台湾の温泉で日帰りはしご湯しよう!<北投編>

アクセス便利でリーズナブル。台湾では比較的珍しい酸性温泉を堪能

こんにちは、台北ナビです。

日本に負けず劣らず温泉大国の台湾。寒い冬にゆっくりと体を温めるのもいいですが、暑い夏にサッと入って湯上りの爽快感を味わうのもいいですよね。せっかく台湾に来たなら、少しでもたくさんの温泉に浸かりたいとお考えの方もいらっしゃるはず。

そこで今回は、比較的リーズナブルな日帰りの温泉施設がたくさんある台北市の北投温泉ではしご湯をしてみました。その魅力をお伝えします!

北投温泉とは……

MRT「新北投」駅から直ぐでアクセス抜群!

MRT「新北投」駅から直ぐでアクセス抜群!

北投温泉は台北駅からならMRTで約20分の「北投」駅で新北投支線に乗り換えて1駅の「新北投」駅からすぐ。わずか30分で到着できるアクセス便利な温泉街です。

今でこそ人気の観光地となっていますが、温泉街として発展するようになるのは日本統治時代になってから。1896年に大阪の商人・平田源吾が温泉旅館「天狗庵」をオープンしたのが始まりとされています。

それまではお湯が湧き出ることはかなり古くから知られていたのですが、いにしえの人たちは温泉の効能を知らず、利用することはありませんでした。
ただ、北投温泉の繁栄は順風満帆ではなく、日本統治時代を経ていながらも、台湾人の間では温泉文化が根付くことはなく、戦後の1970年代には衰退してしまいます。ところが、北投温泉の歴史はそれだけでは終わりません。1990年代になると温泉の効能が見直され、レジャーとしての地位を確立。今では平日・休日問わず多くの行楽客で賑わうようになり、不死鳥の如く繁栄を取り戻したのです。
90度近い温泉が湧き出る地熱谷。そばに立つと、冬でも暖かく感じられます

90度近い温泉が湧き出る地熱谷。そばに立つと、冬でも暖かく感じられます

ちなみに、北投では大きく分けて3種類の温泉が楽しめることで知られています。一つが皮膚病、筋肉痛に効くとされる「青礦泉」。秋田県の玉川温泉同様、微量の放射能を含むラジウム温泉です。源泉は地熱谷にあり、今回はしご湯をした施設のお湯は全てこのお湯です。もう一つは関節炎、皮膚病、夫人病、リューマチに効くという「白礦泉」。源泉は硫黄谷にあります。そして最後は「鉄礦泉」と呼ばれるもので、神経痛、皮膚病、リューマチ、痛風に効果があるとされています。源泉は龍鳳谷。

また、台湾では美肌の湯とされるアルカリ性の炭酸ナトリウム泉が多いのですが、北投温泉は狭い範囲にたくさんの種類の酸性温泉が湧き出るのが特徴なんです。

リーズナブルな温泉施設を楽しもう

北投温泉にはたくさんのホテルや旅館があるので、そちらの大浴場や個室風呂を利用することもできるのですが、今回ははしご湯ということでリーズナブルな温泉施設だけを訪問することにします。また、石鹸、シャンプー、タオル、水などは持参しましょう。とはいえ、北投にはコンビニもあるので現地で購入しても問題ありません。

徒歩で楽しめるはしご湯。周辺散策も忘れずに

【旧台鉄新北投駅】
まず最初に訪れたのはMRT「新北投」駅の目と鼻の先にある「旧台鉄新北投駅」。実はこれ、MRTが開通する前にあった台鉄新北投線の新北投駅舎で、日本統治時代の1937年当時の様子を復元したものなんです。木造建築でありながらゴシック様式が取り入れられていて、独特の雰囲気を醸し出しています。

また、ホームには1969年に日本から輸入され、実際に新北投と台北を結んでいた客車も展示されていて、時代の移り変わりに思いを馳せられます。
シンプルですが味があります

