台中で職人と呼ばれる人たちに出会ってきました
こんにちは、台北ナビです。
今日は花博に沸いている台中にいます。台中はおしゃれなカフェが多く、見るべきものも多い都市。そして、意外にも職人が多く暮らし、職人の技を教えてもらえるお店が多いのだとか。そんなわけで不器用ナビがDIY体験してきちゃいました。
ミニチュアの世界にワクワク!作って四苦八苦な「小食手感空間」
綠光計畫2階の「K」の建物です
超小さな台湾小吃が作れるよと聞いてやってきたのは「小食手感空間」。お店は「綠光計畫」の一角にあるので、場所に迷うことはありません。
お店の中に入ると飛び込んでくるのは、カラフルな細々としたものの嵐。見ているだけでも楽しいのですが、ここではこのミニチュアを自ら作ることができるのです。
ミニチュア製品をつくるためのグッズがたくさん売られています
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見ているだけでもワクワクしてくる店内
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熱炒のミニチュア、すごすぎ~!
コースはいくつかあるのですが、ナビは台湾らしい「台湾小吃」コースを体験することに。「雞排(フライドチキン)」「烤玉米(焼きとうもろこし)」「雞蛋糕(ベビーカステラ)」「大腸包小腸」の中から、一番簡単だと聞いた「焼きとうもろこし」に挑みます。
まずはA~Dの中からひとつのコースを選び、そこから再度種類を選びます
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こんな細かいものを作るコースまであるんですよ~
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まずはパッケージ作り。紙に印刷された袋の解体図を切って貼り合わせてかわいく整えるだけだから、ナビでもちょちょいのちょい。
その次がなかなか大変でした。黄色い粘土にほかの色の粘土を混ぜてとうもろこし色した粘土を作ります。この粘土で1ミリにも満たないのでは?という大きさのとうもろこしをたくさん作っていきます。それをとうもろこしの芯につけて焼き色をつければ完成。まだ老眼がきているわけではないんですが、見えない……。思ったところにとうもろこしの粒をつけていくのがナビにとっては一番難しかったなぁ……。
何とか完成した焼きとうもろこしちゃんは少し(?)不恰好ですが、愛おしい。
難なく終えたナビですが、周りを見て絶句してしまいました。みんなもっと複雑なことをしていたのです。
ベビーカステラはまず白い粘土を使って形を作り、それらにひとつずつスポンジで色をつけていきます。ほかも小さなきゅうりをカッターで切ったり……。焼きとうもろこしを選んで良かった~!と思ったナビってやっぱり相当自分に自信がない?
何はともあれ、自分やみんなが完成したのはオーナーである江嘉雯さんのおかげ。ちょっとうまくいかないなっていう時には、すぐにアドバイスをくれて、その通りにやってみるとすぐ問題解決。職人のアドバイス力の高さってすごい!
世話を焼くのが大好きな江嘉雯さん。どんなにあほなことを聞いても笑顔で教えてくれます
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江さんが教えてくれるならほかの作品も作ってみたいなぁ……
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小食手感空間
台中市西區中興一巷14號2樓K戶 (綠光計畫)
(04)2305-0080https://zh-tw.facebook.com/myminifood/
伝統を守りながら新たな姿へと移りゆく「陳彫刻處」
80年の歴史がある彫刻屋さん「陳彫刻處」。鹿港出身の1代目は家計を支えるために彫刻を学び、自ら彫刻した嫁入り道具を台湾中部で販売。その後、台北の艋舺エリア(龍山寺付近)で日本人相手に欄間や屏風を売って生計を立てていました。博覧会に展示され、2等を受賞したこともあるほど、たしかな技術を持っていましたが、戦時中にお店が使えなくなり、母の実家の台中へ戻って来ました。
戦後は彫刻を離れざるをえないほど貧しい生活を送っていましたが、余裕ができてきた時にやはり彫刻でという思いから、せっけんに押す刻印、お菓子作りの型、木魚などを製作。第二市場の中にあった教会に飾られているキリスト像も彫ったといいます。
その後、お母さんのお腹の中にいた時から彫刻を学んだという2代目がこのお店を継ぎ、匾額をメインに商売をしていました。匾額(扁額)は廟などに掲出されている額。日本では建物の名称が彫られていますが、台湾では何かお祝い事があると、お祝いの言葉を彫って送ります。1980年代は最も景気がよかったのですが、徐々に売り上げが落ちてきて危機感が募りました。匾額を届けたのに、その場で持って帰ってくれと言われることもあったのだといいます。
