基隆ショートトリップ 5年ぶりに上陸が解禁された「基隆嶼」へ行こう!

大自然が持つパワーを感じられる、ファミリーにぴったりな旅が楽しめます

こんにちは、台北ナビです。

台北から鉄道やバスで約1時間の基隆は、日本統治時代から港町として栄え、レトロな街並みが残るなど、歴史を感じさせる場所です。そんな基隆でナビがオススメしたいのは、基隆市中心部から北東にある、和平島と基隆嶼をめぐるショートトリップ。特に基隆嶼は2019年6月、約5年ぶりに島への観光上陸が認められるようになった無人島で、台湾人でも行ったことのない人の方が多い穴場スポット。大自然が持つパワーの大きさを実感できる素敵な旅に出かけましょう!

和平島で無料のツアーに参加して、島の歴史や文化に詳しくなろう!

和平島公園の駐車場から見える造船場のクレーン

和平島公園の駐車場から見える造船場のクレーン

最初に訪れたのは基隆駅から101番、102番バスで約30分の場所にある和平島。元々は台湾の先住民族が住んでいたとされ、17世紀にスペインが台湾北部を統治した際には拠点が設けられたほか、日本統治時代には漁業基地として発展した歴史があります。今でも漁港のほか、造船工場などがあり、活気のある島です。
青い空、青い海と褐色の大地 このコントラストが素敵

青い空、青い海と褐色の大地 このコントラストが素敵

そんな和平島の見所は、島の北側にある「和平島公園」。自然公園になっていて、波や風雨による浸蝕で形成された不思議な地形、海水浴場などがあります。以前は自由に散策できる公園だったのですが、自然環境を守り、快適な空間を整備するために2018年から有料に。そのこともあって平日14:30、休日10:30、14:30には無料のガイドツアーが行われるようになり、ナビもこのツアーに参加することになりました。
まず、園内に入って見えるのが、入江。中央には島があります。今でこそ木々が茂り、風光明媚だと思えるのですが、日本統治時代には漁港として栄えた場所で、ここにはたくさんの漁船が停泊していたほか、この周囲には多くの住宅が軒を連ねていたんだとか。今では全く想像がつかない光景が広がっていたんですね。
対岸には国軍のレーダー施設があります

対岸には国軍のレーダー施設があります

7日前までにネットで申請すれば、対岸に行けるツアー(有料)にも参加できます

7日前までにネットで申請すれば、対岸に行けるツアー(有料)にも参加できます

さらに進むと銅像がありました。船に乗った漁師さんの出で立ちをしていますが、これ、実はかつてこの場所に住み、戦後の混乱期に起きた二二八事件で亡くなった沖縄県出身者のために建てられた慰霊碑なんです。

和平島は日本統治時代に「社寮島」と呼ばれていたのですが、今公園となっているところには、日本統治時代の台湾では最大級といわれる沖縄県出身者の集落がありました。当時、沖縄に一番近い日本の大都市が台北だったため、今よりももっと濃密な人的、物的交流があったといわれています。

二二八事件に巻き込まれて亡くなったり行方不明になった日本人については戦後長い間注目されることはありませんでしたが、民主化の流れで国が一部の日本人被害者の存在を認め、賠償が行われることになっています。銅像は有志によって建てられたもの。ナビが訪れた際には経年劣化でひびが入っていたのですが、今後修復されるそうです。
園内にある廟には二二八事件の犠牲者の遺骨が納められています

園内にある廟には二二八事件の犠牲者の遺骨が納められています

銅像の裏側にある解説板

銅像の裏側にある解説板

さて、園内の高台には元軍事施設をリノベーションしたカフェがあります。カフェの屋上には展望台もあり、360度のパノラマが楽しめます。
迷彩柄にちょっとビックリしてしまいますが公園事務所として使われている建物です

