台湾リピーターは要チェック!埋もれていた台湾の魅力を再発見しませんか?台北や高雄の大都市に飽きたら……次は屏東の「潮州」がおすすめです♡
こんにちは、台北ナビです。
今年はいつもより春の訪れが遅い台湾。とりわけ台北は肌寒くすっきりしない日が続いています。そんな時は思い切って台北を脱出しちゃいましょう!
そこでナビは台湾南部の屏東県にある小さな町、潮州へ向かい、かの地で開催された春フェス「2025春潮集」に参加してきました。ここにはすでに春いっぱい!
本日は「2025春潮集」の……
・基本知識
・①パブリックアート:潮街
・②ストリートマーケット:潮市
・③ストリートライブ:潮聲
・④展覧会:潮展
・⑤レクチャー:春潮講堂
・基本情報&アクセス
についてご紹介したいと思います!
【基本知識】「2025春潮集」とは?
台湾各地で町おこしを手掛けている台湾好基金會(台湾好基金会)。
これまで数々のプロジェクトを立ち上げ、埋もれていた台湾の「好(よさ)」を発掘し、発展させてきました。
イベントテーマをイメージしたオブジェの前で語る好基金會の柯文昌代表
その1つが台湾好基金會代表・柯文昌氏の故郷、屏東県潮州で行われている「潮」シリーズです。
プロジェクトの始動は2016年。潮州の教育を推し進める<潮書院>、潮州の職人とタッグを組んだ<潮旅行>、中でも2022年にスタートした
<春潮集>は、
昔ながらのストリート(老街)から潮州の「好(よさ)」――芸術・音楽・グルメ・特産品を発信していこうという
地域ぐるみのフェスティバルです。
今年で4回目となる「2025春潮集」のテーマは<春神到来!百花繚乱(春神來了!百花開)>。古びた老街に小さな種を撒き、それが芽吹いて花開いた2025年……そんな意味合いが込められています。
イベントの5つの柱(潮街・潮市・潮聲・潮展・春潮講堂)を軸に、さまざまな角度から潮州の町を盛り上げていきますよ!
かつてのイベントで使用した廃材を活用したテーブルも。サステナブル!
そして「春潮集」は
サステナブルであることも変わらぬ目標です。
マイカップやマイバッグの持参が推奨され、会場にはカトラリーのレンタルブースや持参した食器類の洗い場も設けられました。商品によっては葉っぱが包み紙代わりだったり、マイ食器持参で割引価格が適応になったりすることも。
大地と共存するフェスなのです。
潮州を楽しもう!
言葉にするとちょっと難しいけれど、要はみんなで
「潮州を楽しんじゃおう!」というお祭り。
イベントを仕切る台湾好基金會は、かつて台北・中山エリアで雑貨屋さん「台湾好店」を運営していたからセンスのよいモノ+コトに出逢えそうってことは台湾通ならピンと来ているはずです。それでは、さっそく行ってみましょう!
2025春潮集①パブリックアート:潮街
イベントが開催されるのは建基路。通りには色とりどりの花が咲き乱れました!
頭上には揺れるのは、昨年に引き続きキュレーターを務めた台湾人アーティスト林舜龍さんが地元の中学生らと共に手掛けたシルクスクリーンプリント。
透け感のある布だから空と一体化して時間ごとに異なる表情が!
そして、ストリートの中央辺りを飾るのは「大武山からの贈り物(來自大武山的禮物)と名付けられた1.5×7.5mの巨大な木彫りの壁画です。
これは日本からプロジェクトに参加した彫刻家・鞍掛純一さんと地元住民や小学生およそ500名によるもの。
パブリックアート「大武山からの贈り物(來自大武山的禮物)」
遠くから見ると、台湾らしい赤い色した壁ですが、一歩一歩近付いて行くと潮州の町を見守る大武山の風景が浮かび上がり、さらに近付けば大きな壁画は15×15cmの小さな木片の組み合わせであることに気付きます。
ある木片にはやわらかな丸みを帯びた線が、ある木片には力強く直線的なラインが描かれているのですが、1つになればそれらは融合し個性を放ちながらもまとまりのある1つの風景となって存在しています。まるで漢族、客家人、原住民などが仲良く暮らす「潮州」という町のように。
新たな憩いの場に
「
潮州への贈り物です」と語る鞍掛さん。
住民自らが自分たちの故郷に送ったギフトの前には椅子が置かれ、人々が集う憩いの場に。「私も作品作りに参加したんです」とうれしそうに語るパイワン族(排湾族)の女性と出会いました。壁の前でポーズを決めるカップルも。早くも町のシンボル的スポットに……。
作品はイベント終了後もずっとここで住民の暮らしを見守るそうです。
2025春潮集②ストリートマーケット:潮市
潮州とその周辺の町から38の職人や農民、ショップ、ブランドが集結し、2日限りのストリートマーケットが開催されました。地元ならではの特産がいっぱいだから、台湾土産探しにも最適なんです。
「泗林衛生室」
チョコだけじゃない!屏東産カカオを使ったコスメなどいろいろ
「噗噗甜食」 手作りシュークリームの店。気になりすぎる~♡
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「安柏製菓」 スイーツ男子の作るお洒落洋菓子、買っとくべきだったか~?