5年前に店を閉めようと思った時、息子さん(3代目見習い)がここを継ぐと表明しました。見習いと書いたのは、まだ公務員の仕事を続けていること、彫刻の技術がまだお父さんに追いついていないから。でも、父の技術を繋いでいくため、彫刻の魅力を伝えるため、若い人にも彫刻へ目を向けてもらうため、彫刻との距離を縮めるため……伝統的な技術を使って新たな商品の開発をしたり、住み込みバイトを開放し働きながら技術を学べる環境を整えたり、DIY教室を行ったりしています。
ナビが体験したのはコースターの彫刻。扇形の彫刻刀で波やカモメのような柄をつけていくだけです。正直ナビ思いました、「これ、簡単じゃない?小学校の図工でもやったぞ~!」と。1列目は楽々クリア!2列目からは扇形をずらして彫刻していきます。これが案外難儀しました。前の列の扇形を潰したり、バランスがガタガタだったり、力任せに彫りすぎたり……。褒めて伸ばすタイプの2代目も、ナビの作品は褒めることはできないほどのひどい出来……涙。でも味があっていいコースターになったとナビだけは思っています。
DIYセット
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これが目標!波の大きさや場所は自分の好きなようにデザインできます
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まず2代目がお手本を見せてくれます
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困っていると優しく教えてくれますよ~
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最後に1文字だけ2代目がコースターに漢字を彫ってくれます。この美しく彫られた字を見たら、どんなに下手くそなナビのコースターだって、売れるかも!と錯覚しちゃうほどです。DIYをする時間がなくても2代目の技術を間近で見たり、現代的な商品を購入するのも楽しいですよ。
乙女心をくすぐるドライフラワー店「小戶人家( LA CASITA)」
小さいおうちと名づけられた「小戶人家( LA CASITA)」は花を扱うお店。主にドライフラワーを中心に会場の装飾やブーケを作っています。予約があれば生花を使った作品も作ってくれます。
台湾は今空前のお花ブームなので、お花カフェもよく見かけますし、こういったドライフラワーのお店って多いのです。その中でも「小戶人家」が絶対的な人気を誇るのは、作品の隅々から「花を愛する心」を感じるからなんだと思います。
そしてオーナーが「香り」を楽しむことも好きなため、フレグランス商品として使うアロマオイルはピュアなものだけを使用。購入者自身で香りをミックスしながら、好きな香りを見つけてもらうこともしています。
キャンドルにドライフラワーを飾った商品もあります
さぁこちらでもDIYに挑戦!DIYの内容は季節ごとにかわるので、次に来た時は違うDIYを体験できるというわけなのです。今回ナビはドライフラワーをアクリルの瓶につめるものを作りました。
バランスを見ながらドライフラワーをカットして、配置。小さなお花から配置するのがコツなのだとか。すべてを束ねて紙パッキンと一緒に瓶に入れれば完成です。なんですが……ナビ、どうにもこうにもセンスなし……涙。もうこうなったら先生に泣きつき作戦!で助けを求めると、ちょちょいのちょいと見る見るうちにかわいく出来上がり~笑。人生他力本願のナビ。なんとかキュートになりました~。
※上記内容は引越し前のものです。
ナビ(?)の作品。かわいいでしょ?オフィスに飾っています
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ナビ友の作品はこんな感じ。なぜほかの人は自力でこんなにいい作品が作れるのだろう……
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お香に心底惚れ込んだ若者がオーナー!とっておきのお香に合える「馨心齋香品」
お香を作りはじめたのはご縁があったからと温かい笑顔で語る陳さん
台中の「台灣民俗館」内にある「馨心齋香品」。お香のお店、そして職人がいると聞いていたので、てっきりご高齢の方がいると思っていたのですが、出てきたのは30歳台の陳冠彣さん。おだやかな見た目通り、優しい話しぶりで、心おだやかに過ごしているのだろうなぁと思わせてくれる青年です。
小さな頃からお参りに行くのが好きだったという陳さん。廟の多い鹿港に行くと、道端でお香を作っているのを見ていたといいます。伝統的なものが好きだったということもあり、お香作りに目覚めました。
伝統の作り方にこだわり、100%天然の原料を使用した手作りのお香。これを作るにはどうするのでしょうか?
