台北の見るべきギャラリー5選!

美術館やギャラリー、アートブックショップなど、いまアートがアツい台湾。今回は台北のギャラリーでオススメ5軒を紹介します!

こんにちは、台北ナビです。

芸術の秋ですね。美術館で美術鑑賞もいいですが、時にはギャラリーに行ってみませんか。同時代を表現したアートの奥深さを知ったり、台湾ならではの表現を見たり、あるいは「え?どこに入口があるの?」と困惑するような建物にギャラリーがあったり、いろいろ楽しむことができます。

今回は台北市内にあるギャラリーの中から、オススメ5軒を選んでみました。

その1:世界各地のアートフェアにも参加するほど台湾を代表するギャラリー『伊日藝術』

LLOOVVEE-Sun Pei-Mao Solo Exhibition, 2018年<br>写真提供:伊日藝術

LLOOVVEE-Sun Pei-Mao Solo Exhibition, 2018年
写真提供:伊日藝術

伊日藝術(YIRI ARTS)は、台湾のアートシーンを牽引しているギャラリーのひとつです。いま世界中で「アートフェア」と呼ばれる作品を売る見本市のようなイベントが数多く開かれる中で、伊日藝術は台湾だけでなく世界各地のアートフェアに参加し、世界中にアーティストとその作品を紹介しています。

松山駅から徒歩5分ほどのギャラリースペースでは、随時、展覧会が開かれています。看板もない、倉庫のようなオフィスビルの一角にあるため、入口が分かりにくいのが難点です。
伊日藝術 YIRI ARTS 入口<br>写真提供:伊日藝術

伊日藝術 YIRI ARTS 入口
写真提供:伊日藝術

やっと見つけたギャラリーの入口に、きっと「カッコいい!!」と口に出ちゃうはず。そしてギャラリースペースに入ると、おもちゃ箱をひっくり返したような、キラキラするアート作品が並んでいて、さらにときめくでしょう。

見られる作品は、絵画、彫刻、インスタレーションなど、展覧会によって異なります。このギャラリーはいつも個性的で、どっちかというと「ギョッ」と驚くようなものばかり。こうした作品を制作、展示しているアーティストは台湾人とは限りません。皆さんが行かれた時には、どんな作品を見ることができるでしょうか。
The Dust of Time-Chiu Cheng-Hong Solo Exhibition, 2017年<br>写真提供:伊日藝術

The Dust of Time-Chiu Cheng-Hong Solo Exhibition, 2017年
写真提供:伊日藝術

The Final Mild Blue-Lin Yi-Pei Solo Exhibition, 2017年<br>写真提供:伊日藝術

The Final Mild Blue-Lin Yi-Pei Solo Exhibition, 2017年
写真提供:伊日藝術

伊日藝術(YIRI ARTS)
https://yiriarts.com.tw/
住所:台北市南港區八德路四段768巷5號4樓之1
電話:(02)2786-3866
営業:13:00~19:00
休み:月曜日

行き方:MRT松山新店線「松山」駅で下車。出口4から徒歩5分。八德路四段から中坡北路を渡り、南港親子館の手前で右折、1つめの道を左折すると1分ほどでギャラリーの入っているビルがあります。

その2:見る人の感性が磨かれる魅惑『耿畫廊』&『TKG+』

耿畫廊とTKG+の入口周辺

耿畫廊とTKG+の入口周辺

多くのギャラリーが集まっていることで知られる、内湖エリア。耿畫廊(TINA KENG GALLERY)とTKG+は西湖駅から徒歩6分ほどの場所にあります。看板には2つのギャラリーの名前が並んでいますが、入口は1つです。入口周辺からオシャレなギャラリーのにおいがプンプンします!恐る恐るガラスのドアを開いて、中に入ってさらにビックリ!

