台南の行くべき美術館5選!

美術館やギャラリー、アートブックショップなど、いまアートがアツい台湾。今回は台南にある美術館オススメ5軒を紹介します!

こんにちは、台北ナビです。

台湾はアートがとても盛んです。特に古くから文化の町として知られている台南は、2019年にオープンした台南市美術館だけでなく、台南市内の至る所に、とても個性的で美術館がいくつもあるんですよ!

今回ご紹介するのは、ナビが厳選する5軒の美術館です。アートを愛する台南の人たちの豊かな心に触れられますよ。

その1:台南のアートを後押しする『大新美術館』

美術館外観

美術館外観

大新美術館は、大きな道路に面していない、住宅街の中にあります。ひときわ目立つ白い建物が美術館です。台南出身の実業家であり、美術作品のコレクターでもあった王慶祥さんの工場を改装。2018年の「台灣美術節」の前日である3月24日にオープンしました。
過去の展覧会(楊明迭、李芷筠の二人展)

過去の展覧会(楊明迭、李芷筠の二人展)

美術館では、王さんがこれまで集めたコレクションを公開するだけでなく、台南ゆかりのアーティストの個展やグループ展をしています。高尚な場所だと思われがちな美術館を、こうした場所につくることで、誰もが来やすい美術館に、誰もが親しみやすい美術にしたい、と願っています。

ちなみにナビが訪れた時は、台南在住のアーティストたちのグループ展「南/23度」が開催されていました。
入口にある徐永旭の陶芸作品

入口にある徐永旭の陶芸作品

「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

台湾には、台北のアートシーンが注目されやすい「重北輕南(北を重んじて、南を軽んじる)」の風潮があります。しかし、昔から「台南は文化の町」と言われており、國立台南藝術大学など美術系の大学や学校も多く、アーティストも多く住んで、制作を続けています。

だから「台南のアーティストはこうだ」と言い切るのは難しく、むしろ明るさがあり、柔軟な気持ちや豊かな心を感じることができる作品が多いようにナビは感じました。
「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

「南/23度」展示風景

過去の展覧会(日本人Yutaka INAGAWAの作品)

過去の展覧会(日本人Yutaka INAGAWAの作品)

過去の展覧会(鉄の柱を利用した展示)

過去の展覧会(鉄の柱を利用した展示)

3階展示室

3階展示室

展示室には、大きな窓や工場の跡である鉄の柱があり、空間として自由な感じがします。こうした空間では、窓に反射する作品、外に見える緑と作品、差し込む自然光に当たる作品などと、作品単体ではなく、空間を含めた見方ができるのがとてもユニーク。なんて贅沢なのでしょう!

創立者の王さんが中国でも商売をしている関係で、中国のアーティスト、日本、シンガポールといった外国人アーティスト、さらに若手アーティストを紹介する展覧会もしています。伝統やジャンルに縛られない表現が見られます。
過去の展覧会(梁任宏の作品)

過去の展覧会(梁任宏の作品)

※2020年2月現在、カフェや図書室は改装中です。改装オープンの情報はfacebookかブログで告知されます。

大新美術館
https://daxinart.blogspot.com/
https://www.facebook.com/DaXinArtMuseum/
住所:台南市西門路四段110巷6號
電話:(06)251-4301
営業:
8:00~12:00(火曜日は10:00~)、13:00~17:00
休み:月曜日

アクセス:台鉄「台南」駅から7番、11番、21番、橘3、橘11のいずれかのバスで「小北商場」下車。西門路四段を道なりに歩き、1つめの道を右折して30秒で到着。

その2:アットホームな雰囲気ただよう『阿貴美術館』

阿貴美術館入口

阿貴美術館入口

阿貴美術館は、2015年に開館した阿貴さんの個人美術館です。阿貴とは、この美術館のオーナーであり、アーティストの許自貴さんの愛称です。中国語の発音「アグイ」と読みます。ガラス張りの明るいエントランスから、楽しそうな雰囲気がムンムンしていますよ。

美術館の手前部分は、喫茶スペースになっていますが、お茶を飲むのは後にして、そのまままっすぐ展示室へ向かってみました!
展示室入口付近

展示室入口付近

阿貴自身を模した像

阿貴自身を模した像

展示空間

展示空間

1956年に台湾の高雄で生まれた阿貴は、これまで台湾だけでなく、アメリカやオーストラリア、上記の大新美術館のつながりで中国本土など、いろいろなところで展覧会をしています。その作風は、一度見たら忘れられないような、個性豊かな立体作品!顔が自然とほころんでしまいます。

なんとこれらの作品は、紙を糊でかためて、着色して作られています。つまり硬いけど、重くないんですって!阿貴はいつでも制作をしていて、作品は増え続ける一方。この1階の空間には300点以上、建物全体だと1000点以上の作品があるそうです。
展示空間 展示空間

