海洋生物を保護する国立博物館や、ゴミ埋め立て地跡に整備された公園が興味深い!近隣の地質博物館や海洋文化芸術館と合わせて、港町ならではのコンテンツをたっぷり堪能!!
虎仔山に掲げられた「KEELUNG」の文字
こんにちは、台北ナビです。
台湾北部の海洋都市「基隆」といえば、「廟口夜市」や「基隆正濱漁港」のカラフルな建物が思い浮かびますが、なかなか最新情報がアップデートされていなかったナビ。アクセスが不便なイメージのせいか、基隆はナビの台湾旅のバケットリストから除外されつつありました(ごめんなさい、基隆……)。
今回は、そんなナビの目を覚ましてくれた「栄光旅行社」が主催するツアー体験レポートをお届けします!
2023年にオープンしたアジア最大規模を誇るインテリジェント水族館「潮境智能海洋館 i OCEAN」や、まるで秘境にやってきたかのように神秘的なうつくしさを醸し出す「和平島地質公園」、日本統治時代に日本郵船が所有していた建物を改装した「1915陽明海洋藝文館」など、基隆の新しい魅力を再発見できた小旅行でした。
台湾鉄道「基隆」駅の近くに広がる基隆海洋広場
施設や景色を楽しむだけでなく、ごみ処理問題やかつてスペイン、オランダ、日本による植民地支配があった台湾の歴史にも触れられ、大人の社会科見学に行ってきた感覚で楽しめました。お子様連れにもオススメのツアーだな、と思います。
▼ナビが参加した「栄光旅行社」のツアーがこちら
※パッケージには下記が含まれています
①1915陽明海洋藝文館の入場券(入場券+ショップ利用券50元分+ドリンク引換券)
②和平島地質公園の入場券
③潮境智能海洋館の入場券
④泉利米香のおみやげセット(6個入り)
⑤北北基おもしろカード/交通周遊カード1日
北北基おもしろカード(交通周遊カード)
ツアーに付属される「北北基おもしろカード/交通周遊カード1日(北北基好玩卡景點暢遊一日劵)」を使えば、台北MRT、台湾好行(11~6月は土・日曜日、祝日のみ運行)、台北市・新北市・基隆市内の市バス(4桁番号のバスを除く)が1日乗り放題です。今回ナビは台北からタクシーで「潮境智能海洋館」まで行き、基隆市内では北北基おもしろカードを利用して移動しました。今回のツアーに含まれている目的地へのアクセスはほぼ網羅されているし、乗り放題はやはりお得感があります!
時間のある時に立ち寄りたい、見どころ満載の「国立海洋科技博物館」
まずひとつ目の目的地「潮境智能海洋館」を目指してたどり着いたのが、日本統治時代にアジア最大規模を誇った北部火力発電所跡地に建つ、海洋をテーマとした「国立海洋科技博物館」です。台湾の工業化を発展させた重要な建物が、海洋科学やテクノロジーに対する知識向上のための博物館として2014年に蘇りました。ここから潮境智能海洋館へは、無料リムジンバスも運行していますが、ナビは漁村を散策しながら10分ほど歩きました。
国立海洋科技博物館
住所:基隆市中正區北寧路367號
電話:(02)2469-6000#9
天気がよければぜひ散策を♪潮境智能海洋館までの道のりが楽しい
風光明媚な景色が広がっています
ただの水族館じゃない!たくさんの可能性を秘めた「潮境智能海洋館 i OCEAN」
水族館のみならず、海洋関連の研究や資料の収集という重責も担っている潮境智能海洋館
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水槽を観ているだけで、かなり癒されます
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漁村を抜け、海沿いをのんびり歩いてゆくと「潮境智能海洋館 i OCEAN」が見えてきます。潮の境界線に位置していることからネーミングされた「潮境智能海洋館」は、海洋生態系を保護しながら、その現状を周知させることを目的とした施設です。施設が完成した2008年当初は研究室が設置され、国立海洋科技博物館の準備所として使用されていたそうですが、2023年9月に水族館として一般開放されました。
熱帯魚の展示スペース。施設ではサンゴの復活活動にも取り組んでいます
砂からニョキッと顔を出す、かわいいチンアナゴ
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クラゲの水槽は、ずーっと見ていられます
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遺伝子組換えにより、蛍光に光る魚たちは観賞魚としても人気が高いのだそう。海洋科学に驚かされる~!
