公園で太極拳デビューしませんか?

太極拳は台湾でももっとも普遍的な健康法。公園などでも気軽に参加できるので、観光のついでにチャレンジもOK!

こんにちは、台北ナビです。

公園や広場で、一列に並んで一糸乱れぬ動作をしている太極拳集団にめぐりあいますよね。その動作、とても緩慢で「私でもできそう」って思う人も多いかもしれませんが、ひとつひとつ動作は、考え抜かれたもので、意外と奥ふかかったりします。台湾は太極拳が市民権をもっている所で、世界大会も開かれるほど盛んな場所。グループでのパワーもたいしたものです。
暑い台湾で、何かと室内で籠りがちで、運動不足の体を改造するために、太極拳もいいかも、と一念発起したナビゾー、まず考えたのは「どこから門を叩くのか」ということでした。で、知合いで太極拳キャリアも長い台北在住のAさんを頼って、太極拳のイロハをご教授いただくことに。

早朝の国父紀念館にお邪魔しました!

太極拳キャリアはすでに5年以上のAさん。 太極拳キャリアはすでに5年以上のAさん。 太極拳キャリアはすでに5年以上のAさん。

太極拳キャリアはすでに5年以上のAさん。

ビルを背中に剣の舞。いや~、カッコイイ!

ビルを背中に剣の舞。いや~、カッコイイ!

まずはAさんがいつも通っているという、国父紀念館の太極拳の見学に行ってみました。夏は6時前後、冬は7時前後がピークとなるグループは最大50人ほども集まる相当大きなグループ。基本動作が中心になるウォーミングアップをした後に、扇子を習うグループや、剣戟の指南を受けるグループなどに別れて、各々技を磨いていました。Aさんによると、このグループの師匠は、ボランティア同然でこの場に教えに来ているということで、年に数度、感謝のしるしとしていくらかのお金を渡せばいい、ということです。いろんなグループによって、完全に無料だったり、月謝が決まっている師匠もいたり、まちまちなようです。

「陳式」「楊式」など各派あり

こちら、Aさんの師匠、荘才治先生。

こちら、Aさんの師匠、荘才治先生。

中国拳法といえば「少林寺」「カンフー」だったりするわけで、いろんな種類がありそうです。基本的に、カンフーも太極拳も相手を想定して、受身、攻撃などのワザを繰り広げる、ということでは一緒です。そのスピードが速いか遅いか、そしてワザの繰り出し方の違いで流派が違ってくるわけです。 太極拳は現在、主に「陳式」「楊式」に分かれますが、単純にいえば、「陳式」は古い伝統をもっていて、やや複雑な動きが多いため、「楊式」はそれを整理して万民にも分かりやすくした、という経緯があります。


というわけで今も一般的に行われているのは「楊式」。健康を主とし、ゆったりした動作が中心で、お年寄りでも十分に習得できるので、健康志向が深まる中、愛好者が多いのが特徴です。最も簡単なものから13式、24式、36式、48式、64式などがありますが、この数字は型の数のことで、この数が増えるということは、通し時間も長い、ということです。
静かな方ながら、
繰り出すワザは鋭いのです。

静かな方ながら、 繰り出すワザは鋭いのです。

「陳式太極拳」は発祥が17世紀と古く、やや高度なワザが要求される、本格派。Aさんによれば、この陳式を会得している集団はいってみれば「我こそは本流なり」といった意識が高く、孤高を標榜する師匠も少なくないそうです。「台湾はこういったスゴイ師匠が多いのでレベルが高い」とAさんは太極拳の奥の深さを語っていました。

駐在員の奥様たちのグループにおじゃましました

ちょっと観光がてら太極拳に触れてみたい、ということなら、近くの公園に赴いて「観光客だけど、今日だけ仲間に入れて」という感じで近づけば、すんなりと入れてくれるわけですが、「ちょっと本気でやってみようかな」という方にとって、ひとつのハードルになるのが言葉の問題。そこで、日本人駐在員夫人が中心になっているグループ「圓華会」を訪ねてみました。
こちらが「圓華会」のトレードマーク

