便利で快適なシャトルバス 花蓮の田舎を楽しもう!
こんにちは、台北ナビです。
鉄道主要駅を起点に沿線の観光地を結ぶ観光特化型シャトルバス「台湾好行」は、もうご利用になりましたか?主要なバス停以外は通過する快速タイプのバスできちんと時刻表もあるからわれわれ日本人観光客にとっても便利ですよね。今では全国各地で50以上の路線が運行されています。
今回は台湾東部・花蓮県を走る台湾好行のうち、県内を南北に結ぶ「縦谷花蓮線」を使って、花蓮の田舎を旅したいと思います。
ノンステップバスで楽々
花蓮県は東に太平洋、西に中央山脈に挟まれているのですが、さらに花蓮市の南から海岸山脈が背骨のように南北を縦断していて、海側を「海線」、山側を「山線」と呼んでいます。今回ご紹介する「縦谷花蓮線」は山線を縦断する路線で、花蓮駅を起点に、鳳林駅、光復駅を経由しながら、大農大富平地森林園区までを1日7往復、約2時間かけて結んでいます。
縦谷花蓮線は、台鉄(台湾鉄道)の台東(花東)線とほぼ平行しているので、花蓮駅だけでなく、鳳林駅、光復駅など台鉄の自強号(特急)停車駅から利用することもできて便利です。
ちなみに、縦谷花蓮線は基本的にノンステップ電気バス。お子様連れや年長者の乗降に便利なほか、環境にも優しいんです。車内も静かでとっても快適ですよ。
台鐵花蓮站⇔慶修院⇔鯉魚潭潭北遊客中心站⇔潭南遊憩區站⇔立川漁場⇔豐華再現館(雲山水)⇔新光兆豐休閒農場⇔台鐵鳳林站⇔林田山林業文化園區⇔台鐵光復站⇔花蓮觀光糖廠⇔大農大富平地森林園區站
車椅子やベビーカーの利用も便利
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大きな荷物も持ち込めます
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ちなみに、花蓮駅で乗る際は、駅を背にして、ロータリーの右側にあるバス乗り場から乗車します。左側にも「台湾好行」のバス停があるのですが、こちらは「太魯閣線」の乗り場。誤乗にはくれぐれもご注意を。
アミ族が暮らす平地の原住民集落「大巴塱部落」で「紅もち米」を食べよう
バスに乗る前に、光復駅の近くにある原住民集落「大巴塱部落」に足を運びました。こちらはアミ族がたくさん暮らす場所です。台湾原住民と聞くと山間部に暮らしていることを想像しがちですが、実は平地にもたくさん暮らしています。
まず訪問したのは大巴塱国民小学。一見普通の小学校なのですが、その歴史は非常に古く1901年までさかのぼれます。最初は国語伝習所として日本語教育が行われたのだとか。戦後暫くは「北富国民小学」という名称だったのですが、1994年に「大巴塱国民小学」に改称。台湾ではかなり早い段階で原住民語を由来とする名称が冠された学校の一つです。
そして注目したいのは、このカニ。実は大巴塱という言葉は、白い色をしたサワガニに由来するとされていて、かつてはこの集落の近くを流れる川にたくさん生息していたんだそう。環境の変化や乱獲で今では山深い場所にしかいないらしいのですが、この地に住む人たちは今でもカニに深い思い入れがあるんだそうですよ。
それと、同校には日本統治時代から戦後にかけて多くの野球選手を輩出していることでも有名。残念ながらナビは野球に疎く、これらの選手がどれだけ素晴らしいのか分からなかったのですが、同行した台湾人メンバーは「懐かしいっ!」と喜んでいました。
さて、続いて訪れたのは、大巴塱紅糯米生活館という施設。地元の特産品を売る売店にレストランが併設されています。今回はこちらで原住民料理をいただくことになりました。
ちなみに、この大巴塱部落は台湾で唯一「紅もち米」という赤い色をしたもち米を栽培している場所でもあります。
話によると、紅もち米はこの地で300年に渡って栽培されているもので、お祝い事や来客があった時に食べる縁起のいい食物。食物繊維が豊富なほか、カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛など栄養価もたくさん含まれていて、通常のうるち米と赤もち米を2:3の割合で炊くとおいしいんだそう。
