高雄の行くべきアートスポット5選!

美術館やギャラリー、アートブックショップなど、いまアートがアツい台湾。今回は高雄のギャラリーや独立系書店を紹介します!

こんにちは、台北ナビです。

高雄は、高雄市立美術館や駁二藝術特區といったアートスポットがあり、デザインイベントやアートフェアも開かれている、文化度の高い街です。今回ご紹介するのは、市内に点在する5軒のギャラリーやブックショップです。建築物も個性的な高雄の街歩きついでに、寄り道してみてはいかがでしょうか。

その1:高雄で美術する人たちが集まる『新浜碼頭藝術空間』

「新浜碼頭藝術空間」は2階にあります

「新浜碼頭藝術空間」は2階にあります

高雄MRT「鹽埕埔」駅出口1を出て、道路の向かいを見上げると、黄色い「新浜碼頭藝術空間」と書かれた大きな看板が目に飛び込んできます。もともとは、約30年前に地元高雄で制作を続けるアーティストたちが集まり、展示する場としてスタート。今では高雄で美術をする人たちの発表の場となって、台湾の中でも高雄の老舗画廊として知られています。

ただ展覧会をするだけの空間というよりも、高雄で美術をする意味や意義を模索する場として、レクチャーや出版も行っています。ナビが見に行った時は、地元の小学生から高校生までのデザイン展でした(2019年の高雄デザインフェスティバルは、ちょうど終わったばかりでした)。
写真や手描きの絵を立体的にコラージュして高雄の街を再現している作品

写真や手描きの絵を立体的にコラージュして高雄の街を再現している作品

学生たちの想像力豊かな建築模型やドローイングの展示

学生たちの想像力豊かな建築模型やドローイングの展示

学生のデザイン展といっても、本格的にフォトショップを使った写真加工、グラフィックデザイン、さらに建築模型や都市デザインまで、多岐にわたっています。

この場所はとても意欲的にいろいろな展覧会をしています。行くたびに違う趣向の展覧会、異なる刺激がある作品に出合えますよ。

新浜碼頭藝術空間
http://www.sinpink.com/index.php
住所:高雄市鹽埕區大勇路64號
電話:(07)533-2041
営業:15:00~21:00(土・日曜日は11:00~18:00)
休み:月・火曜日
高雄MRT「鹽埕」駅出口1を出てすぐ、大勇路をはさんだ対面にあるビルの2階です。

その2:創作料理レストランの2階の広々とした空間が印象的な「荷軒新藝空間」

荷軒新藝空間の外観

荷軒新藝空間の外観

外観も中もレストランで「ここ?」と疑ってしまいますが、荷軒新藝空間は創作料理で知られたレストランが1階にあり、ギャラリーは2階にあります。

ギャラリーのスペースはとても天井が高く、たくさん自然光が入る大きな窓が特徴的です。作品がひとつひとつ引き立つような広い空間は、誰もがおだやかな心で作品を見ることができます。メインのスペースから見上げると、廊下のような展示スペースもあり、空間内の階段から見に行くことができます。
天井も幅もある優雅な空間

天井も幅もある優雅な空間

ナビが見に行った時は石の彫刻展でした

ナビが見に行った時は石の彫刻展でした

1つの展覧会の会期は約2ヶ月間で、高雄や台南で制作をしているアーティストの展覧会が多いです。そのため、地元の人たちが1階のレストランで食事をするついでに展覧会を見て、地元の作家の存在や作品を知って、応援する、というつながりが生まれています。また、どちらかというと中堅からキャリアのあるアーティストの展覧会が多いので、美術の専門家も愛好者も知っているギャラリーです。

ナビが見に行った時は、石の彫刻家の吳さんの展覧会。石の彫刻でよく使われる大理石だけでなく、台湾でよく採れる花崗岩も使われていました。

荷軒新藝空間
http://art600up-gallery.blogspot.com/
住所:高雄市鳳山區文衡路457號2F
電話:(07)767-7566
営業:12:00~21:00
休み:月曜日、祝日

高雄MRT「衛武營」駅から70Aバス、Y2Aバス、Y2Bバスで約10分、「澄清」バス停下車。バス停から、スターバックスコーヒーがある方へ澄清路を渡り、そのまま文衡路を徒歩約1分で到着。

その3:大阪の老舗画廊が高雄に進出『山口藝廊 Gallery Yamaguchi kunst-bau Kaohsiung』

展示風景

展示風景

2年ほど前、大阪の美術業界では「山口さんが高雄にギャラリー出すんやて」と話題になりました。なぜなら山口さん=Gallery Yamaguchi kunst-bau(ギャラリーヤマグチクンストバウ)は、大阪で40年近く、最先端の現代美術を紹介する画廊として知られていたからです。
窓には日本地図があります