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画面に手をかざすと、魚に関する説明が表示されます。ゲーム感覚で楽しく学べる工夫が感じられました!
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渡り廊下のような造りのBエリアを抜けてやってきたのが、とても楽しめたCエリア。ここでは海洋生物、サンゴ、淡水魚などの飼育の様子を観察できます。アニメ映画『ファインディング・ニモ』のニモでしられるクマノミにおいては、台湾全土で最多の飼育数を有しているのだとか!
ズラーッと並ぶ水槽。海から引いている海水が入っています
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ニモがいっぱい!いや、多すぎっ!!笑
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うつくしい模様と顔面のインパクトで、圧倒的な存在感! 見れば見るほど、愛くるしい子でした♡
国際保護連合で絶滅危惧種に指定されている希少な魚、メガネモチノウオにも会うことができます。名前を言われてもピンとこない方は、別名の「ナポレオンフィッシュ」といわれるとなじみがあるのでは?こちらの海洋センターは台湾全土で唯一、養殖が許可されている施設とのこと。ナポレオンフィッシュに会いたければ、ここへ来るべし!
ほかの魚たちと楽しそうに?泳ぐナポレオンフィッシュちゃん
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施さん曰く、この日はこちらの呼びかけに反応してくれたので、かなりご機嫌だったそう!笑顔を向けてくれていたのかなぁ。笑
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今回特別に、サンゴ育成センター(潮境珊瑚保種中心)内も案内してもらえました
地球の平均気温が1.5℃上昇すると、世界の70~90%のサンゴが絶滅の危機に直面し、それに伴い海洋生物の4分の1が生息地を失うことになるのだそう。地球温暖化による影響は実に多方面にわたるのだと、思いがけず考えさせられました。これを機に、できる範囲で省エネしようと心に決めたナビでした!
潮境智能海洋館 i OCEAN
住所:基隆市中正區北寧路369巷61號
電話:(02)2469-6000 #9
ゴミ埋め立て地が、人気スポットへ!
フォトスポットとして人気の、ホウキのアート。なぜ、ホウキ?と気になっていたのですが、なるほど「ゴミを掃除する」意味が込められていたのですね!
館内を存分に鑑賞し終えたら、うつくしい海を見渡せる「潮境公園」を散歩。きれいに整備された公園からは想像もつきませんが、実は公園の下にゴミが埋められています。施さんいわく、ここへやってくる多くの観光客はこの一帯がかつてゴミ処理場だったという事実を知らないのだそうです。
潮境公園
住所:基隆市中正區北寧路369巷
独特の地形景観をもつ「和平島地質公園」で秘境体験
まさに神業!な景観に出逢えます
続いてやってきたのは、台湾本島から最も近い離島「平和島」にある「和平島地質公園」です。ここでは約2300万年前から体積されたうつくしい地層や、野柳を彷彿させる奇岩を観察することができるほか、17世紀の大航海時代にこの地へ足を踏み入れたスペイン人やオランダ人、そして日本統治時代の痕跡も残されており、歴史的価値の高い公園でもあります。
フォトスポットがたくさんありますよ!