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「屏大原専班×無虞工作室」 ストリートライブ「潮聲」でステージも披露した屏東大の学生さんらのCDなど
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「鹿雲牛角鬆筋SPA館」 路上でクイックマッサージ♪なんだか台湾っぽい~!
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2025春潮集③ストリートライブ:潮聲
後ろで劇を支えています!
潮州は台湾オペラ(台灣戲曲)の発祥地としても知られています。
イベントのオープニングを飾ったのは
明興閣掌中劇團の布袋戲(ポテヒ/人形劇)。家族で劇団を切り盛りする蘇家の4代目はなんと中学3年生!この日も立派に大役を務めていましたよ。
ほかに歌手・蘇婭と地元学生・住民たちのコラボステージや原住民歌手やバンドの演奏なども繰り広げられました。
2025春潮集④展覧会:潮展
「春潮集」の会場となっている建基路はかつて町一番の繁華街でもありました。何代にも渡り受け継がれ、昔と変わらぬ商売を続けている店が数多く集まります。
学生たちの作品の1つ、イベントのパンフ(画像提供:台灣好基金會)
そんな商店街に新たな風を吹き込んだのが、デザイン性を取り入れた地域改革や街づくりに長年尽力している劉維公さん。
東吳大学社会学部と実践大学工業デザイン学部の学生たち、そして建基路の店主たちと共にデザイン性に富んだ新たな街づくりに着手しました。
学生たちが店主と共に取り組んだ様子は台灣好基金會潮州オフィス2階で展示され、実物作品(看板やサイン、メニューなど)は建基路の各ショップで出合えます。
貴重な活版印刷に使う機械にも出合えました!
■劉維公(東吳大学社会学部教授)
潮州の印象「店主と言葉を交わしながらの買い物はホッとできるひととき。町の人々の物語はどれも新たな発見であり、永遠に飽きることはない」
2025春潮集⑤レクチャー:春潮講堂
講演会はアーティスト林舜龍さんと彫刻家鞍掛純一さんの対談形式で<春神がくれた潮州への贈り物(春神給潮州的禮物)>を主題に春フェス「春潮集」がもたらす地方創生について語られました。
「地域創生の主役は住民たち。アーティストはその助けをしているだけです。簡単な方法で自分たちの町に美しい作品を作り、それが町に対する自信や誇りにつながります」とは林さん。
(左)林舜龍さん、(右)鞍掛純一さん
2人は日本大学芸術学部の先輩と後輩という関係だそうで、2025年夏には台湾でさらなるプロジェクトを行う計画もあるのだとか!そちらも楽しみです。
■林舜龍(芸術家)
潮州の印象「生活感が色濃く、緑化と共に進む街づくりは地域創生の潜在力を強く秘める町」
■鞍掛純一(彫刻家・日本大学芸術学部教授)
潮州の印象「歴史的建築物とそこに存在する商店とがノスタルジックな雰囲気を醸し出している町。数あるグルメも魅力的!」
みんなで一緒になって潮州を盛り上げていこうというアーティストと住民と観光客とを巻き込んだ地域創生フェスティバル、「春潮集」。台北などの都市部ではなかなか味わえない地元民との濃厚なふれあいも楽しめるイベントです。次回の開催は2026年春を予定。ぜひ予定に組み込んでおいてはいかがですか?
以上、台北ナビでした。
【基本情報】「春潮集」インフォメーション
開催場所:屏東県潮州鎮建基路58號から102號
※2025年のフェス開催は2024年3月29~30日で終了
※「春潮集」は毎年3~4月ごろの週末に開催。次の開催日は公式サイト(Facebookの方が早いかも!)の発表をお待ちください
アクセス:高鉄「左營」駅で台鉄に乗り換えて「潮州」駅下車。所要時間40~50分。台鉄「潮州」駅から徒歩12分ほどで建基路へ
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2025-04-24