展示空間

展示空間

展示空間

ナビが見に行った時は、作品がテーマごとに分けられていました。爬虫類のようなもの、女性のようなもの、動物と人間が混ざったものなど、具体的に見えて、実在しないものばかり。カラフルな色も手伝って、不思議な動物園に来たような感覚になってしまいます。

そんな中に、台湾の政治家をモチーフにした像もありましたよ。台湾のアートでは、作品で社会を表現することが当たり前、表現の自由があるのです。
展示空間 展示空間

展示空間

カフェオレ

カフェオレ

目が満足したら、カフェスペースで喉も潤しましょう。紅茶やコーヒーなどが選べます。ナビはカフェオレを注文しました。

タイミングが合えば、阿貴や息子さんたちと楽しいおしゃべりも楽しめます。リラックスしながら、アートの話をしてみてはいかがでしょうか。
カフェスペース

カフェスペース

阿貴美術館
https://www.facebook.com/AkuiArts/
住所:台南市永康區大橋一街28號
電話:(06)303-6848
営業:13:00~19:00
休み:水・木曜日

アクセス:台鉄「大橋」駅から、駅を背にして、國立台南高級工業職業学校の方向へ台1線の跨線橋を渡る。大橋一路で右折し、そのまま道なりに歩いて、5分ほどで到着。

その3:台南にアートを広めている『耘非凡美術館』

入口付近

入口付近

耘非凡美術館は、台南市東区の林森路と東門路の交差点にあった、日本統治時代に農地だった場所に建てられました。日本にもあるように、台南にも企業が母体の美術館があります。この耘非凡美術館は、建築会社がサポートをしています。

ナビが訪れたときは、劉柏村の「金剛演義」展をしていました。入口には、ものすごい大きな金属の彫刻が置かれていて、なんだこの美術館は!?とビックリ!この日は金属の彫刻展でしたが、耘非凡美術館はジャンルにこだわることなく、油絵、写真、版画、台湾で盛んな水彩などの展覧会をしています。その多くは台湾のアーティストで、ナビたち日本人には目新しいものばかり。アーティストや鑑賞者の、アートに対する意欲の高さをうかがえます。
劉柏村「金剛演義」1階展示風景

劉柏村「金剛演義」1階展示風景

劉柏村「金剛演義」1階展示風景

劉柏村「金剛演義」1階展示風景

劉柏村「金剛演義」2階展示風景(写真提供:采泥藝術)

劉柏村「金剛演義」2階展示風景(写真提供:采泥藝術)

展示室は2階もあり、また違う作品が並んでいます。その途中にある階段から1階を臨むと、作品の見え方もまた違うものです。

ナビが見たこの彫刻は、美術館なのでそんなに大きく感じなかったけど、ナビの家には入らないサイズだろうな……。金属なので、実は重いだろうし、どうやって運んだんだろうか?細かそうだけど、どうやって作っているんだろうか……こんなことを考えながら見ているだけで、面白かったです。
李光裕《稱 一線天》許啟裕撮影(写真提供:富立建設)

李光裕《稱 一線天》許啟裕撮影(写真提供:富立建設)

耘非凡美術館では、多くの作品をコレクションしており、美術館が購入した後、いわゆるパブリックアートと呼ばれる、ビルやマンションの中や外に作品を置くということをしています。
「吳日勤 藝文講堂」展でのイースト・ロンドン大学の陸承石さんのレクチャー(2019年、写真提供:富立建設)

「吳日勤 藝文講堂」展でのイースト・ロンドン大学の陸承石さんのレクチャー(2019年、写真提供:富立建設)

『身近にアートを!』という活動はほかにもあり、レクチャーやパフォーマンスなどが、しばしば行われています。毎回、文化に対する意識の高い台南の人たちが詰め掛けます。

今後、耘非凡美術館は台南市西部の台南台江國家公園近くに、ホテルと美術館をオープンする予定があるそうです。都市部にある耘非凡美術館とは、また違った展示や作品を見ることができるでしょう。
「吳日勤 藝文講堂」展での黃雅美さんのパフォーマンス(2019年、写真提供:富立建設)

「吳日勤 藝文講堂」展での黃雅美さんのパフォーマンス(2019年、写真提供:富立建設)

耘非凡美術館
https://www.facebook.com/YunFeiFanMuseum/
住所:台南市東區林森路一段370號
電話:(06)260-0605
営業:10:00~18:00
休み:月曜日

アクセス:台鉄「台南」駅から、3番あるいは紅1のバスで「衛生局」下車。バスが来た道を林森路一段に向かって30秒ほど戻り、台南市政府衛生局林辦公室に沿って道なりに歩くと、1分で到着。
高鉄「台南」駅1階出口2を出て、H62バスで「富強市場」下車。バス停前の崇仁街をまっすぐ約7分歩くと、突き当り左手に到着。

