台南行ったら「奇美博物館」! 大人気の博物館へ潜入♪

ここを参観するために、台南へ来る価値ありです!


こんにちは、台北ナビです。

奇美博物館の旧館創立は1992年。台南の実業家許文龍氏が個人で集めたコレクション博物館として、以前は無料で来館することができました。ナビは、昔2度行ったことがありました。その時の感動は、希少な動物たちと兵器、そして楽器!
2105年1月3日、新館がスタートして以来、多くの人が参観に訪れましたが、それほどまでに人々を引き付ける魅力は何でしょう。行ったばかりのナビ、また行きたくなっています。もう一度あの作品をじっくり見てみたい、1日でも足りないくらい。

ここを参観するために、台南へ来る価値ありです!
正門から建物まで徒歩15分 正門から建物まで徒歩15分 正門から建物まで徒歩15分

正門から建物まで徒歩15分


新しくなった「奇美博物館」は、広大な敷地内にあり、館内外とも充実の一言。総合博物館ですが、特に西洋芸術、楽器、兵器、自然史関連の収蔵品は際立って優れています。

館内収蔵品は西洋芸術を中心に一万件余に達し、展示作品は約4000点です。

館内は、以下に分かれています。

1階:兵器ホール、動物ホール、彫刻アベニュー、ロダンホール、水鳥や陸鳥コーナー他、特設エリア、ロビー、2つのショップ、カフェレストラン、受付、案内カウンター、郵便窓口など各種サービス、奇美ホール

2階:奇美ホール

3階:西洋芸術ホール、楽器ホール、彫刻アベニュー、19~20世紀芸術ホール、銀器や時計コーナー他、カフェレストラン、奇美ホール
ナビが訪れたときは卒業の時期、皆公園で記念写真を撮っていました

ナビが訪れたときは卒業の時期、皆公園で記念写真を撮っていました


博物館外の公園には、以下10か所の見どころがあります。

まず正門から「テセウスとケンタウロスの戦い彫像」、「アポロン噴水広場」、「子供たちの遊び場」、「オリンポス橋」(ミューズ湖にかかっています)、「ディオニソス劇場」、「ナルキッソス展望デッキ」、「天子の願い池」、「キューピット橋」、「風の草原」、「恋歌の展望デッキ」。

この日は暑かったので、涼しくなったらゆっくり散策してみたいです。
戸外カフェやショップも数か所にあります 戸外カフェやショップも数か所にあります

戸外カフェやショップも数か所にあります

入るには?

以前は個人での参観はインターネットの事前予約が必要でしたが、現在は直接博物館を訪問すれば参観できるようになりましたよ!便利になってラッキー!
園区内カーは、年配者、身障者の方優先

園区内カーは、年配者、身障者の方優先

チケットカウンター

チケットカウンター

案内カウンター

案内カウンター

荷物はこちらへ、10元ですが、戻ります 荷物はこちらへ、10元ですが、戻ります

荷物はこちらへ、10元ですが、戻ります

こちらで借ります

こちらで借ります


音声ガイドは、中国語、英語、日本語があり、レンタル料は100元で、免許証など身分を証明できるものを預けます。

全館案内(中国語)が、毎日(水曜日を除く)10:00、11:00、14:00、15:00に行なわれます。案内時間は50分間。開始の30分前に1階の「個人語音導覽」で受付。30人までなので、中国語が大丈夫な方はどうぞ。参加者は団体音声ガイド(20元)をレンタルし、免許証など身分を証明できるものを預けます。
音声ガイド