迷彩柄にちょっとビックリしてしまいますが公園事務所として使われている建物です

カラフルな階段を登っていくと……

カラフルな階段を登っていくと……

見えたのがこのカフェ

見えたのがこのカフェ

天気のいい日はテラス席でほっと一息 天気のいい日はテラス席でほっと一息 天気のいい日はテラス席でほっと一息

天気のいい日はテラス席でほっと一息

和平島の西側。基隆港の入口とランドマークにもなっている協和火力発電所の煙突が見えます

和平島の西側。基隆港の入口とランドマークにもなっている協和火力発電所の煙突が見えます

少し右に目をやると、野柳地質公園が見えました

少し右に目をやると、野柳地質公園が見えました

北側の風景。この後行く予定の基隆嶼が見えます

北側の風景。この後行く予定の基隆嶼が見えます

眼下にはたくさんの奇岩が目を引く岩場が

眼下にはたくさんの奇岩が目を引く岩場が

野柳にも負けない!?奇岩の散らばる海岸を散歩

さて、和平島の目玉、奇岩がたくさんあるエリアに向かいます。このエリアは危険防止のために通常は封鎖されていて、ツアーに参加した人だけが入れます。

散策前には反射ベストを着用してください。ツアーによってはヘルメットを着用する必要もあります。岩場は滑りやすくなっているほか、くぼみに海水がたまっていることもあるので歩行時には気をつけてくださいね。
ベストとヘルメットはこの場所で借りて着用します

ベストとヘルメットはこの場所で借りて着用します

子供用もあります

子供用もあります

ゲートの横から侵入できてしまうのですが、許可なく立ち入るのは止めましょう

ゲートの横から侵入できてしまうのですが、許可なく立ち入るのは止めましょう

ベージュの岩場は、手で触れてみると、軽石のように柔らかく、鋭利なもので引っかいたら、簡単に削れてしまいそう。だからこそ不思議な形の岩や石が形成されるんですね。でも、海水や風の力でこんな奇岩ができるのですから、自然の力は想像よりもっと大きく、神秘的です。
少し進むと、崖に天然の洞窟が開いていて、「蕃字洞」と書かれたプレートが掲げられています。

「蕃」とは台湾の先住民のことを意味する古い言葉。これは17世紀頃の大航海時代にこの地を訪れたオランダ人が、この洞窟の中に文字を書いたことに由来し、その後その文字を見た現地の人が「読めない文字」=「先住民の文字」ということでこの名がつけられたという言い伝えがあります。
化石の姿もあちらこちらに見られます 化石の姿もあちらこちらに見られます 化石の姿もあちらこちらに見られます

化石の姿もあちらこちらに見られます

トーチカの左側にとがった岩があるのがみえますか?観音岩と呼ばれ、信仰の対象になっているそう

トーチカの左側にとがった岩があるのがみえますか?観音岩と呼ばれ、信仰の対象になっているそう

こうやって見てみると、「野柳地質公園と同じじゃない?」と思った方、ご名答。ここから東に行った深澳にある象鼻岩にも似たような地形が広がっています。でも、地形だけでなく、かつてここで暮らしていた人の生活が垣間見れて、歴史を感じさせるのはここだけ。訪れる価値があると思います。

ビジターセンターのレストランとカフェで小休憩

基隆ショートトリップ 5年ぶりに上陸が解禁された「基隆嶼」へ行こう! ショートトリップ 基隆 和平島 基隆嶼 歴史 自然 ハイキングクルーズ 基隆ショートトリップ 5年ぶりに上陸が解禁された「基隆嶼」へ行こう! ショートトリップ 基隆 和平島 基隆嶼 歴史 自然 ハイキングクルーズ
さて、ビジターセンターの2階にはレストラン、3階にはカフェがあります。レストランの金額は若干お高めですが、ボリュームがあります。

カフェはレストランと比べて人が少なく、穴場的スポット。落ち着ける空間になっているので、歩き疲れたらここで涼むのがいいかも知れません。
日本のファミレスのようなメニュー構成。日本人でも食べられる味です 日本のファミレスのようなメニュー構成。日本人でも食べられる味です 日本のファミレスのようなメニュー構成。日本人でも食べられる味です

日本のファミレスのようなメニュー構成。日本人でも食べられる味です

ナビのお気に入りは3階のカフェ ナビのお気に入りは3階のカフェ

ナビのお気に入りは3階のカフェ

和平島公園で見ておきたいのはまだまだあります。海と繋がった元養殖池を再利用した海水浴場があるんです。

プールみたいになっているので波がなく、台湾で多い離岸流などを心配する必要がありません。熱帯の魚が入り込んでくることもあるので、一般的な海水浴場とは違った雰囲気が味わえますよ。また、水深の浅いプールもあるので、お子様連れの水遊びにも最適です。

一般人の上陸が再開されたばかりの基隆嶼に潜入!

