に直接届くその歌声に大感動!そして、日本語字幕がついているYouTubeでアーカイブ動画を見て、さらに理解!アーカイブ動画助かる~! |
台湾の島の山奥にある、世俗を離れた地で種類の異なる色とりどりの蘭の花が咲き乱れていました。その中でも「阿婆蘭」は格別に美しい白い胡蝶蘭でした。この村に住む子供たちは蘭の妖精たちの歌声を聴き、ともに歌うことができました。 |
この研究室にした商売人が「阿婆蘭」を大量生産することを提案し、林教授もしぶしぶ承知。そうして「阿婆蘭」が量産され、そのクローン「阿婆蘭」によって、村にいる蘭の妖精たちの歌声がかき消されてしまう……というお話です。
蘭の物語のはずなのですが、ナビには「誰かが求める人物になるために頑張らなくていい。自分らしさを大切に生きていいんだよ!」とエールを送られているようにも感じて、感動しました。字幕がなくても、大体のストーリーがわかっていたので、話の流れはつかめましたが、字幕があれば物語をきちんと理解できます。日本語字幕付きのアーカイブ動画が見られるのは2022年1月8日までです。この機会をお見逃しなく!
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記事登録日:2021-12-27
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