音声ガイド

音声ガイドを借りたら、案内書をもらえました

音声ガイドを借りたら、案内書をもらえました

チケット

チケット


館内には、授乳室や救急室も完備していて、老眼鏡、車椅子、ベビーカーの貸し出しもあります。

ギフトショップには郵便窓口が あり、営業時間は、9:30~17:30。奇美博物館の開館時間に合わせて、郵便業務一般を行なっています。
郵便窓口

郵便窓口

車いす

車いす

ATM

ATM

入りました


さて、入場して中央は、彫刻アベニュー。

右は、動物ホール、左は兵器ホールです。

動物ホール


こちらでぜひ見なければというのは、象と白熊だそうですが、どれも必見です。

今にも動き出しそうで、吼え声さえ聞こえそうな動物の大群に圧倒されます。
迫力あり

迫力あり

一番奥に白熊がいます

一番奥に白熊がいます

兵器ホール



1865年、軍士官が学生に戦争の進め方について教えている情景。

人形も本物かと思われるほどのリアルさがあります。

それにしても、15世紀~16世紀の西洋のプレートアーマーなどは、人形のリアルさもあるからか、すごく格好良くて惚れ惚れします。

各種の丸い盾の展示を見た時は、映画「スパルタン300」を思い出してしまいました。

進んでいくと、日本の兵器コーナーがありました。ここは若い男の子たちにも人気のようです。

注目したいのは、第八代将軍徳川吉宗 (1684-1751) 時代の甲冑。木や布、ガラスなども用いて造られた武具に、当時の職人の工芸技術の高さを感じ取ることができます。


1200年、モンゴルの弓騎兵の様子です。

成吉思汗(チンギス・カン)の時代、モンゴルの大草原を駆け抜けていた騎兵の人形は、今にも走り出しそうなくらい躍動的で見惚れます。
解説は中国語なので、音声ガイド(日本語)はあるほうがいいですね

解説は中国語なので、音声ガイド(日本語)はあるほうがいいですね

本物みたい

本物みたい

兵器を通じて民族性や地域の特色を知ることができます 兵器を通じて民族性や地域の特色を知ることができます 兵器を通じて民族性や地域の特色を知ることができます

兵器を通じて民族性や地域の特色を知ることができます

お手洗いやエレベーターの空間は、水鳥や陸鳥の展示コーナーになっていて、参観者を飽きさせません。館内の隅から隅まで芸術があふれているといった風です。

3階のお手洗いやエレベーターの空間は、銀器と時計の展示コーナーです。
水鳥と陸鳥の展示、ペンギンもいました 水鳥と陸鳥の展示、ペンギンもいました

水鳥と陸鳥の展示、ペンギンもいました

ロダンホール

1階の一番奥はオーギュスト・ロダンに関係するホールです。中央には、あの有名な「考える人」がいます。上階からも見下ろせることに3階に上がって気づきました。あらゆる角度から鑑賞できる彫像として、この中央に配置されているようです。
3階から見ました 3階から見ました

3階から見ました

再現された工房 再現された工房

再現された工房



こちらは、フランスの動物彫刻家アントワーヌ-ルイ ・バリー(Antoine-Louis Barye 1796-1875)の作品で、「ケンタウルスと戦うテセウス」。テセウスが祝宴に出席し、酔っぱらった半人半馬の怪物ケンタウルスと戦い勝つ、すなわち文明が野蛮に勝ったというギリシャ神話が基になっています。

1894年、バリー収蔵家のアメリカ人がパリのセントルイス島の記念碑の上にこの作品を設置しました。

しかし、1942年の戦争末期、ドイツの占領下にあったフランスのヴィーシ―政府は、非鉄金属調達のために多くの彫像を溶融破壊します。このブロンズ像もそのうちの一つでしたが、1999年、パリ政府は記念碑をもう一度造るために、奇美博物館からこの作品を借りレプリカを拡大製作。2011年、奇美博物館の賛助の下、このブロンズ像はセントルイス島に再び建つことができました。記念碑の後方には中国語で当時の由縁が刻まれています。