野菜や山菜の料理がたくさん使われていて、比較的薄味でヘルシーなのが原住民料理の特徴。台北や高雄などの都市部ではなかなか味わえない食材も多いので、ぜひ知られざる原住民料理の世界を味わってください。
名物は日本統治時代の宿舎群とアイスクリーム「花蓮觀光糖廠」
さて、いよいよ「台湾好行 縦谷花蓮線」に乗って旅に出ます。光復駅からさらに南下してたどり着いたのは「花蓮観光糖廠」。元々製糖工場があった場所です。
日本統治時代に台湾の主要産業の一つであった製糖業。1921年に塩水港製糖によって建設されたこの製糖工場も2002年まで操業を続け、台湾の経済を支え続けていました。
園内には製糖工場の建物が保存されているだけでなく、かつてサトウキビを運搬した貨車や職員が暮らした宿舎群が残されていて、工場というよりも一つの大きな町といったところ。それだけ工場の規模が大きかったことを今に伝えています。
ちなみに、日本家屋の宿舎群は、宿泊施設として一般人の利用が可能です。古めかしい外観ですが、しっかりと修繕されているだけでなく、きちんと維持もされていて清潔。浴室も現代風にリフォームされているので、衛生面での不安もありません。
ガラス窓横に設置された雨戸や、その下の外壁に設置された互い違いの網戸など、純和風の建物が台湾で残されていて、しかも泊まることができるというのは印象深い思い出になるはずです。
そして、名物のアイスクリームも忘れないでください。来場者の期待に応えていたら、いつの間にか50種類以上に達してしまったというフレーバーの多さが自慢です。一番人気はアズキミルク。タイから輸入したドリアンを使った濃厚アイスも根強いファンがいるそう。若者にはチョコミントが好評なんだとか。
製糖工場は台湾各地にあり、どこでもアイスクリームが名物として売られていますが、実はこれらのアイスクリームは各製糖工場が独自に作っているんだとか。なので花蓮の味は花蓮だけでしか食べられません。過去に別の製糖工場を見学したことがある人は、食べ比べてみては??
花蓮観光糖廠のすぐ裏手にあるのが「拉索埃生態園區」という公園。元々果物や野菜を栽培している農地だったのですが、敷地内6カ所に澄んだ水が湧き出る泉があり、台湾でも珍しい水草が生息するなど優れた生態系が見られるため、個人が運営する公園にもなっています。入園はなんと無料。これはどんな野菜なんだろう、どんな果物が生るのかななんて考えながらお散歩すると楽しいです。
そして、ナビがとっても感動したのはこちらの泉。「藍の涙」という名前が冠された泉なのですが、地質に石灰の成分が含まれているため、湧き出た水がエメラルドブルーに輝いて見えるんです。晴れの日にはもっと鮮やかだというのですが、どんより曇りだったこの日でも十分に神秘的な色を見せてくれました。
ちなみに、敷地内には人が乗れるサイズの模型飛行機がありました。なぜこんな農業区域にこんなものがあるかというと、実は日本統治時代末期に特攻用の臨時飛行場「上大和飛行場」が建設されたからなんです。滑走路は幅6メートル、長さ1400メートルで建設には地元の小学生も勤労奉仕として駆り出された記録が残っているそう。戦後はすぐに農地に戻されたため、痕跡を残すものは何一つなく、地元の人でも詳細を知る人はいないらしいのですが、日本統治時代の記憶をここに伝えています。
再び台湾好行「縦谷花蓮線」に乗り込んで、鯉魚潭を目指します。ナビで何度もご紹介したことのある花蓮県有数の名勝です。
面積104ヘクタール。周囲4キロの湖で、ボートを濃いでまったりするもよし、湖畔をサイクリングするもよし、時間がなければ、モーターボートで湖周辺の自然を観察するミニツアーもあります。また、4~5月にはカエルが、3~11月にはホタルが観賞できるスポットとしても知られていて、家族みんなで楽しめます。
また、バリアフリーに配慮して、足の不自由な人でも楽しめるカヤック乗り場が整備されました。台湾好行「縦谷花蓮線」もバリアフリー対応なので、ぜひ合わせて楽しみたいですね。
