旅情を掻き立てる人気の駅弁をリサーチ!バリエーションは相変わらず豊富です~!
こんにちは、台北ナビです。
台湾での都市間移動に欠かせない交通手段といえば、台湾の国鉄「台湾鉄道」。台湾を一周する路線をメインに、観光スポットを結ぶ複数の支線を運行し、名実共に台湾の経済と人々の生活を支えています。
そんな鉄道の旅でなくてはならないのが、台湾の駅弁!台湾では「鐵路便當(鉄路便当)」と呼ばれています。因みに、「弁当」の概念は元々、日本統治時代に日本から伝わったもの。「便当」という漢字については、戦前の日本で使われていた複数の表記のうちの一つが残ったというのが有力です。
流れる景色を眺めながら、台湾ならではの味を楽しむなんて、旅行の醍醐味じゃありませんか。今回は、台湾鉄道の協力の下、最新の鉄道弁当事情を調査してまいりましたよー!
歴史ある台湾鉄道弁当の秘密
そもそも鉄道会社がなぜ駅弁を売っているのかというと、答えは単純。以前は鉄道の旅=時間がかかったから。長距離の乗車中にお腹が空いてしまうのは当然のこと。日本統治時代の1908年にはすでに駅弁が売られていたんだとか。なるほど、駅弁の販売は旅客サービス向上の一環だったわけですね。
人気の豚スペアリブ弁当は戦後まもなく販売されるようになったスタンダード商品で、当時は豚スペアリブと滷蛋(煮卵)をラードご飯の上に載せたものだったそう。最初の価格は20元。手ごろな価格が受けて人気となり、今ではたくさんの台湾人の記憶に残る味に成長しました。その後絶えず改良が加えられ、2016年の年間販売数はなんと1000万食!気の遠くなりそうな量ですが、それだけ台湾人の胃袋を支えていて、熱狂的なファンがいるということなんですね。
台湾鉄道では台北、台中、高雄、花蓮、七堵(基隆市)の全国5カ所に弁当工場を設置。主要駅で温かいお弁当が食べられるように工夫されています。
その工場の中で最も生産量が多いのが、台北駅の地下にある「台北鉄路餐庁」。一日あたりの弁当生産数はなんと約1万2000食。ここで作られた弁当は、板橋駅や桃園駅にも届けられて販売されるそうで、しかもほとんど毎日売切れてしまうというからさらに驚きです。
さらに将来的には台東にも新たな拠点を設置して、台東特産のお弁当を作る計画があるそうなので、そちらにも期待が高まります。
台湾のお弁当の最大の特徴は「温かい」こと
台北駅では保温バッグに入れられた熱々弁当が絶えず補充されています
さて、台湾のお弁当の最大の特徴は温かいこと。台湾の人たちは冷え切ったご飯を食べるのを嫌がる人が多いため、台鉄弁当も基本的には温かいものが売られています。
板橋や桃園では、出来立てを保温バッグに入れて列車に積み込み出荷されるほか、台北駅の各販売店では、残りの弁当が少なくなると、すぐさま地下の工場に連絡して、増産を要請。すぐに補充される体制が整っているので、よほど遅い時間に買わない限りは、温かいお弁当が店頭にならんでいるんだそう。いつでも温かいお弁当が食べられるって、実は難しいことですが、とっても嬉しいことでもありますよね。
台北駅で台湾鉄道弁当が買えるのは6ヵ所
台北駅で台湾鉄道の鉄道弁当が購入できるのは、「台鐵便當本舖」という売店。広い台北駅構内で6店舗あります。基本的に販売されているお弁当の種類は同じですが、1号店、2号店、4号店の規模が大きめ。営業時間がそれぞれ異なるのでご注意を。
一番早くから開いているのは台北駅地下1階の2号店で8時から。ただ、販売される弁当は、工場で出来上がるごとに順次お店に運ばれるので、午前なら11時ごろ、午後なら17時ごろが一番種類豊富な時間帯なんだそう。
限定弁当を必ず購入したいというのであれば、予め問い合わせておくのがベターです。