シンプルですが味があります

今の時代には想像つかないのんびりとした空気が漂っていました

今の時代には想像つかないのんびりとした空気が漂っていました

車内は展示空間になっています

車内は展示空間になっています

そして注目したいのはこちらにある「手湯」。一見すると神社にある手水舎のようなのですが、流れるお湯は正真正銘の温泉。ナビが訪れた日の温度は45.2℃と、入浴するにはかなり熱めでしたが、手を入れて温まる分には寧ろちょうどいい温度。旅情をかきたててくれます。
「温泉に来たなぁ~」という気分を盛り上げてくれる手湯

「温泉に来たなぁ~」という気分を盛り上げてくれる手湯

北投温泉の地形になっています

北投温泉の地形になっています


【新北投公園】
続いては新北投公園です。新北投温泉は谷になっていて、真ん中を川が流れているのですが、その両側が公園になっています。青々とした木々が生い茂り、とても風情のある公園で、途中、生態系や環境保護に関する書籍が多く所蔵されている台北市立図書館北投分館や日本統治時代に公共浴場として建設された北投温泉博物館などの施設もあります。
台北市立図書館北投分館

台北市立図書館北投分館

北投温泉博物館

北投温泉博物館

希少なポケモンが出現すると人気になった時期もありました

希少なポケモンが出現すると人気になった時期もありました

蓮の花を発見~

蓮の花を発見~

川の水は温かいのですが、生活排水が流れているそうなので、入って遊ぶのは避けたほうがよさそうです

川の水は温かいのですが、生活排水が流れているそうなので、入って遊ぶのは避けたほうがよさそうです

温泉を満喫しましょう

ひっそりと時代の移り変わりを見続けてきた石碑

ひっそりと時代の移り変わりを見続けてきた石碑

お風呂上りには前庭でまったり休憩してください

お風呂上りには前庭でまったり休憩してください

【瀧乃湯】
元々は1907年ごろに作られたという浴場と言われ、北投地区で現存する温泉浴場としては最古とされている老舗です。当初は軍人の保養施設として男湯だけがあったのですが、その後女湯も増設されたんだとか。「瀧乃湯」という名前は、目の前に小さな滝があることにちなんでいます。また、敷地内には1923年に皇太子だったのちの昭和天皇が台湾行啓に訪れた際、川を渡ったということを記念した石碑が残されていて、こちらも必見です。

pH値は1~2で強酸性の硫酸塩泉。皮膚病や通風、筋肉痛に効果があるとされています。

さて、現在は男女の大浴場と2~5人で入浴する個室風呂があります。大浴場の男湯は日本統治時代に整備されたもの。建物自体は2017年に大規模リニューアルを行っていて、古さはそこまで感じさせません。入湯料は150元です。
大浴場には50人分のロッカーがあり、洗い場は3つ。2つの風呂があり、温度は42~43度と45~46度の二種類になっています。お湯は基本的には透明なのですが、少し青みがかっているように見えました。5分程度浸かっていると、酸性温泉の特徴であるピリピリする感覚がしてきます。刺激が強いので温泉で顔を洗わないように注意書きがありました。

ナビが訪れたのは平日の午後1時頃だったのですが、地元の人を中心に20人ぐらいの人たちがお湯を楽しんでいました。ただ、実際にお風呂に浸かる時間は10分程度で、後はベンチに腰をかけて知り合いとおしゃべりを楽しんでいるような和気藹々としたムード。ちなみに、みなさん1リットル容量の巨大水筒を持参して1時間以上、まったりしている感じでした。


【北投公園露天溫泉浴池】

1999年にオープンした水着着用の混浴露天温泉施設です。水着の規定に厳しく、カジュアルなもので体にフィットしていないもの、ポケットがついているもの、下着に近いものなどは一律不可。スクール水着のようなものが安全です。入場前に係員に見せる必要があります。

入湯料は破格の40元。自動券売機で購入してもいいですが、悠遊卡(EasyCard)での支払いも可能です。

ただ、更衣室はシャワー室と兼用。男女ともに10個のシャワーブースがありますが、混雑時には並ぶ必要があります。しかも、温水が出るのはそのうち2つだけ。しかも有料です。(冷水シャワーは無料)混雑時の更衣は係員にトイレに誘導されることもありますが、あまり清潔とは言えず、荷物が多い場合は注意が必要です。
こちらの温泉は段々畑のようになっていて、温水風呂が4つ、冷水風呂が2つあります。温水風呂は位置の高い場所から43~45℃、38~43℃×2、35~40℃となっています。