こちらが「圓華会」のトレードマーク

場所は中正紀念堂戯劇院の入口付近。お、いますいます。30人近い大和なでしこたちが真剣な表情で、黒いゆったりしたズボン、おそろいのTシャツ姿で汗を流しています。

この「圓華会」は外国人のグループということもあって、中華民国太極拳総会の理事長・?徳勝さんが自ら指導に当たっています。そして、キャプテンと思しき人が師匠の横で模範動作をしながら、日本語でサポートをしています。台湾在住の長い方もいらっしゃるようなので、師匠の中国語の説明を分っている方も多いようでしたが、指導も身振りの動作が中心なので、言葉で説明しなくても分かり合えることが多いようです。

13式から42式まで、各種の型を習うほか、最近は扇や剣など、器具を使った舞のような太極拳も習っているのだとか。また、検定試験にも積極的に参加して、モチベーションを高めているのだとか。
シンプルな13式を通しで。連続するとこんな感じです。 

シンプルな13式を通しで。連続するとこんな感じです。 

公園で太極拳デビューしませんか?  太極拳 運動 公園 教室 駐在員 観光健康 基本動作のチェック。

基本動作のチェック。

こちら、先生 こちら、先生

こちら、先生

基本動作のチェック。この半腰の動作もそうとう足に負担がかかります。

基本動作のチェック。この半腰の動作もそうとう足に負担がかかります。

片足立ち。

片足立ち。

バランス感覚が養われます。

バランス感覚が養われます。

体に“気”をためこむ、という感覚をとぎすまします。気功体操は、20分あまりも続きます。 体に“気”をためこむ、という感覚をとぎすまします。気功体操は、20分あまりも続きます。 体に“気”をためこむ、という感覚をとぎすまします。気功体操は、20分あまりも続きます。

体に“気”をためこむ、という感覚をとぎすまします。気功体操は、20分あまりも続きます。

ナビゾーも入門してみました

「見ているだけでは実感ができない」と、ナビゾーは数ヶ月前、思い切ってに入門してみることにしました。とはいっても、早起きはキツイし、汗をかくので、夜のグループはないかと中正紀念堂の広場を物色してみると、あ!やってました。10人ぐらいのグループが。ひと月500元の月謝とあまりお金もかからないので、試してみることに。2時間のうち、はじめの1時間はストレッチなのですが、片足立ちあり、スクワットありで、これまでの運動不足も祟り、始めの1ヶ月は脚の筋肉が張ってキツイキツイ。

が、このストレッチが、太極拳の各々の基本動作を決めるときには必要なことと、だんだん分ってきました。下半身を徹底的に鍛えぬくことで、相手に容易に倒されない安定した構えを実につけられるのです。
これが推手の組み手。
バランスを崩して足が動いたら負け。

これが推手の組み手。 バランスを崩して足が動いたら負け。

下半身の安定感とは逆に、上半身は柔らかく、というのも太極拳の基本、ということもわかりました。例えば、師匠と相対し「推手(足を動かさずに、両手だけで互いの体を押し合い、体のバランスを崩したほうが負けとなる)」をすると、師匠の体はいくらこちらが押しても、巧く体をかわされてしまいます。そして逆にこちらが一瞬バランスを崩したところをグイっと引っ張り、いとも簡単に負かしてしまうのです。

ナビゾーはこれまで、ゴルフをやってもなにをやっても「体がカタイ」といわれ、結局挫折することになるのですが、ここでも師匠や先輩たちに「もっと肩の力を抜いて、リラックスしろ」と注意されつづけました。が、通常の生活でも、どこか力んでいる自分がいることがわかったり、これまでほとんど意識していなかった股関節の動きが大事だということを意識するようになったり、いろんな意味で自分の体を再発見することになったのです。

それから、型の名称がキマってる!というのも勉強になりました。白鶴亮翅(白鶴が翅を広げる)、彎弓射虎(虎を射る)、野馬分鬆(馬のタテガミを分ける)、海底針(海の底に針を刺す)とか、情景が思い浮かべながら、キメのポーズをとれるわけです。

「ビリーズ・ブートキャンプ」

ひょんなことから、最近話題になっている「ブートキャンプ」なるものを見るチャンスがあったので、新し物好きのナビゾー、映像に合わせて「1.2.3.4」とやってみました!ビリーさんったら、そのリズムの早さには目が回る思いでしたが、基本のストレッチなど鍛える部分は、けっこう太極拳の基本運動と似ていたなぁ、と思いました。というわけで、太極拳はブートキャンプにも劣るものでもないと、ちょっと鼻高々になったナビゾーでした。


以上、台北ナビのレポートでした!
関連タグ:太極拳運動公園教室駐在員観光健康

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-07-04

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