20代の頃、修道会を離れたロダンは、アントワーヌ-ルイ・バリーに弟子入りして、深い影響を受けたと言われています。

ここで印象的な作品の1つに、ロダンによって人生が狂ってしまった一人の女性、カミーユ・クローデルの作品があります。

「ロダンとカミーユ・クローデル」の彫像は、カミーユにかしずいているロダンですが、中国語では「遺棄」と書かれています。遺棄されるのは、ロダンではありません。カミーユは19歳の時に42歳のロダンの弟子となり、彼女の若き才能と魅力に夢中になったロダンと彼女はやがて愛し合うようになります。が、ロダンは妻ローズとも別れられず、ローズが病に倒れた時彼女の元に逃げ帰り、ショックを受けたカミーユは、徐々に精神のバランスを欠き、精神病院に入院。78歳で死ぬまでそこで過ごしました。パリのロダン美術館にもこの彫像はあります。

3階

中央は、彫刻アベニューです。

楽器ホール

パイプオルガン

パイプオルガン


動物ホールの上は楽器ホール。創立者の許文龍氏もバイオリンを演奏しますが、その関係で奇美博物館は弦楽器の展示が突出しています。

ここは「バイオリン職人とその作品」と「世界の楽器と音楽」という2つのエリアに分かれていて、「バイオリン…」では、バイオリン400年の歴史と名器を展示。圧巻です。

「世界の楽器…」では、珍しい楽器の数々にどう弾くのだろう、どんな音が出るのだろうと想像力をかきたてられます。
特に注目したいのは、台湾に一番最初に輸入されたパイプオルガン。許文龍氏がメンテナンスもかって出て引き取ったもので、あまりの大きさに驚きました。
バイオリンの製作過程を映像で

バイオリンの製作過程を映像で

100年工房

100年工房

チェロ

チェロ

世界の楽器

世界の楽器

楽器好きにはたまりません

楽器好きにはたまりません

音を出せるものもあり

音を出せるものもあり

台湾中探しても、ここ奇美博物館だけにあるものばかり

台湾中探しても、ここ奇美博物館だけにあるものばかり

家具のような初期の自動演奏楽器

家具のような初期の自動演奏楽器


3Fの「楽器ホール」では、自動楽器演奏(10:30、11:30、14:30、15:30、16:30)があります。

こちらのチケット受け取り時間は、開演の1時間前。1人5枚までで、3階の樂器エリア「自動樂器演奏--票務處」で受け取ります。

芸術ホール

周囲も上も芸術品

周囲も上も芸術品


兵器ホールの上階にあたります。主に絵画と彫塑、家具が展示されています。神性と人性、宮廷と市井、伝統と創新、永遠なる革新とサロンをテーマに分かれ、それぞれのエリアで時代区別があり、壁の色調が異なります。

天井中央にもご注目。

入口は宗教に関したものが多く陳列しています。


奥の部屋へ入っていく右の壁にある「サルマルタンと乞食」は、必見です。

作者のエル・グレコが多数の複製を制作し、その一つが「奇美博物館」が取得したこちらになります。


赤い壁のエリアに入りました。中央にはイルカに乗った女性の大理石彫像があります。

こちらは、「加拉蒂與海豚」(Galateaとドルフィン)で、Leopoldo Ansiglion(イタリア)による1880年の作品。Galateaは、シシリーの50人の海の女神のうちの1人です。
赤い壁

赤い壁

立ち止まって、時間が経つのを忘れるほど見入ってしまう作品も多数・・

立ち止まって、時間が経つのを忘れるほど見入ってしまう作品も多数・・



このエリアで、ナビが個人的に心惹かれたのは、「Blanzay夫人肖像」。

Alexis Joseph PÉRIGNON(フランス)による1845年の作品です。

ヘアスタイルは当時の流行だそうで、肩繰りが大きくあいたドレスはゆったりとした優雅さがありますが、宝石などはつけていません。少し東洋的でもあるようなおとなしい顔立ちに透き通るような白い肌、特に惹かれるのはその目です。夫人の凛とした姿勢には静かさと穏やかさも漂い、全体から感じられるエレガントな美しさにため息がもれました。


「Belisarius at the Gates of Constantinople」 は、イタリア人の画家Giovanni Paolo Pannini(1691-1765)が描きました。

通路の遠近も素晴らしいですが、注意したいのは右の人物。かつては豪勢な生活をしていたのが、今は落ちぶれて物乞いをしているという様子が描かれています。

芸術ホール(19世紀~20世紀)