そして、温泉の縁に腰掛けて足だけを温泉に浸からせるのはこちらでは厳禁。係員が常に監視していて、注意してきます。とはいうものの、全体的な雰囲気は温泉というよりも完全に市民プール。そして、どこからともなく漂う水着なのかタオルかの生乾きの臭い……。

個人でゆっくりと温泉を堪能したい方にはあまり向かないと思いますが、ファミリーやグループで楽しみたい方はぜひ。
1999年にオープンしたため「ミレニアムの湯」という愛称もあります

1999年にオープンしたため「ミレニアムの湯」という愛称もあります

水着には厳格な決まりがありますのでご注意を

水着には厳格な決まりがありますのでご注意を

こういう水着ならOK。入口で販売もしています

こういう水着ならOK。入口で販売もしています

イージーカードでの支払い可能

イージーカードでの支払い可能

温水シャワー、ロッカー、ドライヤーはいずれも有料です

温水シャワー、ロッカー、ドライヤーはいずれも有料です

入口で売っているアイスキャンディーが人気でした

入口で売っているアイスキャンディーが人気でした


【景泉浴室】

青磺泉の源泉として知られる地熱谷への入口にある温泉マンションの低層階にある個室温泉施設です。1人でも利用ができるのが嬉しいです。40分150元という料金も良心的。ただ、ナビが訪れた時、コンビニ横の入口のシャッターが閉まっていました。てっきり臨時休業か?と思って電話をすると、「建物の右側から入ってきなさい」とのこと。右側に回りこんで階段を登ると、別の入口がありました。

受付のおばちゃんに話を聞くと、右側と左側はどちらも同じ景泉浴室なのですが、中は繋がっておらず、1号館と2号館の概念だそう。と言ってもどちらが1でどちらが2ということもないようなのですが。ただ、シャッターが閉まっていた方は、そこを管理していた女性が不定期でお仕事しているということで、オープンしているかどうかは運次第みたいです。

ネット上での情報を調べると、左側のほうは花崗岩の浴槽があり比較的人気だったのでちょっと残念。
建物右側の階段を上がっていくと……

建物右側の階段を上がっていくと……

入口がありました

入口がありました

昭和ムード漂うカウンターが素敵

昭和ムード漂うカウンターが素敵

源泉の温度は49度。pH値は2.0だそう。昭和の時代に建設された団地のお風呂のような浴室はかなりの年季が入っていて、はっきり言って綺麗ではありません。ただ、変なにおいがするわけではなく、清掃はしっかりされているので、ナビ的にはあまり気になりませんでした。

むしろ、1人でも個室で温泉に浸かれるというプライベート感や隠れ家感がとても快適でした。夜遅くまでオープンしているので、士林夜市や淡水に行った帰りにふらりと立ち寄るのもいいかも知れませんよ。

住所:台北市中山路30号
電話:(02)2895-3156
営業時間:10:00~22:00

https://www.facebook.com/pages/category/Onsen/景泉浴室-142103909182729/
暗くて古くて……ぶっちゃけ初めて来る人は驚いてしまうかも 暗くて古くて……ぶっちゃけ初めて来る人は驚いてしまうかも

暗くて古くて……ぶっちゃけ初めて来る人は驚いてしまうかも

細かいことには気にしない人にお薦めです。ナビはリピート確実 細かいことには気にしない人にお薦めです。ナビはリピート確実

細かいことには気にしない人にお薦めです。ナビはリピート確実


例え言葉や文化の違う外国であっても、温泉は心と体を癒してくれます。慣れない場所での旅行をしていると、知らず知らずのうちに疲れがたまりがち。北投温泉なら、台北旅行中に思い立ったら直ぐに足を運べるので、ぜひリフレッシュしに来てくださいね。

以上、台北ナビでした。

もちろん、ゆっくり温泉を楽しみたいなら北投のホテルなどの利用をどうぞ!

北投に関する季節の話題は「ほっと台北」!周辺観光スポット情報もありますよ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2020-06-01

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