細く切った竹に水を含ませ、そこに樹の皮から作った粘粉という粘力のある粉をつけ、再度水につけてからお香の粉をつけます。この工程を4回繰り返すことで、お香の厚さを出します。その後、縁起のいい長さに切り、外に干し、手に持つところを赤く染め、最後に干すと出来上がり。
現在、この煩雑な作業をする人は少なくなり、機械で作っているものばかり。伝統的な作り方を伝えていくためにも鹿港でこの技術を学び、このブランドをはじめたのです。
色使いにセンスを感じるパッケージ
昔よりも廟にお参りへ行くこと、家で拝むことが少なくってきた現在。この伝統的なお香の良さを知ってもらうため、生活の中でお香を楽しむような商品も取り扱っています。
その一環としてDIYも開催。自分でお香を作ってみることで、若者に伝統的なお香との出合いになればと思っています。
ギフトボックスになっています
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お清めに使える香包。持ち歩いて、気持ちを静めることもできます
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ここでDIY体験をします
元々DIY体験をするはずだったのですが、帰りの時間が迫っていて出来ず……。簡単に作り方だけレクチャーしてもらいました。まずはすべての香りを嗅ぎ、自分の好きな香りを選びます。今回選んだのは日本人にもなじみのある壇の香りで作っていきます。
DIYは予約制。フェイスブックなどから連絡してみてくださいね。中国語のみでの対応になりますが、そこまで難しいものではないので、ボディーランゲージでコミュニケーションを取れば問題ないと思います。
団子みたいなものができます
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火をつけていなくてもいい香り~
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手のひらをV字にしてこねると円錐になります
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出来上がり~!
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円錐でなくても好きな形にしてもOK!粘土遊びのように体験できるので、お子様も楽しめそう |
宝物を作れる「Chichic七柒」
台鉄「台中」駅近くにある「Chichic七柒」は金工を愛する3人が一緒に開いたセレクトショップです。シルバーアクセサリーはもちろん、陶器やかばん、そしてもちろん彼らの作品も飾っています。セレクトショップとして買い物目的に訪れるのも楽しいお店ですが、今回ナビは指輪作りを体験しました。
体験はネット上から事前予約が必要です。ひとりからでも催行してくれますよ。
↓↓予約はこちらから!↓↓
https://cms.niceday.tw/chichic/product/1268
見本を見ながらイメージを膨らませて、どんな形にするかを決めてください!
まずは自分の作りたい指輪の形を決めます。形によって値段や作り方が異なってきますので、じっくり選んでくださいね。
ナビは文字を刻むシンプルなものに決定。まずは文字の刻印を練習し、サイズとデザインにあわせて、刻印できる範囲を決定していきます。
シルバーアクセ作りはまず色んなことをきちんと決めることが大切なのです!というのも……シルバーに刻印し、熱を加えて冷やして、リング状にすればほぼ完成という簡単ステップなのですが、ナビの選んだデザインは端をカットしなければならないことに後々になって気づいたのです。が~~ん。
そんな失敗も乗り越え、手作り系のものでは基本的に失敗を繰り返すナビですが、今回はお店の方々も絶賛してくれる出来栄えにニンマリ!ぶきっちょナビがこんなに上手にできたのはスタッフが辛抱強く、優しく教えてくれたから。しかも、多くは先生が手を出してくれるほど何をしても下手くそなナビですが、ここだけは最後の最後まで自分の手で作らせてくれたのも嬉しかったなぁ。
ナビ以外のみんなもステキ!完成後すぐに身につけていましたよ~
台中には、昔からの技をつなげていこうと頑張る若い職人が多く、その技術を惜しみなく外の人にも伝えています。自分の利益だけでなく、台湾の技術を守り続けたいという若い思いに出合える台中。新しいカフェもいいですが、台中の職人に出会う旅もオススメしますよ。
以上、若い職人達から情熱と力をもらった台北ナビがお届けしました。