では、お待ちかねの基隆嶼へと旅立ちましょう。和平島の漁港からクルーザーに乗船します。乗船の際にはパスポートなど身分証明書が必要なので忘れずにお持ちくださいね。

和平島から基隆嶼までは約15分の船旅。ですが、台湾北部は東北季節風という季節風の影響で海の流れが速く、季節を問わず船が揺れることが多いそう。心配な方は酔い止めをご用意ください。
救命胴衣を着けて……

救命胴衣を着けて……

出港!

出港!

意外と揺れたのでご注意を

意外と揺れたのでご注意を

遠くに九份が見えました

遠くに九份が見えました

基隆嶼を目指します

基隆嶼を目指します

グングン近づいてきます

グングン近づいてきます

こちらが基隆嶼。和平島からは3.3km、基隆港の入口からは4kmの地点にある島です。南北の長さは960m、東西は長いところで400mの小さな島ですが、平地がほとんどなく、海岸線はほとんどが崖で、標高は182mあります。

国防上の理由から基本的には海上保安庁に相当する海巡署の職員が駐在している以外に住民はいない広義の意味での無人島です。

観光での一時的滞在に限り一般人の上陸は認められていたのですが、5年前の台風による土砂災害などで島内の歩道が被災したため、観光上陸を休止していました。今回は、その復旧工事が完了したため、上陸再開となったんです。
基隆嶼唯一の港から上陸です 基隆嶼唯一の港から上陸です

基隆嶼唯一の港から上陸です

基本的に上陸ツアーでの滞在時間は約2時間。島の頂上には灯台があり、そこまでの登山道を歩くと、行きは40分、帰りは20分ほどかかります。ただ、写真を撮っていたり、休憩しながら歩くと、気持ち急ぎながら歩みを進めることになります。

実際、灯台までの道のりは簡単ではなく、体力に自身のない人は無理はしないほうが無難でしょう。登山道の途中には何ヵ所か東屋があり、そこからでも十分に周辺の風景が楽しめるので、自由に散策を楽しんでください。
港の近くでふと目に飛び込んできたのが「楠田上等兵殉職之碑」と書かれた慰霊碑。近くに立てられている中国語の看板によると、「工事中に足を滑らせて殉職」した楠田上等兵のための慰霊碑だといいます。

歴史好きのナビ、台北に戻ってから気になって調べたのですが、残念ながらこの看板に書かれていること以上の情報は見つからず、この楠田上等兵が一体誰なのか、どんな仕事をしていたのかは一切不明。どなたか詳細をご存知の方がいらっしゃいましたら、コメント欄に情報をお寄せください。
海巡署の安全検査所。島内に人がいるとすればここに駐在する職員さんだけ

海巡署の安全検査所。島内に人がいるとすればここに駐在する職員さんだけ

島の東西をつなぐ唯一のトンネル

島の東西をつなぐ唯一のトンネル

頂上まで登りたければ灯台方面へ。山登りはちょっとという方は海浜歩道を歩いてください 頂上まで登りたければ灯台方面へ。山登りはちょっとという方は海浜歩道を歩いてください 頂上まで登りたければ灯台方面へ。山登りはちょっとという方は海浜歩道を歩いてください

頂上まで登りたければ灯台方面へ。山登りはちょっとという方は海浜歩道を歩いてください

登山道なのですが、基本的には階段です。そしてすれ違うのもやっと。十分に注意しながら歩いてくださいね

登山道なのですが、基本的には階段です。そしてすれ違うのもやっと。十分に注意しながら歩いてくださいね

修復されているはずなのに、ステップが外れている部分が……

修復されているはずなのに、ステップが外れている部分が……

港がこんな小さく見えました

港がこんな小さく見えました

基隆の街並みを眺めます。この角度から見るのは初めて。貴重な体験です

基隆の街並みを眺めます。この角度から見るのは初めて。貴重な体験です

断崖絶壁という言葉がそのまま当てはまる地形。ただ、緑がとても美しいです

断崖絶壁という言葉がそのまま当てはまる地形。ただ、緑がとても美しいです

約30分くらい歩いたところでやっと灯台が見えました!

約30分くらい歩いたところでやっと灯台が見えました!