なんと!地下1階から地上2階という、とても広い空間が広がっているのです!こんな大きなギャラリーで展覧会するアーティストさん、制作や設置がさぞ大変だったでしょうね。そんなことを勝手に想像しながら、見る私たちもスペースの隅々まで足を運んで、作品を見ることにしましょう。
「吳大羽個展 吳大羽的抽屜」展示風景, 2016年<br>写真提供:TKG+

「吳大羽個展 吳大羽的抽屜」展示風景, 2016年
写真提供:TKG+

「周育正:刷新、犧牲、新衛生、傳…現代人。三」展示風景, 2018年<br>写真提供:TKG+

「周育正:刷新、犧牲、新衛生、傳…現代人。三」展示風景, 2018年
写真提供:TKG+

「日常假設」展示風景, 2016年<br>写真提供:TKG+

「日常假設」展示風景, 2016年
写真提供:TKG+

どちらかというとオーソドックスな、絵画や彫刻といった作品が並ぶ耿畫廊と、空間を生かした映像やインスタレーションを展示しているTKG+があります。台湾のアート関係者も「台北といったら、耿畫廊とTKG+でしょ!」と太鼓判を押すほどです。

この2軒のギャラリー、いずれの展覧会でも見ることができる作品は「はっ!!」あるいは「はっ??」と思うものばかり。シブく見える作品が、まだ30代の女性アーティストの作品だったり……。アーティストの年齢や性別は関係ないのが現在のアートであり、台湾らしさだなと感じます。見る人の感性が磨かれること間違いナシです!

耿畫廊&TKG+(TINA KENG GALLERY/TKG+)
http://www.tinakenggallery.com/
住所:
耿畫廊/台北市内湖區瑞光路548巷15號
TKG+ /台北市内湖區瑞光路548巷15號B1
電話:(02)2659-0798
営業:11:00~19:00
休み:月曜日

行き方:MRT文湖線「西湖」駅で下車。出口2から徒歩6分。出口を出て右方向へ、駐車場に沿って歩き、1つめの角を右折。そのまま直進、信号のある道を2つ渡って、徒歩5分で到着。

その3:美術館に来たような贅沢な気持ちでアート鑑賞を楽しめる『也趣藝廊』

Gutai and further - group exhibition in 2018, works by 中辻悦子 Etsuko NAKATSUJI<br>写真提供:也趣藝廊

Gutai and further - group exhibition in 2018, works by 中辻悦子 Etsuko NAKATSUJI
写真提供:也趣藝廊

也趣藝廊(Aki Gallery)は、台湾だけでなく、日本やドイツなどのアーティストも多く紹介しているギャラリーです。しかも若手作家だけでなく、日本では美術館で展覧会をしているようなハイレベルなアーティストだったり、このギャラリーの展覧会のために制作された新作だったり、ということもあります。

このギャラリーも広い空間が特徴で、3フロアに作品が展示してあります。まるで美術館に来たようなぜいたくな気持ちで、作品を鑑賞することができます。ただ見るだけでもいいのですが、ギャラリーなので、作品を欲しいと思ったら買うことができます。

分かりにくいアート作品というよりも、生きているアーティストによる絵画や彫刻といった作品の展覧会が多いです。台北市立美術館の近くというロケーションなので、美術館の帰り道に寄ってみてはいかがでしょうか。忙しい日々の生活から、視覚を通してふっと息抜きができる、そんなギャラリーです。
Humidity —Yang-Tsung FAN Solo Exhibition in 2016<br>写真提供:也趣藝廊

Humidity —Yang-Tsung FAN Solo Exhibition in 2016
写真提供:也趣藝廊

也趣藝廊(Aki Gallery)
http://www.galleryaki.com/main.php
住所:台北市民族西路141號
電話:(02)2599-1171
営業:12:00~18:30
休み:月曜日

行き方:MRT淡水信義線「圓山」駅で下車。出口1から徒歩8分。MRTの高架下および花博公園に沿って歩き、民族西路で右折。そのまま直進、徒歩5分で到着。

その4:白い空間でゆっくりと作品に向き合える『Project Fulfill Art Space』

Project Fulfill Art Space外観<br>写真提供:Project Fulfill Art Space

Project Fulfill Art Space外観
写真提供:Project Fulfill Art Space

忠孝復興駅から歩いて、近くのホテルを曲がり、Project Fulfill Art Space(就在藝術空間)までの道には、特に目立つ建物がありません。ぼーっと歩いていると、ギャラリーの外観がおしゃれなカフェにしか見えなくて、いつもうっかり通り過ぎてしまいます。皆さんご注意ください!

