台南を歩く~その1~

台南市の中西区を歩いてみました、歴史建造物と昔の建物を利用した茶芸館やカフェもあります

こんにちは、台北ナビです。
台南の街は、歩きやすいと言われます。実際何回も歩いたナビは、ほとんどの名所を網羅したつもり、でした。しかし、何回同じところを歩いても、新しい発見があるのが台南の街の面白いところなんです。
今回は6つのルートに分けて、台南の街をご紹介していきます。
では、まず①つめのルートをお楽しみください!
店名:寮國咖啡(ラオスカフェ)住所:台南市中西区中山路79巷60号 電話:(06)222-5358営業時間:9:00~17:00 日曜休み

ラオスカフェは呉園と開隆宮の中間の路地にあり、小さな店の前は人が行き交っています。店内に席もありますが、どちらかといえばテイクアウトのお客さんが多め。この建物はオーナーの住居で西暦1966年に建てられ、かつては家族で働くサンダル工場でしたが、産業の転移にともなってしだいに使われなくなっていました。中国から帰ったオーナーが「ドアを開ければカフェ、閉めれば住宅」という設計概念でここをコーヒーの楽しめる空間に変えたのです。
毎日店をあける前にオーナーはコーヒーマシンの前で祈ります。この手を通して淹れるコーヒーが飲む人に幸せと感動を与えることができますように。こんな誠実な願いは真剣にコーヒーを作るオーナーのまなざしに溢れています。ラオスカフェで使う豆はラオス南部のボラベン火山高原の森林で有機栽培されている100%のアラビカ種。豆の選別から焙煎までオーナーが全て自分で手がけています。手元に一杯のコーヒーを持ちながらオーナーが語る建物の歴史を聞き、当時の繁栄に思いをはせながら、ゆっくりと呉園の中を散歩してみるのもステキな時間の過ごし方ではないでしょうか。 

店名:上海華都小吃城住所:台南市中西区民権路2段28号 電話:(06)221-6268営業時間:11:00~21:30

公会堂の傍にある上海華都小吃城は赤い壁が目印。その鮮やかな色は人目を引かずにはいられません。食事時が近くなると店の前にはお客さんの行列が長く続きます。その中には地元の人だけでなく日本人のお客さんも少なからず。お目当てはセイロから美味しそうに白い湯気を立てている小籠湯包です。とってもこだわりのあるこちらの小籠湯包。白い紙を開くとセイロの底には黒く細長い松葉が敷き詰めてあります。松葉の香りが蒸気を通して湯包の中に溶け込みんで、湯包をつまんで口に入れた瞬間、薄皮と餡の食感を引き立ててくれます。ジューシーな汁をすすれば、一個もう一個とお箸が止まりません。
店内の壁にはメニューの人気ランキングが掛けてあります。どれもかなり独特の凝った料理。オーナーのお薦めは、雪菜百叶(高菜と牛のハチノス炒め)、紅燒下巴(魚のカマの醤油煮)、鳳梨蝦球(エビのパイナップル炒め)や寧式鱔糊(田うなぎの寧波風炒め)など。グルメのお客さんは必ずと言っていいほど注文するそうです。華都で味わえる上海や浙江風味の料理。キッチンで指揮をとるシェフは若いときからこの道に入った大ベテランで、その素晴らしい腕前は食べた人が一番の広告となってくれます。

店名:十八卯茶屋
住所:台南市中西区民権路2段30号 電話:(06)221-1218
営業時間:10:00~20:00

十八卯の現在位置は、もともと日本統治時代に日本人柳下勇三が創設した料理食堂「柳下屋」でした。「柳下食堂」「柳屋」とも呼ばれたこの建物は公会堂(呉園)の大きな庭園に属するものでしたが、柳屋の日本建築は雄大な公会堂とも福建省古来の閩式建築とも様式を画するものでした。柳屋はその後茶業を営む葉東泰氏に引き継がれ、「柳」という字を分解して「十八卯」という名前になりました。十八はまた青春の盛りであり、卯の字は黎明を現すということで柳屋の再生を表しています。十八卯の開幕はマヤ暦の予言で世界の末日といわれた日を選ぶなどこの茶屋にさらに話題性を加えています。十八卯では台湾の伝統茶をたてたり頂いたり、という茶文化を広げるとともに柳屋がもっていた日本風情に合わせて空間の構造を残し、一角一景としてお茶を楽しむ雰囲気を作り上げています。一壺のお茶、一皿のお茶請け。午後、窓辺に寄りかかりながら欄干を通して視線を外に向ければ、広がる緑の芝生、池の水音、床板に差し込む光の移り変わりなど呉園のすばらしい景色を堪能することができます。