その4:じっくり作品と対話ができる『南南美術館』

入口

入口

日本語と同じ「なんなん」と読む、南南美術館。どういう意味?なんなん?と思ったら、台「南」でアーティストの鄭宏「南」さんが開いているからだそう。

ドアを開けると、青い壁が印象的な、展示空間が広がっています!まるで海の中に来たみたい。それもそのはず、南南美術館の館長である鄭宏南さんは、台南にある國立台南藝術大學を卒業してから、パブリックアートやインテリアデザインなどの仕事をしながら、なんと海難救助隊に10年以上携わっていたそうです。
1階展示空間

1階展示空間

《創世紀系列》

《創世紀系列》

鄭さんの作品も、海からの影響を受けています。海の中で、波や張力によって岩石は「穴」ができます。その穴に魅せられた鄭さんは、石に多くの「穴」を開けた独特の表現方法にたどり着きました。
《高跟鞋系列》

《高跟鞋系列》

2階展示空間

2階展示空間

新作の「高跟鞋」(ハイヒール)シリーズは本物のようで素敵です。どうやってつくるのでしょう?こういう形になるように作ったり、つやが出るまで磨いたり、穴を開けたり。作業はとても大変そうです。

2階のスペース全体には、ベランダからの自然光が差し込みます。スポットライトが当たった作品は、とても神々しく感じます。気持ちが新しくなるような空間です。
《聚系列》

《聚系列》

2階展示空間

2階展示空間

この日は館長の鄭さんの石の作品ばかりでしたが、最近は鄭さんの陶芸作品を展示したり、ほかのアーティストの展覧会もしているそうです。

小さい美術館なのに、1つずつの作品と話ができる、とても心が休まる場所です。

南南美術館
https://www.facebook.com/南南美術館-1705815922763184/
住所:台南市中西區大德街83號
電話:(06)223-8133
営業:9:00~18:00
休み:月・火曜日

アクセス:台鉄「台南」駅から10番、88番、藍幹線、紅幹線などのバスで「小西門(大億麗致緻)」下車。バスが来た道を戻り、「西門路一段703巷」を左折、3本目の「大德街」を左折して30秒で到着。(向かいは張輝美術館です)

その5:リアルなアーティストに出会える『張輝美術館』

入口付近

入口付近

南南美術館の向かいにある張輝美術館は、一見普通のおうちです。勇気を出して、門を開け、窓をのぞくと、一人のおじさんがいます。この人が張曄さん。「ごらん、これは毛筆とアクリル絵具で描いてるんだ」と、壁にある作品について話すだけでなく、作品を広げて見せてくださいます。
1階

1階

張曄さん

張曄さん

張曄さんの作品

張曄さんの作品

この美術館は、張さんの作品を展示する、張さん個人の美術館です。張さんが「夢想,美,摯友(夢を描く、美しさ、親しい友達)」をモットーに、3年以上の構想を経て、この美術館を立ち上げたのは、2016年の年末こと。季節によって作品の展示替えをしながら、新作もあわせて展示しています。

張さんは、ここ台南で大学や高校の先生をしながら、中国画(日本画に似た伝統的な絵画)を描き続けてきました。「見た目は伝統的だけど、いろいろ新しいことをしている」と胸を張ります。「これはコンピュータグラフィックスを使った作品で、90年代のものだね」「2000年代前半に描いたこれは、ジェンダー問題を表現したんだ」など、時代の先取り感がスゴいんです!
張曄さんの作品 張曄さんの作品

張曄さんの作品

2階展示室

2階展示室

2階展示室

2階展示室

2階展示室

2階展示室

台南オリジナルの建築も必見!

台南オリジナルの建築も必見!

自宅も兼ねるこの建物は、築60年を超える台南独自の建築。これを保ちながら、張さんは自ら壁をなくしたり、天井を抜いたり、美術館になるように改装しました。そのせいか、居心地がよくて、作品を見ながらいろんな話が弾んじゃいました。
抜かれた天井もかっこいい!

抜かれた天井もかっこいい!

時計草がからまったベランダも素敵

時計草がからまったベランダも素敵

張輝美術館
https://www.facebook.com/chartmuseum/
住所:台南市中西區大德街98號
電話:(06) 915127779
営業:要問い合わせ
休み:不定

アクセス:台鉄「台南」駅から10番、88番、藍幹線、紅幹線などのバスで「小西門(大億麗致緻)」下車。バスが来た道を戻り、「西門路一段703巷」を左折、3本目の「大德街」を左折して30秒で到着。(向かいは南南美術館です)

今回は台南市内にある美術館をご紹介しました。この5軒以外にも、美術館やギャラリー、アーティスト自身が運営するアートスペースもたくさんあります。それらは市内に点在していて、バスやタクシーでないとたどり着かないことも場所にもあります。台南の人たちにとってアートは特別なものではないことがよく分かりますね。

以上、台北ナビ(藤田千彩)がお届けしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2020-02-26

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