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公園内にある萬善公
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17世紀にスペイン人がやってきたときに建てられた要塞サン・サルバドル城をイメージしたビジターセンター。ショップやカフェ・レストランが入っています
中にあるレストランではシーフード料理がオススメ
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イカのフライはやわらかくておいしかったです
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今は静かで、平和そのもの!であるこの公園一帯ではかつて、スペイン人、オランダ人、フィリピン人、フランス人、日本人、琉球や朝鮮半島からの移民らが暮らしてきました。異なる民族が出入りし、複雑な歴史が刻まれた和平島をぜひその足で辿ってみてください。
和平島地質公園
住所:基隆市中正區平一路360號
電話:(02)2463-5452
▼こちらの記事も参考にどうぞ。
幼少期から海洋文化に触れている基隆のこどもたち
入口はこちらから。基隆の海運に携わる人々がカッコよく出迎えてくれます
日本統治時代の1915年に「日本郵船基隆支店」として建てられた歴史建造物を再活用し、2005年に海洋文化を紹介する施設「1915陽明海洋文化芸術館」として生まれ変わりました。2021年に更なる改修を行い、基隆で海運に係わる人々や仕事内容などにスポットを当てた博物館として再出発しています。
キッズ向けの海運職業体験コーナーでは、小さな子供が制服に着替えて職業体験中でしたよ
1915陽明海洋文化芸術館は、海に寄り添いながら働く人々のようすを知ることができる貴重な施設でした。基隆の街で日常的に見かけるコンテナを積んだ船やトラックたち。その陰には多くのプロフェッショナルが係わっていているのだということを、再認識!
1915陽明海洋文化芸術館
住所:基隆市仁愛區港西街4號
電話:(02)2421-5681
凍らせて食べよう!基隆の十大おみやげに選ばれている「泉利米香」のおこし
店内にはひっきりなしにお客さんが!
ナビのお気に入り♪タロイモ入りの香芋米香
ツアー参加でもらえるおみやげを受け取りに「泉利米香」へ!米香とは、お米に圧力をかけ、ふくらませて作る台湾版のおこしです。
元々パン屋を営んでいたオーナーでしたが、お孫さんが好きな米香づくりに力をいれたことから、泉利米香は誕生しました。泉利米香の米香は100%台湾米を使用しているほか、たとえば基隆で採れた海藻や中部虎尾産のピーナッツなど、メイドイン台湾にこだわっているのが特徴です。防腐剤や人工調味料は一切使わずヘルシーなお菓子なので、老若男女問わず安心して楽しむことができますね。ナビが訪れたのが台湾の旧正月前だったこともあり、贈呈用の予約をしに来るお客さんで、お店は大忙しでした!常連さんらの接客の合間をぬって、丁寧に対応してくださって感謝です~!!
オーナーとお孫さん
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お店を切り盛りするオーナーの息子、簡兄弟
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泉利米香の米香は味の選択肢が多いのも魅力のひとつです。台湾の黒米を使った黑糯米米香や、キンカンジャム入りの金桔米香、ジャスミン茶風味の茉莉茶香米香など商品名を聞いただけでもおいしそう!甘いテイストだけでなく、花椒のスパイスが効いた海鮮(椒麻)米香や、カレー風味の咖哩米香など、しょっぱいテイストの商品もありました。カツオを使った鰹魚米香などは酒のつまみにもよさそうです!
またオススメの食べ方がとてもユニーク!主に3通りの食べ方があるそうで、まずはオーソドックスに①常温で直接食べる、②米香を小さく砕いて牛乳に浸して食べる、そしてナビのお気に入りの食べ方③冷凍してから食べる!です。
冷凍するとサクサクした食感が増すので、ぜひお試し下さい。
泉利米香
住所:基隆市信義區信二路219號
電話:(02)2423-1698
▼こちらの記事も参考にどうぞ。
久々に訪れた基隆はとても新鮮で、港街ならではのコンテンツをたっぷり堪能することができました。北海岸が有する豊かな自然と海洋生物を知ることからはじめ、海や自然を愛し、しっかり保護してゆくことの大切さを学んだツアーでした。ぜひみなさんも新しい基隆と出逢いに、出かけてみませんか?
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2024-04-09