名称:呉園(公会堂)住所:台南市中西区民権路2段30号 開放時間:8:00~20:00

呉園は元の名を紫春園といい、清朝道光年間に郷土の名士である呉尚新により建設されました。かつては台中の霧峰萊園、新竹の北郭園、板橋の林本源園邸と並んで「台湾四大名園」と呼ばれました。
当時呉家の財力は台南一と言われ、俗に「有樓仔內的富,也無樓仔內的厝;有樓仔內的厝,也無樓仔內的富」(呉家のような富を持っていても、呉園のような邸宅があるとは限らない。呉園のような邸宅があっても呉家ほどの富を持っているとは限らない)と言われるほどでした。日本統治時代になると呉家はしだいに傾いていき、呉園の所有権は日本政府により徴収され、園の南側に「台南公館」(後に台南公会堂と呼ばれる)が建てられ、日本人の集会や民衆の協議などに使われるようになりました。また園の西南には「四春園旅館」、西北の角には台南図書館、北側は「台南市水浴場」(プール)がありました。
現在残っている呉園は、わずかに飛来山を模した築山の造型と、かつては呉家の一族が住んだという一並びの閩南式建築があるだけで、元の規模の十分の一なのだとか。前方にある池は泮池といい、昔は五条港に通じていたそうです。

名所:小南天
住所:台南市中西区忠義路2段158巷27号 開放時間:6:00~21:00

人や車が激しく行きかう大通りからこのくねくねとした路地に入り込み、足元の道のでこぼこに気をとられながらも進んでいくと、目立たない一つの小さな廟があります。これが小南天の福德祠。古文書によれば明朝の鄭時代に唯一存在が記載されている土地神様を祀る廟です。入り口には「小南天」と書かれた題字。この辺りは昔からの台南っ子が蕃薯崎と呼ぶ一帯です。
明朝の寧靖王であった朱術貴がこの地を遊びに訪れた時、この景色の美しさに感動し、涼しい風に吹かれて心も清清しくなったのだとか。それ以来この地方を通過する度にこの廟で休憩するようになり、そして小南天という名前を授けたのだそう。当時は廟の中に直筆の額が掛けてあったそうですが、その後消失、現在掛かっているものは清朝の文人林朝英の書によるものだそうです。静かな廟の向かいには古い伝統民家の建物が立ち並び、外の市街地の賑やかさとは強烈な対比を見せています。この附近を散歩しているとまるで時間が自分の周りで凝結してしまうかのような感じ。静と動が交錯する空間がまた小南天の魅力とも言えるでしょう。

店名:新裕珍餅舖(菓子店)住所:台南市中西区民権路2段60号 電話:(06)222-4720 営業時間:9:00~売り切れまで。月曜休み

新裕珍餅舖の入り口に掛かっている看板に書かれた電話番号は5桁。これを見ただけでこの菓子店は半世紀以上の時を過ごしてきたのが分かります。右側にはパン菓子類、左側には伝統菓子と書かれていますが、現在の店先にはガラスケースに数種類の西洋菓子が置かれているだけでパンはもう製造していません。
店内の西洋菓子は柯お爺さんの手によるもの。若い頃はパンの行商から始めて自分の店を持つようになり、現在は高齢のため簡単な菓子を作るだけになっています。でもガラスケースを開けると中には可愛い一口サイズの菓子が並び、お客さんはケースの前で選ぶのに長く考えてしまいます。
店で一番の人気は「牛力」。これはいわゆる台湾風のマカロンのような菓子で、サクサクしていて甘い香り。柯お爺さんの腕前は今でも西洋菓子の中で味わうことができます。この材料とともにしっかりした西洋菓子の素朴でシンプルな味わいは忘れ難いものです。