移民村の心の拠り所「慶修院」で日本統治時代に思いを馳せよう
続いては花蓮県吉安郷にある「慶修院」に足を運びます。こちらもナビで何度もご紹介したことのある観光スポットです。
日本統治時代に移民村があった吉野村。徳島県吉野川周辺出身者が多く暮らしたことから「吉野」という名前がつけられたことは多くの人に知られていますね。慶修院の場所は当時、真言宗高野派によって建てられた「吉野布教所」があった場所でした。決して楽な暮らしではなかった移民たちが、心の拠り所としていた慶修院。今ではたった70年前まで多くの日本人が暮らしていたなんて想像がつきませんが、台湾の歴史の一ページに触れられる場所でもあります。
弘法大師が開いた四国八十八ヶ所の霊場を模した石仏が並べられている姿は圧巻です。きちんとお参りすれば実際に四国に行かなくてもお遍路をしたことと同じご利益があるとされているので、興味のある方はぜひ台湾で挑戦してみてください。
たくさんの野菜がモリモリ食べられる絶品養生鍋は絶品
さて、最後は「櫻之田野養生野菜鍋」で食事です。ここではたくさんの旬の野菜を好きなだけ食べることができる薬膳鍋が人気なレストラン。健康志向のあなたにきっと満足してもらえる料理が食べられます。
まずこちらの漢方がたくさん入ったスープは、テーブルに運ばれるや否や、蓮の花をその場で入れてくれる演出付き。つぼみの状態だったのが、スープに投入されるとゆっくりと花びらが開く様子は、ちょっと食事の楽しみを盛り上げてくれます。
ちゃんと食べられますよ~
そして名物の野菜食べ放題。この日は蘿蔓萵苣(ロメインレタス)、春菊、赤道櫻草(活力菜/セキドウサクラソウ)、菊苣(明菊/チコリー)、昭和草(ベニバナボロギク)、高麗菜芽(芽キャベツ)、地瓜葉(サツマイモ葉)の7種類の野菜が揃っていました。こんもりよそってもお鍋で茹でれば意外とたくさんの量が食べられます。
花蓮県吉安郷福興七街8号
(03)854-0366
http://www.038540366.com/bin/home.php
サイドメニューも充実。お腹いっぱいになること間違いなし
花蓮に泊まるなら駅前で超便利なホステル「洄瀾窩青年旅舍」がお薦め
宿泊施設を探す際、便利なロケーションの場所に泊まりたいと思う人も多いと思います。特に花蓮ではタクシーがなかなかつかまらないなんてことも……。そんなあなたにお薦めなのは、花蓮駅から徒歩3分の「洄瀾窩青年旅舍」。「え、ホステル?他人と相部屋はちょっと」という方もご安心を!実はシャワートイレ付きのプライベートルームだって用意されていて、あらゆる旅行者のニーズに応えられるようになっています。
また、花蓮に留学中の外国人学生らが多数アルバイトしていて、さまざまな言語でコミュニケーションが図れるんだとか。花蓮で国際交流なんても楽しそうですね。
こちらはダブルベッドが二つある最大4人で寝泊りできるプライベートルーム。ホステルといいながら、アメニティは無料でついてくるし、台湾の低価格帯宿泊施設では珍しく浴槽のある部屋も!友達同士はもちろん、家族旅行でも使えてしまえるホステルはとても魅力的です!
駅に近いので、到着後すぐに荷物を預けて身軽で遊びに行けるし、帰りの電車や飛行機の時間ギリギリまで荷物を預かってくれることもできるので、使い勝手よいことこの上ありません。
各階には宿泊客が自由にメッセージを書き込める地図に、花蓮を代表する名所のトリックアートもあってホステルの中でも楽しく遊べちゃいます。1階には台湾のクラフトビールが飲めるバーもありますよ
多くの台湾人が「定年退職後に移住したい」と語るほど、自然豊かでご飯もおいしく、自分らしいスローライフが送れる花蓮。台北からは鉄道なら約2時間、飛行機ならわずか40分で到着してしまう、意外に近い立地にあるので、気軽に訪れることができます。
花蓮には今回ご紹介したスポット以外に、太魯閣峡谷や大東門夜市など、魅力的な場所がまだまだたくさんあります。台湾好行を使って、花蓮を遊びつくしてくださいね。
以上、台北ナビがお伝えしました!