ロダンホールが真下に見えるホールです。

色彩が全体的に明るくなって、印象深く感じる絵が多かったです。


The Achievement of the Holy Grail(イギリス)1927-1932年の作品です。

織物に円卓武士が聖杯を探し求めての旅が表現されています。満開の花、天使たちなどが繊細に織られ、目を見張ります。
参観し終わったら、音声ガイドはこちらで返却してください

参観し終わったら、音声ガイドはこちらで返却してください

再入場したい方は、忘れずにスタンプを押してもらってくださいね

再入場したい方は、忘れずにスタンプを押してもらってくださいね

奇美55周年特設展 2015年1月31日~8月31日


ストーリーは、7、8歳のころの男の子が博物館で奇妙な体験をしたことから始まります。

許文龍氏は日本時代の台湾に生まれ、12人家族は台南の運河のそば(当時の神農街は貧民区でした)に住んでいました。小学校は「港」公學校(今の協進國小)で学び、放課後はいつもロータリー近くの無料参観ができる「臺南州立教育博物館」へ向かっていました。
許氏、エンジニアだった頃の名刺

許氏、エンジニアだった頃の名刺


家と学校と博物館の毎日の道のりは、彼をどんどん世界探索へ導き、後に数え切れないほどの博物館の参観経験で、鋭い観察力と万物への好奇心を養いました。

「臺南州立教育博物館」は戦時中に消滅してしまいましたが、許氏の幼い心に深い印象を残し、文化の種を蒔いたのでした。青年後の許文龍氏は、父の許樹河氏と「奇巧」で「美麗」商品を生産する会社を1953年、資本金2萬元で創業。8坪の空間に従業員4人の「奇美実業」が設立しました。
1960年代中期、三菱商事からの視察

1960年代中期、三菱商事からの視察


1960年には「奇美實業股份有限公司」として、台湾最初のアクリル生産会社となり、その後は時代に合わせ転換を重ね、やがてABS王国を築きあげました。許文龍氏は事業の成功に伴い、博物館計画を開始し始めました。

1992年、奇美實業仁德廠区内に「奇美博物館」を設立。21年間入館料は無料でした。この間数千万人の人々が世界各地の名画や希少な楽器の鑑賞に触れてきました。
許氏は絵も描かれます

許氏は絵も描かれます


台湾に近代的水道を敷き、衛生状態を改善した浜野弥四郎氏。八田與一氏の上司にあたります。許氏自身が作った胸像で、台湾にゆかりのある方の胸像をすでに何体も造り、その人とゆかりのある場所や人物に寄贈し続けています。
許文龍氏は、今も現役で活躍されていらっしゃいます 許文龍氏は、今も現役で活躍されていらっしゃいます

許文龍氏は、今も現役で活躍されていらっしゃいます

レストラン


Café Message 信息咖啡(3階)西側景観回廊

営業時間:9:30~17:30  内線8730
内線8730

ランチとアフタヌーンティーほか、ワッフルやケーキ、飲み物など各種あります。コーヒー豆はイタリアのLAVAZZAを使用。この日は、コースでいただきました。


Café Cremona 克里蒙納咖啡(1階)ショップ内

営業時間:9:30~17:30 内線8736

メニュー:サラダ、スープ、スナック、チーフスペシャル、スイーツ、飲み物

ショップ


禮品店(1階)Café Cremona横 

営業時間:9:30~18:00 内線8710
レプリカ画、彫刻他、文房具、書籍、小物など。

禮品店(1階)特設展横 営業時間:9:30~17:30 内線8712
ショップ横に美術館創立時の写真がありました

ショップ横に美術館創立時の写真がありました

書籍もあります

書籍もあります


連日多くの人たちが参観に来ています 連日多くの人たちが参観に来ています

連日多くの人たちが参観に来ています

以上、台北ナビ(細木仁美)がお届けしました。
関連タグ:奇美博物館奇美許文龍

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-07-09

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