雑草が生い茂る階段をさらに登っていきます

雑草が生い茂る階段をさらに登っていきます

灯台が大きくなってきます

灯台が大きくなってきます

やっと灯台に到着!1980年に建設された高さ12.3mの灯台で、台湾で初めて太陽光発電によって発光するものなんだそう。

何度も諦めそうになりながら、急な階段を延々と歩いてきただけあって、なんともいえない達成感があります。灯台の裏手からは東シナ海が一望できます。

ここで長居してしまうと、帰りの船を遅らせてしまうので、足早に後にします。ただ、やはり下り道は幾分楽に感じ、周りの風景を眺める余裕が出てきました。

季節によってはユリやショウキズイセン、ムクゲなどの花々が咲き乱れるとのこと、その時にはまた違った光景が広がるんでしょうね。
2時間の滞在が終了し、基隆に戻ります。通常は最後に島を一周して基隆へ戻るのですが、この日は午後から天気が崩れ、波が高くなったので早めに切り上げることに。それでも、海上からだと島がいかに聳え立つように浮かんでいるのかがよくわかります。

基隆嶼への上陸ツアーはコチラのウェブサイトから予約・申し込みが必要です。ぜひ、貴重な上陸体験を味わってください。
迫力がありますね 迫力がありますね

迫力がありますね

SNS映えスポットへの訪問も忘れずに

台湾本島に戻ってきました。実は和平島の近くには、最近台湾人に人気のSNS映えスポットが2カ所あります。一つはカラフルな建物が建ち並ぶ「正浜漁港」。これは基隆市政府による町興しの一環で、港に面する建物の外壁をカラフルに塗って美化を図ったもの。

写真映えするとして瞬く間に多くの行楽客で賑わうようになりました。実際に現場を訪れてみると、カラフルに塗られている建物の数は決して多くなく、「こんなものか」と思うのですが、ファインダーを通して写真を撮ってみると、とっても美しく見えるから不思議です。
基隆市では「台湾のベニス」といって国内外にPRしたいんだとか。本当かどうかは皆さんの目で確かめてください! 基隆市では「台湾のベニス」といって国内外にPRしたいんだとか。本当かどうかは皆さんの目で確かめてください! 基隆市では「台湾のベニス」といって国内外にPRしたいんだとか。本当かどうかは皆さんの目で確かめてください!

基隆市では「台湾のベニス」といって国内外にPRしたいんだとか。本当かどうかは皆さんの目で確かめてください!

もう一つが造船工場跡地の「阿根納造船廠」。日本統治時代には周辺で採掘された鉱物を日本内地に搬出する基地で、戦後は米国企業の造船場があった場所です。

完全なる廃墟で鉄筋コンクリートの骨組みだけが残り、今にも崩壊してしまいそうなのですが、米国人俳優のクリストファー・ロバート・エヴァンス氏が出演したCMでこの場所がロケ地となり、注目が集まりました。

こちらの敷地は原則として立ち入り禁止なのですが、毎日のように大勢の行楽客が詰めかけ、敷地内で撮影に興じています。基隆市では将来的な建物の保存に向けて検討していることもあり、市民が敷地内に入ることを黙認しているようなのですが、建物が半分崩落しており、やはり危険な状態なので、全ては自己責任でお願いします。
掲載している写真は全て敷地外から撮影したものです 掲載している写真は全て敷地外から撮影したものです 掲載している写真は全て敷地外から撮影したものです

掲載している写真は全て敷地外から撮影したものです

基隆旅行の〆はやっぱり基隆廟口夜市!

最後に訪れたのは、基隆駅に程近い基隆廟口夜市。黄色い提灯が目を引くこの夜市は、台北の夜市とは違って新鮮な海鮮が食べられるお店が数多く並んでいるのが特徴。地元の基隆っ子も足繁く通う、本当の市民の台所といった雰囲気を醸し出しています。

それ以外にも「栄養サンドイッチ」や「泡泡氷」などの名物グルメの屋台もたくさん並んでいるので、何度来ても飽きることがないナビお気に入りの夜市です。ぜひお腹いっぱいになって帰って下さいね~。
イカの丸焼きはいかが?

イカの丸焼きはいかが?

新鮮な海鮮が基隆夜市の名物

新鮮な海鮮が基隆夜市の名物

土曜日はこの混雑~

土曜日はこの混雑~

台湾に初めて来たという人でも台北から気軽に来られる基隆。雨が多いのが玉に瑕なのですが、海とともに歩んできた長い歴史があり、自然にも恵まれています。基隆で遊んだ後に九份で夜景を見るというプランも可能なので、ぜひ日帰り旅行の選択肢の一つとして今度の台湾旅行のプランに組み込んでみてくださいね。

以上、台北ナビがお伝えしました!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-08-01

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