そして、ちょっと変り種なのは地上1階、1号店の真横にある「七堵製供」と書かれた店舗。ここで販売されているのは、台北駅の地下で作られた弁当ではなく、七堵の工場で作られたお弁当なんです。台北駅地下の工場では供給が追いつかないことがあるから、七堵工場の出張店舗があるそう。
もちろん、スタンダードな弁当ラインナップは一緒ですが、微妙に味付けが違うほか、ほかのお店では買えない七堵工場の限定弁当が買えちゃいます。鉄道マニアの間では、一口食べただけでどこの工場が作った弁当か分かっちゃう人がいるんだとか。食べ比べてみるのも面白そうですね。
さて、先ほどから何度も名前が登場していている「豚スペアリブ弁当」ですが、実は3種類あるってご存知でしたか?名称と価格はそれぞれ「台鐵傳統排骨便當」(60元)、「台鐵排骨八角木片盒便當」(80元)、「台鐵排骨懷舊菜飯圓木片盒便當」(100元)。
台湾鉄道で一番人気なのは、「台鐵排骨八角木片盒便當」で、弁当の販売数のうち44.93%を占める人気商品なんだとか。「台鐵傳統排骨便當」は35.68%で2番目に人気だそう。
台鐵傳統排骨便當
白米の上に甘いタレがしみこんだ豚スペアリブと台北地区では湯葉、煮卵、季節の野菜1品が載った、シンプルイズザベストな弁当です。
台鐵排骨八角木片盒便當八角形の弁当箱が目印の1番人気商品。白米の上に豚スペアリブ、煮卵が載っているのは台鐵傳統排骨便當と一緒ですが、季節の野菜が2品になるほか、魚のおかずがプラスされ、ボリューム満点になっています。
台鐵排骨懷舊菜飯圓木片盒便當台鐵排骨八角木片盒便當をさらにパワーアップさせたのが、この台鐵排骨懷舊菜飯圓木片盒便當。白米が炒め野菜の混ぜご飯に変えられていて、味に深みが増しています。濃い目の味付けになっているので、万が一冷えてもおいしさが持続。ナビが一番好きな弁当です。
新しい味続々 限定商品も要チェック
台湾鉄道の弁当は、それぞれの工場ごとに特色ある限定弁当を販売していることで知られています。ただ、毎年どれだけの新作弁当が作られ、どれだけの期間、どれだけの量が販売されるかというのは、各工場にゆだねられているため、おいしそうな弁当を見つけたら、早めに試すのが吉。人気商品になると長期的に販売されることもあるようですが、それがいつまで続くかというのは、きちんと決まっていないのが本当のところだそう。ちょっと台湾らしいゆるさですね。
大きな鉄道関連イベントや、沿線自治体のイベントがある時に限定弁当が売り出されやすいそう。そして近年の傾向として、その工場がある地域の特産品や名物が使われることが多いんだとか。駅弁を通じてその地域の味覚を味わうって素晴らしいことですよね!もし見つけたら試してみる価値大であります!
古早味爌肉飯じっくりと煮込まれたジューシーな豚ばら肉の煮込みがメイン。揚げ豆腐もかなりの厚さでボリューム満点。満足度の高い仕上がりになっています。
迷迭香雞腿排便當母の日を記念して販売された限定商品のローズマリーを隠し味にしたチキングリル弁当。紅芋やシイタケのチーズ焼き、サヤインゲン、ジャガイモなどがおかずとして入っていて、彩り鮮やか。
普悠瑪便當
台湾鉄道129周年を記念して販売された限定弁当。台湾原住民が多用する穀物、キヌアを混ぜたご飯に、カレーで味付けしたタイ、エビ、アスパラガス、ミニコーンのほか、フルーツやロールケーキまでついて超豪華~!パッケージは特急プユマ号の形をしていて、食べ終わったらティッシュカバーとして使えるのでお子様大喜び間違いなしです!
台湾鉄道弁当は伝統を守りながらも日々進化し続けていました。台北の工場では約20種類のお弁当が日替わりで販売されていて、あなたを待っています。次の台湾旅行ではお弁当を片手に鉄道旅行に出かけてはいかがでしょうか?
以上台北ナビがお伝えしました~。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2018-07-17