窓には日本地図があります

スペースはとても小さいですがインパクトは大きいです

スペースはとても小さいですがインパクトは大きいです

高雄のギャラリーは、芸術特区として知られている「駁二藝術特區」の中にあります。観光客なら誰もが足を運びやすい立地で、主に関西で活動するアーティストを紹介しています。ナビが見に行った時は、京都で制作を続ける山内さんの展覧会でした。

個人的な意見かもしれませんが、台湾では抽象的な表現をする日本人作家の作品を見ることがあまりありません。小さな空間ながらも、山口さんが大阪で培った眼を元にして、こうした作家や作品を紹介する貴重な場となっていることは間違いありません。

山口藝廊 Gallery Yamaguchi kunst-bau Kaohsiung
高雄市鹽埕區大義街2號, 駁二藝術特區C8-9倉庫

http://g-yamaguchi.com/
電話:なし
営業:12:00~18:00(土・日曜日は13:00~19:00)
休み:月・火曜日

高雄MRT「鹽埕埔」駅出口1から駁二藝術特區へ。大義路や城市商旅ホテルがあるCエリアの路地3本目にあります。

その4:高雄の独立系書店といえば『三餘書店 TakaoBooks』

三餘書店 TakaoBooksの1階

三餘書店 TakaoBooksの1階

台湾で近年増えているのが、独立系書店あるいはインディペンデントブックショップと呼ばれる、本のセレクトショップみたいな本屋さんです。中でも、この「三餘書店 TakaoBooks」は、高雄を代表する独立系書店です。

入口周辺から雑誌やzine、アーティストブックやグッズなどがこまごまと並び、奥に進むと棚には小説などのハードカバーの本がぎっしりと詰まっています。言葉が分からなくても、そのデザインや形を見ているだけでも飽きません。この建物は1階の書店だけでなく、地下がギャラリー、2階にカフェ、3階はレクチャールームとなっています。
壁に貼ってある手書きのフロアガイド

壁に貼ってある手書きのフロアガイド

芸術関係の本はこのギャラリースペースに置かれています

芸術関係の本はこのギャラリースペースに置かれています

ナビが見に行った時は、美術大学を出たばかりのアーティストが「日用品の製造から発生する環境汚染」をテーマにしたインスタレーションを地下のギャラリーで展示していました。

このギャラリーでは主に、若手のアーティストを紹介しています。ビル自体も歴史を感じさせるしつらえがあちこちにあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

三餘書店 TakaoBooks
高雄市中正二路214號

https://www.takaobooks.tw/
電話:(07)225-3080
営業:13:30~21:00(金~日曜日は~22:00)
休み:火曜日
高雄MRT「文化中心」駅出口1を出て、中正二路を道なりに徒歩約1分で到着。

その5:絵本に特化した書店&ギャラリー『小房子書舖』

カラフルで楽しそうな絵本がたくさん!

カラフルで楽しそうな絵本がたくさん!

何でもそろう大手の本屋と違い、小さな独立系書店はそれぞれ、オーナーの思いで運営されています。この小房子書舖は、「子どもから大人まで楽しめる絵本」をコンセプトにしています。
カメラに収まらない数の絵本の図書館

カメラに収まらない数の絵本の図書館

書店併設の「小房子藝廊」

書店併設の「小房子藝廊」

台湾の町家のような建物で、1階は絵本を売っています。台湾の絵本作家さんの本もありますが、日本や外国で出版し、台湾向けに翻訳された絵本もあります。週に1回、絵本の読み聞かせイベントもしているそうです。

2階はなんと絵本の図書館になっています。天井にまで届くほどの高い本棚に、3000冊以上のたくさんの本が、ジャンル別に並べられています。床は板張りで、親と一緒に赤ちゃんや子どもが居心地良く絵本と親しんでいました。

さらに、書店の隣の家は絵本の原画を展示するギャラリーがあります。原画を見ながら、ゲームのような遊び、絵本に登場するものについての説明もちりばめた展示をしているそうです。だいたい2ヶ月の会期なので、「また来ちゃった」という親子も多いよう。

小房子書舖
高雄市苓雅區文橫二路115巷15號

http://doslakaohsiung.blogspot.com/?m=1
電話:(07)338-0887
営業:10:00~18:00
休み:月・火曜日
高雄MRT「中央公園」駅出口2から、公園を背にして中山一路を約5分歩き、青年一路で左折、仁智路を右折、その1本目の文横二路115巷で左折したら、徒歩約2分で到着。


今回は、高雄市内のアートスポットをご紹介しました。台湾南部のアートは、どちらかというと地味なものが多いように感じますが、実は個性があるものばかり。特に高雄での「個性」は、とっつきにくい、こだわりがあるものではなく、それぞれ違うものを意味しているように感じます。今回ご紹介したギャラリーや書店は、こうした高雄の現在を表しているような、ひとつひとつ違っていいんだよ、という雰囲気を感じ取ることができるはず。いずれもMRTの駅やバス停から歩いて行ける範囲なので、気軽に足を運んでみてください。

以上、台北ナビ(藤田千彩)がお届けしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-11-29

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