スクーター大国台湾、バイクレースが熱い!

進化を続ける台湾のモータースポーツ、今まで知られていなかったバイクレースについて、バイク野郎・辻真樹が熱く語ります!



僕は台南に住む日本人の辻 真樹と言います。
仕事の関係で2006年6月に台湾に来ました。2006年の末、ブラっと立ち寄った一軒のバイク屋さんから、僕の台湾レース参戦が始まりました、まさかこんなに長く参加出来るとは思いもよらずに。

最初のきっかけは…

初めて出た台湾のレースで3位になり、チームの社長は僕のために新しいバイクを買ってくれました、そして翌年2007年高雄のシリーズ戦に参加し、優勝を含む全レース表彰台獲得という成績で、年間シリーズランキング2位を得ました。残念なのは年間8戦あるレースに帰国日が重なり、4戦しか参加出来なかった事です、もし全戦参加していたら…。この当時、僕はまだ中国語は全く話せずに、下手くそな英語や筆談、最終的にはジェスチャーやボディランゲージと会話が成り立たず大変苦労しました。しかし彼等は一生懸命話を聞こうと努力をしてくれました、こういった面でも台湾人の方の優しさが伺えます。 

一大決心


参加回数が増え台湾のレースに深く関わるようになり、勤めていた会社を辞める決心をしました。年齢の事もあり、これが最後のチャンス!と思ったからです。レースは転倒やケガを伴う非常に危険なスポーツです、会社に迷惑をかけたり、集中する事が出来なければ、良い結果を得られないばかりかケガをしたり他の方に迷惑をかける事になります。

そして、2008年シリーズ半ばで会社を離れ、後半戦は単身台湾へ戻り、背水の陣でレースに挑みました。正直言うと不安でいっぱいでした。今までは組織の一員で守られていましたが、これからは全て自己責任です。ケガをしたり病気になったり問題が起こっても、全て自分の力で乗り超えなければいけません。「願えば叶う」そう信じて突き進みました。諦めず努力していれば、人は見ていてくれてるんですね。2009年と2010年も、台湾でレースに参加出来る機会を得る事が出来ました。台湾の方には本当にお世話になりました。文化も習慣もそして言葉の通じない僕を快く受け入れてくれました。お互い言葉が通じず、もどかしい事も多く、時に誤解が生じたりぶつかったりもしましたが、毎回最後は笑顔でレースを終える事が出来ました。  

今後の課題


しかし、発展を続ける台湾のモータースポーツも幾つかの問題を抱えているように見えます、それは「バイクレース=不良」という先入観から新規参入者が不足しているのです。日本でも以前同じような状況にありました、バイクのレースは爆音を響かせ、猛スピー、ドで走り回る暴走族だというマイナスイメージがあるようです。
ヨーロッパ各国やアメリカのように、健全なスポーツと一般の方に認識してもらえるよう努力しないと、更なる発展は望めないと考えています。

世界に誇れるバイクの性能や選手の技術があっても、それを受け入れてもらう器がなければ意味がありません。
また発展を続けているのは確かですが、年々レース参加の敷居が高くなり、新規参入者が減少しているのも確かです、バイクや選手のレベルが高くなるにつれ参加費用がかかり、参加しても優勝はおろか入賞すら出来ない。こんな状況ではレースに出てみたいと思う人は増えませんよね?
その結果レース開催数が減少し、スポンサーも撤退しレース自体が衰退していきます。

これは現在日本でも同じ問題に直面しています、一度衰退してしまった物を再度盛り上げていくのは非常に困難です。
しかし、台湾はまだ発展の途中ですので今の内に手を打っておく事が可能といえるでしょう。日本と同じ道を歩まないためにも…。

どうすればいいのか…

新人の選手のみが参加出来るレースを開催したり、レース当日にイベントを催したり、レースは楽しいものだと思ってもらえる環境を作らないといけないと思います。可能であればTVでのレースレポートやバイク関係以外のスポンサー獲得などにより、一般の方の目に触れる機会があれば、更なる発展が望めると信じています。
また、僕自身、沢山の機会を与えてくれた台湾に何か恩返しが出来ないものかという気持ちが次第に大きくなりました、そんな時、ホテル丸ごと一棟濁流に飲みこまれたり、一つの村が土砂の下に埋没したり、多くの死傷者を出した台湾南部の大水害、あの「八八水災」が発生しました。

「八八水災」を通して一

一人の選手が出来る事は微々たる事ですが、レースに携わる人が集まればきっと何かが出来るはずと、レース開催日にサーキットで募金活動を行いました。
その結果沢山の募金が集まりその全てを台南市政府へ寄付させて頂きました。レース当日には参加者を始め、そのチーム関係者、主催団体に観戦に来られたお客様と多くの方が集まります。被害に遭われた方へ対する善意が金額となって現れました、当日募金に協力して下さった方々には、心から感謝しています。後日台南市市長からこの募金活動に対して表彰して頂きましたが、これは僕自身ではなく当日募金をして下さった方々の物だと思います、本当にありがとうございました。

今後は…


台湾のバイクの性能や選手の技術は、既に世界に誇れるレベルにまで達していると思います、残された課題はバイクレースの位置付けだと感じます。参加者のみで盛り上がるのではなく、地域や社会に認めて頂いて初めて発展が望めると思うからです、この点を台湾人の方と改善して行くのが、僕の当面の目標です。

いつかTVから台湾のバイクレースが中継されていたり、子供達に夢を聞いた時に「バイクのレースの選手になりたい!!」なんて言葉が聞かれたら、最高たと思います。日本人の目から見て台湾のモータースポーツはまだまだ可能性があり、僕自身レースに参加するだけでなくこの世界に携わる事に多くの喜びを感じています。皆さんも今後の台湾モータースポーツの発展に目を向けてみてください。

どこで見られるか?


台湾のバイクレースは毎年大体4月から11月頃までがシーズンで各地方の各サーキットで熱戦が繰り広げられています、レース毎に日程や開催地が異なりますので事前にお確かめ下さい。 台湾へは観光やショッピングで来られる方が多いと思いますが、1日はバイク好きな旦那様や彼氏と一緒にレース観戦なんてどうでしょうか?今までになかった思い出が作れるかもしれません。
 <桃園>
Tel:03-4719727   Fax:03-4719715
住所:桃園縣龍潭鄉高揚北路452巷48號
:Tel:03-4116941
住所:桃園縣龍潭鄉高原村中原路一段泥橋仔5號
Tel:03-453-1333
住所:桃園縣中壢市中豐北路一段768號 
<台中>
Tel:04-8818552 Fax:04-8817701
住所:彰化縣溪湖鎮大溪路一段815巷378號
<嘉義>
Tel:05-2656343
住所:嘉義縣大林鎮忠孝路3號   
<台南>
Tel:06-5975498
住所:台南縣安定鄉管寮村,中山高安定交流道附近 
<高雄>
Tel:07-6110886  Fax:07-611-7635
住所:高雄縣橋頭鄉創新路93號(台糖高雄花卉中心)
台湾のバイクレース、面白いですよ~。ぜひ皆さんも注目してみてください!
台北ナビがおとどけしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-11-05

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