それはともかく、一歩ギャラリーの中に入ると、目にしみるほどの白い空間(美術用語で「ホワイトキューブ」)が広がっています。どの展覧会も、スペースの広さに対して作品数は少なめなので、空間にゆとりを感じられます。近づいて見たり、遠ざかって眺めたりと、作品にじっくりと向き合うことができる、とてもぜいたくなギャラリーです。

勝手なイメージですが、カッコいい作品だけどクセがあるというか、ひとひねりしてある。個展が多いせいか、そのアーティストの個性を直接的に全身で受け止めることができる。ギャラリーを出る時には、何か心におみやげをもらったような気持ちになる。普段感じることができない、豊かな世界観を持った展覧会が多い気がします。
Hsu Yinling solo exhibition, Project Fulfill Art Space, Taipei, 2017, image courtesy of the artist and Project Fulfill Art Space<br>写真提供:Project Fulfill Art Space

Hsu Yinling solo exhibition, Project Fulfill Art Space, Taipei, 2017, image courtesy of the artist and Project Fulfill Art Space
写真提供:Project Fulfill Art Space

Wang Te-Yu solo exhibition, Project Fulfill Art Space, Taipei, 2019, photo by Chu Chi-An, image courtesy of the artist and Project Fulfill Art Space<br>写真提供:Project Fulfill Art Space

Wang Te-Yu solo exhibition, Project Fulfill Art Space, Taipei, 2019, photo by Chu Chi-An, image courtesy of the artist and Project Fulfill Art Space
写真提供:Project Fulfill Art Space

Project Fulfill Art Space(就在藝術空間)
https://www.projectfulfill.com/
住所:台北市大安區信義路三段147巷45弄2號
電話:(02)2707-6942
営業:11:00~19:00
休み:日曜日、月曜日
行き方:MRT文湖線「忠孝復興」駅で下車。出口2から徒歩8分。SOGOから復興南路に沿って大安駅方向へ徒歩5分、台北福華大飯店(ホテル)を越えたら右折、徒歩2分で到着。

その5:トガッたアートに出合える『立方計劃空間』

2階に展覧会ポスターが看板のように貼ってあるので、日が暮れたら場所が分かりやすいかも

2階に展覧会ポスターが看板のように貼ってあるので、日が暮れたら場所が分かりやすいかも

アートって分かりにくい、そんなことを思っている皆さんに是非行ってほしいのが、立方計劃空間(TheCube Project Space)です。分かりにくいのは、アートよりもここの場所かもしれません。裏路地にあるというだけでなく、ラーメン屋さんと化粧品店に挟まれたその2階がギャラリーと書いたところで、どこが入口なのか初めて行ったら困ってしまうでしょう。ともかくラーメン屋さんと化粧品店の間にある、白いドアがギャラリーへの入口です。勇気を振り絞ってドアを開けて、目の前にある階段を上がると、そこにはトガったアートが!

そもそも台湾のトガったキュレーターたちが、約10年前に立ち上げたのが、このスペース。だからこそ研ぎ澄まされた、目からウロコの映像作品やサウンドアート、インスタレーションを見たり、肌で感じたりできます。週末には、パフォーマンスやレクチャーなどのイベントも行われることも多く、台湾のアートシーンの現在、アートとして考えるべき話題を知ったり、考えたりすることもできます。

立方計劃空間
TheCube Project Space
https://thecubespace.com/
住所:台北市羅斯福路四段136巷1弄13號2樓
電話:(02)2368-9418
営業:14:00~20:00
休み:月曜日、火曜日

行き方:MRT松山新店線「公館」駅で下車。出口1から徒歩5分で到着。水源市場方向へ歩き、右折。台9線(大きなバス道)と東南亞戲院(映画館)の間の道にある「山嵐拉麵」と「愛妮雅化妝品」に、白いドアがあります。

今回は、台北市内にあるギャラリーをご紹介しました。作品を見つめて、かわいいな、きれいだな、と感じるだけでなく、どうやって作ったのだろう?なんでこんな表現をしているのだろう?と話し掛けてみてください。アートは社会を表わし、経済と連動しています。ギャラリーで見ることができる作品の多くは、こうした「現在」を表現しています。だから分かりにくいのが当然で、見る人によって意見が違うのが当たり前なのです。

実はいま、世界から台湾のアートが注目されています。台湾が抱えるいろいろな問題や考え方を、アート作品として表現しているからです(必ずしも目で見えるような分かりやすい表現、とは限らないのですが……)。こうした「現在」を表現した作品が並ぶ現場=ギャラリーに是非足を運んで、アートを通じてリアルな台湾を目から感じていただければと思います。

以上、台北ナビ(藤田千彩)がお届けしました。
関連タグ:美術アート画廊ギャラリー展覧会

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-10-17

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