店名:誠福繡莊
住所:台南市中西区民権路2段37号 電話:(06)223-6352 営業時間:9:00~21:00

民権路二段の一帯は仏具店や刺繍店が少なからずあります。まだ営業している刺繍店もありますが、看板だけがそのままでシャッターの閉まったお店もあります。民権路は一時期布生地を売る店が集まる通りとして栄えたので自然に関連する業種が集まりました。誠福繡莊もその中の一つです。
誠福繡莊の嚴訓祥さんは福州生まれ。15歳の時に父について台湾に渡ってきた後、台南の刺繍業界の牽引役となりました。その歴史人物や物語についての博識から刺繍デザインの図案や人物を活き活きと描くことができたのです。一枚の刺繍を仕上げるのはどの工程もいい加減にできません。最初の図面から作画、針の位置から平刺繍までは女性が担当、立体的にするには綿を敷き、さらに形を整えてから仕上げまで、それぞれ異なった専門の職人が担当します。嚴訓祥さんは各種の刺繍法に精通し、その手作業の精密さは古い伝統にとらわれず、彼の製作による廟の祭りの旗や八仙人の刺繍は、台湾の伝統刺繍の代表作と言われています。 

名称:測候所
住所:台南市中西区公園路21号 開放時間:9:00~17:00 土日休み

飲み物を注文して奉茶飲料店のイスに座れば、向かいの路地は「天壇」に通じています。路地の横には街路樹があり、その緑に見え隠れするように「測候所」の変わった概観が見えます。
「測候所」とは元の「台南測候所」のことで、別名「胡椒筒」とも呼ばれている、気象観測を目的とした建物です。西暦1898年落成。円形の建物と煙突型の塔の組み合わさった構造で2階建ての高さがあり、内部には多くの観測機器が置いてありました。日本統治時代の初期に建設された数少ない大型建築の一つであり、長い歴史を持つとともに現代気象観測の始まりの地と言えます。
気象観測では周囲に邪魔になるものがあってはならず、日本統治時代、測候所は附近で一番高い建物でした。当時、台湾には7つの測候所があり、また高雄には海洋官宿舎、阿里山には高山観測所などがありましたが、現在唯一残っているのはこの台南測候所だけで、保存状態もよく、歴史的にも深い意義があります。

名称:鶯料理
住所:台南市中西区公園路21号後方 開放時間:未定

公園路の測候所を回って裏の方へ行くと目の前に緑の芝生があり、一つのきれいな日本建築が現れます。2階建ての高さで庭園の中にあり、黒い屋根瓦、木造の壁、基部はレンガ造り。台南人でさえ「いったい元はどんな建物だったのだろう?」と思ってしまいます。
少し前までここは一棟の壊れた古い廃屋でした。人の住んでいない家屋は台風などで更に破壊が進むという様子でしたが、実はこの建物は日本統治時代、歌や人の声が絶えないとても賑やかな「鶯料理」という料亭で、当時の台南地区の官員と民衆が関係を深める重要な場所だったのです。
鶯料理は大正時代(西暦1923年)に建てられ、その黄金期は1930年頃で、第二次大戦後、一時は台南一中の宿舎になりましたが、その後長く放置され荒廃が進みました。最後に台南市政府によって修復が始まり、元の姿の復元が図られ、現在のところの3分の1程度完成しています。 

名称:天壇
住所:台南市中西区忠義路2段84巷16号 開放時間:5:30~21:00

台南の住民には「天公廟」とも呼ばれている天壇、路地の中に位置していますが、その両側は「測候所」に近い公園路と忠義路に通じており、路地の入り口には有名な阿霞飯店があるなど、却ってかなりの賑わいを見せています。
天壇は、元は台南の最高地点―鷲嶺にあり、玉皇大帝を祀る道教の廟でしたがその後清朝に現在の場所に移されました。この場所は当時鄭成功の官員が神を祭る空き地でした。天壇の外観建築は猪の彫像などの力強い造型で飾られています。
廟の中に入って目を上げるとすぐ見えるのが台南三大名額の一つと言われている「一」の字の額です。これは「人がどんなに計算しても天のはからいには及ばない」というような意味で、額の傍にはまた「世の人はあれこれと心を費やすが天理の理は欺くことはできず、全ては決まっていることで幸も不幸も変えることはできない」などの言葉で「一」字の額の意味を語っています。よく味わって鑑賞すれば心から納得できることでしょう。

