新しい温泉が湧き出て今後の発展が楽しみな場所に行ってきました
こんにちは、台北ナビです。
北部にある桃園市といえば、台湾の玄関口・台湾桃園国際空港があることで有名ですが、桃園にある観光スポットというと、いまいち知名度や認知度で台北に及ばない感がありますよね。
でも、最近になってそんな汚名を返上できそうな嬉しいニュースが舞い込んできたんです。今回は、今後一大観光地へと変貌しそうな桃園市・復興区の魅力をどどーんとお伝えします!
台湾原住民タイヤル族のふるさと
復興区は桃園市の南端にあり、桃園駅からは自動車で約1時間。現在は休日に限り、シャトル観光バス「台湾好行・小烏来線」が走っています。
元々は台湾原住民タイヤル族が多く暮らし、現在はモモやキャベツ、タケノコなどの農産物が栽培されています。桃園市や新北市の一部に水道水を供給する石門水庫(ダム)や景勝地の「小烏来」もここにあり、風光明媚な場所でもあるんです。
美肌の湯が湧き出たんです
そんなのどかな復興区で起きた嬉しいニュースとは、新しい温泉が湧き出たこと!
新北市にある温泉地「烏来(ウーライ)」もそうですが、タイヤル語で「ウライ」とは「温泉」の意味があります。実は、復興区にも日本統治時代に発見された温泉が複数あり、以前は警察の保養施設などがあったそう。しかし、周辺地域の開発や地形の変化などにより湧出が止まったり、水量が減ったりして、温泉地としては発展できずにいました。
そんな中、近年は桃園市などが中心となって新しい温泉の掘削に着手。2017年8月に地下約1000メートル地点から炭酸水素塩泉が湧き出たため、周辺で大規模な温泉施設の建設が本格化しているんです。
2018年1月には、その第1弾として足湯広場が完成。一般への開放が始まりました。 市では今後も引き続き掘削作業を続け、湧出量が安定すれば、日帰り入浴施設や宿泊施設の建設を進めたいとしています。
ナビはちょうど、足湯広場の供用日に訪問。鄭文燦桃園市長のほか地元選出の市議なども出席した記念式典が行われたほか、温泉グルメフェスティバルが開催され、地元の人々や行楽客で賑わっていましたよ。
白い上着を着ているのが鄭桃園市長
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コインロッカーがあるので荷物はここに預けましょう
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西洋テイストなレストランで地元食材を使った創作料理を
柔らかい食感の牛ステーキ
続いてやってきたのは、幹線道路から路地に入ったところにあるレストラン兼民宿の「普拉多山丘假期景觀餐廳」。西洋の郊外にある民家を思わせる外観は、ここが台湾ではないみたいに感じられ、ちょっとワクワクしちゃいます。
人気の料理は、野菜や果物などに桃園産の新鮮な食材をふんだんに使用。季節ごとに旬の食材が食べられるほか、地元の農家から直接仕入れることで、地産地消による地域振興が実現できているんだそう。
建物の2階部分は民宿になっていて、宿泊が可能です。
また、広大な敷地には畑やテラスが広がっていて、裏山に続く階段を上っていくと、角板山の集落や石門ダム、遠くは桃園市街地の景色が一望出来ちゃうんです。おいしい食事と空気、そしてダイナミックな風景が楽しめるプライベート空間、ちょっと贅沢な気分になれると思いませんか。
普拉多山丘假期民宿桃園市復興區水管頭23-1號
03-3821425
11:30-8:00
1月中旬は梅が見頃、一足先に春を体感
お腹がいっぱいになったところで、角板山公園へと向かいます。ここは日本統治時代、防虫剤の原料になったクスノキを集め、樟脳工場に送り出していていた集積所「樟脳収納所」があった場所。
当時の木造建物が残されていて、当時の台湾の産業を支えていた面影を見ることが出来ます。
また、その景観の美しさから、戦後は蒋介石元総統の別荘「角板山行館」が設置され、それに合わせて有事の際に要人が避難する軍事トンネルが建設されました。現在は一般の見学が可能となっています。
そして角板山行館の庭園は、台湾屈指の梅園として知られているんです。この場所を訪れた1月中旬はちょうど梅のシーズン。冬晴れの青空の下、ほころびた白い花弁が輝いていました。
会場にはテーブルが設けられ、春の息吹を感じながら台湾茶の専門家らが淹れる小烏来の奥にある拉拉山産の烏龍茶も飲むことが出来ましたよ。
石造りの教会を見学
次はタイヤル族が暮らす基国派部落を訪れます。ここには台湾では非常に珍しい石造りの教会があるんです。
この教会は1964年に建設。集落の住民が集落内にある蝙蝠洞と呼ばれるコウモリがたくさん住む洞窟の近くで岩を採取し、細い道を歩いて運んで建設したという深い信仰心と愛情がつまった教会です。隣接する場所に新たな教会建物が建設された後も取り壊されず、大切に保存されてきました。
今シーズンからは地元の人たちがポインセチアで作ったツリーを設置し、観光地としての魅力を高める取り組みが進められています。夜にはライトアップも行われているんだそう。
基国派では野菜や花卉などの園芸農業が盛ん。以前はアジサイの栽培で一世を風靡したそうですが、今はサボテンを含む多肉植物やポインセチアなど、さまざまな品種を栽培。台北にある建国花市などで販売されている植物の多くが基国派から出荷されているんだとか。
「中興花卉農場」では小売販売のほか、観賞用の小さい植木鉢に多肉植物を寄せ植えるDIY教室を実施。日本から旅行に来た方は持ち帰ることが出来ませんが、台湾在住の方は癒し効果が期待できる寄せ植え作り挑戦してみてはいかがでしょうか。
中興花卉農場桃園縣復興鄉三民村13鄰大窩4-1號
03-382-5151
桃園は台北から気軽に行ける場所なのに、温泉に景勝地に歴史的建物などなど、まだまだ知られていない魅力がたくさんあることに気付いたナビがお伝えしました~。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2018-02-16