 名称:北極殿
住所:台南市中西区民権路2段89号  開放時間:7:00~21:00


北極殿は主神として玄天上帝を祀り、明朝の鄭成功時代の創建で、別名は大上帝廟。明朝永暦十九年(西暦1665年)に鷲嶺の頂に立てられ、武神である玄天上帝を祀っているため相当重視されました。玄天上帝は北方の神であり、北方は五行では水色黒に属するため、廟の中の柱は赤ではなく黒い色をしています。玄天上帝は鄭成功の守護神であったため、清朝の時期には格を落とされましたが、当時の北極殿の前の上帝廟街附近は帽街、竹仔街、枋橋頭街、草花街、鞋(靴屋)街、武館(武道館)街や打鐵(鍛冶屋)街など台南の繁華街であったため、参拝する人は絶えませんでした。
現在の北極殿の建物は北に向かって南に座し、三川殿、中庭、正殿拜亭、正殿、後殿拜亭及び後殿所から構成されています。北極殿は鷲嶺の上にあったため廟に入るには階段を上がらなければならず、俗に「上帝廟埁墘,水仙宮簷前」(上帝廟の階段は低い地にある水仙宮のひさしより高い)と言われました。
廟の中には明朝の寧靖王による「威霊赫奕」の額があり、これは全台湾で最も歴史のある額です。また道光年間に、台南の塩製造業者呉尚新が、遠く中国の姑蘇から取り寄せた、古い鐘や台南の名匠と言われた潘麗水の絵もあります。

 店名:明玉華洋百貨
住所:台南市中西区民権路2段24号 電話:(06)220-0437 営業時間:9:00~20:00

華洋百貨とは早期に国内外の化粧品や生活用品を販売した小規模な店舗のこと。店内にはいつも何かしら新しい外国製品が置いてあり、民国50年から70年くらいまでの間、大変流行ったものでした。古びた手書きの看板にはどこか懐かしさが感じられ、お祖母ちゃんの時代、こういった店をぶらぶらするのが生活の楽しみだったのが想像できます。
明玉華洋百貨は70年以上の歴史が有り、早期の華洋百貨として外国から持ってきた品を売っていました。店内には「制服のミシン刺繍」の看板もあり、門口には家庭で作ったアイスティやとうがん茶を売っています。というのは華洋百貨になる前は雑貨店をやっていて、その頃からお茶を売る習慣があり、現在に至っても変わらず売り続けているのです。
店の古いガラスのショーウィンドウに目をやれば、当時の華やかさが偲ばれます。店内ではおかみさんが孫の面倒をみながら馴染みのお客さんとお喋りしたり。一杯の冷たい紅茶を注いで、当時の民権路や面白い舶来品の話をしていると時間がゆっくりゆっくり過ぎて行きます。

 店名:黄氏蝦仁肉圓
住所:台南市中西区中山路79巷2弄1号 電話:(06)228-0568 営業時間:8:40~17:00 新鮮なエビが手に入れば開店

十六歳の成人式で知られる開隆宮を中心として外へ伸びる道はどれも路地の小道。黄氏蝦仁肉圓は旭峰号雑貨店の隣にあり、少し前に行けば往来のはげしい中山路に出ますが、路地の中にひっそりとたたずんでいます。
小さくて可愛らしい肉圓は米の粉を煮て作った皮、赤エビ、煮込んだ細切れ肉、タレなどのシンプルな食材の組み合わせですが、実は簡単ではないストーリーがあります。民国前7,8年の頃、天秤棒の担ぎ売りから始まった黃氏蝦仁肉圓。第二次大戦後、東門のロータリーに店を出しましたが、市場が廃止されるのに伴って現在の場所に移りました。変転を経ても昔ながらの味は少しも変わらず、今でもご主人の一番の自慢です。
こちらの店にやってくるのは大部分が常連さんで、観光客はほとんどいません。最も特別なのは休みの日が不定期なこと。もし明け方漁港で新鮮な赤エビが手に入らなければ主人は店を開けません。断じて冷凍エビは使わないというこだわりに、思わず拍手をしてしまいます。 

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-11-25

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